3話をひとことで言うと、かなり切なくて悲しくてページをめくるのが辛かったというのが最初の感想です。予想通りの俳優生命の危機を迎え選択を迫られてしまいます。
前回の2話では芸能記者に目をつけられたチュン太と高人が、どうにも言い逃れできないキスシーンを撮られてしまい、まずは手始めに2人が抱き合う写真が週刊誌に出てしまうことが決定的になり、さあどうするというところまででした。
復習はこちら10話の感想をどうぞ。ネタバレ注意です。
抱かれたい男1位に脅されています。10話ネタバレ感想
それでは以下「抱かれたい男1位に脅されています。」最新話11話の感想です。コミックス4巻に収録されるお話のネタバレになるのでコミックス派の方はお気を付け下さい。
抱かれたい男1位に脅されています。4巻 電子配信
抱かれたい男1位に脅されています4巻11話 感想(ネタバレあり)
扉絵はひとりきりでシリアスな表情の高人です。物憂げな表情ですがその瞳には何か覚悟が宿っているような厳しさが漂っていて胸がざわつきます。
煽り文句は「最後に、最高の演技をしようか」こんな煽りがあるともう悪い予感と想像しかできないのが悲しい。しょっぱなから不安と不穏な空気に押しつぶされそうです。
どうかこの不安を払拭する要素が何かひとつでも本編で見つかりますように。祈るような気持ちでページをめくってしまいました。
俳優生命の危機に陥る高人
高人にはドラマのキャストから外れてもらう、と冒頭から厳しい言葉を投げかけるのはドラマのプロデューサーの卯坂さん。明日にはもう出てしまう週刊誌の件で、卯坂さんのところに高人は謝罪に訪れていました。
幸いにもまだ脚本はこれからだから、大きすぎる痛手にはならない。多少の流れの変更のみですませることができるという判断です。
高人の事務所としては、週刊誌が出たあとの状況を見てから判断してほしいという思いがあります。そこはやはり所属俳優のドラマ出演に関することなので必死。
冬文以外のマスコミには話をつけてあり、これ以上メディアでは広がらないとマネージャーから卯坂さんに訴えます。
しかし今はネットの時代。あっという間に噂は大なり小なり広まり、気にするスポンサーがいないとは限らない。リスクは排除しておきたいというのが卯坂さんの考えです。
しかもまだ冬文サイドがあの写真以外の次の手を隠し持っている可能性も捨てきれない。なるべくリスクは負いたくないというのは制作者サイドとしては当然のことでしょう。
卯坂さんはさすがこの業界のことをよく知り尽くしているからか鋭いですね。確かにあのハグ写真以外のすごい写真を撮られてしまっています。
あああ…あれだけは出さないであげてほしい。いろいろあってのチュン太と高人なんだしそっとしておいてあげてほしい。
アポなしで押しかけてくるチュン太
キャストを外されると聞いても、高人は落ち着いていました。卯坂さんに迷惑をかけたことを謝罪しキャストを外れることも了承します。
もしかすると心のどこかで、いずれこうなるかもしれないことを考えていたのかもしれません。なにせ人気俳優同士の恋。一度騒がれでもしたら大きなリスクを伴うのも事実です。
うつむきがちな高人が何を考えているのか分かりませんが、せっかくの大きな仕事をひとつ失いあんな写真が出回ることで傷ついていることには間違いありません。
そこへチュン太がアポなしで押しかけてきて、写真は階段を踏み外した高人を支えただけと説明します。騒がれるようなものではないと一生懸命弁明しますが、騒ぐか騒がないかは世間が決めること。
事実無根であっても、並んで歩いているだけで噂になるのが芸能人同士。ましてや抱き合っているなんて、それこそ噂の的になってしまいます。
大人の対応の高人
もし騒ぎになるのなら自分にも責任がある、と食い下がるチュン太ですが、高人が静かにたしなめました。責任の話ではなくリスクの話であり、主演のチュン太が役を降りることはできません。
「主演でありながら、高人が相手じゃなければキャストを降板するのか」と冷静に問う卯坂さん。主演が降りてしまったら、そもそもドラマ自体が成立しなくなってしまいます。
主役が降りることなど実質的には不可能なこと。相手役うんぬんで何かを言える立場にはチュン太はないのです。チュン太にとってもこの仕事は大きなチャンスでもあります。
芸能界での地位をいっそう固めるため、すでに売れっ子とはいえ厳しい芸能界でひとつでも多く主演作を持つということは、今後のためにも大きな意味を持ちます。
こういう時、芸歴ウン十年だとかの大御所俳優だったらある程度相手役を選んだりもできるのでしょうが、若手俳優にはそんな権限はないでしょう。高人だけが降板というのはチュン太としても辛い立場ですがどうしようもありません。
卯坂さんの言葉に、高人はチュン太に目くばせをして厳しい表情を見せます。今どうふるまうべきなのか、ここでは高人のほうが大人でした。
高人の強い視線にうながされるように、主演を降りるというわけではないと告げるチュン太。悔しいでしょうが仕方ないですね。
卯坂さんからの忠告
