4月からはじまった春アニメの中でも最もお気に入りのアニメとなったジョーカーゲーム。原作の小説も読みアニメも毎回楽しく見ています。終わってからニコニコでコメントつきで見返すのもまた楽しい。
正直1回見ただけでは理解しにくく何回か見てようやく納得する部分もあり、原作を読んでいる人と未読の人には温度差がありそうです。
しかしそれでも、キャラクターの誰かを気に入ったらきっと世界観ごと楽しめるのではないかと思います。私はどハマりしました。
どの話数にも結城中佐が背後に感じられてかっこよすぎます。放送が終わってから、キャラクター原案の三輪士郎先生のツイッターの落書きを見るのも恒例の楽しみになっています。
本編では見られないおちゃめなD機関員たちが素敵で、ときどきあの結城中佐の笑顔の次回もよろしく☆な決め顔からの、D機関員がそれを見て固まってる落書きが最高です。
9話のダブルジョーカーを終えて残るはあと3話となりましたが、ダブルジョーカーの森嶋が実井だったことから11話の「柩」のスパイ(真木)はやはり三好になることが色濃くなり、ひとりうち震えています。ああ恐れていたことが…。
アニメのジョーカーゲームで柩をやるとしたら誰になるのかなとは思ってましたが…。
7話が終了したくらいに公式サイトの各話の「STORY」が更新されて「柩」の文字が見えた瞬間、嫌な予感がしたんですよね。「柩」やるんだ!ってびっくりしたのはびっくりしたんですが、まさか三好が真木なのかなー…しょんぼり。
12話の「XX ダブル・クロス」に三好がいるのは12話の時系列が11話の「柩」以前だからであり、そうなるとやはり三好が…。
三好は1.2話のサブキャラとして一番目立っていたし、曲者ぞろいのD機関員のまとめ役だし、あのナルシストっぽい美人な雰囲気も佐久間さんとのからみも非常にかっこよかっただけにやるせないです。つ、つらい。
いやでも優秀なスパイのごとく視聴者をけむに巻くあの公式のことだし、はっきりと三好と分からないように描写するかもしれません。原作小説の「柩」では真木にセリフがないのでその可能性もなきにしもあらずです。
小説では真木の優秀さはもちろんですが、結城中佐の義手の原因になった若き日の結城青年の過去話のインパクトも強烈でしたし、そちらの描写は楽しみです。結城青年はやはりただ者ではなかった。痺れるほどかっこよくて惚れ直します。
以下、小説の「柩」のざっくりとしたあらすじとアニメの各話数ごとの感想です。どちらもネタバレ注意です。
小説版「柩」ネタバレ感想
柩の真木がD機関の誰になるのか、三好説がいよいよ強いですが小説のほうのあらすじをざっくり復習しておきましょう。
22年前、日本軍の裏切りによってドイツ軍に捕まり拷問を受けるひとりの日本人青年(若き日の結城中佐)。彼は「魔術師」の異名を持ちスパイとして暗躍していましたが、その優秀さを妬む日本軍部により売られたのでした。
悲惨な拷問の隙をつき自らの片手を犠牲にして、およそ人間とは思えぬ手腕と精神で鮮やかに逃亡する結城のやり方を目の当たりにしたドイツ軍人のヴォルフは、その逃亡劇に巻き込まれて片目を失います。
22年後、ベルリン郊外で起きた列車事故の死者の日本人青年・真木からあの魔術師の影を感じとるヴォルフ。今度こそあの男を逃がさない。必ず捕まえてやる。
真木の遺体を安置している病院を新聞などで公表し、結城や真木の協力者が餌に喰いつくのを待つヴォルフ。しかしいっこうに動きがありません。イラつくヴォルフ大佐ですが、ふと亡くなった真木の服の襟の部分が切りとられていることに気づきます。
真木はスパイ活動で得た情報を、結城に渡した後に事故に遭い帰らぬ人となったのでした。そして真木しか知らない重要情報(協力者のリスト)はいつもシャツの裏側に隠してあり、事故を聞きつけた結城中佐はすぐに真木の遺体のある病院へかけつけ服の襟を切りとった。
結城中佐はヴォルフ大佐が動き出す以前に、すべての手を打っていたのでした。
