恵庭先生の原作小説のコミカライズ1巻が待望の電子書籍化です。何度見ても美麗な絵柄にうっとり。
小説のほうの挿絵を担当された絵歩先生が漫画の作画も担当されていて、表紙の通りの美しい絵柄のままに展開していくので、小説を読んだ人も読んでいない人も十分楽しめると思います。
作画の絵歩先生は「えほ」ではなく「えぽ」と読みます。ずっと「えほ」だと思ってましたが「ぽ」のほうがかわいいですね。
小説版の2.3巻の表紙でネタバレしているような気もしますが、何も知らずに読んで深みにはまってほしい壮大なファンタジーBLです。
原作の3巻完結ずみの小説はこちら。
本屋さんで実物を見たことがある人は分かるかと思いますが、ちょっとした凶器になりそうな分厚い小説です。でもハマるとあっという間に読んじゃうんですよね。BLおそろしや。
舞台は5人の王が治める国、シェブロン。「星見」という不思議な能力がある妹の身代わりに、王に身をささげると決めた少年・セージ(受)が主人公です。
漫画ではそういう具体的な描写はありませんが、セージは昔奴隷として男のお相手もさせられていました。
セージは妹思いのシスコンですが、ただ不憫な子どもというわけではなく強さや正義感も持ち合わせています。
ビジュアルはショタでかわいらしいですが男らしい側面もあって、王宮でただ泣き暮らす女々しいヒロインというわけではありません。
セージは連れられた王宮で、青の王・アジュール(攻)の側女として暮らすことになりますが、この青の王が1巻の時点ではちっともデレなくてハラハラしてしまいます。
ツンデレなんだよねと期待しつつ読むと、ちょっとショックかも。冷酷でドS、しかし実はいろいろと抱えているものがある。ただ青の王のビジュアルは超王道のイケメンなので、デレなくても今のところはまあ許しましょう。(何様)
ところでこのお話の世界観では、王の手の甲に「ティンクチャー」という刻印があり、その刻印を持つ者が王となります。
そしてその王に抱かれると、王の所有物として胸に羽のティンクチャーが刻印されるというシステム。要するに「こいつは俺のモノ」という証ですね。
しかもこの羽の刻印は一定期間が過ぎると消えてしまうので、また抱かれるという素晴らしい設定があります。
セージは青の王の所有物として王宮で暮らすうち、優しい赤の王ギルに淡い恋心を抱いていきます。しかし当然許される恋ではなく、ギルのために身をひくセージ。ううっ切ない。。。
正直、1巻だけ読むとギルとセージで幸せになるっていう方向性を模索してしまいます。ギルは優しいしセージも幸せそうだしこっちのほうが。。。と思うのも無理はないかなあ。
青の王はセージに対しての冷酷な態度のままですし、この2人の幸せな未来を想像しにくいまま2巻へ続きます。
私はガマンできずに小説も読んでしまいましたが、この先青の王の抱えるものやら他の王やらが出てきて、またいっそうおもしろくなっていきます。
青の王の秘密と、セージ自身のことも明らかになって行く今後。女性も出てくるのでそこが地雷な人は要注意です。
過去も人も複雑にからみあっていくのですが、漫画ではエロは控え目な描写になっています。ただ原作が小説なだけあってストーリーでひっぱっていくお話なので、もの足りない感じはないです。
私は新垣樽助×村瀬歩のドラマCDも聞きましたが、新垣さんはやはりすごかった。見事なSっぷりが天才だ。。。
アニメイト限定セット 5人の王1巻通常版+ドラマCD
エロに特化した話ではなくしっかりと練りこまれた作品を堪能したい人、なおかつ美麗な絵柄に酔いたい人におすすめです。
1巻もそこまでややこしい設定ではないしファンタジーは苦手な人やBL初心者の人にも読んでみてほしいと思います。
「5人の王」はその他各電子書籍サイトでも配信されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。
タイトルに5人の王とありますが、この1巻ではまだ全員出てきません。漫画の1巻は小説の1巻の途中までなので、完結までの先は長いです。
この先の展開が知りたい人は、小説を読みましょう。もしくは漫画1巻の続きがBL雑誌の「ダリア2016年2月号」から読めます。
小説は時間がなくて手を出せないな、ちょっと敷居が高いという人のために、読みやすい絵ノベル(漫画と小説の中間くらい)も発売されています。
この絵ノベル版「5人の王」は、Renta!さんの「2015年にもっとも売れたBL絵ノベル」で1位を獲得していて、人気の高さが伺えます。
青の王の側近の麗しいシアン様の外伝小説も出てます。シアン様あああ!!
その他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。