憂鬱な朝42話の感想です。コミックス8巻のネタバレになるのでネタバレ不要の方はお気をつけください。

初めて訪れた鎌倉のお屋敷で暁人と過ごし、昔の冷たい仕打ちを謝罪した桂木。暁人の留学は決定的なもので、久世家の今後ためにも桂木もそれを覚悟していました。しばし日本で一緒にいられる静かな時を過ごす2人。

いっぽう東京の石崎家では総一郎の見合い当日を迎えていました。小ふさと別れさせられた総一郎は意気消沈の沈んだ表情のまま、家同士が決めたお見合いに臨みますが…。前回41話の感想はこちら。

憂鬱な朝8巻41話ネタバレ感想

それでは以下「憂鬱な朝」42話の感想です。ネタバレにご注意ください。

Chara Selection(キャラセレクション)電子配信


キャラセレクションは1月号から電子書籍化されます。電子版には憂鬱な朝の表紙カラーイラストの文字のないバージョンもおまけで付くそうですよ。配信は11/28からなので電子待ちの人はもう少しのガマンです。

追記)配信されました。2018年3月29日までの期間限定配信です。

Chara Selection 2018年1月号

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憂鬱な朝 電子書籍


憂鬱な朝 1

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憂鬱な朝42話 感想 ネタバレあり


僕はあいつを幸せにしてやりたいんだ


「どの道、芸者を正妻にはできない。本気で好きなら考えておいた方がいいぞ」

お見合い相手の桐生家で、暁人に昔言われた言葉を思い出す総一郎。あの当時は暁人は沈んだ表情で嫌味ばかりを口にして、とても見ていられる状態ではありませんでした。

家名のために心を殺し続けて、それでも桂木と共にあろうとしていた暁人。

僕はあいつを幸せにしてやりたいんだ。

桂木に確実な何かを与えたいということ、そのために爵位を捨てるつもりでいることを穏やかに語る暁人を見た総一郎は、ただただ驚愕するしかありませんでした。

しかしそう語ってからの暁人は、その後たった1年で大きく成長して大人になりました。桂木と争いながらも決して手を離さず、家そのものからも逃げず、両方を守るために新しい何かを成そうとしています。

(なのに俺は…)

親の決めた見合いをすっぽかすこともできず、石橋家を捨てて小ふさと生きる度胸もなく、ひとりぼっちでただうつむくだけの総一郎。

「今日の主役はお前だぞ」

お見合い相手の桐生家で父親にうながされても口を開くことすらできません。うつむく総一郎は、かつて桂木に言われた言葉を今さらながらに思い出していました。

「暁人様と同じことをなさいますか?結婚を拒み家名を捨て、それで好いた女が幸せになれるとお思いですか。あなたにその覚悟がおありなら助力は惜しみませんが」

あの時暁人のように決断できていたら、桂木はおそらくどういう形であっても総一郎を助けてくれたはずです。しかし総一郎は自分の覚悟のなさを桂木のせいにして、冷たく桂木を追い出してしまいました。

(今さら悔やんでも嘆いてももう遅い)

桐生家の姫様とのお見合いはもう待ったなしの状態です。総一郎はご対面のため、お嬢様の待つ部屋に足を踏み入れました。

総一郎のお見合い相手は小ふさだった!


ところが1歩進み出た総一郎が目にしたのは、まさかの小ふさの姿でした。別れさせられた後は連絡すら取れなかった愛しい人が、なぜか今総一郎の目の前で桐生家の娘として座しています。

桐生伯爵家の四女として総一郎にうやうやしく頭を下げる小ふさ。その勝気な瞳が久しぶりに総一郎に会えて嬉しそうに輝きます。

総一郎は驚きすぎて言葉が見つからずにぽかんとするばかりです。それは父親の総右衛門もまったく同じでした。

総右衛門はひと目で新橋のあの芸者だと気づきます。そしてその瞬間、これも桂木のはかりごとであったことを察して真っ青になりました。

(やられた!この私としたことが)

総一郎にも黙って桂木が策を練っていたとは思いもよらなかった総右衛門。この縁談を持ち出した桂木のことは疑いもしていませんでした。

総右衛門は、伯爵である桐生家の素晴らしい家系図に総一郎の名前を何としても刻みたいと考えていました。しかし桐生家としては大豪商である石崎家との縁は欲しいものの、平民相手ということで躊躇していたのです。

そこで桂木は桐生家に、公卿のご令嬢を養女に迎えてその娘を石崎家に嫁がせるという提案をしました。もちろんこの「公卿のご令嬢」とは小ふさのことです。桂木が事前にコネと金を使って、小ふさを公爵のご令嬢として戸籍から仕立てあげたのでしょう。

