囀る鳥は羽ばたかない28話の感想です。雑誌の最新話でコミックス5巻の感想になるのでネタバレにお気をつけください。

警察につかまった竜崎は、百目鬼の元を離れてやってきた矢代と10分間だけの逢瀬を楽しみます。互いに平然といつも通りにふるまう矢代と竜崎。

結局、竜崎が罪を一手に引き受けることでこの一件は少し落ち着いたかと思われた矢先、実は竜崎が平田に刺されて重傷を負っていたことが判明します。

平田は無事に回復傾向にある中で、竜崎の死亡フラグがまたむくむくと立ちあがってしまい…というところまでが前回27話でした。

囀る鳥は羽ばたかない27話 ネタバレ感想

それでは以下ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」28話の感想です。ネタバレ注意です。

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囀る鳥は羽ばたかない28話 感想 ネタバレあり


似た痛みを思い出す平田


病院で目覚めた直後に、竜崎がどうなったかを部下に確認する平田。どうやら竜崎は搬送先で意識不明の重体らしく新聞にも今回の騒動が掲載されていました。

平田の女のところから盗んだシャブをエサに、竜崎を警察にパクらせたのが矢代の仕業だということにも平田は気づいています。

竜崎に刺された傷の痛みにどこか懐かしさを覚える平田。実は平田は過去に似たような痛みを感じる事件を起こしていたのでした。

若き日の平田は若頭に就任した三角さんではなく、三角さんと張り合っていた(が相手にされていなかった)染谷という舎弟頭の下で働いていました。

舎弟頭とは、いわば後継者争いに敗れた落ち目のポジションです。平田は小物っぷりを発揮する舎弟頭の染谷のもとで使われ、言ってみれば貧乏くじを引かされた状態でいました。

ある日平田が染谷に言いがかりをつけられボコられる寸前のところへ、偶然三角さんがやってきます。当時の舎弟の黒羽根を引き連れてやってきた三角さんは、うまい具合に染谷から平田を引き離してくれました。

黒羽根は今の百目鬼のような立ち位置にいる人ですね。そういえばどことなく無骨な風貌も百目鬼に似ているような雰囲気があります。

三角さんとは15年もの付き合いの黒羽根


総会の運転手をさせるという名目で平田を救った三角さんは、そのころ頻繁に病院に通っていました。入籍した病気の奥さんのお見舞いです。以前三角さんが語っていた昔の女のことでしょう。

子ども(天羽さん)のために働きづめで身体を壊し、持って半年といわれていた奥さんを見舞う三角さんは、照れ隠しに誰も病室について来ないように念を押していました。「絶対くるなよ」ってそれはもう「来い」と言っているようなものですがw

そんな三角さんを「かっこいいだろう」と平田に自慢する黒羽根。「染谷に比べりゃ相当です」とか言っちゃう平田は、やはり染谷を尊敬できずに軽蔑していたのでした。

黒羽根は三角さんとは15年の関係で「あの人のことで知らないことはないかもしれないな」と言えるような仲です。

平田はどうして三角さんが染谷から助けてくれたのか疑問でしたが、黒羽根いわくそれは「三角さんの気まぐれ」」によるもの。

黒羽根が言うなら本当に三角さんの気まぐれだったのでしょう。それでも平田にとっては、その1回の気まぐれの優しさが三角さんへの思慕を深めるのに十分な機会だったに違いありません。

組じゃなくあの人のために生きたいんだ


黒羽根には、男と蒸発した姉の娘(トモちゃん)がいました。黒羽根としては本当はずっと若頭である三角さんのそばにいたいのは山々ですがまだ小学生の姪っ子をひとりにはしておけません。

トモちゃんと2人で小さなアパートで暮らす黒羽根は、たまたまその近所に取り立てに来て2週間車で待ち伏せしている平田を見かけました。

「どうして子分にならなかったんですか?」

2人になった車内で黒羽根に問う平田。三角さんは黒羽根を舎弟から子分にして後継させたがっていたのでした。

惚れてるからなあ心底。組じゃなくあの人のために生きたいんだ。

黒羽根の静かな口調に平田は言葉を返すことができずにいました。

それ以来、大きな仕事を成し遂げていく三角さんと黒羽根の噂を耳にするにつれ、染谷のところでくすぶっている平田の中に複雑な感情が芽生えはじめます。

あれ以来、黒羽根とはトモちゃんの世話を通して良い関係を築いていた平田。雷がダメなトモちゃんのことを頼まれて一緒に過ごしたりしていて、平田と小さな子供という絵ヅラがもう合成みたいでじわじわきます。

