ARUKU先生の新刊BLはこれぞARUKU節炸裂の世界観で、じっくりじっくり1歩ずつ近づいては離れる2人距離感がたまらなく甘酸っぱくて身悶えしてしまいました。
全体の1%にあたるといわれる恋愛感情や性的欲求を抱かない「無性愛者」を主役の受けにもってきたため、なかなか攻めとくっついてくれません。
しかし何か起こるたびに描かれる微妙な心理描写が丁寧で、切なさや戸惑いなど心境の変化が余すところなく伝わってきます。後半で思いがつながるまでの流れは、静かなのに一気に押し寄せてきて胸に迫りました。
少女漫画のような大きな瞳に長いまつ毛といった絵柄の美しさに加えて、誌的な表現も多いのが特徴です。なのにギャグちっくな軽さもあり最後まで一気に読み終えてしまいました。