憂鬱な朝39話の感想です。キャラセレクション11月号掲載の最新話の感想になります。

憂鬱な朝7巻は発売日が11月25日(金)に決まりました。いつも見とれてしまうような美しい表紙もまた楽しみです。

39話はここまでの憂鬱な朝至上、一番甘くて愛に満ち溢れていて感動しました。暁人が初めて憂鬱じゃない朝を迎えたといってもいいんじゃないかな。

前回までのギスギスしたシリアスな展開が嘘のような全体的に温かくて甘くて穏やかな雰囲気に、暁人と桂木の絆がいっそう強固になったようで感無量です。

前回38話の感想はこちら。(ネタバレしています)

憂鬱な朝38話 ネタバレ感想

それでは以下、キャラセレクション11月号「憂鬱な朝」39話の感想です。コミックスの7巻に収録される内容になりますので、ネタバレ不要の方はどうぞお気をつけください。

キャラセレクション11月号


キャラセレクションは残念ながら電子書籍化されていません。早く電子配信されるようになることを祈ります。



憂鬱な朝7巻 電子書籍


追記)7巻が発売されました。


憂鬱な朝39話 感想 ネタバレ含む


キャラセレは2ヶ月に1回発売の雑誌なので待つと長いんですが、39話の憂鬱な朝は50ページという大ボリュームだったので読み応えはたっぷりでした。

漫画はページ数よりもその内容のほうが大事だと常々思ってはいますが、それでもこれだけのページ数を1回の連載で読めるのはやっぱり満足感が違いますね。

三等席で鎌倉の別邸へ向かう桂木


前回、鎌倉の別邸で再会した桂木と暁人。

小雨の中で暁人が飛びついてキスをして…という流れだったのでエロから始まるのかと期待、いや妄想していましたが残念ながら冒頭Hはおあずけ。まずは桂木の回想からスタートです。

石崎紡績の経営権を無事にとり戻したあの後、桂木は鎌倉へ向かおうとしますがあいにく明日のぶんまで切符が売り切れ。

三等席なら用意できると駅員に言われ、快適ですよという口車に半分乗せられるように仕方なしに三等席のチケットで列車に乗ります。

ですが桂木にとってははじめての下等席。人と荷物でごったかえしたすし詰め状態の列車内は、蒸し暑くて匂いも臭くてとても快適と言えるものではありませんでした。ハンカチを口元にあてて「どこが快適だ」と内心文句をつける桂木。

桂木って基本的には身だしなみも言動もいつも小奇麗にきちんと整えていて、こういう雑多で庶民的な雰囲気や場所にはまったく免疫がなく苦手そうです。

そういう意味では暁人のほうがいい意味で大ざっぱで環境に順応しやすい体質なのかもしれません。でも桂木はそんな三等席であっても、明日を待たずに暁人のところに一刻も早く行きたかったんですよね。

紡績工場の件での緊張感のあるやりあい、小ふさの件では石崎の息子の総一郎に追い出され、心身ともに憔悴しきった桂木が求めたのはやはり暁人でした。

決して良い感情を持たない鎌倉の別邸であっても、そこに暁人がいるのなら複雑な感情はいったん横においてでも出向いていく。桂木にとっては暁人の存在はひとつの拠り所でもあるのでしょう。

混雑した三等席の車内で大荷物のおばあさんに席を譲り、汗だくになってトランクを持って車外に出る桂木。列車の煙で服も髪も乱れ、自分がらしくないことをしているという自覚はあるようです。

