憂鬱な朝8巻45話の感想です。コミックス8巻の感想になるのでネタバレにお気を付けください。

鎌倉で暁人に「一緒に英国にこないか?」と誘われた桂木。渡英に対して心が揺れながらも、一度ひとりで東京に戻ることを決意します。

追いかけてきた暁人は、これまで触れなかった父親の話をしました。桂木はその想いを受け止め、再会を期して帰京しますが…。前回の復習はこちら。

憂鬱な朝8巻44話ネタバレ感想 日高ショーコ

今回が最終回かと思っていたら、次回が最終回だそうです。2人の恋の結末は本当にもうすぐそこに迫ってきました。

それでは以下日高ショーコ先生の「憂鬱な朝」45話の感想です。※ネタバレ注意です。

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憂鬱な朝8巻45話の感想 ネタバレあり


総右衛門の意外な態度


暁人の出港1週間前。鎌倉で海を見つめてのんびりする暁人は、探しに来た田村さんに貝殻を渡します。子どもの頃から貝殻を拾っては田村さんにあげていた暁人。おかげで田村家には貝殻の山ができていました。

鎌倉の別邸には直継を迎え入れることになり、暁人の留守中は、女中頭の千代野と田村さんで守っていくことになります。

東京では桂木が石崎家に出向いていました。大番頭の職を解かれて以来、総右衛門に会うのは久しぶりの桂木。石崎家の使用人の制止をふりきって、強引に総右衛門の書斎に押し入ります。

紡績工場を買収した桂木は、石崎家からしてみれば背信者。桂木自身も、警戒されるのは当然だと理解しています。

「そういう態度がいかんのだ。貴様の慇懃無礼ぶりはどこに行った?」

後ろ暗さが顔に出ている今の桂木では、番頭たちに舐められるのも至極当然のこと。総右衛門は嫌味を言いますが、決して憎悪に満ちた表情ではありません。

拍子抜けするほど静かな対応を意外に思う桂木。総右衛門は、そんな桂木を連れて芝区の工場へと車を走らせました。

好きあっている2人をお認めになってください


「お前はなぜ東京に戻ってきた?暁人くんもそろそろ横浜港に向かう頃だろう」

全てお見通しの総右衛門。桂木は、総一郎の見合い話に話題を変えます。小ふさとの縁談を仕組んだ桂木としては、その算段の結果を確かめたかったのでしょう。

総一郎は、まっすぐな性格ゆえに、いつも感情が表に出てしまいます。見合いに至るまでに余裕を少しでも見せていたら、恐らく父親である総右衛門はすぐに企てに気づいたはずです。

だからこそ桂木は、あえて総一郎には何も言わずに水面下で動き、小ふさを桐生家に養女「琴子」として入れ、縁談の場で初めてそれを明かすという計画にしたのです。

小ふさに関しては、実はまわりが思っている以上にしっかりしていて、賢くしたたかな娘です。

「総一郎と一緒にいられるのならどんな努力も惜しまない」と桂木にもきっぱりと告げていました。石崎家でも、この強さがあればきっとうまくやっていけるでしょう。

「どうか好きあっている2人をお認めになってください」

わざとらしくしれっと頭を下げる桂木に、総右衛門はイラ立ちながらも、もうほとんど認めている様子なのでした。

才能を生かす自由がある総右衛門


工場に着くと、部品の組み立てと設計はすべて東京で行い、横浜は建造に集中するために人員を増やしたと総右衛門。設計者の不足は悩みの種だったので、こうすることですべての受注に応えられることになります。