「お兄ちゃんの顔も怖かったよ。ピカッてなると顔半分が」

トモちゃん!やめてあげてw平田の顔が怖いのはデフォルトだよ。

黒羽根も大事な姪を預けるくらいなので、平田のことは信頼していたのでしょう。トモちゃんの言葉にプルプル震えて笑いを我慢していたり(微妙に我慢できてない)黒羽根家のほのぼのした雰囲気を知ると、この後の薄ら暗い展開が未だに信じられません。

天羽さんに父として寄りそう三角さん


しばらくして三角さんの奥さんのお葬式がしめやかに行われました。籍を入れたため大げさな葬儀になってしまったことを、隣りに座る天羽さんに詫びる三角さん。

三角さんからすると高校生の天羽さんは奥さんの連れ子にあたるので血のつながりはありません。

天羽さんはそんな三角さんに「自分ひとりでは右も左も分からなかった」と、母親のために葬儀関連の手はずを万事整えてくれたお礼を言いました。

チラ見せにあった学ラン天羽さんと頭ポンポン三角さんのシーンです。母親に先立たれ親戚とも疎遠になっていた中で頼れる父親としてふるまってくれた三角さんに、10代の天羽さんがどんな気持ちでいたかは想像に難くありません。

三角さんの息子というポジションに簡単に収まっている天羽さんを葬儀場の片隅から見つめる平田。その胸中はまた複雑だったことでしょう。

三角さんの片腕を折ったのは平田だった


そんな折、昔いざこざがあった元銀友会の連中に三角さんが脚を撃たれるという事件が起きます。黒羽根はその時そばにいられず、結果指を詰めるという形になってしまいました。

病院のベッドで「行くんじゃねえぞ」と黒羽根に声をかける三角さん。「俺が動けるようになるまで待て。女を泣かすな」とトモちゃんのことも口にして釘をさす三角さんに「ひとりでは動きません」と黒羽根は静かに答えました。

しかし黒羽根はたったひとりで三角さんを狙った元銀友会に乗り込みます。男として心底惚れている大切な三角さんを傷つけられ、じっとしてなどいられなかったのでしょう。

トモちゃんのことは平田に頼んでありました。平田はそんな黒羽根に「一緒に行く」と声をかけましたが「お前にはまだ先がある」とたしなめられてしまいます。

ひとりきりで組へ行った黒羽根の後を付けた平田が見たのは、黒羽根が全てカタをつけたあとの惨状でした。黒羽根の周囲に転がる死体を見て顔が引きつる平田。

「怖くなったか?気にするな」

黒羽根はそんな平田に声をかけました。

お前にもいつか命も惜しくないって思える時が来る。この人のためなら何も惜しくないって思える時がな。

いつも敬愛する三角さんのそばにいた黒羽根。自分には見せない顔を黒羽根には見せるであろう三角さん。

嫉妬と羨望で険しい表情の平田は、おもむろにナイフを手にして黒羽根に飛びかかります。黒羽根は平田の行動を予測できずに刺されてしまいますが、とっさに平田の脇腹を刺し返し一矢を報いました。

しかし時すでに遅し。そのまま黒羽根を殺した平田は「黒羽根と2人で元銀友会の連中をやった」と三角さんに虚偽の報告をしたのでした。

うわあ…平田さんって昔からこんな奴だったんですね。やり方がせこいというか汚いというか卑劣というか。でも嫉妬や焦燥感をどうしようもできずに持て余す感覚というのは分からなくもないかな。

要するに平田さんは恩義を感じている三角さんの力になりたかったけれど自分に力がないからなれず、思いを募らせるばかりでくすぶっているしかなかった。

三角さんとの信頼関係を築いている黒羽根のことを指をくわえて見ているしかなく、2人の関係が羨ましくてたまらなかったのでしょう。

惚れてたんだろ?


