憂鬱な朝44話の感想です。コミックス8巻のネタバレになるのでお気をつけください。

別宅で2人だけの穏やかな時間を過ごした暁人と桂木。暁人は桂木に自分とお揃いの懐中時計をプレゼントします。2人で一緒に古くなっていくものを持ちたかったと言う暁人。それは共に生きていくという証にもなります。

桂木のほうはそんな暁人につい「(留学の)2年間は長すぎる」と秘めていた自分の想いを口にしてしまいました。英国行きのチケットを桂木に差し出して一緒に来ないかと誘う暁人ですが…。前回の復習はこちら。

憂鬱な朝8巻43話 ネタバレ感想 日高ショーコ

それでは以下日高ショーコ先生の「憂鬱な朝」44話の感想です。クライマックス近しです。長かった連載もとうとう8巻で完結となります。

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憂鬱な朝44話 感想 ネタバレあり


久世家に仕えることで存在意義を見出していた桂木


はじめて暁人に会った時のことを思い出す桂木。まだ幼かった暁人を出迎える準備をしていると、長年久世家に仕えていたおきくさんが近づいてきました。

桂木に頭を下げ、もし望むなら例の「畜妾届」を世に出すことも考えていると伝えるおきくさん。しかし桂木はそれを失言としてスルーしました。

久世の籍にも入れず、桂木家にも戻れない桂木を哀れに思っていたのでしょう。おきくさんは桂木に対して負い目を感じている様子です。

桂木は先代の遺言通り、暁人が成人するまで全ての久世家の権限を与えられていました。今思えば幸せなところに身を置いていたと考える桂木。

なぜなら、どこにも行き場のなかった桂木に仕事と居場所をもらえたのだから。久世家に尽くすことで、桂木は自分の存在意義を見失わずに済んだのでした。

僕はやっぱりお前と一緒にいたい。


イギリス行きを誘われた後、また身体を重ねた暁人と桂木。翌朝いつものように先に目を覚ましたのは桂木の方でした。腕枕をしているのも桂木で、暁人は桂木に巻きつくようにスヤスヤと眠っています。

暁人はどうやら寝る前に「桂木が眠るまでは絶対に寝ない」と豪語していたらしく、そのくせあっさりと眠りに落ち、朝も呑気に寝入っています。いつもの2人の朝です。

呆れたように優しく微笑む桂木は、髪を撫でたり唇に触れたりといたずらをしますが、暁人は起きる様子を見せません。つまらなくなった桂木は、早々に起きて風呂に向かいました。

桂木は暁人の「僕と一緒に英国に来ないか」という言葉を思い出します。ついさっきまで渡すつもりはなかったと真剣な表情の暁人を、桂木はただただ驚いて見つめるしかありません。

「僕のわがままだと思う。お前にはお前のやるべきことがあるし、僕もひとりのほうが頑張れるのかもしれない」

そう前置きしたうえで、こみあげてくる気持ちを抑えきれなくなった暁人は桂木を抱きしめます。

お前がいないと寂しい。

鎌倉の邸宅に来てからの桂木はとても穏やかで、暁人の考えを信じて話も聞いてくれました。暁人は、そんな桂木の態度の変化に、どんどん離れるのが嫌になり寂しさを隠せなくなったのです。

たったの2年だけど、僕はやっぱりお前と一緒にいたい。

泣きそうな表情で、必死に食い下がる暁人を見つめる桂木もまた、その表情に動揺を隠すことができませんでした。



桂木がイギリス行きを決意した!?


桂木が久世家を出たのは、暁人を外から守ると決めたから。そう思って石崎家に入ったはずが、今は暁人を追いかけたあげく、朝からのんきに風呂に入っている自分に呆れる桂木。

桂木が暁人への本音を隠していたのは、言えば離れられなくなることが分かっていたからでした。しかし一度本音を語ってしまうと、枷が外れるように暁人への気持ちが溢れだしてしまうのでした。

風呂から上がった桂木は、田村さんに隠されていた靴とスーツを見つけて身支度を整えます。田村さんは隠し場所を見つけられてびっくりしていますw

眠っている暁人をそのままにして、東京へひとり戻る桂木は、すっかりいつも通りのクールな姿を取り戻していました。「私も出立の前に東京で仕事をしてくる」と田村さんに伝えると、またも驚く田村さん。

「桂木様のご出立とは?」

「暁人様に聞けば分かる」

新たな決心をした桂木。先代のことを思って鎌倉の別邸を恐れていた桂木ですが、ふり返ってみれば大切な暁人がいて、空気を読んでくれる世話人の田村さんがいて、穏やかな時間が流れ、今はもう何に怯えていたのかすら忘れてしまうほど清々しい気持ちになっていました。

暁人のイギリス行きの本当の狙い


駅までの道すがら、海に寄ってほしいと頼む桂木。そこから駅までは歩いて行けるからと、俥(くるま)を降りました。今まで仕事で港に行くことはあっても、浜辺に出る余裕は多忙な桂木にはありませんでした。

桂木は学生時代ぶりの海を見つめ、靴を脱いで爽やかな風に身を任せます。暁人に卑屈な態度を取り続け、追いかけることもできずにずっと立ちすくんでいたことを思い出していました。ツンツンしていた当時のことですね。

(暁人様はよく私のような面倒な者とつきあえるな…)

ぼんやりと、ごもっともなことを考える桂木。鎌倉邸では、暁人がイギリスに渡る本当の理由を聞きました。書生たちに産業を興させる足がかりをつくるためにイギリスで勉強したいと強く望む暁人。

