「晴れときどき、わかば荘 あらあら」の続編です。わかばママの話がとても切なくて後半はじんわりと感動。読ませるボーイズラブに定評のある、相変わらずの実力派作家・羽生山へび子先生の傑作です。
前作よりパワーアップ、いや、この続編あってこそなんじゃないかと思わせてくれる作品でした。
前作の「あらあら」を読んでいなくても楽しめますが、読んでからの方が絶対「まあまあ」をよりいっそう楽しめて感動できること請け合いです。
前作も今作もタイトルに羽生山へび子先生独特のセンスを感じます。
期待せずに読んでも期待して読んでも、どっちにしても期待以上!
今作のお話、まずは101号室。
「小田島翔✕101号室~そわそわDEAD☆OR☆ALIVE~」
けっこう短いです。でも可愛い!のひとことに尽きますね。晃太が実家に帰省していて寂しい翔が、晃太のシャツをぎゅとして眠っているところがもうかわいい。
あ~~~翔かわいいよ翔!
「202号室 鮎川要~あすなろ~」
そしてビッチ受けな鮎川先生と、その隣人の元ヤクザの澤村さん。澤村さんの色気たるや、すさまじいです。
こりゃ鮎川先生でなくても誰でも、ダメだダメだと思いながらも惹かれちゃいますね。鮎川先生のピンチを救って、澤村さんと接近するんですが、エロも激しめです。すばらしい。
2人とも暗い過去があるんですが、ちゃんと普通の幸せを手に入れたので、ほんと良かったです。
「小料理屋わかば 春野わかば~HARD LUCK WORMAN~」
さあ、ここからがスーパー感動タイム!ラスボス(?)女装ママと、ケンちゃんのお話です。ママの過去がまさかこんなに切ないものだったなんて・・・。泣けました。
昔は女装好きのサラリーマンだったわかばママ。虐待を受けていた子どものケンちゃんを保護してお世話をしますが、世間の目もあり離れ離れに。
離れても、わかばママはケンちゃんの幸せを切に祈ります。「自分の幸せをぜんぶケンちゃんに・・・」と。
そして10年後。大人になったケンちゃんは、わかばママを探し出す。もう、もう、お互いの想いが報われて本当に良かった!ケンちゃん、虐待を乗り越えて立派ないい男になったよ。。。
わかばママも、年を重ねても強く優しく懐が深くて、素敵すぎます。深い愛情と強い絆で結びついている、ママとケンちゃん。この作品を読んで良かった。心に残るBLって、こういう作品を指して言うんですね。
神様、仏様、へび子先生様。感動をありがとうございます!
ところでタイトルを見ていて思ったんですが、もしまた3巻以降の続編があるとしたら「あらあら」「まあまあ」「おやおや」「ほうほう」「ふむふむ」「やんやん」(オイw)「あんあん」(コラww)とかでしょうか。
最後の最後は「しめしめ」とかでどうでしょう。
…くだらないこと言ってすみません。
インタビューによると、へび子先生の野望はいつかヤンキーバーを開くことだそうですwしかもメニューにはやきそばパン必須とな。
そんなユニークな羽生山へび子先生のインタビューはこちら。気になる方はぜひどうぞ。自己紹介からいきなり笑えます。
羽生山へび子先生へのインタビュー。
今作ももちろんストーリー展開はぐいぐい読ませるものでしたが、羽生山へび子先生ならではの独特のギャグも例のごとく突き抜けていました。
シリアスとギャグの緩急のつけ具合、終盤への盛り上げ方ももっていき方もうまい。
ハズレのないちょっといい話を読みたいなあという人。読後感が良くて、ストーリーに浸れるお話を読みたいなあという人。みんなにお勧めです!泣いて笑ってじんわり切なくて。この感動、お値段以上です。
「晴れときどき、わかば荘まあまあ」はその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。
羽生山へび子先生のその他BL漫画。
羽生山へび子先生のBLコミックスはその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。