高之の計らいによってまとまった騒動


桂木が石崎家で荷物をまとめているとき、石崎がやってきて紡績工場の件は桂木の勝ちであることを認めていました。

どうやら「喧嘩腰にならなくても互いに利益を得る策がある」と前回言っていた桂木の兄・高之がうまく間に入ってまとめてくれたようです。

石崎は息子の総一郎が大局を見据える力のない子どもで、女や友達を優先しようとすることを苦々しく思っていますが、桂木はそんな総一郎の気持ちがよく分かります。

総一郎はけして間違ってはいません。とても人間味のある男なんですよね。だからこそ見合いがどうなるのか、小ふさとはもう会えずじまいなのか気になってしまいます。

鎌倉奥地の立派な日本家屋の別邸


やっとのことで混雑した列車を降り鎌倉に到着するも、駅から鎌倉邸が思った以上に距離があることに驚く桂木。

街灯もなく星も見えなそうなこんな寂れたところを、先代は足しげく通っていたのかと胸中複雑な面持ちです。この鎌倉の別邸は暁人が生まれた場所でもあります。

別邸とはいえかなりの敷地面積を誇り、古き良き日本庭園をもつ日本家屋なのでしょう。門番もいて、門からお屋敷までが遠いというとても立派な邸宅です。

結局桂木はこの後暁人と庭で再会するわけですが、世話人の田村に教えてもらった抜け道を通ってあの縁側にたどり着いたということだったんですね。感動的な再会シーンの裏には田村さんのナイスアドバイスがあったようです。

雨に濡れてしまったのでお風呂に入る桂木ですが、どうやら暁人と再会した後2人して雨戸と格闘したらしく、田村はあきれ顔です。また雨戸が外れてるんじゃないかとぼやく田村さんがなんだかかわいいです(笑)

田村の言葉に動揺する桂木


暁人は自分自身の身の回りのことなら問題なくできますが、他のこととなるとまだまだのようですね。幼少期から使用人に囲まれ子爵というポジションにいたから、生活上のこまごまとした雑事には手馴れないのでしょう。

久世家を出た後のことは桂木も気になっているようで、田村に様子を伺いますが思った以上に雨宮がうまくやっているらしく田村も笑顔で桂木にまた会えて嬉しいと告げます。

お風呂に入っている桂木と田村さんのこの会話のシーン、けっこうほっこりしていて好きだなあ。あっもちろん田村はお風呂には一緒に入ってませんよ(笑)脱衣所で浴衣の用意をしてくれています。

自分の今夜の部屋を尋ねた桂木に田村は、暁人が暁人の続きの部屋を用意したと伝えます。それを聞いた桂木がお風呂の中で派手に滑った(?)みたいで何だか微笑ましいです。

田村さんはどこまで知っているのでしょう。薄々勘付いていても、デキる世話役は見て見ぬふり、知って知らぬふりもお手の物でしょうね。

得意分野が違う暁人と桂木


お風呂から上がった桂木は用意されたという2階の部屋へ向かいます。そこには当然暁人が待っていました。2人とも浴衣姿でくつろいだ雰囲気なのがいいですね。お風呂上りというのも色っぽいです。

桂木の姿を見て嬉しそうな暁人。穏やかな笑みをたたえながら窓辺で桂木を待っているその優しい表情もステキです。

トランクを片づける桂木ににじり寄っていって、桂木の首筋の匂いをかいで甘える暁人がかわいいです。畳を這うようにしてじりじり近づいていくところとか、早く桂木に触れたくてたまらないのでしょう。先ほど庭先で抱きしめたとき、暁人は桂木が汽車の煙の煤(すす)の匂いにも気づいていました。

三等席の車内を思い出す桂木ですが、暁人が三等席も楽しかったというのを聞いて眉をひそめます。ちょっとスネたような態度も、いつもツンな桂木がちょっとデレかけたようでときめきます。

やはりそういう意味でたくましいのは暁人の方なのかもしれません。どんな状況もわりと受け入れて楽しめるダイナミックな才能や好奇心というものは、暁人のほうが高いのではないでしょうか。

桂木の得意分野である金儲けや財界での水面下のかけひきなどとは違い、暁人のそういった良い意味で流れに身を任せて場を楽しむような姿勢や、身分へのこだわらなさなどの子爵然としないところは、大きな魅力のひとつでもあります。

