前回2話で早くもクライマックスといってよさそうなロンリーとオーガンジーでしたが3話もなかなかのアレでした。早くも大好きな作品になりつつあります。
前回は旭の昔好きだった人への未練を解消すべく会いに行き満足気な表情の旭がお礼を言ってまさかこのまま消えちゃうんじゃ!?というところまでの2話。
ロンリーとオーガンジー2話 ネタバレ感想
幽霊と生きた人間という悲恋を予想させる組み合わせにハラハラしつつ、隣人の目つきの悪い新キャラ神埼がどうからんでくるのか。
以下ディアプラス11月号、おげれつなたか先生の「ロンリーとオーガンジー」3話の感想です。コミックス1巻に収録されるのでネタバレNGな方はお気をつけください。
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BL雑誌ディアプラスは紙の発売後から1ヶ月後に電子書籍が配信になります。11月号は11/18頃配信スタートです。
追記)配信されました。2017年2月12日までの期間限定配信です。
ロンリーとオーガンジー 3話 感想 ネタバレあり
このままお別れか…というわけではなかった
ありがとうと言って困ったような表情でふわりと浮遊する旭に、まさか成仏してしまうんじゃないかと不安になる春斗。
思わず旭の腕をつかみ「待ってまだ…」と何かを言いかけますが、消えそうにないフツーな旭に拍子抜けしてしまいます。
幼馴染に会って未練も断ち切れたはずなのになぜ成仏しないのかと考え込む春斗に、春斗が家に毎日ひきこもってばかりで心配で成仏できないと笑う旭。
やはり幼馴染に告白できなかったことが未練になって、この世にとどまっていたというわけではなさそうです。他に何か理由があるのでしょう。
旭は春斗が言いかけた「まだ…」の続きを知りたがりますが、慌ててなんでもないとすっとぼける春斗は顔が真っ赤。
まだドラマの最終回を見てないから、と苦しい言い訳をしますがもうバレバレのような気もしますね。
春斗も自分の気持ちがなんなのか、今はまだよく分かっていません。でも旭と一緒にいることが当たり前になって、もっとたくさんのことを旭と一緒にしてみたいと思い始めています。
夢破れた苦い思い出がある春斗
上京したての頃を思い出す春斗。春斗は実家の親とは喧嘩別れで飛び出してきて、上京当時は音楽に対しての限りない情熱を燃やしていました。
居酒屋とライターのバイトをかけもちして生活しながらシンガーソングライターへの夢をかなえようとしていた春斗は、親しい友達や恋人がいなくても音楽さえあれば毎日楽しかった。
しかし、はじめての路上ライブで春斗は大きくつまづいてしまいます。路上とはいえ、田舎育ちでこんなにも大勢の前で歌った経験などなかった春斗。
ギターをかついで駅前で歌うも、誰も立ち止まってはくれません。それでも今日のために作ってきた歌を歌う春斗。
なのに通りすがりの女子高生の「うるさい」「下手すぎ」などのきつい言葉が耳に入り、どんどん自信が削がれていきます。
酔っ払いにも「耳障り!」などとからまれ茫然自失な春斗は、なんとかほろ苦い初路上ライブを終えてアパートに帰りつきました。
こんなこともある。次は頑張ろう。自分で自分を励ますも、家で歌うときもあの酔っ払いの「耳障り」という言葉が思い出されて気分が乗りません。
結局、それ以降心が折れてしまった春斗はもう二度と路上で歌うことはありませんでした。春斗は自分の歌が人の心を動かすと信じていたし、音楽への思いも誰より強いと思っていました。
なのにあまりにもあっさりとその自信は消失してしまい、最終的にはもう曲を作ったり聞いたりするのさえ楽しくなくなってしまったのでした。
なるほど、一度東京という街で挫折を経験したわけですね。だから今は家で歌うのみになっていると。春斗は歌はあまりうまくないという設定のようですが、旭と一緒に歌う時はとても楽しそうです。
路上ライブってうまい人はすごくうまいので、通りがかるといつもプロみたいだなあと感心していますが、こうやって心無い言葉を投げかける人は実際にもいるのでしょう。
それでも地道に路上で歌っている人が音楽関係者の目にとまってデビューという話もあるのですから、歌手を夢見る人からすると絶好の練習場所でありアピールの場です。
手をつないで歩く春斗と旭
いつの間にか音楽から逃げるのが日常的になっていたところで、旭とはじまった奇妙な共同生活。逃げ続けていた日々からまた、新しい日常がはじまっているのかもしれない。
そう思う春斗は、今となりにいる旭に手をつなごうと真っ赤になって告げます。春斗はわりとストレートに手をつなごうとか言っちゃえるんですね。そういうのいいなあ。
そんな春斗に驚きながら、こちらも照れ気味に手をつなぐ旭。幸せそうな2人ですが、これって他の人には旭が見えないから全部春斗のひとりごとになるわけです。
