「みずのいろ。」ネタバレ感想です。

冲方丁先生の「天地明察」のコミカライズで有名な、槇えびし先生の10年分がつまったBLです。

ページ数も300ページ近いですが、ただ分厚いだけじゃなくて中身のある厚さにずっしりと10年の重みを感じます。安心安定の画力に読みごたえも十分でした。

少ない色使いの表紙に気を抜いていると、この重厚なお話に骨抜きにされるかもしれません。

みずのいろ。

みずのいろ。

みずのいろ。



一応、少しでも作品の内容に触れて感想を書いているので知りたくない人のために「ネタバレ」と記しましたが、なるべくネタバレなしで(先入観なしで)読むほうが、いい意味で後に残る作品になるかもしれません。

という断り書きをしておきます。


無秩序で危険な街「天国」を舞台に、トラウマを抱えた殺し屋の世都(セツ)と一緒に暮らすのは、記憶が欠如している少年・礼夏(リーシア)。

そこへ現れる世都を良く知る男・ロマネ。このロマネの登場により、お話は一気に展開していきます。ロマネはかつての世都の恩人であり元恋人でもありました。

ロマネによって明らかになる世都の傷や哀しい過去。かつて世都が手にかけた礼夏(リーシア)。そして礼夏の記憶も蘇っていきます。

もうひとりの少年・礼夏(シン)とロマネ、世都を想う2人の男と世都の望みとは。。。

最後に、世都はロマネのことを忘れている様子ですが、ロマネにとってこれはあまりにも辛いなあと切なくなりました。

しかし世都には礼夏が必要で。うーん、なんとも報われないロマネが不憫です。


ビジュアル的には礼夏が少年と子ども枠、世都は薄幸の美青年枠、ロマネは髭のおじさま枠という、見せ方の住み分けはきっちりされています。

キャラが立っていたので3人とも好きですが、その中でもロマネがだいぶ不憫に思えて、ロマネと世都のエロも少しだけどあっただけについついロマネに肩入れして読んでしまいました。

世都がロマネを想っていたのは事実だと思いますが、しかし礼夏への愛(執着)も確かなもので、なにより世都を救えるのは礼夏だけしかいない。

世都にとってはいったい何が幸せだったのか。考えれば考えるほど、やっぱりロマネが哀れに思えてしまいます。


ラストがハッキリキッパリ明瞭な描写ではなかったので、その点では賛否両論あるかもしれません。私は希望の持てる結末だと前向きに捉えましたが、人によっては微妙な気持ちになってしまうかも。

槇えびし先生の「天地明察」も読みましたが、時代物の「天地明察」に負けない厚みのあるお話で引きこまれました。

先生、まだBLを描いてくださるかな。いろんなBLをこれからももっともっと読みたいです。

1冊のハードカバー小説を読んだような、壮大な映画を1本見終えたような、足元から満足感が湧き出てくるような余韻にひたれる作品です。

難解な内容ではないので読みやすいとは思いますが、時間のないときにはお勧めできないかなあ。

時間をとってさあ読むぞと気合いを入れて読むにふさわしい、しっかりめのシリアスなBLです。

この結末はどういう意味だろう、人生って、幸せって何だろうなどと考えさせられて、読み応えたっぷりでした。

ちょっと分厚い(内容的にもページ数的にも)お話を読みたい気分の方や、サンプルの世界観が大丈夫で続きが気になった方にお勧めです。

【Renta!】みずのいろ。槇えびし

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槇えびし先生のその他作品。

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きみにあげる。

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