作家買いする吉池マスコ先生の、樽ボディーの上司×ゲイの部下のBLコミックです。本棚を整理していたら読みふけってしまったので、この萌えを放出すべく感想を書きたいと思います。
腐ったお仲間の皆さんに聞いてみたいのですが、時々作家さんのフィーバー期って来ませんか。個人的にその先生の作品ばかりをリピートして「ひとり○○先生祭り」をやるのは私だけでしょうか。
今、私の中で空前の吉池マスコ祭りが巻き起こっています。すべては本棚の整理からはじまった。あっ本棚がどうなったかは聞かないでください…。
あとがきによるとマスコ先生は「買ってくれる人のこと割と本気で抱きたいと思ってる」そうです。きゃー抱いてえええ(笑)
不器用な中年おやじと一途なビッチ受け。コミカルなやりとりに、だけどぐっとくる表情がちらほら。おもしろくて時々切ない、そのバランスが絶妙です。
以下「お父さんは悩ましい」ネタバレ感想です。
しかし息子の部屋で偶然ホモ専門誌を見つけてしまい、思い悩むパパ。苦肉の策で仕事のデキる部下の浅井(受)に話してみますが、冷たく流されてしまいます。
同性愛に偏見はないようですが、やはり息子のこととなると胸中は複雑。日に日にげっそりしていくパパ。
そんなある日、酔った浅井がパパに告白します。男からの告白にテンパりすぎて「今日はパンツに穴あいてるし」「白いブリーフだし」とか内心ぐるんぐるん考えているのが、パパには悪いけどおもしろすぎます。
「やる気なのか俺!?」「いやでもお互い酒はいってるし」「やってみる?」「お試しって何だよさいてー」などと脳内でちびパパ数人がやんややんや騒ぐのもなんかかわいくてツボです。
「どーすんだよ、何事も経験だろ、やめとけって」樽のようなゴツい身体のパパの脳内で、ちびパパが複数で言い合いをしているのが最高にかわいいくてキューン。
結局、浅井は何もしないうちに寝落ちしてしまいます。ギャグというほどではないですがコミカルで重たくないのがポイント。ですがひとたび浅井目線になると、その一途な気持ちにきゅっと切なくなってしまいます。
翌日パパは内心どぎまぎするも、何も覚えていない浅井に一安心。でも実はしっかり記憶がある浅井は、拒絶しなかったパパに「脈アリ」とニヤつきます。この辺は小悪魔というか性悪というか小憎らしいいところですね。
実は一途なビッチ受けっていいなあ。しかもこういうケースは受けが圧倒的にかわいい場合が多いのに、パパも負けずにかわいいというのがすごい。樽みたいなボディですけど。
浅井の告白はなかったものとしてパパが「稚内に飛ばしてやるからな」などと冗談を飛ばしていると、ある日本当に浅井の名古屋への転勤の内示がくだってしまいます。
パパの個人的な意思ではなく会社の方針。リーマンは断れるはずもありません。「餞別がわりに抱いてもらえませんか」浅井の言葉に動揺するパパ。
こういう捨て身のやりかたをするしかないくらい、浅井はパパのことが好きなんですよね。いつから想っていたのか、毎日職場で顔を合わせるのにどうにも動けない恋にずっと苦しい思いをしてきたことでしょう。
実は浅井には美容師のセフレがいて、キスしているところをパパに目撃されてしまいます。しかもそのセフレは高校生。パパの息子の友達です。ガチホモ雑誌をいたずらで息子に貸したあの張本人でした。
セフレくんにもう会わないと冷たく言う浅井ですが、セフレくんは駄々をこねます。そしてパパの方は浅井の言葉を真正面から受け止めて悩んでしまう。冗談だと流しておけばいいのに…。
困らせてごめんなさい、好きになってごめんなさい。セフレの前でパパを想って泣く浅井。ああもう、切ない涙にこっちまでつらくなってきます。
結局パパの餞別は、ぎゅっと浅井を抱きしめるだけでした。パパのほうも普通にノンケで家庭もあって子供もいて、まさか部下の男となんて考えもしなかった展開に戸惑うのは無理もないことです。今はこれがパパの精一杯。
浅井が転勤して半年が経ち、なんの音沙汰もない浅井のことばかりパパは考えています。そんなとき、東京に出張でやってくる浅井。だけどどうにも避けられているパパはもう嫌われたのか…と考えます。ここでも脳内ちびパパが登場。かわいい。何回見てもかわいい。
「嫌われたから何だってんだよ」「どーせもういないんだし関係ないじゃん」「そうだそうだ」「いつまでもうじうじと」「なんでそんな気にするんだよ」「ねえねえなんで?」ぐいぐいと迫る脳内ちびパパに頭を抱えるパパ。
浅井を見かけて声をかけるもまた避けられて、勢いにまかせて腕をつかんでしまいます。天然で悪気はなく優しいけど的外れ。人の気持ちを分かっているようで全然わかっていないパパに、つらくなって振りほどいて逃げる浅井。せっかく会えたのにぎくしゃくしてしまう2人。
また変な男と寝るつもりかと問われ、4Pでも5Pでもする!とヤケになって騒ぐ浅井に、そんなことするな!と抱き寄せてキスするパパ。浅井は驚きますがそれを受け入れます。わー!やったよパパ。ついに思いきりました。
ホテルに行く2人ですが、本当に好きな人とHをするのは初めてでガチガチに緊張する浅井に、こちらは男がはじめてで戸惑うパパ。結局Hはうまくいかずその日は終わってしまいます。
あああこういうとこリアル。そりゃスンナリとはいかないですよね。手慣れた浅井がリードしたいところですがこうも緊張しているとそうはいかないでしょうし、パパはパパで男相手に勝手が分からない。未遂に終わってもやむなしです。
名古屋へ帰っていく浅井は「本調子ならすごいですから!」とリベンジを誓っています。すごいのか。そうか。すごいのか。もう期待しかありません。
その後パパは連休を使って名古屋にやってきます。しかし疲れから爆睡したり、出かける途中で会社の同僚にばったり会って遅くまで飲んで帰ってきたりと、遠距離恋愛2か月ではじめて2人で過ごす休日が台無しに。相変わらずちょっとズレてるパパ。
浅井もパパのKYっぷりにすねちゃってます。だけどパパは誠実でした。ちゃんと浅井に謝まるパパは、誰かとつきあうなんて久しぶりでテンパっている状態なだけでした。
仲直りした2人は約束通り激しいHに突入。本調子の浅井が上になってけっこう激しいエロです。この絵柄だし途中にはさまれるコミカルさがエロなしかなと思わせておいて、もちろんそこはマスコ先生でした。こういうとこ好き。
ちなみに描き下ろしでもエロってます。いやあ満足。パパの樽のようなボディが流行ることを先生と共に祈っています。(筋肉に着目したBLもあるしもう流行っていると考えていいのかな)
各話ごとの間にはさまれる4コマが最高に笑えるし、レンタの紹介文に「ちょいおセンチでグッとエロスなマスコケティッシュ☆ラブストーリー!!」とあって、なんだよそれとか思いましたが、こ、これがマスコケティッシュラブか!そうか!!と納得。
画力に圧倒されるということは失礼ながらありませんが、味のある独特の絵柄でデフォルメ絵もかわいくて、ハマる人は絶対にハマると思います。
マスコファンにも初マスコ作品の人にも、サンプルを見て悪くないかもと思ったらぜひ。おやじ好きでもそうでなくても超おすすめの作品です。
吉池マスコ先生のその他BLコミックス。
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