世界一初恋小野寺律の場合28話の感想です。コミックス14巻のネタバレを含む感想になるのでお気をつけください。

高野さんに部屋の鍵をもらった律っちゃんは素直に喜ぶことができません。いつも強引な高野さんのやりかたに、強くはね返せずにいるのは相変わらずのりっちゃんです。

そんなある日、偶然再会したイギリスの高校時代の友人・清宮くんが、りっちゃんに「好きだ」と告白してきました。返事は保留になっているもののりっちゃんの悩みは尽きず…。前回の復習はこちら。

世界一初恋14巻小野寺律の場合27話 ネタバレ感想

それでは以下、中村春菊先生の「世界一初恋」小野寺律の場合28話の感想です。※ネタバレ注意です。

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世界一初恋小野寺律の場合28話 感想 ネタバレあり


もうやめた方がいいと思うんです。


高校時代、いつも決まった図書館の席で本を読んでいた嵯峨先輩。たまに窓から外を見つめる時の瞳はどこかけだるげで、寂しそうで苦しそうで、りっちゃんの脳裏に焼き付いていました。

職場で盛大にくしゃみをするりっちゃん。まだ風邪が治らないようですが、仕事が立て込んでいて今日も残業です。武藤先生の原画展の準備に追われているりっちゃんは、初めての企画にてんてこまいです。

ブックスまりもの雪名からの原画展の開催の提案があり、作家さんも快諾してくれて、りっちゃんもやる気になっていました。

しかし思った以上にやることが多くて、通常の仕事も重なり、、げっそりするりっちゃん。心配した高野さんは、りっちゃんを引き寄せてオデコをくっつけました。

「熱はないみたいだな」

そのままキスをしようとする高野さんを「会社ですよ」とりっちゃんは押し返しました。誰もいないし、と悪びれない高野さんは慣れっこです。

「そういう問題じゃありません。それにもうやめた方がいいと思うんです。付き合ってもいないのに、こういうことを続ける事です。毎回流される俺も悪いですけど、ズルズルとこんな関係続けるのよくないに決まってる」

「だったらいっそのこと、結婚するか」

流されずに言いきったりっちゃんを、高野さんはまったく相手にしません。嚙みあわない会話にりっちゃんはイライラ。高野さんはそのまま飄々と帰宅しようとします。

帰宅間際、りっちゃんに前回渡した合鍵をどうしたのかと問う高野さん。捨てられたのかと思ったら、りっちゃんはちゃんと保管していました。

捨てたら退去するときに弁償しなきゃいけないし、返してもまたカバンに勝手にいれるでしょう、などと言い訳のようにまくしたてるりっちゃんに、高野さんは頭をポンポン。

「いつでも好きな時、鍵開けて入ってくればいいから」

なんだかんだ捨てずに持っているりっちゃんに、満足気な高野さんなのでした。

嵯峨さんと付き合って、この先前は幸せになれんの?


清宮くんから「泊めてほしい」と急遽連絡が入ります。なんでも借りていたウィークリーマンションの更新を忘れていたとか。次の部屋に入れるまでの4日間だけ泊めてほしいと頼んできました。

りっちゃんとしては、簡単にうんとは言えません。清宮君にはこの間真剣に告白されたばかりです。友達とはいえこの状態で家に泊めるのはどうかと躊躇しています。

清宮くんは強引で、りっちゃんが困っているのもお見通しです。

「俺を泊めるのを迷ってるのって嵯峨さんのせい?」

清宮くんは、図星をつかれて否定するりっちゃんを見て、昔から嘘をつくのが下手だったと笑います。清宮くんは、りっちゃんと高野さんの再会についても重ねて聞いてきました。

