男同士の友人関係という我々の世界での永遠のテーマをまっこうからぶつけてきたかと思いきや、思った以上に淡々と進むストーリー。
人の感情、特に恋愛感情とは一筋縄ではいかないものだという複雑怪奇さを感じさせるも、決してねっとりはしていない。会話とモノローグの噛み合わせがなんとも陰鬱ながらなぜか心地よい、不思議な歩田川ワールドです。
誌的というほどでもなく、かといって説明的でもなく、キャラクターの会話にまったく無駄がないように感じますが、これは歩田川先生の計算なのか感性なのか。
表題作の「友人関係」のほかに3つ、兄弟、幼馴染み、社会人カップルの短編が収録されています。以下「友人関係」のネタバレ感想です。