ドラマは高人が降板するという形になり調整することに。迷惑をかけたことに深々と頭を下げる高人に卯坂さんが去り際、強烈な一言を残していきました。
「身の振り方を考えた方がいいんじゃないか。お前自身とあっち(チュン太)のためにも」男同士でつきあうことのリスクを、今の仕事と照らし合わせてよく考えろという卯坂さんなりの警告。
卯坂さんとしては高人のことはかわいがっていたようですし、俳優として期待もしている。こんなことで変な噂が流れて仕事に影響したりするのを避けてほしいという親心のようなものなのかもしれません。
チュン太のため、という言葉が一番刺さるのは高人です。自分の将来だけでなくチュン太の俳優としての未来がもしかすると閉ざされてしまうかもしれない。
高人の降板で再共演は白紙に
頭を下げる高人を複雑な表情で眺めるチュン太ですが、マネージャー共々ここはいったん解散になります。思わず高人の腕をつかむチュン太。
しかし高人は怖いくらいに落ち着きを見せ、少し頭を冷やして自分のことを考えるように諭します。芸能界の先輩でもある高人。そんな高人に影響されているチュン太ですが、高人の真剣な表情には逆らうこともできずに立ち尽くすしかなく…。
チュン太もつらいですよね。せっかく楽しみにしていた再共演がなくなってしまってショックでしょうし、なのに高人は大人なふるまいで何かとりつくしまもないという感じです。
チュン太が震えているのは、うっかり写真を撮られてしまったことへの怒りと同時に、こんな時に何もできない自分の無力さに怒りを感じていたからでしょう。
今までチュン太はその野生の勘(?)で写真誌も十分に警戒していたし、高人とのことはうまく隠せていたという自信もあった。
なのにこんなハグ写真ひとつで(しかもチュン太の顔は写ってない)、まさか愛する人がキャストを降板させられるとは。
もう撮影が始まっているとか放送が始まっている場合はまた対応も違ってくるでしょうが、キャスティング段階だとリスク回避として降板は避けられません。
無念のチュン太。
取り引きを持ちかけるカメラマン長谷
高人が外に出ると、そこには記者の長谷がまた待ち構えていました。あんなネタ写真じゃ世間の騒ぎは長くもたない。高人はそう考えているようで、長谷の写真の腕を褒めたりとまだ余裕の表情です。
がしかし、チュン太とのキス写真を直接魅せられて顔色が変わる高人。奪い取って破ろうとしますがもちろん元のデータは長谷が持ったままです。
まさかキス写真を撮られているとは思ってもいなかったでしょう、真っ青になる高人。本人に直接写真を見せるとか、ゲスいことするなあ。でも記者はそれが仕事ですからね。
長谷は意外なことを言い出します。このキス写真はまだ冬文にも売っていないこと。高人がもっといい写真を撮らせてくれたらこの写真を出版社には渡さないこと。
取引を持ちかけ高人に少し時間を与えると言う長谷ですが、もっといい写真とはどういうことなのでしょう。長谷も芸能記者じゃなくて写真家として成功したいという夢があったはず。
ということは高人の写真を撮ってカメラマンとしての名前を売ろうということです。「高人のもっといい写真」というのがひっかかりますが、つまりは写真集みたいなものと考えていいのかな。
男性芸能人も普通に写真集とかは出していると思いますが、そのカメラマンを長谷がやるという流れですかね。それもただの写真集じゃなくて、ヌードとかそういう際どい写真も載せて話題にするパターンを狙ってるとか?
うーん…普通の写真集だったら、長谷に撮らせてキス写真を隠ぺいするというのも別に高人に不利益はなさそうですが、長谷の言う「もっといい写真」というのが何を指すのかにもよりますね。
別れるぞ、チュン太
長谷の取り引きをいったん保留にして、部屋でチュン太の出演作を見る高人。成長途中にあるチュン太がとてもいい芝居をすることを、テレビの画面から感じ取ります。
チュン太の吸引力は才能であり宝でもある。これを守りたいと思う高人の選択は、ただひとつだけでした。
チュン太を呼び出した高人は、チュン太の目を見ずに別れを告げます。どこか飄々とした表情でさらりと言う高人に、思わずその腕をつかむチュン太。
子役時代から20年役者として生きてきて、これからもその道を降りるつもりはない。これ以上大事になるのは困る。
そう淡々と告げる高人は、これが扉絵の煽り文句につながっているのでしょう。最高のお芝居をとても自然に見せてくれました。
写真のことは自分のせいにすればいいと必死なチュン太ですが、それではチュン太がさらし者になってしまう。高人は決意のまなざしでチュン太を拒否しました。
何があっても俺は離さない
聡いチュン太はとっさに高人が何かを隠していると勘付きますが、高人もさすが役者。あくまでもただの別れ話として話を終わらせようとします。
チュン太の手をふりほどこうとした時にチュン太の手の甲に爪をたててしまいますが、動揺を見せずに芝居を続ける高人。
遅かれ早かれこうなったこと、長く続くような関係じゃなかったこと。このあたりが潮時だと平静を装って告げる高人に、チュン太は信じられない面持ちで高人を見つめます。