働き出した出版社で偶然再会して、部屋が隣りなのも偶然だったこと。留学当時に荒れていたのも、本当はりっちゃんの勘違いが原因だったこと。

「だから高野さん、言うほど悪い人じゃないって事だけは、尚に知っててほしいなって」

「それって相手がお前にそう思わせるのに十分な行動取ってたからってことじゃないの?」

昔は高野さんを一方的に想っていた節があって、とても付き合っている状態ではなかったと清宮くんに話していたりっちゃん。

「嵯峨さんと付き合って、この先前は幸せになれんの?」

「なれると思ってるなら、お前の性格上とっくに付き合ってるんじゃないの?」立て続けに言葉を重ねる清宮くん。りっちゃんはドキリとしてしまいます。

人とのつながりは損得じゃない。でも結局りっちゃんにとって高野さんを選ぶことはデメリットしかないと気づいているのではないかと清宮くんは指摘します。

高野さんを選ぶことに対するデメリット


上司ということは会社にバレたらという心配もあります。出版社だから仕事繋がりで親にもバレる可能性があります。

「ずっと周囲を気にしてなきゃならないなんて、デメリットだらけじゃん」

清宮くんは、その点自分ならフリーランスだからどことも繋がりがなくてメリットしかないよ、と自分のアピールも忘れませんでした。

「お前のいい時も悪い時も全部知ってる。俺のほうがお前を絶対幸せにできるよ。俺は律が好きだ」

ふたたび真剣に告白してくる清宮くんに、りっちゃんは黙って見つめ返すしかできません。そして推し切られるように、そのまま清宮くんを泊めることになってしまいます。

(尚の気持ちは嬉しいけど、でもちゃんと言わないと)

一緒に部屋に帰宅する途中、暴走自転車にひかれそうになったりっちゃんを、清宮くんは力強く抱き寄せて助けてくれます。

「友達としてしか見れない。ってのは分かってるけどまずは俺を意識することから始めて。お前を傷つけたりしないから」

ゆっくりでいいから、と待つ姿勢を見せる清宮くんに、りっちゃんは何も言えなくなってしまうのでした。

高野さんに仕事ぶりを認められたりっちゃん


りっちゃんの仕事は佳境を迎えていました。原画展のほうは、書店の方からサイン会もできないかと話が持ちかけられています。

せっかくの機会なのでやりたい気持ちはあります。でもあまりも急なサイン会なので、集客が大丈夫なのかと、いち編集者として不安に思っていました。

告知期間も短く、人が来なかったら作家も傷つく上に、書店にも迷惑がかかってしまいます。帰りの電車で一緒になった高野さんに相談するりっちゃん。

営業が反対する可能性が高いため、りっちゃんは横澤さんを説得できるだろうかと考え込んでしまいました。すると高野さんが助け舟を出してくれます。

「今回は俺が説得してやるよ。今のお前の経験値じゃ熱意があっても打算まで組み込めないだろうし、今回は見て学べ」

上司らしくりっちゃんを支えてくれる高野さんに、りっちゃんはお礼を言いました。書店さんも頑張ってくれているから、と周囲を称えるりっちゃんに、高野さんは優しく声をかけてくれました。

「お前ががんばってるからだろ」

高野さんのひと声で、初めての仕事への緊張だとか、連日の寝不足が全部吹き飛んだりっちゃん。褒められたくて仕事をしているわけではないけれど、尊敬する人に頑張りを認めてもらえると素直に嬉しいものです。

とうとうブチ切れた高野さん


2人はもう少しでマンションに着くというところで、突然のゲリラ豪雨に見舞われてしまいます。大雨の中ダッシュで帰る高野さんとりっちゃん。

高野さんは、風邪気味のりっちゃんに自分のジャケットをかけてあげました。そして迷わずりっちゃんの手を取って駆け出します。

いい年をした男が2人、手を繋いで走って家に帰るとかバカみたいだと思いながら、笑顔の高野さんを見上げるりっちゃん。

いい雰囲気に…と思いきや、マンションの前には、今から仕事へ出ていこうとする清宮くんがいました。

2人の会話から、清宮くんがりっちゃんの部屋に泊まっているのは明らかです。高野さんにバレたー!っていうか時間の問題でしたけどね。。。

「律の邪魔をしないでやってくださいな。嵯峨さん」清宮くんは、高野さんにチクリと嫌味を言って去って行きます。

むっとした高野さんは、強引にりっちゃんの腕を引きずって部屋に押し入りました。

「次の部屋が決まるまで数日泊めてほしいって言われて…」

聞かれてもいないのに言い訳するりっちゃんに、高野さんは冷たい表情を崩しません。

「高野さんと付き合うことはデメリットしかないって言われて…」

「いい加減にしろよ」

焦って言わなくていいことまで口走るりっちゃんに、高野さんはブチ切れてしまいました。ベッドに押し倒して襲いかかる高野さんに怯えるりっちゃん。

「だったらいっその事、体だけの関係の方がお前も割り切れるだろ」

冷たい高野さんの言葉。いつもは「律」と名前で呼んでくれるのに、今日は「小野寺」と仕事モードのときのまま。。。

「なんで俺達はこうなるんだろうな」

(それは俺がいつまでもはっきりしないから)

