春風のエトランゼ2巻のネタバレ感想です。

2巻は駿の弟のふみ君がたくさん出てくるので、いっそうファミリー感あふれるBL漫画となっています。

メインキャラの駿も実央も20代には見えないくらい童顔ですが、ふみ君のようなリアル子どもが出てくると、紀伊カンナ先生の柔らかくて可愛らしい絵柄によく合うなあとほんわかします。普通に児童書や絵本の挿絵とかにも使えそうで、見ているだけでほっこり。かわいいなー。

はじめて読む方は「海辺のエトランゼ」からの「春風のエトランゼ」になるので、まずは海辺のエトランゼを読まれることをおすすめします。

海辺のエトランゼは2014年7月25日発売、春風のエトランゼ1巻は2015年7月25日発売、春風のエトランゼ2巻は2016年7月25日発売と、見事にちょうど1年ごとに発売されています。

ということは3巻は2017年7月25日に読めるかな。夏恒例の楽しみになりますね。それでは以下、春風のエトランゼ2巻の感想です。ネタバレしているのでどぞお気をつけください。


1巻の終わりでは、クリスマスの夜に盛り上がって駿が実央にお口でご奉仕しているのを誰かに見られたというとんでもないところで終わっていました。

それが実は駿の弟のふみ君だったことが判明します。お、お父さんじゃなくて良かった。けど小学生のふみ君でも相当まずいです。いや何も知らないふみ君のほうがいろいろとまずいかもしれません…。

案の定、翌朝ふみ君は、実央には生卵を投げつけるわ駿には真っ青な顔で触るなと言い放つわ、2人から逃げるようにして家を飛び出してしまいます。そりゃそうなるよね。まだ7歳の小学生だもん。突如帰って来たお兄ちゃんが男のアレを咥えてたらびっくりして混乱するのは当然です。

ふみ君が駆け込んだのは桜子のところで、夕べ目撃したことをありのままに話します。こ、こういうところはさすが7歳児ですね。怖いもの知らずというか、相手が桜子ちゃんで良かった。

「埋めてやろうかしら」桜子嬢の心の声に思わず笑いそうになるも、駿たちのことをさりげなくフォローしたりとやはりいい女です。

そんなナイスアシストを桜子嬢が繰り出したことにも気づかない男2人は、カフェでふみ君対応を画策中でした。しかもシてた部屋の家具の位置とかを髪に図式化して、角度的には見えてないかもとか見えてるとかなんかズレてる(笑)

そこへ桜子嬢がふみ君を連れてやってきます。「なんでち○ちん食べちゃうの」と直球のふみ君が眩しい。いや正解すぎて何も言えない。

駿は男が好きであることは変なことじゃないと告げますが、幼いふみ君にはまだよく分かりません。皆と違うのは嫌。だけど違うからといって変と言われるのも嫌。自分の中で整理したふみ君は、すぐに駿にごめんねをしに行きます。

ふみ君は素直で頭のいい子なのでしょう。それにお兄ちゃんである駿の話を今まで誰もしなかったことにもモヤモヤしているようです。

実はふみ君は養子で、だから駿が1巻でふみ君の年齢を聞いて「計算が合わない」とかぼそっと言ってたんですね。駿が出て行った後に駿のご両親が引きとったということなのでしょう。そのあたりの経緯は3巻以降に持ち越しのようです。

駿のお父さんについても、今うつ病で休職中であることが分かりました。駿がいない間に実家はいろんな変化があったようで、お母さんも大変だっただろうなと思います。田舎町のことだから、何かとやりにくいこともあったでしょう。

実央のほうは順調に駿の家族にも馴染み、バイトも見つけてマイペース。でもやっぱりまだまだツメが甘くて、パソコンを借りてラブホを探していたのを駿のお父さんに履歴を見られたりとハラハラ。お父さんの渋い顔に胸中お察しします。ちーん。履歴は消そう!共用パソコンでコレ一番大事。

パソコンのお礼に実央がふみ君にじゃがりこみたいなお菓子をあげるんですが、パッケージに「じゃがいもプリン」と書いてあるように見えるのは私だけでしょうか。

最初はプリンをあげるとかかわいいなとか思ったんですが、ふみ君がボリボリ食べててアレッ?と思ってパッケージをもう一度じーっと見たけどやっぱりじゃがいもプリンって書いてある…。みなさんのもそうなってます?誤植でしょうか。地味に気になります。

駿は執筆が思うように進まず大みそかまで仕事をしています。締め切りとの戦いというあたりは、きっと紀伊カンナ先生の作家としてのご経験が反映されているんだろうな。おかげで我々は作品と出会えるわけだから感謝しなくては。

そんな折、実央が実は小金持ちという事実が発覚して唖然とする駿。実央はかけもちでずっとバイトをしてきたし、両親の生命保険などもあってそこそこ貯金があるようです。駿はそんな実央と自分を比べてしまい落ち込みます。

うーん、これは比べても仕方ないんじゃないかな。駿は新人の駆け出し作家だし、昨今の厳しい出版事情を考えたら生活に余裕を持てるのはまだまだ先の話でしょう。駿としては年下の実央に負けたくないとかしっかりしなきゃとか、そういう気持ちもあるのかもしれません。

クリスマスの続きのHは実央が調べたホテルのお風呂でした。こんなにかわいい絵柄でほのぼのファミリー感が漂っているのに、ちゃんとエロもあるのがいいですね。かわいいエロです。

また実央のほうも、駿が実はHがそんなに気持ちいいとは思っていないという衝撃の事実を聞いて凹みます。実央の友達の助言からリバか!?と一瞬思いましたが、この2人はひっくり返ることはなさそう。

Hがどうこうよりも、今が一番幸せとつぶやく駿。ひとりきりでいても誰かが大丈夫と言ってくれたら生きるのが楽になる。

駿は実家で実央と暮らすうち、実央と離島で出会った時に感じたこと、実央に何かしてやりたいと思った気持ちをありありと思い出します。駿は初心に帰ったような感覚なのでしょうね。

誰かに何かをしてあげたいという気持ち。それは優しさでもあり思いやりでもあります。駿についてきてくれて、家族にもなじんで一緒に暮らしてくれる実央。そんな実央のほうも、ひとりぼっちの自分に声をかけてくれた駿を恩人だと感じています。

お互いがお互いを想いあい共に暮らすことで、改めて駿と実央の絆が深まった春風のエトランゼ2巻でした。

ラストでふみ君の授業参観にお兄ちゃん達が行くかも?という感じだったので、3巻はふみ君がらみでまたひと悶着ありそうです。いろいろと口出ししてきたふみ君のクラスメイトの女の子ともまた何かあるかもしれません。

春風のエトランゼ3巻も楽しみです。






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