甘える暁人と桂木の甘い雰囲気…


桂木は甘えてくっついてくる暁人を肘でおいやりますが、そんなやりとりさえも愛を感じてしまう甘い雰囲気。やっと再会できてガードがゆるくなっているんですね。

紡績工場の件がうまくいき、この先は桂木家が日本一の紡績工場を経営することになると聞いて嬉しそうな暁人。暁人の目には今回の紡績工場の件は、桂木がはじめて久世家や暁人にとらわれずに自らの意思で動いていたように見えていました。

誰かに動かされている、誰かのためというよりは自分を優先して自分の成し得たいことをしてほしい。暁人は桂木が今後もそうであってほしいと願っています。

桂木智之にしかできないことをしてほしい。何事にもとらわれずに進む桂木を見ていたいと望む暁人は、桂木が自分の指針になっていると明かします。桂木に置いて行かれないように自分も頑張る、と告げる暁人の思わぬ告白に少し照れたような桂木。

しかしそんな桂木も、実はずっと暁人ならこういう時はどうするだろうかと壁にぶつかるたびにずっと考えながらここまでやってきたのです。暁人の足をつかんで押し倒す桂木。でたー!桂木の反撃のターンです。ツンがデレた時の破壊力ってすごい。

自分一人ではできなかった、暁人がいたからここまで進むことができたと告げる桂木に、仕返しとばかりに反転して押し倒し返す暁人。

あーなんかもうここの2人、じゃれあっているような遊んでいるような、甘くて優しい時間が流れていて幸せすぎます。煤の匂いに気を取られる桂木をぎゅうううっと抱きしめる暁人が心底桂木を愛しいと思っているのがよく分かります。

濃密な大人の時間


そんな暁人に「同じ石鹸の香りがする」とその頬にふれて穏やかに微笑む桂木もまた、いつも以上に暁人のことをとても大切に想っているということが伝わってきます。桂木の安心したような穏やかで優しいまなざしに真っ赤になる暁人。

キスをくりかえして大人の時間がはじまりました。浴衣でHってなんでこんなにエロいんでしょうね。なんかもう遠い目になってしまいます。鎌倉邸のこの和室の天井になりたい今日この頃です。畳でもふすまでもいい。

我慢できないから一度出したいと言う暁人に、桂木は向かい合って触りあい暁人は溜まっていたようで2回も先にイッてしまいます。ぐったりしている暁人の髪をなでる桂木が優しくて暁人も満足げです。

雨の音で声もかき消されるのでちょうどいいですね。と思っていたらムクっと起き上がる暁人。2回もイッたけれどまだまだ満たされない様子です。

本当は桂木が疲れているだろうから今日はすぐにでも眠るつもりだったのに、桂木があんなにも優しく笑顔を向けてくれるから我慢できなくなったと息が荒い暁人。がっつくのもここまでの経緯を思えば仕方ないことでしょう。

私を朝まで寝かせなければいいでしょう


お互いの出したものを桂木のうしろに使ってほぐす暁人がエロいし、感じている桂木もそれ以上にエロいです。2人だけの世界に漂う甘美な空気。甘くて幸せなエロは世界を救うんじゃないかと本気で思ってしまいます。

お口でご奉仕する暁人は「いなくならないって約束して」と切なげな表情でお願いします。

いつも朝になるともう隣にはいない桂木。朝が来る前に遠くに逃げてしまうから、ちゃんと話したいことがあると懸命に告げる暁人はいつも寂しかったことでしょう。

「返事してくれなきゃ動かない」とかわいいいじわるをする暁人。なかなか「うん」と言ってくれない桂木にじりじりしています。

ツンでクールな桂木はそうそう簡単には返事をくれません。だけど「そんなに不安なら私を朝まで寝かせなければいいでしょう」と、桂木が愛情100%の返事をくれました。

まさか桂木からそんなセリフを聞くとは思いもよらず驚く暁人はちょっと悔しそうです。ズルい。

こういうところは本当に桂木もズルいし、そんな桂木がより愛しくて勝てないのは暁人の弱さなのか強さなのか…。結局は「ずるいけどそれでもいいよ」と一晩中愛し合ったのでした。

