S井(えすい)ミツル先生のBLデビュー作です。
エロく明るくレッツH!みたいな漫画でとても気楽に楽しめました。お互いに無自覚な、でもこちらから見る分には両想いダダ漏れのザ・ラブコメです。
ギャグBLって、笑わせるほうに傾きすぎるとBがLしなくなったり、いざそういうシーンになったら違和感を感じたりと、なかなか難しいと個人的には思うのですが、そのあたりのバランスが良かったです。
攻め受けのキャラクターもしっかりしているので、ブレなくて面白かった!
真面目な黒髪メガネの外見に反してH大好きなサラリーマン神崎(受)は、セフレ男とのHに満足できず、刺激を求めてローターをお尻に装備したまま出勤します。
思った以上に気持ちよくて、お尻がムズムズしつつ仕事するも集中できずにトイレに行く神崎の前には、同僚兼上司の一ノ瀬(攻)が。
ガマンができなくなった神埼は、あろうことか憎たらしいはずの一ノ瀬と一緒にトイレの個室に入って、そのままヤッてしまいます。
堅物な一ノ瀬のほうはお説教しながらも神崎に付きあい、結局そのままズルズルと身体の関係を持つようになる2人。
そうこうするうちに神埼は、一ノ瀬が自分に好意を持っていることを感じとり、利用しようとするゲスっぷりが顔を覗かせます。
が、そんな神埼自身もセフレよりも一ノ瀬とのHのほうが気持ち良くて、無自覚に惚れているというミイラ取りがミイラになった状態。(ちょっと違うか?)
無自覚だった2人はその後、自分の気持ちを自覚してハッピーにはなるんですが、そこに行きつくまでに、ハイハイあんたたちもうお互いに絶対好きでしょー!なのにどうしてそうなるの!とつっこみながら楽しく読めました。
神埼と一ノ瀬の言動からはそこはかとなく「好き」が見て取れて、なのにちっともお互いには伝わらないというのがおもしろ展開を引き起こします。
自覚後も神崎はビッチですが安心安定のツンデレですし、もうどっちもかわいくておもしろくてラブコメっていいなと思えました。
当て馬というほどではなかったですがセフレの西条もいい人だったし、どこかで誰かと幸せをつかんでくれるといいなあ。
エロも愛があるので安心して見ていられるし、つっこみながらニヤニヤできて平和なお話にほっこりです。ドロドロしていないしエロも多めですがキュンすることもできてよかった。
リーマン好きな人、ライトなコメディ気分な人、BL初心者の人にも明るく楽しいお話なのでおススメです。
また楽しみな新人さんが出てきてくれて嬉しいです。S井先生の2冊目にも期待したいと思います。
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