マガジンビーボーイ12月号「いつか君に殺される」後編の感想です。前後編で復活した桜日梯子先生の「君に捧ぐサディスティック」の倉本×響也カップル続編です。ネタバレにお気をつけください。

5年前、突然事務所を移籍して響也から離れてしまった倉本マネージャー。それ以来ずっと響也に会うこともなく多忙なアイドルグループ東京デルタをマネジメントしていました。

ある日の映画祭で倉本は東京デルタのリーダー広に迫っている俳優の存在に気づきます。芸能界ではよくあること。とはいえ所属タレントに手を出されてはかないません。

ところが止めに入った倉本が目にしたのは、パブリックイメージのままに悪い顔で振り向いた5年ぶりの響也の姿でした。前編の感想はこちら。

いつか君に殺される前編 ネタバレ感想

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いつか君に殺される後編 感想 ネタバレあり


相変わらずよく躾けてるんだな


広にちょっかいを出していたのは5年前に捨ててきたはずの三住響也でした。思わず黙って見つめあう、いや睨みあう倉本&響也。

倉本は手を振り払うとポーカーフェイスのまま、平然とした口調で響也に声をかけました。

「きみも来てたんだね、三住くん」

他人行儀な苗字呼び。響也のほうもそうくると分かっていたのでしょう。人を食ったような飄々とした眼差しで倉本を見つめます。斜めに構えた態度は演じているとは思えぬ自然体でした。

響也は次回作の監督に頼んで映画祭に顔を出したらしく、広にちょっかいを出したのも当然からかってみただけのこと。しかしピュアな広はちょっとショックを受けていました。

「邪魔が入らなければ本気になってたかも」

挑発するように広を抱き寄せる響也に、倉本はピリリとした空気で響也ではなく広に声をかけます。アイドルグループ東京デルタは恋愛禁止。マネージャーの目の前でそれを破ろうなんてとんでもありません。

倉本のタレント教育のたまものか、広は響也に謝って倉本のもとへと走りました。「グッバイ俺のラブライフ」とか言ってる広がアホかわいくて愛しいですw

相変わらずよく躾けてるんだな。

倉本にかなり懐いている様子の広を見て響也は意味深につぶやきました。

ひいい怖いよ怖いよー!響也はこの5年の間に何を思って生きてきたのでしょうか。自分以外の男が倉本に懐く姿を見て胸中穏やかではないはずです。

ヒヨコたちの中で一番ヤバそうな素直


するとそこへ倉本と広を探して東京デルタの残りの2人、源三と素直がやってきます。響也は勢ぞろいしたヒヨコたち3人に意味ありげなセリフを残しました。

「せいぜいマネージャーに手を出されないよう気を付けろよ」

ヘタをすると倉本を追いつめるようなギリギリの発言です。しかし倉本はスルーを決め込んでいました。5年ぶりの再会だというのに甘い雰囲気など微塵もないタレントと元マネージャー。2人の不穏な空気を察した素直が口を開きます。

「言ってる意味わかんないんだけど」

芸能界の先輩である響也にも物おじせず堂々と向き合う素直に、響也は「このヒヨコが一番ヤバそうか」とニヤリ。一触即発の雰囲気にその場は凍りついてしまいます。

「そのへんにしてくれないかな」

大事なタレントである素直に近づいた響也をやんわりと制した倉本。ここでの揉め事は誰にとってもメリットにはなりません。響也もそれは重々承知しているようであっさりと手を引きました。

東京デルタでは素直が一番しっかり者なんですね。前編でも倉本に健康診断を受けるように言っていました。リーダーは広ですがクールで落ち着いた対応ができるのは素直という役割分担のようです。

素直は響也が去った後も何か言いたげにじっと倉本を見つめていました。倉本もその視線に気づいていますが敢えて何も触れません。

素直だけが響也と倉本の関係をいぶかしがっている様子ですね。どのグループにも聡い子がひとりはいて、素直は倉本を心配している様子です。



誕生日に暗雲がまとわりついている倉本


レコード店に営業に出かけた帰り道、倉本に東京デルタの3人から誕生日のケーキを買ったからお祝いしたいとラインが入ります。

サングラスで変装してケーキ屋の前で撮った3ショットの写真も一緒に送られてきました。どうやら行列のできるケーキ屋さんに3人で並んで買ったようです。

写真の背後にファンの子らしき人だかりができているからサングラスは余計に目立つんじゃ…w日頃お世話になっている倉本への感謝のしるしとして自分たちでケーキを用意するとか、とてもいい子たちです。

無邪気な東京デルタの3人にふっと笑顔になる倉本。ふと昔響也にも大好物のモンブランをよく買ってあげていたのを思い出しました。

響也は公式ではドS設定なのでプロフィールにも好きなものは「タイカレー」とそれらしいことが書かれています。本当は甘いものが大好きなのにイメージが崩れてしまうから外では何も食べられないのでした。