病院で職員のいない隙を見て真木が遺したサインを逃さず襟を切りとり、開いたままだった真木の目をそっと閉じる結城中佐…。
スパイにとって死はすべての終わりであり、不慮の事故も任務の失敗であると見放されます。
結城中佐の教えを元に、異国の地で優秀なスパイマスターとして暗躍していた真木を襲った不運の事故。己の死を覚悟し薄れゆく意識の中で、それでも結城中佐を信じてスパイである自分が最後になすべきことをやり遂げ、安らかな顔で死んでいった真木。
全てを欺き生き残ってきた結城中佐が、そんな教え子の最期に見せた小さな配慮。完璧超人に見えていた結城中佐がふと見せた思いやり。
私が全エピソードの中で「柩」を一番好きなのは、結城中佐のこの印象的な行為があったからかもしれません。しかもこの行動は直接描かれず看護師の言葉で語らせるとか、ただただ巧くて余韻の残るラストに胸がいっぱいになりました。
当たり前ですが結城中佐も人間だったんだ…。魔王とか大魔王とか言ってごめん。アニメ10話で子どもの頃の有崎晃の目つきが悪くて、別人だけど結城中佐にそっくりだなーとか思ってごめん。惚れたよ。いいや惚れ直した。
アニメでの真木は、残ったキャラクター的に三好になると思いますが、あえて顔を写さず「これは三好かな。三好、だよね?」くらいにぼかした描写であってもおもしろいですね。死人なので顔を写さなくても何の問題もありません。
10話の予告で三好がミレーの絵画オフィーリアを見て「生きているか死んでいるか分からない」と言及しましたが、やはり真木は三好なのねと思わせつつ、視聴者をも欺くやりかたでジョーカーゲームファンを唸らせてくれないかなとちょっと期待していたりします。
あ、もちろん真正面から真木は三好として描いてくださっても私は受けとめたいと思います。
私のつたない文章ではいまいち原作の素敵さが伝わらないのがもどかしいですが、このざっくりしたあらすじなんて吹き飛ぶくらい真木も結城中佐もかっこいいです。
「柩」はどちらかというと結城中佐メイン回とも言えますね。若き日の結城中佐にも、今現在の結城中佐にも惚れます。確実に惚れ直します。大事なことだから2回言いました。
アニメ11話「柩」の放送が終わった後、三好ショックに打ちひしがれていなければ、アニメのほうの感想も書き加えたいと思います。小説との違いなんかも比較できればいいな。
まずは11話の冒頭ナレーションが三好かどうか、ジョーカーゲームクラスタは固唾を飲んで見守ることになりそうです。
追記)アニメ11話「柩」の感想を書きました。
ジョーカーゲーム11話 柩 ネタバレ感想
今はアニメカバーの表紙(中は一緒)で書店にも並んでいて目にする機会も多いと思います。本当におもしろいのでアニメを気に入ったらぜひ原作小説を読んでみてください。
「柩」はダブル・ジョーカーに収録されています。
以下、アニメの各話数ごとの感想です。
1.2話「ジョーカーゲーム前編・後編」
佐久間(CV関智一)回。ハラキリショーなるかと思わせつつ終わるという1話の引きが完璧でした。三好の艶っぽさと佐久間さんの実直な軍人っぷりが、中の人のお芝居と相まって素晴らしかったです。
夜中にジョーカーゲームで見事にD機関員にしてやられたり、髪が伸びて料亭の女将の前で照れる佐久間さんがかわいくてお気に入りのキャラに。小説にあったD機関内で敬礼しちゃって結城中佐に罰金をとられるシーンは、アニメでも見てみたかったです。
佐久間さんとD機関員達のスーツ姿(もといこの時代は背広姿)が痺れるくらいかっこよくて、こんなに帽子がよく似合う男たちがいただろうかと小一時間ほど悩むレベル。IGさんの作画が良すぎて惚れ惚れしました。
総じて1.2話でこのアニメの掴みは文句なしにOK。最高のスタートを切りました。2話終了の時点で今季最高のアニメになる予感がもりもりしました。
3話「誤算」
波多野(CV梶裕貴)回。原作未読組は、あれれ佐久間さんは?と思いそうですが3話からはお当番回で、各話ごとに主人公が変わります。