「どんな手を使ってでも俺は離さない」俺なしじゃいられないようにしてでも逃がさない、とチュン太の表情も高人への執着と混乱がにじみ出ていて怖いほど真剣です。
本当に別れたいのかと問うチュン太に肯定する高人。獣みたいな目で見つめてくるチュン太に堪えられなくなったか、高人はチュン太の胸倉をつかみ「最後に飽きるまで抱かせてやる」と迫ります。
じゃあな、チュン太
チュン太は突然の別れ話に茫然自失という感じで生気を失っている状態。安いホテルに向かうもいつものチュン太ではなく、高人のほうもどこか投げやりです。
高人に口でさせたり高人に自分で後ろをほぐさせたり、好き放題にするチュン太。諦めたような表情を見せるもエロいことをするときはやはり興奮は隠せません。
チュン太が高人の指に重ねて自分の指を入れて、高人のいいところをトントンしたりとエロいのはエロいんですが、これが最後と思いながらやるエッチなんて切ない。
高人もいつものようにトロトロになりますが、朝には全部チュン太の身体も忘れると強がったことを言ったりと素直じゃありません。チュン太としてもイラッとしてしまいます。
本当は自分の身体を忘れてほしくなんてないし高人を手離したくなんてないはず。俺を覚えたまま壊してやると、激しく抱くチュン太の表情もせっぱつまっています。
翌朝、チュン太の車での帰り道。冷たい雰囲気が流れる中、途中で下ろせと言う高人。2人でいるのが辛すぎたのでしょう。チュン太の表情も冷たく固まったままです。
とめた車から降りる際、もう名前で呼ばなくなった高人に驚愕するチュン太。「東谷」なんてプライベートで高人には言われたくない。なのに高人は振り返りもせずに車を降りていきました。
その足で長谷に電話する高人はあの取引を受けるつもりのようです。データと交換にもっといい写真を撮らせるということですが…。
「じゃあな、チュン太」朝日の中、生気の籠らない目でひとりつぶやく高人は…というところで第11話は終了です。
抱かれたい男1位に脅されています11話の感想まとめ
あああやっぱり。みんなが想像していた通りの哀しい別れになってしまいました。エロがあるとやったー!と思いますが、こういう切ないエロは辛い気持ちに胸が痛みます。
しかしエロかった。自分でほぐす高人も一緒に指で中のいいところをトントンするチュン太もエロかった。高人のぐずぐずの泣き顔もかわいかった。結論:エロかった。
でももうしばらくはこの高人の気持ちよさそうなトロトロの表情もお預けです。
キス写真が世間に出回らなさそうなのは一安心ですが、まだまだ油断はできません。高人のもっといい写真がどんなものなのか。長谷の意図が早く知りたいです。
長谷は高人もちらりと言っていましたが、カメラマンとしての腕はキラリと光るものがあるようなので、何かの作品で名が知れたら芸能記者ではなくフリーカメラマンとして成功する可能性もあります。
そこはちょっと救いでしょうか。救いというか、物語の着地点を探したときにチュン太達も長谷も幸せになれる結末がありそうというか。
ちなみに最後の電話のシーンで、高人のスマホ画面に長谷のことが「長谷川」と出ていましたがミスですかね。コミックスで直っているかな(笑)
高人が高人なりにチュン太を守ろうとしての別れ。チュン太もこのまま黙っているはずはないので、絶対に何かしかけてくるはずです。
もし「いい写真」とやらがヌードだったりしたらチュン太が阻止するでしょうが、それまでにチュン太がどう動くのかも注目したいところ。
卯坂さんもよかれと思ってアドバイスをしてくれたんだと思いますが、芸能人はイメージが大事とされるためハグ写真が出た後の世間の反応も気になりますね。
あの写真だけではそんなに騒ぎにはならないと思いますが、記事は面白おかしくあることないことを書きたてるでしょうし、他に大きなネタがない場合はこんな記事でも火種になってしまいます。
高人の評判がどうなるか次第で、高人の仕事にも影響する可能性がある。こう見るとやっぱり芸能人というのはプライベートも慎重にならざるを得ないし、何かにつけてリスクが高く難しい仕事です。
隠し通せたらそれが本人たちやファンにとっては一番いいのでしょうが、そうはさせてくれないのが週刊誌。とはいえ芸能人にとっては写真誌に追われるのがひとつの人気のバロメーターでもある。
追われなくなったらいわゆる「あの人は今」「落ち目」状態ということになってしまう…。付かず離れずが一番なのでしょうが、芸能人はマスコミとの付き合い方も頭を悩ませるところです。
まだまだこの事件は落ち着きを見せてくれなさそうでハラハラしますが、ドラマも本当に高人がキャスト降板になっちゃうのかなあ。せっかくの再共演だったのに残念。
なんとかうまくまとまって、うんと視聴率をとって、チュン太とは親友ということで世間に浸透するといいなあと平和なことを考えてしまいます。
「抱かれたい男1位に脅されています」12話も楽しみに待ちたいと思います。
追記)12話の感想を書きました。
抱かれたい男1位に脅されています。12話 ネタバレ感想
桜日梯子先生のBLコミックス
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