真っ赤になって「手、つなご」とか見えない何かに向かって言ってる青年…。みなさん見かけたらそっとしておいてあげましょう(笑)
何か勘付いているような神埼
自分が死んだ日にどんどん近づいていくというカウントダウンのような形式の夢を見る旭は、ずっとそれを怖がっています。
だんだんと事故の日に近づき夜中に汗だくでハッと目覚める旭。隣で眠る春斗に、ひとりは嫌だ、怖いと訴えるも春斗は眠ったまま。
こういう時は起こしてもいいんじゃないかなあと思いますが、それはできないのが旭の優しさなのかもしれません。
翌朝、お隣の神崎に余ったカレーを届ける春斗。神埼は旭のことが見えているというわけではないのか「おかしなことになってますね」と意味深な言葉を残します。
「変なにおいがします」とも言っているので霊感があるとか、そういうのに聡い人なのかな。ただのお隣さんという感じではないので、今後の春斗とのからみが期待されます。
リハビリの場所は近所の公園
春斗は旭にいつから自分に憑いたのかを尋ねると、旭が言いにくそうに路上ライブの日だと告げます。春斗が傷ついたあの姿も見ていましたが、それでも前向きに励ます旭。
春斗のほうも実はまだ音楽の道をあきらめたわけではなく、いつか一歩が踏み出せるんじゃないかと考えているようでした。
夢をあきらめず、また人前で歌ってほしくて「次がんばろう」とある提案をもちかける旭。今の春斗なら旭が見えるからひとりで歌うわけじゃない。再チャレンジにはとても心強い状態です。
旭に励まされて一歩を踏み出して「やってみる」となんとか前向きになった春斗。リスタートの場所に選んだのは近所の公園でした。
旭はさすがにこの場所はチョイスミスなんじゃないかと困惑ぎみですが、春斗にとってはこれくらいがちょうどいいのでしょう。
またいきなり都心の駅前とかよりは、昼間で人もまばらな公園のほうがリハビリにはもってこいです。子どもたちが数人いるくらいで、好奇心旺盛な子どもは次々と○リキュア歌ってなどとリクエストを出してきます。
春斗がさらっとキスしたあ!
旭がそばにいるから歌える。旭の姿を見て落ちつきをとり戻し歌い出す春斗ですが、子どもは正直に「歌がへた」と笑っています。
旭は子どもたちに悪態をつきますが、当然子どもには旭の声は聞こえていません(笑)旭の目には春斗の歌はかわいいと映っているようですね。もうこんなの絶対に好きじゃん。
と思っていたら、子どもたちと一緒に楽しく歌っている途中で何を思ったのか旭を手招きする春斗。寄ってきた旭に、自然にキスする春斗にびっくり!
これ、イケメンがやるやつ…!子供たちを間に挟んでチューとか、こんなのこういうことに慣れた人にしかできない熟練の技だと思うんですがどうでしょう。
旭が誰にも見えていないからこそ春斗も大胆に行動できたのかもしれませんが、この春斗のイケメン行動には驚きました。そしてキュン。こういう始まりもまたいいものです。
お互いに真っ赤になっているし、さっきはガキとか悪態をついていたのに途端に常識人ぶって「子どもの前で何してるんだ!」とか怒る旭もかわいい。イヤイヤあなたのことは子どもたちには見えてませんから(笑)
今ならサムいラブソングを1曲作れそうだと感じる春斗。そんな春斗がが旭を好きなんだと自分の気持ちに気づいたところで3話は終了でした。
ロンリーとオーガンジー 3話の感想まとめ
3話で2人の関係が一気に動きました。手をつないでキスをして、気持ちを自覚した春斗。それと同時に旭のおかげでまた音楽への1歩を踏み出すこともできました。
こうなると俄然気になるのがこの恋は成就するのかしないのか問題。だって旭は16年前にもう亡くなっています。亡くなった人との恋…。
嫌な予感しかしないのが切なすぎて、考えるだけで胃が痛くなります。旭の見る夢も終わりが来たらどうなるのでしょう。
ひとりは嫌だ、ひとりは怖い、とうわごとのように言う旭の表情は幽霊そのものの怖さがあって、もしかして今後春斗を連れていく…みたいな流れになるのかもしれないなあとぼんやり思いました。
まあその場合でも、最後の最後は春斗が生きるという方向になるのが世の常ですが。ワンチャンあるとしたらやはり旭が生まれ変わっているとかそういう感じなのかなあ。
春斗が自分の気持ちを自覚してますますこの同居生活がどうなるのか、旭の恐い夢がどうなるのか、そもそも旭はなぜ未だこの世にいるのか。
謎も多いですが3話目にしてすでに傑作の香りもプンプンしていて続きがもうすでに待ち遠しいです。次号ディアプラス12月号は2016年11月14日(月)に発売。
また次回ロンリーとオーガンジー4話の感想でお会いしましょう。
追記)4話の感想を書きました。
ロンリーとオーガンジー4話 ネタバレ感想
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