囀る鳥は羽ばたかない23話の感想です。4巻の続きの5巻収録分の感想になりますのでネタバレNGな人はお気をつけください。

23話の感想をひとことでいうと、ふんぎゃああわわって感じです。もうねゴロンゴロンとかしてる場合じゃないですよ。したけど。

未だかつてないほどに私にも矢代にも百目鬼にも動揺が走った23話でした。きっと23話を読んで動揺しないのはヨネダコウ先生だけだと思う。読者もキャラも動揺させるとかすごいわ。

七原の件が一段落つき百目鬼の部屋で静かな時間を過ごす矢代と百目鬼。甘い雰囲気が漂う中、矢代はとうとう百目鬼のイ○ポが治っていることに気づきました。せっかくだしセックスするか、と軽く誘う矢代に百目鬼の返答は…というところまでが22話でした。

参考までに22話を含む4巻の感想はこちらをどうぞ。ネタバレ注意です。

囀る鳥は羽ばたかない4巻 ネタバレ感想

イァハーツ11月号で4巻の続きが読めますが巻頭カラーにふさわしく矢代と百目鬼の関係が大きく動いた23話です。一通り転げまわった後、再読するにあたっては崇高なお話に思えてきて正座して読みたくなるような、そんな23話でした。

イアハーツって雑誌の発行部数が多くないのか、はたまた囀る効果なのか、本屋さんに置いてある部数がいつもわりと少ないような気がします。

私は帰り道にあるいつもの大きな本屋さんでゲットしましたが、今月号は特に平積みがぐっと少なくなっていて、ツイッターでも「本屋さんにない!」と言っている人をちらほら見かけました。

今回は4巻の続きが読めるということもあると思いますが、やはり勢いがすごいですね。4巻のラストがあの終わりかただったから、どうしても続きが気になって本誌を買うという人も多そうです。お気持ちお察しします。

それでは以下4巻の続きの「囀る鳥は羽ばたかない」23話のネタバレ感想です。

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電子版は2017年1月12日までの期間限定配信です。※現在は配信期間が終了しています。単行本を待ちましょう。

囀る鳥は羽ばたかない23話 感想 ネタバレあり


巻頭カラーですが扉絵が、扉絵が!学生服姿の高校時代の矢代と、その隣にはいるはずもない若き日の百目鬼の2ショット。これが何を意味するのかは23話の中で矢代によって語られるというニクい演出です。

腹を立てて苛立つ矢代


せっかくだしセックスするか、という矢代の冗談なのか本気なのか分からないようないつもの軽い口調に、百目鬼はうつむきがちに「したくありません」と静かに拒否します。

それを聞いて唐突に吹き出して爆笑する矢代。こんなにも下半身を反応させておいて何を言っているんだということでしょう。笑ってため息をつきながら百目鬼を押し倒し馬乗りになる矢代に、百目鬼は戸惑っている様子です。

自分を抑えつけていたときにどう思っていたのか、ずっと興奮していたんだろうと百目鬼に問いかけながら、同時に内心腹を立てる矢代。なぜこんなにも腹が立つのか、矢代はそんな自分に驚いてます。

矢代だって百目鬼にいろんなことをされてからというものの思い出しては身体がうずいていたし、もう一度して欲しいとも思っていました。なのに今こんなにも腹を立てている。

何に対して腹が立っているのか分からない矢代は、百目鬼に馬乗りになりながらぐるぐると考えています。自分で自分の感情がどこからきているものなのか分からないというのは、確かに不可解で気持ちのいいものではありません。

百目鬼が自分の世話をするふりをしていたことに腹が立っているのか。自分に興奮していたことに腹が立っているのか。「したくない」と言われたことに対して腹が立っているのか。

本音を口にしてしまった百目鬼


馬乗りになった矢代に対し、百目鬼は両腕で自分の目元を覆います。目は口ほどにモノを言うといいますが、百目鬼はできる限り本音を隠してきたしこれからもそのつもりだったはず。

なのに矢代に馬乗りになって責められて、絞り出すように口を開いてしまいます。

矢代を尊敬していること。ずっとそばに置いてほしいと思っているということ。しかし抑えがきかなくなり矢代に対してそれ以上の気持ちを持ってしまっていること。矢代自身に今どうしようもなく惹かれていること。