倉本はそんな響也を甘やかすためにモンブランをしょっちゅう買ってきては食べさせてあげていたのです。

映画祭で再会してから1週間、響也からは何の接触もありません。倉本はあの時久しぶりに目の前に響也が現れて内心とても驚いていました。

同じ業界で働く限りはどこかで会う可能性は否定しきれません。しかし気弱な響也のことだから、傷つけられた相手のことは極力避けるだろうと倉本は高をくくっていたのでした。

挑発的な響也の表情を思い出し、ずいぶんとこの5年で変わったなと感じる倉本。昔の響也の被虐趣味も、構われたがりの延長線上だったのだろうと分析します。

広にちょっかいを出したのは偶然なのか?と脳内をちらりとよぎりますが、5年もたっていることからもう響也も自分にはこだわっていないのだろうと、倉本は事務所に向かいました。

途中で手相の勉強をしているという怪しげな人が「あなたの周りに暗雲がまとわりついている」とか不吉なことを言っているのがこの後の何を指しているのかとても気になるところです。

響也が倉本の事務所に移籍!


倉本が事務所に戻ると社長室になぜか響也の姿がありました。実は響也が主演の映画に素直を出演させると言うオファーが舞い込み、その打ち合わせで来ていたのです。

素直はまだ演技経験は浅いですが良いお話なので受けることになり、さらにこの映画の撮影から響也が倉本の事務所に移籍するという話になります。

突然のことに驚く倉本。さらに響也はマネージャーに倉本を希望していました。社長としても、以前響也と一緒に働いていた倉本ならお互いに気心も知れていて良いだろうと笑顔です。

今は東京デルタのマネージャーをしていて手一杯の倉本ですが、とりあえず映画の撮影が終わるまでは掛け持ちで響也のお世話もすることになりました。

平然と挨拶をして握手する倉本&響也。打ち合わせ後にわざとらしくトイレを案内してもらおうとする響也に倉本は冷静に対応します。

慌てたり動揺したりすると余計な詮索をされて仕事に差し支える。倉本もデキるマネージャーなので人のいるところでは響也との関係が至って良好であるようにふるまっていました。

どちらかというと倉本のいる事務所はアイドルに強く、俳優の倉本にとってはあまり移籍するメリットがありません。そのことは響也も重々承知していました。

それでも移籍を選んだのは倉本がいるから。東京デルタの素直の映画出演オファーも響也の口添えで実現したのでした。うすうす倉本も勘付いていたのでしょう。

「ヒヨコは人質。そうでもしないとお前はすぐ逃げるから」

響也の脅しのような言葉に「5年も前の仕返しを?」と倉本がとぼけます。「ダメなんだよ、全然…」言いかけたところでたまらなくなった響也は、倉本の隙をついて腕を掴み空き部屋に強引に連れ込みました。

お前じゃないと満足できねえよ!

誰もいない日当たりのよい部屋でひざまづいて足元にすがりつく響也。「また俺をいじめてください、祐司さん」やっと言えた本音に、響也は安堵したような興奮したような表情で倉本にお願いをします。

こうなることが薄々分かっていた倉本は「暗雲がまとわりついている」という占い師の言葉を思い出していました。

「俺はあんたが好きなんだ」

大きなことを言っていても響也の手は震えていました。ずっと変わらない響也の想い。しかし響也は倉本がその好意をうざいと思っていることも自覚していました。

倉本は仕事で響也の性癖に付き合っていただけ。倉本が去ってそのことに気づいた響也は心の整理をつけるのに1年ほどかかったと言います。

その後はずっと仕事でもプライベートでもSキャラを演じて貫いてきた響也。我慢して我慢して、再会したときに最高に盛り上がれることを想像して必死に耐えてきたのです。

5年間で下品なキスを覚えた響也


泣きそうな表情の響也に「勝手に盛り上がらないでくれ」と倉本はそれでも冷静に突き放そうとします。

「ビビッてる?」「引いてるんだよ」どこかちぐはぐなやりとりに、倉本のメガネの奥の瞳は見えないまま本心も見えず…。

響也はキスをねだります。当然のように断る倉本ですが、ドアの向こうから東京デルタの3人の声が聞こえてきました。誕生日ケーキを持って倉本を探しているようです。

勝手に口でご奉仕しようとベルトを緩める響也に、軽く舌打ちをして蔑む目で見下ろす倉本は短く命じました。

立て、ドM。

きゃー倉本のドSスイッチきたー!今までの優しく温厚な倉本とは違って見下すようなその瞳に、響也はもう言いなりになるしかありません。

響也の髪を掴んでキスをする倉本。ところが響也は倉本と会えない5年間、ただ待っていただけでなく下品なキスを覚えていたのです。

仕返しとばかりに倉本の腕を掴んで強引に唇に嚙みつく響也!油断していた倉本はそのすごい力に抗えず舌を受け入れるしかありません。まさかの反撃キスに感じてしまった倉本は、思わず響也の唇を嚙んでしまいました。

