オスというより雄。オトコというより漢。おっぱいではなく雄ッパイ。おしりではなく雄しリ。ひょろっこい男はひとりとして出てこないのがいっそ清々しいくらい、どのページを開いてもガチムチ筋肉漢祭りです。
ここまで猛々しいとアラ不思議。一周まわって爽やかにさえ見えてきます。表紙の漢はこう見えて受け。男前の筋肉受けに何かが目覚めてしまいそうになりました。
イクヤス先生が絵を書くのをあきらめていた時にジュネットから声がかかったという経緯があったそうで、ご縁があったということでしょう。
こういう路線のBLがあってもおもしろいと思うし、作家さんの描きたいものとレーベルの方向性がマッチすると幸せですね。というわけで以下「ガチイキ挑発ナイト」ネタバレ感想です。
ガチイキ挑発ナイト 電子書籍
ガチイキ挑発ナイト 感想 ネタバレあり
ガチイキ挑発ナイト・ガチイキ誘発ナイト・ガチイキ爆発ナイト
表題作は表紙のイケメンが受けの同期同士のリーマンコメディです。お互いがお互いを意識していながらも相手の心情には気づいていないのがツボです。
劣等感とか敗北感を感じていた相手と、あんなことやこんなことまでしちゃってお互いに気持ちよくなって、もう離れられないというずっぽりな関係の男2人に萌えました。
友達の友達の友達という微妙な関係で2人きりになるのが気まずい瞬間とか、すっごい分かるなと思いました。同期だからって皆と仲がいいというわけじゃないですもんね。
でもそこからノリとお酒と勢いでエッチする流れにいくところはさすが。楽しいラブコメとして男臭い、いや、漢臭いガチムチエロスを堪能できました。
課長のアメムチ情事
コネ入社でやる気なしの部下(攻)とその上司の課長(受)のカップルです。部下をうまく使えていないことで部長にお仕置きとしてヤられちゃっている課長を、偶然目撃してしまった部下。
自分のせいでと落ち込むも、エッチはお仕置きではなく気持ちがいいものだと教えてあげよう!と考え方をシフトチェンジする部下がトンデモ発想で笑えます。
結局はその発想が功を奏して部長とはラブラブになりハッピーエンドという、とんだリア充なリーマンライフでしたとさ。愛って、エッチって偉大だ。
この後はご褒美をくり返しながら部下も仕事にまい進して、きっと部長ももう何も課長に文句を言えなくなっていくことでしょう。
切望PUNCH
トレーナー(攻)とボクサー(受)のお話。どっちもガマンしちゃうのがじれじれ。でも攻めの本音は「触ってしまったら歯止めが効かなくなるから」
実は子供のころから受けを好きだったとか一途でよくここまでガマンしたものだなと感心。ちゃんと結ばれて良かったです。
バカは穴どるなかれ‼︎
大学生同士のアホエロ。見たスパイ映画に影響されてお尻の開発をしちゃうお話です。もう愛すべきおバカっぷりが全開でした。
うしろに道具をつっこまれそうになって怯む受けですが「そんなんじゃ立派なスパイになれませんよ!」とか攻めに言われてキリッとしちゃうあほあほなところが愛しいです。
最初は受けで遊んでいた攻めもどんどんはまっていって不安になったり期待したり、いつしか受けに夢中になっていくのがかわいかったです。
無防備甘えんボーイ
事業を継ぐために実家に戻った攻めと、そのいとこで元ヤンの受けのお話。
攻めが最初はいとこの元ヤンをびびっているのに、受けのほうが距離が近くて素直ですごくいい子でキュン。足の間からひょっこり顔を出して来たりとか、こんなワンコみたいにかわいく甘えられたら、誰だってイチコロでしょう。
昔のことを告白する受けを、しっかりと攻めがフォローしていたのも好感度大でした。過去があるから今がある。今があるからこうして出会えたと優しく告げる攻めの落ち着きがすてきでした。
過去のことからも、受けの人たらしっぷりや無自覚な小悪魔っぷりが強烈だったので、今後も攻めはきっとあの無自覚で甘えたな受けにふりまわされることでしょう。それはそれでまた一興。
1冊を通して一番かわいい受けでした。無意識な甘え上手の元ヤンなんておいしすぎる。
BL初心者に胸を張っておすすめかと問われると中級者以上向けかなと思いますが、とにかく筋肉やガタイの良いザ漢が好きな人、ふんわりではないガチエロコメディ気分の人、でもちゃんと愛やストーリーもなくちゃ嫌な人などにおすすめです。