すみませんと謝りながら告げる百目鬼に、矢代はその言葉の内容を完全に理解していないようです。腹を立てている自分をおさめるためにもセックスをと考えているのでしょうか。矢代は投げやりにも見える態度で言葉を重ねます。

妹や父親のことを思い出すからできないのか?と、なおも百目鬼を傷つけずにはいられない矢代。父親と同じように抑えつける方が好きなのかと、百目鬼にとって辛辣な言葉を投げかけます。

父親と同じとはっきり言わないまでも、百目鬼が勃たなくなったのは父親の一件があったからでいわば百目鬼にとってはトラウマです。

その父親と自分を重ね合わせるように語られるのは、百目鬼にとっては本来は不本意で不快なことでしょう。百目鬼とあの最低な父親は違う人間です。

覆っていた手はそのままに、ショックを受けたような百目鬼の切なそうな目にわずかながら動揺する矢代。しかし百目鬼は矢代に反論することもせずにその言葉を受け入れました。

あの事件は父親のために百目鬼の人生の歯車が狂った瞬間で、家族を含めて事件のことはもう思い出したくもない辛く悲しいこと。

なのにそれを、他でもない矢代に匂わすように語られてしまった。百目鬼の下半身は矢代の言葉によって萎えてしまいます。

動揺している自分に気づく


矢代は平静を装って、萎えてしまった百目鬼の元を離れシャワーを浴びようと浴室へ向かいます。

がしかし無意識に服を着たままシャワーを浴びてしまい、らしくない自分の行動に自分がひどく動揺していること、パニックになっていることに気づく矢代。

そのまま浴室にしゃがみこんで冷たいシャワーを浴びながら、先ほどの百目鬼の言葉を反芻します。そしてふっと先ほど百目鬼に言われた本音を、自分に特別な感情を持っているというあの言葉を思いだしました。

いっぽう部屋に残された百目鬼のほうは、自分が口にしてしまった本音によって矢代には捨てられるのかと、沈んだ面持ちで佇んでんでいます。が、シャワー音にハッとして慌てて浴室へ。

自分では服を脱ぐのすら不自由な矢代が、ひとりでシャワーを浴びるのは怪我の状態を見ても危険なこと。本来は安静にしているように影山にも言われています。

このところ七原のことや平田の動向に気が休まることもなく、全快してもいない身体に痛み止めを飲んでいる状態で、百目鬼が心配するのも無理はありません。

浴室にかけつけた百目鬼はずぶ濡れの矢代に驚きます。矢代のほうは百目鬼の言葉に茫然としたような、心ここにあらずといった表情でぼんやりと空を見つめていて…

こぼれだした矢代の気持ち


すると唐突に口を開き、お前は俺とは違うんだなと独り言のようにつぶやく矢代。矢代の目には百目鬼は自分と同じでどこか壊れてるというふうに映っていました。

「あいつ(影山)に似てたから」という矢代は、影山と自分が似ていると考えていた。似た者同士の影山に共感して惹かれ、そしてその影山に似ている百目鬼にも共感していた。

しかし影山のほうは高校時代から一貫して矢代に共感するものの、決して友人以上の存在として見つめることはありませんでした。

「漂えど沈まず、されど鳴きもせず」でもそうでしたが、影山は自分と同じようなどこか壊れた矢代を「かわいそう」と評し、壊れた似た者同士で憐れみあい共鳴するような目で見ています。

お互いに似たような感情で相手を見て共感していた影山と矢代。対して百目鬼は繰り返し矢代を「きれいだ」と告げ、影山とは全く違った目で矢代を見てきました。

かわいそうだという目で見る友人影山と、きれいだという目で尊敬以上の想いを見せる百目鬼。この違いは誰の目にも明らかです。

いずれにせよ矢代からのその共感は、百目鬼からするといわれのない共感ということになります。当然ですが最初から影山と百目鬼は違う人間であり別々の存在なのですから…。

似ていると思っていたのは間違いで、本当は百目鬼は自分にも影山にも似ていなかった。きっと最初からどちらとも違っていた。矢代は百目鬼が、影山とは違う目で自分を見ているということに今さらながらに気づきます。

