「12時からはじまる」ネタバレ感想です。

「クロネコ彼氏のあふれ方」2巻と合わせて左京亜也先生の2冊同時リリースです。

クロネコのほうは漫画ディアプラスの連載作でしたが、こちらは小説ディアプラスで連載されていたものが1冊の単行本としてまとまりました。12年ぶりの再会ラブです。

赤い表紙が鮮やかで、大きな本屋さんでズラリと棚に並べてあると迫力があってすごく綺麗でした。目立ってた!リアル本屋さんでも左京先生の新刊はいつも扱いが大きくて嬉しいです。

クロネコのおかけで、耳とかしっぽとか猫科人間といえば左京先生というイメージですが、こちらは純粋な人間が登場人物になっていて新鮮でした。



夜だけ手軽なバーとして「タマヤ」を開店している侑(受)は、高校時代の初恋をこじらせてしまったゲイ。

高3のころ、親友でもあった同級生の羽田(攻)と1度だけ身体の関係を持つも、その時に無理をさせられたことがきっかけで、Hがトラウマになりセックスができない身体になってしまいます。

しかも羽田と無理のあるHをしたせいで病院に行くはめになり、親にバレるという最悪の結末を迎え、結局高校卒業後は逃げるように地元を離れて暮らしていた侑。

12年後の今、侑は遊びの相手(男)を適当に作ってしゃぶるだけという荒んだ暮らしを送っています。

仕事にしても、バーの運営はかなりあぶなっかしく緩い経営。でもそこがいいとして常連客もいるという状況で、なんとか暮らしている状態です。

すっかりやさぐれてしまった侑ですが、高校でこんなことがあったらそりゃトラウマになりますね。しかもこの羽田はHの後で「お前が誘ったんだろ」と暴言を吐くという酷い男でした。

未熟な高校生とはいえこれはひどい。侑が傷ついたのは身体だけではなかったに違いありません。

そんな侑の目の前に、再び現れる羽田。

昼間にタマヤを喫茶店として経営している老夫婦が店をたたむことになり、店舗として使ってくれそうな人を探していたところに羽田が登場します。

老夫婦の推しもあり共同生活を送るうち、昔のことを思いだす侑。なぜか優しい羽田に最初は戸惑いつつも断固として拒絶し、強固な態度を崩さない侑に、羽田もねばります。

12年間ずっと侑を探していたという羽田。高校の時に侑を傷つけてしまいましたが、若さゆえの意地もあり素直になれなかったことなど、今さらながらに語る羽田に侑は胸中複雑です。

本当は侑のほうも羽田が好きなのに、こじらせてしまた今簡単には素直になれない。また羽田を誘惑してみても、怖くてお尻を使えない。。。

Hシーンは安心安定の左京先生なのでエロエロでした。2人の美しい裸体もですが、気持が萎えるような修正がほとんどなく、いつものように身体やらセリフやら効果音やらでうまく隠されています。

クロネコシリーズもそうですが、左京先生の裸体は後ろ姿とかお尻が特にエロい。キャラクターのスタイルが皆すごく良いのも裸体の見栄えをよくしています。

あとベロチューがナチュラルにエロエロしいのも左京クオリティ。眼福眼福。

捻くれていた侑も、再会して寝食を共にするうちだんだんツンがまるくなりやがて気持ちが通じ合い、身体の方も繋げるようになります。

トラウマを植え付けられた相手でもあり初恋の人と、大人になって再会しもう一度リスタートするというハッピーエンド。

クロネコシリーズが好きということもあり、そちらのインパクトが強烈でつい比べてしまいますが、1冊で完結するお話としてよくまとまっていました。

ほぼモブキャラですが、侑のバーの常連3人も個性的でいい味を出していてツボでした。次々と彼氏ができるもすぐに別れるOLに、帰宅拒否のサラリーマン、おねえ言葉の公務員。

この異色の3人が侑のバーで知り合って愚痴を言ったり聞いたりして安い酒を飲んでいるわけですが、こういう居心地のよいゆるーいバーが行きつけだと隠れ家という感じで楽しそうでいいですね。

3人とも実生活では知り合わなさそうだし、バーに来なければ知り合わなかったであろう人というのもなかなか貴重な人間関係です。

個人的にはおねえ言葉の公務員にいったい何があったのか気になります。普段はおねえ言葉を封印して仕事して、夜に侑のバーでハジけるというスタイルなのかな。実は侑に片思いしてるとか、ありうるかも。

帰宅拒否のリーマンも、実はメガネを外すとあらびっくりないい男という昭和なパターンなんじゃ?とか妄想は膨らみます。

この帰宅拒否のリーマンは羽田と侑がやったかやってないかを「ゆうべ、おやりになりましたね」とズバリと当てたりしてますが、この人もきっとゲイですよね。

なんで帰宅拒否しているのかな。家族にゲイバレして居づらいとかでしょうか。

愉快な常連客と一緒に、侑と羽田のこじらせた初恋の成就を見届けられてよかったです。1冊まるごと表題作なので最後までじっくり楽しめました。



「12時からはじまる」はその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に応じてどうぞ。

【BookLive!】12時からはじまる

【ひかりTVブック】12時からはじまる

【コミックシーモア】12時からはじまる

【eBookJapan】12時からはじまる



左京先生からのチラ見せも。




左京亜也先生のBLコミックス。











左京亜也先生のBLマンガ一覧

左京亜也先生のBLコミックスはその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。

【BookLive!】でBL漫画を探す

【ひかりTVブック】でBL漫画を探す

【コミックシーモア】でBL漫画を探す

【eBookJapan】でBL漫画を探す

 カテゴリ
 タグ
None