新人さんと言うにはあまりにも貫禄のあるスカベリ先生の最新作も、とうとう最終話まできました。
5話でぎくしゃくしたままケンカした啓介と正行の関係、さらには失踪してしまった克己の恋人の荒巻先生の行方、三好の動向など気になることが盛り沢山な6話。
最終回だから49ヘージの大ボリュームですが、お値段は変わらず108円という太っ腹に感涙です。
電子書籍での月イチ連載ということで、雑誌を読む感覚で毎月楽しませてもらいました。もう来月から連載がないかと思うと寂しいですが、完結まで読めてすごく満足です。
完結して評判を聞いてから読むかどうか考えようと思っている人がいるなら、迷わずおすすめします。
パンストは永遠に不滅です!
パンスト姿を見せた前回ラストからこうなるだろうなとは思いましたが、啓介のこの豪快なお姉ちゃんは当然、啓介を否定するようなことはありませんでした。
たったひとりの弟の啓介を、ここまで育ててきたお姉さん。やっぱりいい女です。
一方、三好は学校をさぼってデザイナーの保坂さんのところに会いに行きます。キス写真事件の時に名刺をもらっていたので、連絡したのでしょう。
二丁目の雰囲気にびくびくしながらも保坂さんに会うのは、すべて克己のため。失踪した荒巻先生の行方を捜している三好に、保坂さんは荒巻先生のところへ案内します。
二丁目の飲食店らしきところで裏方仕事をしていた荒巻先生。一応荒巻先生は居場所を口止めしていたようですが、息をするように裏切る保坂さんががステキですw
三好を気に入っているというのもあるでしょうが、保坂さんとしても荒巻先生のやりかたには疑問を持っていたのでしょうね。
実は荒巻先生は、克己とつき合いはじめたころから学校をやめると決めていました。バレたときに克己を退学させたくないということで、こちらも克己には本気だった様子です。
なのに突然失踪して克己に連絡もしないのは、荒巻先生が大人がゆえにいろんなことを頭で考えすぎてしまったから。
大人になると良くも悪くも知恵がつき、何かをしないことへのもっともらしい言い訳を思いつくようになります。そしてどんどん素直になるのが難しくなる。
自分じゃダメだからここに来たと泣きながら訴えて、克己に会ってやるように進言する三好は、荒巻先生にとっても保坂さんにとっても眩しく見えたはず。
三好はただの当て馬にしておくにはもったいない、いい男です。いい人になりすぎると損をする、これも確かにそう思いますが、好きな人の幸せのために動ける男はやはりかっこいいですよね。
学校で荒巻先生の居場所を教えて克己の背中を押してやる三好。おかげで克己と先生は無事に再会することができました。
荒巻先生は大人ぶってはいましたが三好と克己のキス写真を見て凹んでスネてるとか、かわいいところもあって憎めない。案外こういう人は不器用で誠実で、そんなところに克己も惹かれたのかなと思いました。
荒巻先生には(もう先生じゃなくなったけど)今度こそ克己を離さないでほしいと思います。
三好には保坂さんがついているし(決めつけ)、保坂さんに肩を抱かれただけでびくびくしてるところもたじたじしてるところもウブでかわいいし、とにかく保坂さんがいるから大丈夫でしょう。
三好きゅんのスピンオフないかなー。相手は保坂さんでも別キャラでもいいので、とにかく俺たちの三好くんが幸せになる姿を見届けたいものです。
啓介と正行のほうは、正行が啓介を目で追う展開が続き、とうとう屋上で正行が啓介のところへ辿り着きます。正行の結論は「パンストなしでHする」というもの。
啓介のパンストを履いた脚が好きだったはずなのに、いつの間にかそれだけじゃない気もしていた正行。この気持ちが何なのか、確かめる方法はひとつ。どうせ友達じゃなくなるのなら、やってみないと分からない。
正行の提案を受け入れて誰もいない屋上で結ばれる2人。
2人とも男は初めててで(啓介は童貞)余裕はないし、と見せかけてコンドームを口で開封する正行がかっこよかったりと、甘くてエロエロな初Hが素晴らしかったです。
正行がポケットにいつもゴムを用意しているという用意周到ぶりもさすが。右のポッケがゼリー付きと決めてるとかチャラ男ぶりを見せつけてくれましたが、今後は啓介のために用意するものが増えそうです。ローションとかお道具wとかね。
最後に啓介が福祉関係の勉強をしたいと受験を決意し、将来の展望も見えかけたところでおしまい。メインカップルも無事にくっつき、サブカップルも元通り、さああとは三好きゅんだけだ!(しつこい)
あ、克己のほうも無事に荒巻先生を「食った☆」ということでラブラブです。写メに密かに映りこんでいた先生の腰のシップを私は見逃さなかった。克己はいったいどんな食い方をしたんだかw
というわけで「ジャッカス!~触っていいって誰が言ったよ?」半年間の連載が終了です。
いやあおもしろかった!あっという間の全6回でした。1話1話あっという間に読み終えるからすごく早かった気がします。
ところで今回啓介たちの高校の文化祭で、克己のクラスは「ドSアリス」という企画をしているんですが、やさぐれた克己がアリスの恰好で男たちを踏みつけるという謎企画に2時間待ちの行列とか、ちょいちょい笑わせてもらいました。
啓介たちのクラスはメリーゴーランドなんですが、案の定手押しのメリーゴーランドだったりとじわじわくるシーンもあったりと、楽しそうな高校でうらやましいです。
あと、盛大に克己の背中を押した(=ふられた)三好が、文化祭に来ていた女性陣に拍手をもらっていたりしたのも、いいシーンなはずなのに地味にじわじわきます。たまたま来場者に腐女子が多かったのかな。
スカベリ先生の作品ってどのシーンにも意味があるというか無駄なコマがないというか、ひとつひとつのコマすべてにコメントをつけたくなるような魅力があります。
今作は「脚フェチ」というキーワードを絡め、スカベリ先生の画力を存分に活かせる設定で、また全国の腐女子たちを魅了してくれました。
また1話ごとに違う表紙でしかもカラーだったのも地味に嬉しいです。1話ごとの電子配信はずっと同じ表紙ということも多いので、愛を感じました。
ジャッカス!の意味は「アホでマヌケな子」という意味ですが、おバカで未熟な高校生たちの一生懸命なところにぐっときたし、メインキャラもサブキャラも皆どこか「愛すべきバカ」だったのがポイント高かったです。
最終回できちんと結ばれてスカベリ先生のエロもしっかり魅せてくれたし、特に5話の大きなうねりからの最終回への流れにはワクワクしました。
コミックス化もそのうちされると思いますが、三好をなんとか!なんとか三好を!幸せに!!してやってほしいです。
またスカベリ先生の次回作も楽しみに待ちたいと思います。
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