この新章というか続編連載は「パパラッチ編」ということになるようです(マガビーに書いてある)もうしょっぱなから不穏な響きですよねパパラッチなんて。
高人もチュン太も人気俳優だし警戒を緩めず気をつけすぎるくらいでちょうどいいとは思いますが、今回はちょっとかなりヤバめな展開になりそうです。
リアルでもスキャンダルで仕事が減ったりイメージダウンで失速する芸能人ってけっこういるし、週刊誌ネタは芸能人にとっては致命傷になるからハラハラしてしまいます。
マガジンビーボーイ10月号の流れはかなり衝撃的なもので、パパラッチに関して皆の嫌な予感的中してしまいました。ああどうしよう胃が痛い。
前回新章1話(第9話)の感想はこちら。
抱かれたい男1位に脅されています。9話 ネタバレ感想
というわけで気になる「抱かれたい男1位に脅されています。」最新話10話の感想です。
マンガの単行本のおそらく4巻に収録されるお話のネタバレになるので、コミックス派の方はどうぞお気を付け下さい。
抱かれたい男1位に脅されています。4巻 電子配信
抱かれたい男1位に脅されています4巻10話 感想(ネタバレ含む)
命取りになるスキャンダル
「真昼の星」の続編ドラマでまたチュン太との共演が決まった高人が、ゼネラルプロデューサーの卯坂さんにあいさつに行くところから2話はスタートです。
鬼といわれているプロデューサーの卯坂さんはこの続編ドラマにはかなり力を入れているようで、万全を尽くしてやるつもりだと自信をのぞかせます。
放送枠も最高のものを用意するし、絶対にヒットさせると意気込む卯坂さん。宣伝方法も新しいやり方を企画しているらしく、テレビ局を挙げての後押しになりそうです。
しかし、さっそく出ばなをくじかれることもありました。卯坂さんがドラマに起用しようと考えていた女優が、評判の悪い実業家との路チューをエロい角度で撮られてしまい「週刊冬文」に掲載されてしまいます。
結局そのスキャンダルがあったから、使う女優はまた選び直し。俳優や撮影のスケジュール調整もあるでしょうから、こういう時間のロスは避けたいというのが制作側の本音なのでしょう。
「冬文(とうぶん)」ってもしかしなくても、いろんなスキャンダルをすっぱ抜いてきたあのリアル週刊誌「文○」をイメージしてるんですよね(笑)
「○春」に目をつけられたら大変そう。芸能人にとってはスキャンダルは命取りになりかねないし、高人もチュン太も売れっ子人気俳優なだけあって言動には十分気をつけてほしいところです。
危うさを秘めた色気ある高人
リスクは少しでも潰しておくと言う卯坂さんに、納得している様子の高人。卯坂さんには、高人が最近チュン太と仲がいいことも耳に入っていました。
チュン太のこととなると慌て気味な高人は「ちょっと懐かれてるだけ」とごまかしますが、卯坂さんはチラリとひっかかっているようですね。
ドラマのヒットに向けて「負け戦はしない」と高人に釘を刺す卯坂さんですが、高人も立派な俳優。「誰に言ってるんですか」と自信たっぷりに不敵に笑います。
おおお、こういう表情の高人は艶があってかっこいいですね。高人は仕事熱心だし受賞映画の続編ドラマということで注目度も高いから、ひとりの役者として演じるのが楽しみというのもあるのでしょう。
卯坂さんは、まだまだ子どもだと思っていた高人が最近醸しだす妙な色気に「危なっかしい」とちょっと含みを持たせた評価をしています。
この危うさは、チュン太という恋人ができたことで高人のほうも変わってきているといういわば変革期の危うさで、そこもまた魅力といえば魅力です。
BL漫画の中で成長途中にある男性キャラが艶めいて見えるのは、その内面が変わりつつあるとき。その変化の過程をつぶさに追えるのが我々読者の楽しみでもあります。
卯坂さんのように聡い人にはそんな状態の高人はなんとも危うく見えて、業界人として、プロデューサーとしてはちょっとひっかかるところなのかなと思いました。
短所と長所は紙一重といいます。危うさをはらんだ高人は魅力的でもあり、裏を返せばそこがリスクにもなりうるということでしょう。
目をつけた張り込み記者の長谷