優しいキス


さらに溢れ出すように言葉を重ねる矢代。手離さなきゃいけないのに、手離したくないと思うようになっていたこと。

百目鬼をかわいいと思うと同時に怖いと思うこと。百目鬼が怖いのではなく、百目鬼を失くせなくなくなる自分自身が怖いのだということ。

心の奥底にあった気持ちを吐き出した矢代の前に膝をついて涙する百目鬼は、座り込む矢代を震える手でそっと抱きしめました。

そのまま唇を重ねる百目鬼に、矢代は戸惑いながらもそれを受け入れて…というところまでが23話でした。

囀る鳥は羽ばたかない23話 感想まとめ


きゃーきゃーきゃーもう終わり!?何回めくっても次のページは4巻の宣伝ページしかないことが悔しくて、また戻って最初から読み返すというのを繰り返してもう10往復くらいしました。

「尊い」ってこういうお話にこそ使う言葉だなあとしみじみ。ここまではぐらかすような態度だった矢代の揺れる本心に思わず流した百目鬼の涙の美しいこと…。

4巻まで矢代がアレなのでアレなシーンはしょっちゅうでしたが、囀るの中でこんなにも温かいキスシーンがまさか見られるとは思いませんでした。

ここぞという時に流れる男の涙が色っぽくて切なくて、ぐっと胸がつまるような思いで百目鬼の男泣きに見入ってしまいました。

百目鬼も父親のおかげで家族関係が崩壊してからようやく、心から大切だと思える他人を見つけたはいいけれど、相手が相手だっただけにここまで苦しい想いを抱えて生きてきました。

平田や竜崎から矢代を守れなくて不甲斐ない自分を責めることも、三角さんをはじめ矢代の周りの力と権力のある男たちに嫉妬することもあったに違いありません。

なによりも、コンタクトケースを筆頭に時折ちらつく影山の存在感、影山と一緒にいるときの矢代の言動を見て胸がざわつくことも少なからずあったはず。

そんな焦がれていた相手が、まさか自分自身を欲していて特別な感情を持っている。その事実を他ならぬ矢代の口から聞けたことで、安堵とまではいかずとも気が緩み涙した漢・百目鬼。

なんだか祈るような気持ちで見守った温かいキスシーンでした。矢代のほうも「ちがう」とか言いつつ拒否しそうになるも、結局は抵抗せずに受け入れています。

良かった良かった。もうこのまま2人で愛の逃避行に…いやそれはダメですね。まだまだなんにも解決もケリもついていません。

23話は5巻に収録されるので単行本派の人は期待して待ちましょう。5巻は1年後くらいかな。先は長いですがお楽しみに。

今回は2人の感情に焦点が当たり、お互いに気持ちを言葉にしたことで大きく動きました。特に矢代が饒舌でしたね。矢代がこんなにも揺れる気持ちを吐露したのって初めてです。

そしてそれは百目鬼の前だからこそ、というよりは言わずにはいられなくなってしまったということ。そこまで矢代が無意識にも百目鬼を求めていたということに他ならないのではないでしょうか。

誰かに対してままならぬ恋をして、何があっても言うつもりはないという気持ちを抱えて一生を終える人もいるでしょう。

ですが百目鬼と矢代はお互いに言わざるを得ないような状況に陥ってしまった。「陥ってしまった」と言うと何かいけないことのようですが、この2人の場合は決してそうではありません。

七原のことが一段落して、百目鬼の自宅で2人きり。平田や竜崎や組のことなど全てがまだまだ未解決で緊迫感を余儀なくされる中のつかの間の休息。

この安息のひとときに矢代は、百目鬼が自分に向ける特別な気持ちを知ってしまい、さらに自分自身の気持ちにも気づいて自覚したのでしょう。

百目鬼を失くせなくなる自分が怖いというほどにまで、矢代にとって百目鬼が大きな存在になっていた。大なり小なり誰かに影響を受けて生きているはずなのに、ここへきて矢代はいなくなることが怖くなるような人に出会ってしまったのです。

「お前が俺をおかしくした」と矢代が言うように、誰にも愛されず肉体の快楽を追うばかりだった矢代を、百目鬼の存在が変えてしまいました。

これまで誰にも怖いなどと感じたことはなかった矢代。

失うことを怖れる気持ちが自分の足元をすくうかもしれない裏社会に生き、特定の人を失うことに怖さを感じてしまっていることが吉とでるか凶とでるかは誰にも分かりません。

百目鬼が勃つようになったことが発覚するのも時間の問題だったでしょうね。自分がそばにいたのに矢代を守れなかったあの時から、百目鬼は次は守ると決めていました。

部下としてそばにいて守る。ですがその範囲にとどまらない感情を抱いてしまった。矢代は部下とはそういう関係にはならない、特別な感情を持ってしまったら切られてしまうという恐怖に頑なに気持ちに蓋をしてきた百目鬼でしたが、こちらも本音がこぼれてしまいました。

