日野晶先生の2冊目のコミックです。1冊目の「恐ろしい童貞」が好みだったので、紙とほぼ同時発売だった「ろくでなしの愛し方」は電子書籍で買いました。どちらもホストがらみのお話です。
今作は表紙がステキで目をひきますね。一瞬、子連れリーマンものかショタものかと思いましたがちょっと、いやだいぶ違いました。
【あらすじ】
いじめっ子のクラスメイトを蹴散らしてもらって以来、なおとはキリに懐いている。キリは、無神経で寂しがりやでお金のためなら何でもするホストだ。
「今はこんなだけど、いつか絶対僕がキリさんを幸せにする!」そう宣言して10年――。なおとは一途にキリを思い続けていたが?
僕が大きくなるまで まっていて
ホストのキリは、いじめられている小学生のなおとを助けて以来、なおとに懐かれます。毎日ストーカーのようにキリにつきまとって、「けっこんしてくだたい」とか噛んじゃうなおとがかわいいw
ホストといえばお金。キリはお金に執着があり、カネのためなら何でもするというスタンスです。
そんなキリですが実は子どもの頃、お金がなくて苦労して親も自殺してしまったというつらい過去がありました。そのせいでお金にこだわりを持つようになったキリ。
ちょこまかとまとわりつくなおとに対して、キリはだんだんほだされていき、親に放置されているなおとをひきとって一緒に暮らすようになります。
昔の自分となおとが重なって見えるのでしょう、なおとの身の回りの世話を焼き、学校関係の費用も払い、高校まで行かせます。
「俺に抱かれたいんだよな?」
「ううん逆だよ(キッパリ)」
高校生になったなおとは、ある時キリの愛人の男にお金よりも大切なものがあると信じられるまでキリのそばにいると宣言します。
なおとは親から放置されて育ちましたが、お金よりも愛!というタイプなんですね。
お金があってもなくても愛情は変わらない。そう信じているなおとは、とても純粋で、まっすぐにキリを想う気持ちにも幼少期から揺らぎません。
一途で健気ななおとが眩しいです。
あるとき、愛人の男がキリに借金取りの仕事を頼みます。しかし取り立ての仕事をするたびに、貧しかった昔のことを思い出して苦しむキリ。
そんなキリを見て、なおとはキリの愛人とぶつかります。
結局、愛人とキリの関係はうやむやなまま(あきらめたのかまだ水面下で三角関係なのか微妙。。。)最後はキリとなおとがくっつくという形で終了。
急展開ながらも、なおと攻めというオチ(?)もついて、高校生と30代の歳の差カップルとなりました。なおとの10年以上の一途な想いが実って良かったです。
キリのほうも、なおとというお金よりも信じられる人をようやくお相手として認識して、愛人との関係はスッパリというわけにはいかないかもしれませんが、これから少しずつまた変わっていくのでしょうね。
ビジュアルから途中までキリが攻めだと思って見ていましたが、逆と知ってから読み返すと、確かに小学生のショタなおとの言動は、すでに年下攻めの雰囲気があったなーという新しい発見がありましたw
ページ数の関係でしょうか、キリのなおとへの気持ちが見えにくかったこともあり、後半は唐突で展開を急いだように感じた部分が正直あるので、次回はじっくりと長編を読んでみたいです。
短編集なので他にも4作の短編が収録されていますがどれも楽しくて、日野晶先生はシリアスよりもこういうラブコメのほうが得意なのかもと思ったり。。。
1話ごとの配信だった「皇帝と宦官」も最近ようやく7話で完結したし、次回作にも期待したいと思います。
3冊目もお待ちしています。
日野晶先生の初コミック。
「皇帝と宦官」は1話ごとの配信でしたが完結しました!