卯坂さんのところを離れ階段をおりる途中、その下で待ち構えていたのはチュン太でした。どこにでも出没するチュン太に、GPSでもつけているのかと不審がる高人。
「そんな手を抜いたことはしませんよ」とにこやかに恐ろしい発言をするチュン太は相変わらずでした。GPSが手抜きなら一体ほかに何をしているんだチュン太よ。
あきれる高人は、これまでモデル歩きでかっこよくキメてたのに、ぷんすかしながらズカズカを階段を下ってきます。高人のこういうところが完全にチュン太にペースを乱されていてかわい気がありますね。
が、高人は階段で足を踏み外して落ちかけそうになってしまいます。ドジっ子な高人をとっさに抱きとめるチュン太。と思ったら、その抱きとめる瞬間をカメラに収めた人がいました。
撮られた瞬間、じっと見られているような気配を感じてさっと周囲を見回すチュン太。動物的勘というやつでしょうか。
写真を撮ったのは物陰に潜んでいた冬文の記者・長谷(はせ)
チュン太に抱きとめられたときの高人の表情とその後のチュン太の警戒に、なんとなく2人を追ってみる価値はありそうだとこちらも記者の勘を働かせて動きます。
普通、共演した男性俳優2人がその後プライベートでも仲良くなって家に遊びに行ったり飲みに行ったりというのは、記者にとっては何ひとつおもしろくないもの(おいしくないネタ)だと思います。
しかし、あまりに2人が一緒にいてつるんでいるのに何か違和感を感じた長谷。おそらく長谷には、今までたくさんのスキャンダルを追ってきた記者独特の優れた嗅覚が備わっているに違いありません。
男同士でつきあっているチュン太と高人にとっては、ライバル俳優とか芸能界の先輩よりも週刊誌のほうがよほど強敵になります。職業上、絶対にマスコミは敵に回せないですからね。
撮られた!チュン太と高人のキス写真
このところ前ほど外ではべたべたしてこなくなったチュン太に、高人もなんとなく自分の態度のせいかなと感じています。
高人としては、チュン太とつきあうようになって変わっていく自分に戸惑っていて、その態度が不自然になっているという自覚もあるようです。
一緒に帰ろうとタクシーに乗るチュン太の笑顔がかっこよくて嬉しそうでキュン。ほんといい笑顔なんですよチュン太。守りたい、この笑顔。
高人もなんだかんだチュン太のふわっとした優しい笑顔にやられちゃっています。あんなふうにチュン太が笑いかけるのはきっと高人にだけ。高人もそのことは理解しているんですね。
一方、撮られた時の気配を警戒してあの日以来、外ではじゃれあわなくなっているチュン太と高人をますます怪しいと感じる長谷。
なんと警戒心の薄れるであろうマンションの内部にまで入り込んで、2人の隙をついてスクープ写真を撮ろうとしていました。
同じマンション内に住んでいるキャバ嬢にとりいって、カードキーを入手するという時間と体を使った裏ワザで、イイ写真を撮ろうと必死な長谷。
こ、こんなことまでするんですね。これで当たればいいですが、そう簡単に決定的な写真なんて撮れないでしょうし、芸能記者も大変ですね…。
長谷は「こういう仕事をしていて今さら真っ当な写真なんて撮れない」と芸能人の不幸でご飯を食べているということに、なにやら思うところもあるようです。
本当はスクープを追う記者などではなく、写真家として成功したかったのかな。だけど写真家なんてそれで食べていける人はごくわずかな厳しい世界。長谷にも過去、挫折があったのかもしれません。
いっぽう、マンション内部にまさか記者が張り込んでいるとは思わない高人とチュン太。
チュン太に対してどう接したらいいのか分からない高人は、それを本人に伝えようかどうしようかと迷っています。
部屋に入る前、優しく気遣ってくれるチュン太に不自然な態度をとってしまう自分にイライラする高人。ちゃんと態度にだして伝えないといけないと焦って、うっかりチュン太の服の裾をつかんで引き止めます。
真っ赤になってうろたえる高人の表情にスイッチが入ったチュン太は、思わず強引に高人にキス。がっつくチュン太。
嗚呼、でもここはまだ部屋の外です。すぐそこに記者がいるよー!って大声で、いやこっそり教えたい!