「らしくねえじゃん商品に傷つけるとか」

響也は嚙まれた唇の感触にゾクゾクとキているようで上目使いに倉本を見上げます。そこへ東京デルタの3人がケーキをもってやってきました。

すぐに体制を立て直す2人はさすがというか何というか。「今日はこれで我慢してやる」不吉な言葉を残して響也は去って行きました。

素直も源三は響也の態度があまりよくないことに若干イラッとしています。「感じ悪い」と素直がぼそり。

広が持ってきたケーキはモンブランです。奇しくも響也の大好物と共に37歳の自分の誕生日を祝うことになった倉本なのでした。



お前が降参するまで愛してやるよ


いっぽう事務所から去った響也は、偶然通りかかった手相占いの子(また出たw)に「今きっと最高の線が出てる」と、おどろおどろしい暗雲をまとわりつかせながら自ら告げました。確かに最高に冷たくされたわけですが…でもそこに愛はありません。

まだ震える自分の手を見つめ「5年越しの告白だったのにざまあねぇな」とさっきのことを思い出し耳まで真っ赤になる響也。その切ない心境は計り知れないものがありました。

響也は倉本が自分を愛さないだろうということも分かっていました。そうなるともう仕方ありません。倉本が降参するまで愛するのみ。

楽しみにしてろ、と泣きながら悔しそうに笑う響也の切ない愛が報われる日はいつか来るのでしょうか。。。

感想まとめ


お話が大きく動きました!仕事に不利な事務所に移籍してまで倉本を追いかけてきた響也。最初の1年は気持ちの整理をするので精一杯だったのでしょう。そのあとよく4年間もひとりで頑張りましたね。

芸能界での俳優としてのキャラ付けを守るために自分の心を殺して公私ともにS設定を演じるなんて、理解者がそばにいてくれない状態ではかなりつらかったのではないでしょうか。

なまじそれまで倉本が相手をしてくれていたからガス抜きができていたのに、いなくなってから響也がいったいどれだけ我慢して努力してきたのかを考えると心が痛みます。

Sキャラを浸透させ経験と実績を積んで主演映画もできるようになり、よくやく倉本の事務所への移籍の環境を整えて行動に移した響也。しかし倉本は数年ぶりに再会しても、またマネージャーになると聞いても、眉ひとつ動かしませんでした。

宣戦布告のように強引にエロいキスをしても、愛し愛される関係にはなれないと思って涙する響也が切ないです。うーむ倉本さんめ、響也を泣かせるならエロいことをする時だけにしてよおお。

響也は下品なキスをいったい誰とどこで覚えてきたのでしょうね。芸能界で誰かに手ほどきを受けたのかな?今後新キャラとして出てくるでしょうか。

反撃も覚えるなんてとんだ優秀なドMです。実はキスだけじゃなくてもっとすごいことも覚えてたりして。。。わくわくどきどきします。

東京デルタの3人の中では素直だけが響也と倉本の関係に疑問符を持っているようなので、この子がキーとなってくるのかな。

今のところ癒しとお笑い枠の東京デルタですが、倉本の誕生日を祝ってあげるとか、タレントとマネージャーとして良好な関係が築けている証拠ですね。

倉本によく懐いていていてかわいいし、中二病な歌詞はともかく3人とも個性がバラバラでバランスもよさそうだから、今後売れっ子アイドルに育っていくんのではないでしょうか。

モンブランを見て響也を思い出す倉本の胸のうちもまだよく分かりません。しかし響也が「好きなんだ」と告白したシーンでチリッと胸が痛んでいたことを思えば、響也に対して何らかの揺らぐ気持ちは持っていると考えてよさそうです。

響也はグルメ番組とか番宣のためのバラエティ番組の企画でスイーツ特集があっても「俺甘いの苦手で」とか言っていたのかな。イメージが大事とはいえ好きなものひとつ人前では食べられないのはかわいそうですね。

個人的にはオープンにしてもいいと思うんだけどなあ。かっこいいSキャラのイケメンが実はスイーツ好きとかかわいいしギャップがあって大きな魅力になると思います。とはいえ事務所の方針とかもあってなかなか難しいのかもしれません。

響也と倉本の再会、ピリピリしたやりとり、事務所移籍、キーになりそうな素直くん、告白と下品なキス。いろいろと盛りだくさんでしたが最後の響也の涙が切なくて胸が苦しくなってしまいました。

前後編なので「いつか君に殺される」はいったんはここでおしまいです。ただし連載そのものはまたマガジンビーボーイで続くということなので再開の日を心待ちにしたいと思います。響也がまた早いとこエロいことで喜びの涙を流せますように。

12/7発売のマガジンビーボーイ1月号ではおげれつたなか先生の「エスケープジャーニー」「酷くしないで」の連載が復活します。そしてなんと桜日梯子先生の「ネトラレトライアングル」がマガビー初登場です。

それではまた連載再開したときにお会いしましょう。

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