逃げなかった桂木


そして翌日。いつものように遅くまで寝ていた暁人が目覚めて横を見ると、やはり桂木の姿はもうありません。部屋の片隅にある桂木のトランクを見て、約束を守ってくれたことに安堵する暁人。

もう昼過ぎのようで、田村に桂木の服はしばらくの間あずかるようにと伝えています。しかも靴も隠しておくように頼むという用意周到っぷり(笑)たしかに靴をかくされたら逃げようがありませんね。

暁人としては、束の間かもしれないけれど気持ちが通い合った夜を過ごし、自分が生まれたこの生家で一度きちんと桂木と向き合い話をしたかったのでしょう。

いっぽう桂木は、この大きくて立派な別邸内にある素晴らしい日本庭園を見て、先代とのやりとりや昔のことを思い出します。先代には「久世家にはお前さえいればいい」とまで言われていた桂木。だけどそれは暁人の誕生によって崩れ去ってしまった。

そんなことを思い出していると、そこへ暁人がやってきます。「どうして僕は起きられないんだろう」とため息をつく暁人ですが、柔らかい日差しと共に隣り合って縁側に座る2人の間には優しい空気が流れています。

暁人がちょっと照れているのもかわいいですし、桂木のラフな格好もここでのゆっくりとした時間の流れを感じさせます。そっとキスをして夢のようだとつぶやく暁人。夢ですよ、とリアリストな桂木は返し、そう長くは一緒にいられないことをも伝えます。

暁人もそれは心得ているのか穏やかな表情のまま手を重ねて、話そうとします。が、黙っていたことが多すぎて何から話せばいいか分からないようで戸惑っています。

そんなところで憂鬱な朝39話は終了でした。

感想まとめ


今回の39話では甘えたり甘えられたりとひたすら甘い時間が流れていてすごく幸せな気持ちに浸れました。

こんなに甘かったのは初めてなんじゃないかなと思えるくらい愛に溢れた時間を過ごしていたと言ってもよいのではないでしょうか。

ずっと読んできてこんなに幸せな気持ちになったのって本当に久しぶりというか、今までは2人が身体を重ねてもどこか重苦しい空気がまとっていたのが今回はそれがなくて、不思議なくらい穏やかで優しい気持ちになれました。

紡績工場のことはこれからが人を育てていく大変な時期でしょうし、暁人と桂木の関係もまだまだ安泰というわけにはいきません。

しかしこうして暁人の生家である鎌倉邸で抱き合い話し合えるという状況にまで至ったのは、ひとつターニングポイントになったんじゃないかな。

桂木の変化と共に少しずつ歯車が噛み合いだしたような前回38話に続き、今回39話は暁人と桂木の関係が気持ちの部分でより深まったと考えられます。

この美しい鎌倉の別邸でこの後、暁人は何を語るのでしょう。物語も終盤に差し掛かってきたと考えてよいのでしょうか。

BLの時代物でシリアス路線で7巻まで続くというのはすごいことではありますが、そろそろ暁人が今後のことをどう考えているのかもぜひ知りたいところです。

40話では今後の身のふりかたも含めて暁人の本心が分かりそうですね。次回のキャラセレクション1月号は11/22(火)発売です。

1月号は高久尚子先生の「僕はすべてを知っている」が巻頭カラーで表紙は憂鬱な朝です。日高ショーコ先生のカラーイラストが大好きなので楽しみです。

40話も首をながーくして待ちたいと思います。ではまた40話の感想でお会いしましょう。

追記)40話の感想を書きました。

憂鬱な朝40話 ネタバレ感想

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