有能なスパイものにつきものの(?)みんな大好き小麦粉爆弾も飛び出しあっという間に終わった3話。ゲストキャラの声優さんが豪華です。
神父様の恰好で登場した結城中佐が「残ってもいいんだぞ」と言うシーンが、個人的には小麦粉爆弾よりも印象に残りました。硬派で地味ですが大人向けの質の良いアニメになると確信しました。強い!ジョーカーゲーム。
神出鬼没の結城中佐が渋くて痺れます。
4話「魔都」
福本(CV中井和哉)回。ちょおま誰だよという見事な別人っぷりに驚愕です。あのメガネがすごいのか福本がすごいのかあるいはその両方か。
及川(CV藤原啓治)の狂気に満ちた言動もさることながら、髪を下ろした及川のイケメンっぷりを見逃さなかった私はえらい。泣きぼくろもセクシーでした。
本編ラストの福本のニヤリと笑った一瞬の顔がイケメンすぎてビビっていたら、予告でまさかの田崎(CV櫻井孝宏)が全部もっていくという最高のオチがつきました。福本は怒っていいと思います。
1話の割烹着姿が強烈なインパクトで異彩を放ち、料理好きでD機関員の食事は福本がほぼ作っていたというオカンポジション。D機関員の中でも小田切と並んで無口という設定の中、口を開けばイケボという美味しさがニクいです。
また上海の福本から日本に届く思いやりの数々がいちいちツボでした。(三輪先生のツイッターより)
5話「ロビンソン」
神永(CV木村良平)回。D機関員のメンタルの強さが垣間見えたロビンソン。絶体絶命のピンチからの脱出劇にハラハラドキドキさせられました。
にしても化け物すぎて有能すぎるD機関員、そしてそれを作り上げた結城中佐のチートっぷり。結城中佐についてはもともと優秀なスパイだったけれど、それにしても一体何手先まで読んでいるのやら。恐ろしや。
神永を助けた英国陸軍のスリーパーについては原作の「ジョーカーゲーム」に収録されています。ここでも結城中佐が。あな恐ろしや。
6話「アジア・エクスプレス」
田崎(CV櫻井孝宏)回。鳩を一躍有名にした田崎回ではショタっ子3人が大活躍でした。子供ですらうまく動かす田崎の器用さ大胆さ。おじさんと呼ばれようともめげません。
スマートすぎるくらいスマートに難なく仕事を終えた直後、懐から生きた鳩をとりだしたところが通常なら超シュールなはずなのに、なぜかかっこいいというミラクル。田崎だから許せてしまうという不思議。悔しい。
鳩はやはりD機関内で育てているんでしょうかね。結城中佐は鳩にまでマインドコントロールとかを仕込んでそう。強い。
また6話では初のCパートがあり、なにやらD機関に対する陸軍内部からの敵意や風当たりの強さに不穏な空気が感じられました。
何にせよとにかくいい鳩回でした。
7話「暗号名ケルベロス」
甘利(CV森川智之)回。幼女とイケメンという私の好きな組み合わせに眼福です。全身白スーツに白いハット姿でイルカを呼んでいいのは甘利だけだと思います。
冒頭で「止めろー!」とだけ叫んで死んでいったエマの父親がまさかのCV小西克行という思いきりのいい声優さんの使い方に、エンディングのキャスト蘭を思わず二度見しました。
幼女をだっこして海を見つめながら犬と共に引きとる覚悟の甘利さんの伊達男っぷりが眩しいです。幼女をだっこしてウインクしていいのは甘利だけです。
エマちゃんを連れて帰ったときの結城中佐の反応が見ものでしょう。魔王はエマちゃんに優しくできるのでしょうか。あ、佐久間回で旅館の芸者のお嬢さん方とのお戯れを見る限り問題ないですね。
CV森川さんの異名である帝王という名にふさわしい、まさに帝王回でした。余談ですがD機関員の中のプレイボーイ枠は神永と田崎と甘利だそうです。ほほう。
8.9話「ダブル・ジョーカー」
原作ではD機関員として描かれていた蒲生(CV津田健次郎)が敵対する役で8話、からの実井(CV福山潤)回の9話。
D機関に対抗する組織として作られた、風戸中佐率いるエリート軍人によって組織された風機関との壮絶な戦いになるかと思いきや、結城中佐にいいようにあしらわれて早々に風機関は壊滅。やっぱり魔王だ。
