猫田リコ先生の新作BLは、イケメンだわモテるわ仕事もデキるわ人望はあるわと何拍子もそろったまさに「デキる男」の攻めが、同じ会社で働くお人よしで鈍感な先輩をエロく愛しまくるというお話です。
タイトルに偽りなし。好きな人のピンチにさっそうと現れてスッと300万円差し出すとかスパダリ決定!おまけに料理上手に床上手なんて文句なしに最高じゃないですか。
表紙の色使いがちょっぴり地味で、さほどエロは期待していなかったから余計にテンションが上がりました。こんなに明るくかわいいお話ならもう少しポップな色合いでも良かったと思いますが、ギャップ効果というやつでしょうか。
自然と頬がにやにやとゆるみっぱなしで表情筋を律するのが大変でした。シリアスな長編を読んだ後のお口直しにぴったりな、重くなくて気軽に読めて、かわいくエロく幸せなお話に大満足です。
デキる男 電子書籍
デキる男 感想 ネタバレあり
ポンと300万円出してくれるスパダリ手越
お人よしで女の子にいつもいいようにあしらわれて結局ふられる須羽(受)は、同じ会社で働く2歳下のイケメンの後輩手越(攻)に嫉妬と羨望の眼差しを向けています。仕事ができてモテモテの手越に対して妙な対抗心を持っている須羽。
手越の方はというと、先輩である須羽にチョコをあげたりコーヒー休憩に誘ったり満員電車でかばってくれたりと、さりげない優しさを見せる紳士。デキる男はやっぱり違います。
手越は絶対、須羽の好きなチョコを事前にリサーチしてたに違いないですよね。こういう分かりやすい優しさっていいなあ。
何かと構ってきては軽口をたたきあうという先輩後輩の2人ですが、ある日須羽が女の子の連帯保証人になっていたことが判明。300万円の借金を背負うことになってしまいます。300万円…庶民の私には気が遠くなるような大きな金額です。
突然の借金に呆然とする須羽の前に手越は300万円の現金を持って「あげます」と爽やかにトンデモ発言。こんなこと言われたら須羽じゃなくてもびっくりです。
本人いわく「放っておいたら300万円貯まった」そうですが、本当ならこれってすごい。手越は入社して3年なので1年に100万円ずつ貯めたってことですよね。
実は何かあった時のために備えていたのかもしれませんが、でもそれを言うと須羽が負担に思うから、あえていつの間にか貯まったなんて言い方をしたのかな。
そういえば料理も上手で自炊しているようだし、本当にあまりお金を使わないタイプなのかもしれませんが、どっちにしてもすごい男です。
イケメンがよりイケメンになった
もちろん須羽はそのお金を受け取れるはずもなく、自分の身体ひとつできちんと返済すると宣言。それを受けて手越は、自分とヤることで300万円を返済するという流れに持っていきます。
茫然としつつも流されるままに手越と関係をもつことになった須羽。男がはじめてにしてはあっさりHできたような気がしますが細かいことは気にしない。結局トロトロになる須羽がかわいいです。
須羽の身体の線が細くてまるくて女性的なので、そこが苦手じゃなければきっとエロには満足できるかと思います。アングルも多彩だしエロへのこだわりを感じました。手越の手が妙にエロティックなのもポイントです。
手越が髪を下ろしたところが思った以上にかっこよくて、普段髪を上げたり整えてる人がお風呂上りにナチュラルヘアになっているとキュンときますが、イケメンがよりイケメンになるというのもオツなものです。
天然ポジティブな須羽
やっちゃった後、2人で1回につきいくらの返済額にするかを決めようとしますが、手越はまた「1回50万」とかトンデモ金額を提示。どこの富豪だ。これだと6回で返済完了じゃん(笑)手越も手越でちょっと天然入ってていいコンビです。
うっかり餌付けされて、美味しくなんかないんだかねっみたいにツンなふりをしたり、いつでもヤれるように、じゃなくて節約のために同居することになって、晩ごはんが鍋焼きうどんになって密かにウキウキしたりとか、須羽がいちいちかわいいです。
冷静に考えると須羽は突然多額の借金を背負わされて精神的にもキツい状態のはずなのに、借金した女の子を恨んだり自暴自棄になったりせず、前向きで明るくふるまっているのは救いだなー。
こういうめげない人がいるとこっちまでつられて笑顔になれるし、須羽の人の良さというところに、手越も心惹かれたのかもしれません。
須羽のお口のご奉仕に気持ちよくなったのをごまかそうとする手越と、そんな手越を見て「フェフェフェラしたから!?」とか思う須羽など2人がいちいちバカップルっぽくて、もうつき合っちゃえよ!と20回くらい突っ込みたかった。
小物や雑貨まで注目ポイント
私のツボなところとしては、例えば手越の家にあるボックスティッシュが「OHANASUKKIRI(お鼻スッキリ)」だったりして、そんな安直な商品名ある!?絶対売れないよ!?と思ったり。
須羽が朝の通勤電車で読んでる雑誌に「アラブの金持ちvsイケメン」「デリヘル」とか書いてあって、いったい須羽は何を読んでいるのか非常に気になりました。
好きな人を問われて不機嫌になった手越の機嫌を直そうと、須羽が内心「ゴリラ面白いだろ!」とか思っていたり、その時のシラッとした表情の手越とか細かいところで笑わせに来てて、吹き出しのセリフ以外の手書き部分のセリフや文字なんかもよーく見てみたくなるという楽しみ方もできます。
須羽のゴリラのところ、後からすごくじわじわくるんですが私だけでしょうか。うーむ猫田リコ先生とは気が合いそうだ。
感想まとめ
結局、展開としては大方の予想通り手越の好きな人は須羽で、借金も宝くじに当選するというラッキーにより帳消しになり気持ちを確認し合ってハッピーエンド。
須羽の鈍さはイラッとするほどではないし手越はずっといい男のままだしエロエロでかわいいお話でした。
BL初心者の人、さらりと読めて読後感の良いものを探している人、キュンかわエロが揃ったもの求めている人にもぜひおすすめしたいです。
猫田リコ先生のBLコミックス
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