なぜなら、このままだと石崎総右衛門に土地の資源を全て奪われるから。土地開発も鉄道工事も、石崎家は久世の殿様の名前を利用して事業を進めています。

おそらく10年後には全てが石崎の名前にすげ代わり、経営陣も一掃されることでしょう。それを防ぐためには、とにかく優秀な人材を育てる必要があります。

いずれは石崎家の力に頼ることなく立てるようにならなければいけません。久世家そのものに力や金が集まれば、後見は必要なくなります。夜会のあと総右衛門に「桂木を死ぬまで働かせる」と言われた暁人は、それだけは許さないと固く心に誓ったのでした。

これからの久世家のために


「桂木、海楽しくなかった?」

海にいる桂木に声をかけたのは、まだ邸宅で寝ていたはずの暁人でした。起きたらちょうど桂木が出て行ったところで、あわてて追いかけてきたのです。途中で桂木の俥を動かしていた人とすれ違い、それに乗り換えて海岸まできたようです。

「露骨なことはしないでください」

桂木はあきれながらもちょっと嬉しそうに口を開きました。暁人としては海に2人で来たかったという純粋な気持ちです。

「久しぶりに長く一緒に過ごせたのに、結局お前の寝顔も見られなかった。一度くらいは見たいって思ってた」

言いながらそっとキスをする暁人。人目がない浜辺とはいえ、外でシャツの中に手を伸ばしてきた暁人を、桂木はピシャリと断固拒否しました。

「そんなに嫌がるならいつかやってやる」

「やれば二度とあなたとは…」

スネる暁人を冷静に制する桂木。軽口を叩きあう姿は、甘えたな坊ちゃまとクールビューティないつもの2人です。ところが暁人が追いかけてきたのにはちゃんと理由がありました。

「大切なことだから、いつか鎌倉の別邸で話すべきだと思っていた」

子どもの頃、父親に呼び出された暁人は、桂木についていろいろと話を聞かされていました。桂木のことを話すときは決まって表情が柔らかく穏やかで優しかった先代。

「当主として本邸に戻ったら、桂木智之から学びなさい」

遺言状にも桂木の名前が至るところに書かれていました。桂木を久世家の名代とすること。家令職を与えること。財産を管理させること。加えて、暁人が成人するまでは久世家の全権限を与えること。

「それはつまり逆に考えれば、僕が成人すればお前は自由になるということだろ?桂木家に戻るよりは立場も固まる。父はそう考えて、お前に僕を託したのだと思う」

どちらが本性かではなく、先代も桂木と同じだったのかもしれません。今ここにいる桂木が昔とは違うように、先代もまた真摯な桂木の姿を見て、少しずつ変わって行ったのでしょう。

もう僕たちの良いように考えようよ。新しい久世家のためにも。

清々しく前向きに語る暁人。先代と桂木。桂木と暁人。暁人と久世家の人たち。すべては繋がって過去から今、そして未来へと流れているのです。

新しい久世家のために、過去ではなく今を大切にしようとポジティブな暁人を、桂木はどこか切なげに見つめました。

「出向の前日、時間通り横浜港に向かいます」

静かに立ち上がった桂木は、再会を約束して東京へと向かいました。

憂鬱な朝44話 感想まとめ


次回クライマックスとある通り次の45話で最終回のようですね。がしかし読めない。今回の44話だけを見ると、桂木も暁人と一緒にイギリスに行く流れっぽいのですが本当にそうなるかな。

あんなに苦労して買収した工場のこととか、久世家の残された雑多な後始末含むあれこれなどを、全部日本に置いて海外へ一緒に行くのでしょうか。

横浜港に向かうとは言っていますが、見送りという形で桂木が暁人の背中を押すという結末になるのかも。離れていても、2人で時を刻むと約束した懐中時計がいつも2人のそばにありますから。。。

44話では、桂木と暁人のかわいいやりとりがいつも以上に微笑ましかったです。海に追いかけて行った暁人が「起こしてくれてもいいのに」とかぶつぶつ言って、桂木が無言で(どの口が)とかつっこんでたりw

クライマックス直前ということもあって、ちょこちょこと楽しいシーンがあってほっこりしました。桂木が自分をめんどくさい男だと自覚していたりw桂木に靴とスーツの隠し場所を見破られて、悔しがっている使用人の田村さんとかw田村さんナイスキャラだわ。

鎌倉から駅までの移動はいわゆる人力車で、桂木を送って行った俥夫さんが、途中で暁人を乗せてまた海まで往復しなきゃいけなくて大変だっただろうな。しかも暁人に「急いで」とか言われてるしw田村さん、後でこの俥夫さんにチップを弾んであげてください。

海辺で迫って冷たくあしらわれた暁人が「そんなに嫌がるならいつかやってやる」とか言ってたのは、見逃せないセリフでした。番外編かコミックスの描き下ろしでぜひじっくり見たいです。ここテストに出るレベルで大切です。

若き子爵と美貌の家令の大正クラシカルロマンスもついに次回で最終回を迎えます。ところで今さらですが、クライマックス=最終回だと解釈していますが合ってますかね?違ってたらどうしようw

「クライマックスとは言ったが最終回とは言ってない」とかで、あと2.3回連載が続いたりしても個人的には大歓迎ですが。

この数年はずっと「そろそろ終わりそうな気配がする」と言いながらここまで来たのですが、いざ本当に終わるとなるとやっぱり寂しいものです。

2009年に1巻が発売されて約10年。ここまきたら暁人と桂木がどんなラストを迎えるのか皆でしっかりと見届けましょう。

次回は2018/7/21発売のキャラセレクション9月号です。

それではまた「憂鬱な朝」45話の感想でお会いしましょう。

追記)45話の感想を書きました。

「憂鬱な朝」8巻45話 ネタバレ感想

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