強引に抱かれるりっちゃんは、ふと高野さんの顔を見て、高校時代に図書館から外を眺めるあの寂しげな嵯峨先輩の瞳を思い出していました。

翌朝、布団でひとり目覚めたりっちゃんは、くっきりと高野さんの手の痕が残っている手首を見て、夕べのことを思い出します。

リビングに向かうと、いつも通りに高野さんの手作りの朝食が置いてありました。

あんなことがあっても、こうやって朝食を作っておいてくれる高野さんに合わせる顔がないと感じるりっちゃん。

でもさぼるわけにはいきません。なぜなら締切が迫ってきていて、作家陣の締切破りと闘わなければいけないのだから。

やることが多すぎて頭がパンクしそうになりながらも、りっちゃんが想うのは、高野さんのことばかりなのでした。

りっちゃんが完全に恋に堕ちるまであと26日です。

世界一初恋 小野寺律の場合28話 感想まとめ


前回が恋に堕ちるまで36日だったので10日間縮まりました。

清宮くんの「高野さんと付き合うデメリット」という言葉に考えこんでしまうりっちゃん。無意識に考えていたことをズバリと清宮くんに言語化されて驚いたのではないでしょうか。

りっちゃんのような頭で考えて恋愛をするタイプの真面目な人は、先のことまで考えすぎて、相手に歩み寄る前に関係をぶったぎってしまったり、相手と擦り合わせる前にハナから拒絶したりして、せっかくの良い人間関係を構築できなくなりがちです。

人間関係、特に恋愛はメリット・デメリットだけでケリがつくものばかりではありません。りっちゃんには、メリット・デメリットの前に、まず自分の気持ちを大切にしてほしいものです。

いくら高野さんが部屋でブチ切れても、りっちゃんなら男だし逃げられたと思うんですよね。でもそうしなかったのは、やっぱり高野さんに惹かれているから。

合鍵をなんだかんだ持っているのも、清宮くんのことを慌てて言い訳しちゃうのも、心のどこかで高野さんに嫌われたくないと思っているからでしょう。

今回高野さんが「いつでも好きなときに鍵を開けて入ってきていいから」と、りっちゃんに爽やかに言ってくれました。

これが伏線となり、何年後かにりっちゃん自らが、この合鍵を使って高野家に押し入り「好きだー!」と叫ぶという胸熱展開になったらいいなと密かに思います。

りっちゃんは、高野さんさえ強引に迫ってこなければ、流されてエッチもしないと思っているわけですよね。

ということは、りっちゃんから高野さんを求めなければ、2人の関係はずっとこのままです。

エッチはするけど付き合ってない。付き合ってないけどエッチはする。要するにセフレ状態です。

高野さんが、りっちゃん自らハッキリとした好意を告げてくるまでなんとかガマンする…のはムリですね。うんムリだわ。

高野さんが1回りっちゃんを突き放して距離を置いてみる…のもムリですね。うんムリだわ。そんなことしたら高野さんの高野さんが爆発する。

延々と同じところをぐるぐる回って、りっちゃんも「俺がはっきりしないから」と自覚しています。

そこへ清宮くんがデメリットとか言い出すから、またりっちゃんがアタマで恋愛をしようとして深みにはまってぐーるぐる。

不憫な高野さんの我慢強い性格と執着心には頭が下がるいっぽうです。

恋愛ゴトばかりではなくて、りっちゃんがちゃんと仕事で認められて喜んでいるシーンはジーンときました。

ひとりの社会人として仕事を頑張って成長していく姿は、見ていて気持ちがいいものです。

大人になったら仕事はできて当然で、もう誰かに褒められることもなくなりますが、こうやってたまに尊敬する厳しい先輩に褒められて認められると、りっちゃんも嬉しかったことでしょう。

次回は2018年12月下旬発売のエメラルド冬の号です。ではまた「世界一初恋」小野寺律の場合29話の感想でお会いしましょう。

中村春菊先生のBLコミックス


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