ながべ先生の初BLコミックです。実はこの方、男性です。しかも2015年現在22歳の現役の美大生という驚異のニューカマー。
だからこその感性なのでしょうか、編集者の手腕ももちろんあるでしょうが「タイトル」と「表紙」と「設定」の3つだけでもう「勝ち」です。
このBLがやばい2016でも、ひなこ先生の「Blue Lust」や志水ゆき先生の「花鳥風月」に並んで、堂々の63位という快挙です。あっぱれ!
【あらすじ】
外資系一流企業の敏腕部長、ファルネイル・ヴィンセント。彼には誰にも言えない◯◯◯という秘密がある。
ちょっかいを出してくるワンコ系部下のダントや◯◯◯に理解のある鳥のジョージも巻き込んで、恋や仕事、そして自身のアイデンティティとどう向き合うのか!?
ケモナー必携の獣人+スーツ+メンズラブコメディ(おそらく)本邦初公開。
ドラゴンを鳥と犬で取りあうw
電子書籍化がもう少し早ければよかったのに、というのが本音ですが、紙の発売当時アマゾンでしばらく品切れしてたくらいの話題作です。
OPERAでの連載でしたが、OPERAさんよくぞ発掘してくれました。このBLがやばい2016にもちらっと取り上げられていましたが、いい意味で攻めたなあという感じですね。
表紙の真ん中にいるガチッとしたのがオネエの部長です。普段は外資系企業で働くデキる部長が、オカマバーでは乙女というのがもうかわいくておもしろいです。
職場ではオネエは隠していますが、ときどき隠せてないのがまた笑えるw(でもバレない)
このオネエ部長(ドラゴン)を、表紙左右の鳥と犬でとりあうというストーリーです。文字にするとなんかすごいですね。
「ドラゴンを鳥と犬で取りあう」
だめだ、ツボるw
唇だけでも先にちょうだい
獣人BLではありますがが部長は乙女でかわいいし、表紙ほどそんなにケモノっぽくなくて読みやすかったです。
「必ず帰ってくるから唇だけでも先に頂戴」とかいう鳥のキザったらしいキメ台詞に思わずきゅんとなったり(なんか悔しい)、その他ドタバタといろいろありますが、最後に部長が選んだのは犬でした。
これも文字にするとなんかおかしいですが、お話の中ではもちろんちゃんとしてるのでご安心ください。
おネエ、獣人、さらにガチムチかあ。。。という理由だけでためらっている人にはおススメしたいなと思います。
確かにムキムキしてますが部長がかわいいからか、そこまで気にならないかと。あ、エロはないです。念のため。
「男性作家のBL」という色眼鏡
ながべ先生は今は一般漫画を描かれていますが、次のBLコミックにも注目したいです。またBLも描いてほしいなあ。
次はどんな手できてくれるのか、すごく楽しみな作家さんです。作家さんが女性でも男性でも、良い作品は良いと改めて感じました。
BLの世界は特に女性作家さんがほとんどだし私自身も女なので、つい男性作家と聞くと構えてしまいがちです。
しかし「男性の描くBL」という色眼鏡を1回外して、自分のあらゆる固定観念をなくして、いろんな人の描くいろんな作品を読んでみたいなあと思わせられました。
どちらかというと、ある程度BLを読んできた人向けでしょうか。初めてのBLがコレだと「ファ!?」ってなってしまうかもしれません。
が、新しい扉は開くかもw
「獣人」「スーツ」「メンズラブ」にピンときた人、最近なんだか普通のBLには手が伸びないから斬新なものを求めている人、パンチは効いているが重くないおもしろいお話が読みたい人には、すごくおすすめです。
ツイッターのながべ先生ご本人は、けっこうぶっちゃけキャラで楽しいです。エゴサーチしてるとか黙っておいてもいいんじゃw
この前「君は性別以外は女の子だね」と言われたことをご報告いたします
— ながべ (@mucknagabe) 2015, 11月 9
ながべ先生のその他マンガ。