しかしそのことを機に矢代のほうもようやく感情を吐露することができて、2人の間にあった微妙な遠慮?という名の緊張感というか、その硬質な空気が解されたように思います。

矢代は影山にどこか自分と似たものを感じていてそこに惹かれて、その影山に似た百目鬼にも同質なものを感じ共感していた。

ですが百目鬼は自分にも影山にも似ていない、全く違う人間だということに気がつきました。似たものを見つめる影山の目とは違う目で自分を見る百目鬼を、戸惑いながらも失いたくないと感じている矢代。

ずっと影山の存在にある意味縛られるようだった矢代。矢代の気持ちは高校時代から動くことはなくそこにとどまったままでした。逆にいうと、それを動かすような人にはこれまで出会えていなかったということです。

そういう意味で百目鬼は、矢代が高校時代に涙を流したあの部屋から矢代を引きずり出した唯一の人といえるかもしれません。

さあ、この後どうなるか。まだ合体しないとは思いますが(ソコ!?)矢代と百目鬼の関係の変化がこの硬派で男くさい物語にとってどういう影響があるのか大変気になるところです。

いや、でも次回あたりで1回ヤッちゃうかなあ。で、その後百目鬼は矢代に突き放されるとか、そういう感じもありうるかも。

矢代が断腸の思いで百目鬼を自分から遠ざけるとしたら、そうされた後に百目鬼がどう出るのかも知りたいですね。

互いの感情を吐露して優しいキス、そしてハッピーエンドもう安心。というわけにはいかないのが、囀るという作品の骨太なところであり魅力でもあります。

ここまで甘い雰囲気を見せ我々をキャッフー☆と思わせておきながら、どん底に突き落とされる展開になるんじゃないかと早くも24話が気になりすぎてハラハラドキドキ。

お互いの本心を知ったからといって緊迫した状況であることはまぎれもない事実で、竜崎や平田の動きもまだもうひと波乱以上あるに違いありません。

矢代が打たれて重傷になったとき「次は必ず守る」と言っていた百目鬼の言葉が示すのは、次は百目鬼がピンチに陥るということなのか。その状況で矢代は何を思うのか。

銃が存在し簡単に人が始末される世界観である以上、今後はこの甘いキスをご褒美としながらも胃が痛くなるような展開が無きにしも非ずなのかなと、ある程度覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

七原のときでもかなり死亡フラグにハラハラしていましたが、もし今後百目鬼に何かあったら矢代がどうなるのか、どう出るのかも大変気になります。

今までのところ矢代が重症になったりはしたものの百目鬼と矢代が離れることはなかったですが、そういう展開もあるかなとか甘々な雰囲気の中で遠い目で思ってしまったのも事実です。

この2人の2ショットが好きなので離れ離れになるのは普通に寂しい…。でも離れたあとにどうやってまた一緒にいられるようになるのかという流れも、ヨネダ先生の筆力なら絶対おもしろくなりそう。

いったん離れた2人が関係を修復する場合、それまで以上にお互いの絆が強固になるというのは男同士の関係でも定石でしょう。

がしかし矢代たちの生きる男の世界は独特のルールが敷かれ、世間一般の常識が非常識であるケースが少なくない。

泣きたくなるような甘い空気に潜む今にも壊れそうな息詰まる関係。壊れてしまった関係を修復する過程における言動にこそ注目すべきかとは思いますが…

切ない妄想と想像とで頭がぐるんぐるんしていますが、とりあえず以上が23話の感想&考察もどきでした。

ダラダラと長い感想を読んでいただきありがとうございました。いつものことですがああでもないこうでもないと雑誌を行きつ戻りつしていたら、感想を書くのに4時間くらいかかってしまいました。

次回囀る鳥は羽ばたかない24話は11/30(水)発売のイァハーツ1月号です。年内にもう1話読めるのはすっごく嬉しいです。

ドラマCDの4巻も発売が決まりましたね。ヨネダ先生の書き下ろしの特別シナリオも収録されるということでこちらも楽しみです。

ではまた24話の感想でお会いしましょう。

追記)24話の感想を書きました。

囀る鳥は羽ばたかない24話 ネタバレ感想

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