「ご英断です。加えて港の開発にも力を注ぐべきです。石崎家の柱となるのは造船と貿易なのですから」

冷静な暁人の言葉に、総右衛門は今は亡き暁人の父・久世暁直を思い出していました。

20年前、総右衛門をフランス料亭に呼び出した暁直は、いきなり「私の持ち株を譲渡するために呼んだのだ」と切り出します。

「株を恵んでやる」そう言われた総右衛門は、侮られたことでプライドを傷つけられ、カッとなって「侮辱するな」と大声を出してしまいます。

それを静かに威圧する暁直。

「石崎はただの成金で終わるな。貴様には、その才を生かすことができる自由があるのだから」

株を売った金で船を買い、貿易に力を入れろと言い残して去って行った暁直。それが、総右衛門が暁直と言葉を交わした最後になったのでした。

佇まいだけでなく、考えることまで暁直に似ている桂木。だからこそ、総右衛門は桂木を従わせたかったのです。

桂木のおかげで成長した総一郎


工場では、熱心にメモを取って学ぶ総一郎の姿がありました。その立ち姿は立派で堂々としています。

「見合いの件は不問にしておいてやる」

総右衛門は桂木に対して静かに口を開きました。理由は総一郎が人が変わったように家業に向き合って勉強し始めたから。

総一郎が変わったのは、すべて桂木の恩に報いるためだったのです。

「鎌倉へ行き、その後選んだ先に望んでいたものはあるのか」

ふたたび問いかける総右衛門。桂木の答えはもう出ているのかいないのか…。

桂木の帰っていく姿を目撃した総一郎は慌てます。あれから会っていなかったので、一言でもお礼を言いたかったのでしょう。

しかし結局会えずじまいでした。総右衛門はシレっとした顔で「総一郎の気持ちは代弁しておいた」と告げます。

「浅はかな自分には厳しさの裏にあるものが見えていなかった。桂木を尊敬している。心より詫びて学び直したい」

父親に改めて言葉にされて、恥ずかしくなった総一郎はあたふたしてしまいます。確かにこれは恥ずかしいw自分に酔っているような、多少盛ってるところもあるでしょうね。

「桂木にお前の姿を見せたかった」と総右衛門。桂木がいなければ、暁人も総一郎も、ここまで成長することはありませんでした。

総右衛門に逆らってまで、改革を進めようとした紡績工場の工員たちも、桂木が動かなければ、誰も変わろうとはしなかったはずです。

「奴には責任がある。桂木もそれは分かっているはずだ」

誰かに仕えるのではなく自ら表舞台へ


桂木は、続いて紡績工場にも顔を出しました。「桂木紡績工場」と社名を変え、活気づいている紡績工場。

桂木の兄・孝之が「桂木智之こそが経営の柱であると世に知らしめるのが大事だ」と会議で推し切ったようです。

紡績工場は、高之のもくろみ通りに株価が上昇していました。市場の期待の大きさに、工員一同も全力で応えようと努力しています。

これまで、桂木の手腕の恩恵を受けるのは、一部の特権階級のみでした。しかしこの先は違います。

世間にもそれが分かっているのでしょう。やはり桂木はこれからの紡績工場に必要とされているリーダーなのです。

職工の優遇に、女性工員への教育。これほどの短期間で実行して全てを変えたのは、桂木の手腕があってのこと。

「私は常に誰かに仕える道を選んできた。今さら表舞台に立てると思うか?」

「当然のことかと」

暁人と肩を並べて歩きたい。工場長の言葉に後押しされた桂木は「今は自らを優先してほしい。桂木にしかできないことを成し遂げてほしい」そう言ってくれた暁人の言葉を思い出します。

暁人にもらったお揃いの時計を、桂木は切なげにじっとみつめるのでした。

2年を待たずに帰ってくる暁人


出港3日前の横浜。

雨宮は、暁人から桂木が英国行きのチケットを受け取ったと聞いて驚いています。さすがにそれはないと思っていたのでしょう。かなりびっくりしていました。

「他の書生たちはともかく、僕は必ず2年を待たずに帰朝しなくてはならない」

世間から暁人の渡英を隠せるのは2年が限界です。その間は後ろ盾になってくれる井上様が協力してくれるようで、それに加えて、暁直の英国の人脈があれば、書生たちをしかるべき場所に預けて学ばせることができます。

「今はまだ力が足りない者たちだが、10年後見ていろ。石崎家の番頭が束になっても敵わない集団を作り上げてやる」

暁人は、自信に満ち溢れた表情で雨宮に告げるのでした。

暁人の出港後のことは、雨宮に任せてあります。小回りの利く雨宮は、資金管理と石崎家との繋ぎを徹底することが成すべき仕事です。

「雨宮、僕はお前が羨ましいよ。昔を知っているお前の余裕にイライラする」

雨宮は意味ありげな笑顔を見せました。前にも同じようなことを暁人から聞いていたからです。

自分の道を選ぶ桂木


夜になり、ひとり静かに過ごす暁人。ドアがノックされ、雨宮が訪ねてきたのかと扉を開けると、目の前に桂木が立っていました。

「明日くるんだと思ってた。トランクは?」

穏やかに問う暁人に、桂木は困ったような表情で微笑みます。

「私は英国には行けません」

暁人の顔に触れ、決意を伝える桂木。心のどこかで桂木の答えを知っていた暁人は、桂木の肩に頭を乗せて抱きしめました。

「こうなるってわかっていた。お前の目が覚めるのが船上ならよかったのに。船の上なら長く一緒にいられた」

「そうなれば一緒に行くしかありませんね」

2人は深いキスをくりかえします。

(僕たちは夢の中では生きていけない。全てが現実だ。寂しくても辛くても困難でも、そのたびに何かを得て進めるなら、その方がずっといい)

「私は私の道を選びます。あなたと共に生きるために」

憂鬱な朝8巻45話 感想まとめ


桂木が気になっていたのは、総一郎の縁談のその後のことでした。自分が背後で動いて仕組んだ見合いのフォローまでする桂木の責任感。素敵です。

その桂木への感謝の気持ちを、総一郎は全身全霊で受け止めていました。変わろうとする総一郎は、家業を盛り立てようと学び、結果的にその姿勢が父親にも認められつつあります。

小ふさとの縁談がまとまったおかげで、総一郎に長男の自覚が芽生えたのです。奇しくも、桂木のおかげで総一郎は大きく変わりました。

暁直は20年前に、めんどうな家柄にとらわれず、自由に動ける総右衛門の商売の手腕を見込んでいたんですね。ただの成金では終わらない男だと見立てていたのです。

自分の命が長くないことを見込んだ上での、暁直なりの総右衛門への援助だったのかもしれません。

雨宮の意味深な表情だけは気になりますが、桂木はやはり英国へは帯同しないと決めました。暁人も、本当はそうなることを分かっていたのでしょう。

しかし旅券を渡さずにはいられなかった。恋人と離れ離れになってしまう寂しさを、隠しきれなかったのです。

ただ、今回暁人の口から「2年を待たずに帰国する」と出てきたので、その点は朗報ですね。桂木も「2年は長すぎる」と言っていましたし。

桂木は自分の名前で紡績工場を持ち、表舞台に立つと覚悟を決めました。誰かを支えるポジションではなく、誰かを率いるリーダーとして、これから日本で生きていきます。

英国で書生を育てる暁人と並んで歩けるように。暁人と共に生きるために。

45話で最終回かと思っていたのですが、次回46話が最終回です。ここ1.2年ほどクライマックスの雰囲気が続いていて、ああ終わるんだなーと思っていましたが、いざ本当にラストとなると感慨深いです。

次回は2018/9/22発売のキャラセレクション11月号です。

それではまた「憂鬱な朝」最終回の感想でお会いしましょう。

追記)最終回の感想を書きました。

憂鬱な朝8巻最終回 ネタバレ感想 日高ショーコ

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