常倉三矢先生の「咬みつきたい」ネタバレ感想です。

初めて読む作家さんなので冒険かなあと思ったのですが、思い切って読んでみました。ナニコレ!すっごい好きです!

リーマンでライバル同士のBLなんですが、女々しくなくて仕事に熱く男らしい2人でした。仕事がデキる似鳥(攻)に今1歩およばない志野(受)が、仕事上はライバル意識がむき出しっていうのもいいものですね。

志野(受)が虎視眈々と似鳥(攻)を蹴落とそうとしているというのも、隠れてない性悪っぽさが潔くて小気味良かったです。


咬みつきたい

咬みつきたい

咬みつきたい



【あらすじ】

目の上のタンコブ的な同期・似鳥を忌み嫌っている志野は、どうにかして陥れたいと謀略を巡らせていた。しかし突然、似鳥に咬みつくようなキスをされた。何で俺が!?

「咬みつきたい」 常倉三矢


表紙の雰囲気とタイトルの「咬みつきたい」からイメージする咬み咬みな咬み合いっ子プレイ(どんなだよ)などはナシです。

基本的にはリーマンもののお仕事系BLです。

そう簡単にはオチない志野(受)っていうのがなかなかツボで、一回身体の関係を持ったからといって、変にナヨったり遠慮したりせず男のプライドを保つのも新鮮で好感が持てました。

気だるい系男子や非熱血系男子のほうが多い昨今のBL界ですが、あきらめない精神に卑屈にならない前向きさ、仕事にかける情熱や出世欲などを失わない姿勢が逆に眩しかったです。

ラブコメとしてノリもよく、後輩など脇キャラがしっかりキャラ立ちしているので、メインカップルをいっそう引き立てていたなあと思います。

脇カップルでスピンオフがぜひほしいところです。作中でさらりと描くよりも、せっかくのいいキャラなのでじっくり1冊のスピンオフで見たかったなあ。そこがおしかった。それくらい次期社長がいい味を出してるキャラでした。


最後の最後で「えっここでそうくる!?」という、ちょっとした驚きというか仕掛けがあるのも、最後まで飽きずに読めてポイント高かったです。

ひっくり返す感じやどんでん返しが好きな人は、にやっとできるのではないかと思います。

期待しないで読んだ(失礼)ということもあって、久しぶりに「おおっ」と読み返すほどのヒット作になりました。口コミがいいのも納得です。

常倉三矢先生は初コミックということでまだ新人さんだと思いますが、今後どんな作品を描いてくれるのでしょうか。このままリーマンでいくのか、全く違う路線でいくのか、次回作がとても楽しみです。

クセのないキレイな絵柄で、またチェックしたい作家さんが一人増えました。



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