キスが終わってからも「高人さんが俺に我慢させてくれない」とエロい顔で迫るチュン太に、高人もたじたじです。続きをすると手をとって部屋に入る2人。
部屋の前からは死角になっているところに潜んでいた長谷は、この衝撃のキスの瞬間をカメラに納めていました。
うわあとうとう撮られちゃったよ!2人の顔もしっかりわかる、すっごいいい角度でドラマの1シーンのようなきキス写真です。
この写真ほしい!いやいやそんなこと言ってる場合じゃない(錯乱)とうとう決定的瞬間を抑えられてしまいました。あわわ…
週刊誌にスクープ記事として掲載
そうとは知らず、高人はチュン太の俳優としての成長ぶりを嬉しく思っています。チュン太の出演ドラマも成功し役の幅も広がっていて、その才能を頼もしく感じる高人。
もちろん高人だって負けてはいません。再共演ではどちらが視聴者の目を奪えるかを勝負したい、やり込めてやる!とこちらも人気俳優の底力を見せようと台本チェックに余念ない状態です。
同棲するためのマンション物件をいくつか用意しているチュン太に、朝行ってらっしゃいのディープキスをされただけで真っ赤になって顔をそむけてしまう高人がかわいいです。
こんな状態じゃ一緒に住むどころじゃないと一人でいるときも思い出して照れたり、チュン太のことでソワソワしたりモヤモヤしたりする自分にキレ気味な高人。
ひとりで暴れてくるぶしを強打したり、おもしろかっこいいってこういうことなんですね(笑)くるぶしって打つと地味に痛いですよね。
でも甘い時間はそうそう長くは続きませんでした。佐々木マネージャーからの緊急電話に、急いで事務所に向かった高人の目の前には明日発売の週刊冬文が。ひいい。
冬文には「抱かれたい男2位、長身男性と禁断愛!?」という見出しで、階段から落ちかけそうになった高人がチュン太に抱き止められた写真が掲載されていました。ひいい。
佐々木さんも、もう明日発売だから止められないと困惑しています。これが世間に出てしまうことにショックで唖然とする高人。
大々的に騒がしくなりそうなところで「抱かれたい男1位に脅されています」10話は終了です。
感想まとめ
高人とチュン太の甘く平和な日常は終わりを告げました。
あの写真からは高人の顔しか見えないからお相手は「長身男性」という書かれ方でしたが、禁断の愛がどうのとかおもしろおかしく書かれているのは間違いなさそうです。
こういうのが出ちゃうと、悲しいことに高人の俳優としてのイメージは今までとは大きく変わってしまいますよね…。スポンサー契約とかは大丈夫なのかな。
事務所から「ふらついたところを助けてもらっただけ」とか、それらしいコメントを出して沈静化するのを待つしかないですね。精一杯の火消しをしないと高人のタレントイメージが損なわれてしまいます。
しかも、冬文サイドにはまだキス写真という切り札があるわけです。あああなんてこと。
おそらく冬文サイドとしては、第一弾スクープとしてこの抱き合っている写真を出して、第二弾として決定的なキス写真を出そうという算段なのでしょう。
キス写真が出たら瞬く間に拡散されワイドショーも盛り上がって大きな騒動になって、そうなるとこれまで以上に2人で一緒にいることは難しくなってしまいます。
長谷の記者の勘と執念がすごい騒ぎを巻き起こしそうで、漂う不穏な空気が重苦しい展開です。繊細なところがある高人のメンタルがまずは心配だな…。
チュン太も高人もエロいチューするのはいいけど、部屋の前はやっぱりまずかったですね。部屋に入ってからイチャイチャしようぜ。
まさかマンション内にまで記者が潜んでいるとは思ってもみなかったのでしょう。気が緩む瞬間があるのは人間だれしも仕方のないことだとは思いますが、しかしこれはピンチです。
鬼の卯坂プロデューサーもテレビ局も力を入れようとしているドラマのメインキャストにして、人気俳優同士のスキャンダル。
まわりは高人とチュン太に距離を置かせようとするでしょうし、当の本人たちはどう出るか。仕事が絡む以上、シビアにならざるを得ないですよね。
キス写真の方はなんとかして事務所が揉み消すとかできないのかな。ほら芸能界のそういう噂ってよく耳にするじゃないですか。
どうやって騒動を収束させるのか。
私はひとつの可能性として、プロデューサーの卯坂さんが「ドラマの宣伝方法も新しいものを企画中」と言っていたのがキーポイントになったりしないかなと考えています。
例えば「この2人の関係はドラマの宣伝のための仕掛け」というふうにして、全部最初から仕込んでいたことにするとか。でも全部番宣というのは無理があるなあ。キスは正直、言い訳しにくいですよね。
ただ、こういう騒動があるとドラマの視聴率は上がるような気もします。話題にもなるし、真偽はどうであれ皆「この2人が!?」みたいな好奇心で見るでしょう。
卯坂さんが何とかこのスキャンダルをうまく逆手にとって、宣伝につなげてくれることを祈るばかりです。それに、この件を知ったチュン太の出方も気になります。
お話としては俄然おもしろくなってきました。チュン太と高人には悪いけど芸能界ものにスキャンダルはつきものです。
こういう試練を2人でどうやって乗り越えるかによって、相手や自分を改めて見つめなおしたりお互いの人生そのものを考えたりと、2人の絆がより深まるわけです。
波乱の展開・シリアス展開になりそうな次号マガジンビーボーイ11月号は10月7日(金)発売です。「抱かれたい男1位に脅されています」11話も楽しみです。
追記)11話の感想を書きました。
抱かれたい男1位に脅されています。11話 ネタバレ感想
桜日梯子先生のBLコミックス
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