現代に戻って、矢代は竜崎に頼まれていた女を救出して影山医院に運び出しました。七原と杉本に百目鬼のことを問われ「捨ててきたからもういい」とあっさり告げる矢代。

ここで七原の後ろで目が泳いでいる杉本にじわじわきます。なんなのこんな時に!変な顔しないでよw

百目鬼から連絡がきても何も教えないように釘をさす矢代は、もう百目鬼には関心がなくなったようにふるまいます。

集団でヤられていた竜崎の彼女はピルを飲み今は鎮痛剤で眠ってるので、矢代はあとのことは影山に任せると頼みました。

「女は大変だな。男ならケツがちょっと切れるだけで済むのに」

「済まねえだろうがアホ」

これまで散々オモチャとして遊ばれてきた矢代のことも影山は見てきたからのセリフなのでしょう。矢代はそんな影山の言葉に何も言い返せずあさっての方向を見るしかありません。

右腕も動くようになった矢代に、百目鬼を本当に捨てたのかと問いかける影山。

惚れてたんだろ?

チラ見せにあった通りに矢代の目を見ずにいる影山の表情が読めないのがなんとも意味深です。

他の誰でもなく、お前が俺に突きつけるのか。

内心一瞬だけ動揺した矢代は、こちらを見ない影山の言葉に顔を覆って笑い始めました。

「あいつは雛鳥みたいなもんだ。ムショから出て一番最初に目にしたものに勘違いしてホイホイ付いてきたんだ。ただそれだけだ」

そう思い込もうとしているだけなのか、伏し目がちな矢代の背中はどこか寂しげで…というところで28話はおしまい。29話につづく。

囀る鳥は羽ばたかない28話 感想まとめ


平田は、心底惚れているのは自分だって同じなのに三角さんのそばにいるのがどうして自分ではないのだろう?という黒羽根への嫉妬心、さらには自らの現在の立ち位置への不満や焦燥感に追われるように黒羽根を手にかけたのでしょう。

男の嫉妬は見苦しいというけれど、こじらせた平田さんの嫉妬心はすごく分かりやすくて器の狭さというか懐の小ささを感じさせます。

三角さんの大事な人を消すことで、平田は黒羽根のポジションに自分が就きたかった。最後に三角さんに嘘の報告をして「勤めは俺が果たします(キリッ)」とか言ってますが平田の器ではそれも難しいでしょう。

冷静さを見失い自分の器の大きさを読み違える性質こそが、三角さんの将来の構想から平田が外れた原因のひとつなのではないでしょうか。

現代パートでの久しぶりの影山と矢代の2ショット。色恋方面には鈍感そうな影山の目にもやはり矢代が百目鬼に惚れていると映っていたんですね。だけど矢代は、かつて惚れていた影山にだけはその事実を突きつけられたくはなかった。

身体を重ねた後で矢代が手放してしまった百目鬼は、前回に続いて今回もまっったく出番なしでしたがまだ家で寝てるとかじゃないですよね?

早く出てきて矢代のそばにいないと!影山先生といちゃいちゃしてるよ!それに忘れ去られがちだけど影山のコンタクトレンズのケースも盗んでポッケに入れたままです。

天羽さんの学ランと若かりし日の三角さんが読めただけでも嬉しい28話でした。天羽さんが右腕になる以前のお話はとても貴重です。

三角さんは今も十分渋くてかっこいい男ですが昔もイケてたんですね。ビジュアル的には若さゆえの血の気の多さや多少の尖った雰囲気は感じさせつつも、どこかどっしりと構えている姿は今と変わりません。

28話までが11/30発売の囀る鳥は羽ばたかない5巻に収録されます。キリがいいのか良くないのか。最終的にどういう形になれば百目鬼と矢代が幸せなのかが分からず、着地点というか落としどころが読めないからハラハラドキドキします。

百目鬼と身体を繋いだところがひとつのクライマックスですが、それと平田がらみの問題とはまったくの別モノです。竜崎の安否も「意識不明の重体」のひとことだけで気になるし事態が沈静化するのはまだ先になりそうです。

次回は11/30発売のイァハーツ2018年1月号です。表紙はヨネダコウ先生です。11/30は囀る鳥は羽ばたかない5巻の発売日でもあるので、雑誌でちょうど5巻の続きが読めるということになります。

それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」29話の感想でお会いしましょう。

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どれもハズレなしです。



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