「この縁談が成功すれば、桐生家から推挙をいただき総一郎様が男爵位を賜ることもあり得ますね」

桐生家としては石崎家の財力がほしいわけです。対して石崎家は、桐生家との縁談をまとめて桐生の名前(家系図)を手に入れたい。双方の利害が一致した縁談に、総右衛門は浮かれて油断していたのでした。

悔しげな総右衛門は、しらーっと澄ました顔の桐生家両親の前でギリギリと奥歯を噛みしめるしかありません。一方、ぽかんとするばかりだった総一郎は、目の前にいる小ふさの美しい着物姿に現実を実感しはじめます。

「総一郎様、覚えておいてください。あなたの味方はこの私だけです」

いつか桂木に言われた言葉をふと思いだした総一郎は、最高の形で小ふさと再会できたこの幸せをじわじわと噛みしめていました。

隠し事もなく話し合える気がしないか?


静かな鎌倉邸では暁人が桂木に甘えてべったりとくっついていました。桂木も表面上嫌がってはいますが、決して本心ではなく甘い雰囲気が漂います。

大型汽船の設計図を見ていた桂木。紡績工場だけではなく造船業にも関心があったのかと暁人は興味津々です。造船といえばトップはイギリス。

興味があるのかと問う暁人に、桂木は静かに否定をするばかりでした。クールな桂木に暁人は痺れを切らしたように口を開きます。

「書生たちとの渡英の件だけど、僕になにか言いたいことがあるんじゃないのか?」

東京の本邸で桂木に「離れても見送ることしかできない」と言われたときは寂しかった暁人。しかしその後、桂木の石崎家での仕事ぶりを聞いて本当に嬉しく思っていました。

今の僕たちならきっと隠し事もなく話し合える気がしないか?

暁人は何とかして桂木の本心を聞き出そうとしました。桂木は静かに口を開きます。

桂木が全てを話さないのはそのほうが確実に物事が進むと信じているからでした。信用して全てを離しても、それが相手の意に沿わない内容だったら、説得できる保証などどこにもありません。

良かれと思って立てた策も行動も、相手の反発があれば瞬時に崩れ去ってしまうものです。これまでの久世家に関わってきてそれを嫌と言うほど体感してきた桂木の言葉には重みがありました。

「どんなに罵られようと嫌われようと、私が正しいと思う時はその信念のままに進みたいのです」

桂木なりの持論と信念。それは総一郎と小ふさの幸せを結ぶ成功にも繋がったものでした。

使用人たちの暇の件も書生との渡英の件も、何より久世家の今後についても信念を持って動いている暁人。その暁人の考えに口を出すつもりは桂木には毛頭ありません。

暁人の信じることを受け入れようと桂木は心に誓っているのでした。ただし…。

「本音を言えば2年は長すぎると思いました」

そっと手にを重ねて静かに告げる桂木。言葉を惜しまずに本音を吐露した桂木に、暁人はどう応えるのでしょうか。

憂鬱な朝42話 感想まとめ


総一郎のお見合い回がクライマックスな42話でした。お相手が小ふさだと分かった瞬間がハイライトです。やったね!やはり桂木は総一郎のことを考えていろいろと根回しと下準備をしてくれていたのでした。

桂木だって苦しい恋をしていたわけで、同じように辛い思いをしている総一郎と小ふさが悲恋にならないように上手く立ち回ってくれていました。

ここは桂木を信じきれなかった総一郎の負けでしょう。負けというか1つ借りができたということで、いつか桂木に返してくれたらそれでみんながハッピーになれそうです。

時代が時代だから家のための結婚もありえそうで、最後までハラハラしてしまいました。総一郎と小ふさの純愛が実って本当に良かったです。

桐生家の両親もしれーっと「娘(養女)です」という顔で見合いの場に臨んでいて、慌てふためく総右衛門との対比でちょっとおもしろかったですw

まあこちらは石崎家の財力がほしいだけなわけですからね。急ごしらえの養女が嫁に行こうが、その娘が元芸者であろうがどうということはないのでしょう。多少苦々しい思いはあるかもしれませんが。

これで総一郎と小ふさ問題も無事に解決しました。あとは暁人と桂木です。やっと自分の感情を吐露した桂木。これは2年も離れるのが寂しいという桂木なりの精いっぱいの言葉なのでしょう。

2年なんてあっという間とも言えますが愛し合う2人には長すぎる期間です。造船業の話が出たときは一緒に渡英もあるか?と一瞬思いましたがそうはならないだろうな。

暁人と桂木の関係はここに至るまでの絆があるから簡単に揺らぐことはないと思いますが、最後に手を取っておでこをくっつけて寄り添う2人の姿が心許なくて胸に迫ります。

最終回が近いのは寂しいですが、こんなにも切なくて愛しい2人が静かに幸せに暮らせる日が1日も早く訪れますように。

次回は2018/1/22発売のキャラセレクション3月号です。

それではまた「憂鬱な朝」43話の感想でお会いしましょう。

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