実井と結城中佐が立ち去る際に風戸中佐の元に拳銃を置いたままにしていったこと、その拳銃に焦点が当たるような演出、そしてラストの銃声までの流れがさすが見せ方を分かっているなあと思いました。
D機関の掲げる「死ぬな殺すな」に対して風機関の「躊躇なく殺せ潔く死ね」という対比も分かりやすかったです。実井がスタイリッシュな跳躍を見せて蒲生を簡単に落としたところもよかった。
結城中佐の料亭での変装っぷりがお見事でした。声は別人が演じていたのかと思うほど違っていて、匠の技を垣間見た気がします。あんなに声質を変えられるものなんだ。声優さんってすごい。
実井覚醒回にして、名前だけ神永と波多野も出演してちょっと嬉しかった9話。実井と結城中佐は車でしたが、あのあと2人はどうやって帰ったのでしょう。
あと、特筆すべきは風戸中佐(CV黒田崇矢)が低音のとんでもなくいい声でした。
小説のすべての短編がアニメになるわけではないので、まだ放送されていないエピソードの2期を期待したいですが難しいかな。機関員みんなが揃っているところをもっと見たいから、訓練中の様子を詳細にアニメ化とかどうでしょうか。
佐久間さんも陸軍から出向して授業を見守っているという形式でお願いしたいな。ジゴロによる女の口説き方の授業とかとんでもなくおもしろそうです。
あと、Blu-rayBOXの上下巻の特典の新規アニメ「黒猫ヨルの冒険」がとんでもなく楽しみです。訓練中のD機関に猫のヨルが迷い込むそうですが、その猫の声が佐久間さんと同じCV関智一というニクい演出です。
【新作アニメーション「黒猫ヨルの冒険」(前編)あらすじ】
好奇心旺盛な野良猫「ヨル」が腹を空かせていると、魚屋で買い物をするD機関の福本と遭遇する。匂いにつれられてその後を追うヨル。魚に目がくらんだヨルが大東亜文化協會に忍び込むと、そこには訓練中の機関員たちがいて……。
【新作アニメーション「黒猫ヨルの冒険」(後編)あらすじ】
福本から魚をもらうことに成功するも、猫嫌いの三好に見つかってしまい大東亞文化協會から追い出されるヨル。しかし、D機関を陥れようとしている者たちの陰謀を知ってしまい……。
魚屋で買い物をする福本とか猫嫌いの三好とか、こんなのワクワクしかないですよねw
アニメは1話1話が終わるのが早過ぎて毎回びっくりしています。残るは3話。
10話 追跡
11話 柩
12話 XX ダブル・クロス
11話ショックを覚悟しつつ楽しみにしています。
追記)WEB版の11話予告に痺れました。
ジョーカーゲーム11話柩の予告の結城中佐がかっこよすぎました。
柳広司先生による原作小説は「ジョーカー・ゲーム」「ダブル・ジョーカー」「パラダイス・ロスト」「ラスト・ワルツ」の順に合計4冊がシリーズとして刊行されています。
「ジョーカー・ゲーム」は2008年度の「このミステリーがすごい!」で第2位、第30回 吉川英治文学新人賞受賞、第62回日本推理作家協会賞を受賞しています。
難解さのない優しい言葉が使われていることと、読みきり形式の短編なので読みやすくておススメです。
最後に、公式がやらかしてくれた(褒めてます)のがこちら。
ジョーカーゲームのパラレルワールド「ドラマCD警視庁D課捜査ファイル」個性豊かな刑事にふりまわされて胃が痛そうな佐久間係長の心中お察しします。
学級崩壊しそうな 「ドラマCD それいけ! 2年D組佐久間先生」も夏に発売されます。本編との落差よ。みんなキャラ立ちしてるからこういう派生作品も作りやすそうだなあ。
TVアニメ「 ジョーカー・ゲーム 」 ドラマCD 警視庁D課捜査ファイル
TVアニメ「 ジョーカー・ゲーム 」 ドラマCD それいけ! 2年D組佐久間先生
各電子書籍サイトはこちら。
- 関連記事
-
- ジョーカーゲーム11話柩の予告の結城中佐がかっこよすぎる
- ジョーカーゲーム 柩 ネタバレ感想 真木は三好か問題とあらすじ
- ジョーカー・ゲームのキャストと第2弾のPVが公開