花鳥風月53話のネタバレ感想です。コミックス7巻の内容の感想になるのでネタバレにお気をつけください。

いろいろあった後、遠縁の刺青師のところに身を寄せ、ようやく安定した暮らしを手に入れた財前兄妹。居心地のよいこの家には吉利谷もしょっちゅう出入りしていました。

そんな吉利谷の家庭は、実は早くに冷たく崩壊していました。吉利谷は亡き母親が不倫の末に生んだ子どもで、父親には新しい家庭がありお互いに険悪な関係だったのです。

花鳥風月7巻52話 ネタバレ感想 志水ゆき

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花鳥風月53話 感想 ネタバレあり


つらい気持ちを押し殺そうとする吉利谷


父親と会ったあと、愁いを帯びた表情のまま財前の家に行く吉利谷。ちょうど買い物に行こうとする財前と玄関先で鉢合わせしてしまいます。

自分の姿を見てどこかほっとした表情になる吉利谷に、財前は吉利谷がいつもと雰囲気が違うことになんとなく気づいていました。しかし「何かあったのか」と問いかけても、吉利谷はさらりとはぐらかしてしまいます。

千尋ちゃんの誕生日プレゼントを一緒に買いに行く財前&吉利谷。ワンピースは予算内でなんとか買えたようで、財前も嬉しそうです。吉利谷は買い物中もときどきぼうっとして、無意識に親子連れを目で追っていました。

財前は亡くなった両親が残してくれた保険金がかなりあるようですが、千尋ちゃんの将来のためにほとんどそれに手を付けていません。生活費や小遣いの大変を学業の傍らバイトで稼いでうまくやりくりをしています。

(楽して金だけもらってる俺とは大違いだ)

育児放棄も昨今そうそう珍しい話ではなく、むしろお金だけでも出してくれるので、自分はまだ恵まれているほうだ。自分で自分を納得させようとする吉利谷。

父親の冷たい態度に傷ついた気持ちを見なかったことにして蓋をしようとするも、財前を見ているとどんどん世界が暗く沈んでいくように感じてしまいます。とうとう気持ち悪くなりふらつく吉利谷を支える財前は驚いて、近くにあったラブホテルで休むことになりました。



ラブホで氷プレイに興じる吉利谷&財前


「つらいならそう言えよ。なんで倒れるまで我慢するんだ。しんどいなら無理するな。つらいときはつらいって言え」

吉利谷が吐いて汚してしまった服を洗って乾かしてくれる財前は、ポーカーフェイスのまま吉利谷に声をかけます。財前の温かい言葉に、自分がつらいと思っていたことを認めて楽になる吉利谷。

落ち着くとお腹が空いてきた2人はルームサービスを注文することに。入るときもですがルームサービスについても手慣れた様子の吉利谷に、財前は疑惑の眼差しを向けます。吉利谷は、まるでラブホの常連のように詳しいことを「知り合いに聞いた」と慌ててごまかすのでした。

財前はパンケーキを注文しますがお味は今ひとつ。吉利谷の作るほうが美味しいとぼそりとつぶやきます。甘党の財前の口には合わなかったようです。

ドリンクに入っていた氷を前の背中に入れるといういたずらを仕掛ける吉利谷に、財前はびっくりして飛び上がってしまいます。お返しに、吉利谷のパンツの中に氷を入れようとする財前。いちゃつく2人は、勢いのままベッドに倒れ込んでしまいました。

すると、コントのようにコップが吉利谷の頭上を直撃したことで、財前は爆笑しはじめます。流れでおおいかぶさっている吉利谷に、財前は笑顔のままはだけた浴衣の白い背中を見せるのでした。

あやうくノリでお前にキスするとこだった


さっき自分が放り込んだ氷がまだ財前の背中に残っているのを見た吉利谷は、思わずその氷と背中をエロく舐めてしまいます。ドキリと振り向いた財前を見つめる吉利谷は完全にオスの顔をしていました。

息をつめ、至近距離で半裸のまま見つめあう2人。そのまま静かに顔を近づけ、キスをするのかと思ったその瞬間、吉利谷はハッとして財前からスッと離れてしまいました。

「あやうくノリでキスするとこだったわ。友達相手にもよおすとかマジないよな」

吉利谷には財前が好きだという自覚がありました。でもこの気持ちが恋なのかは分かっていません。そもそも正しい恋愛なんてまともにしたこともなく、恋じゃなくても欲情はできるということを吉利谷は経験上知っていました。

不意打ちのように見せた財前の自然な笑顔と白すぎる背中に、衝動のままにキスしようと動いてしまった吉利谷。言い訳をするなら、今は父親のことでメンタルが弱っているから。でもだからといって、友達に甘えて欲望に流されて汚していいことにはなりません。

(お前に嫌われたくない。失望されたくない。お前だけは失いたくない)

ホテルを出て別れる2人。あっさりと笑顔で離れた吉利谷に、財前は切なくなってひとり涙を流すのでした。

花鳥風月53話感想まとめ


気持ちはお互いに向いているのに、失うのが怖くて今の関係を変えられないというじれったくて切ない展開です。吉利谷が、過酷な状況でも妹を守ってまっすぐに生きている財前の姿をまぶしく思って見ているのは「敬愛」という表現がぴったりなのではないでしょうか。

救ってくれた財前のような崇高な人間を、自分のような人間が汚してはいけない。そしてずっと神々しい姿のままでいてほしい。祈るような気持ちも相まって、吉利谷はラブホであと1歩が踏み出せなかったのでしょう。

ところで吉利谷は今バイトでもパンケーキ職人をやっているそうで、ホールの厨房にでも入ってるんですかね。どうりで財前兄妹を助けたときに家で作ってあげたホットケーキが美味しそうだったわけです。

男2人でラブホテルというおいしい展開に、氷プレイまで見せてもらえて、どう見てもラブラブなのにくっつかない。じれったくてもだもだしますが、この後ずーっと大人になってもまだくっついていないことを思うと切なくなってしまいます。

財前にとっては辛いばかりの展開ですが、この微妙な均衡を保ったまま大人になっても添い寝だけをする関係って逆にすごいなと思ったり。幼馴染の絆のパワーを見せつけられている気分です。

次回は5/14発売のディアプラス6月号です。予告にお名前がないので1回お休みです。ではまた次回「花鳥風月」54話の感想でお会いしましょう。

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