「ひだまりが聴こえる幸福論」の続編連載がCanna50号からスタートしました。難聴の航平と一本気な太一のピュアラブストーリーの続きです。待ってましたー!
最初の「ひだまりが聴こえる」で続編を望む声が編集部にたくさん届いて「ひだまりが聴こえる幸福論」の連載が決定。さらにその続きが今回のリミットになります。
ドラマCDにもなり実写化も決まり、文乃ゆき先生はこのデビュー作が大躍進となりました。ボーイズラブというジャンルに留まらず多くの人に読んでほしい良作です。
リミットの感想としては、太一には厳しい千葉さんの真意と少しだけ出てきた謎の新キャラが気になります。太一のにかっとした笑顔も、それを見守る航平の穏やかな表情もとても良かったです。
また航平と太一に会えて感動しました。この2人には、ゆっくりゆっくりと関係を深めていってほしいなと思います。
それでは以下Canna50号「ひだまりが聴こえるリミット」1話の感想です。ネタバレしていますのでコミックス派の方やネタバレNGな方はどうぞお気をつけください。
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ひだまりが聴こえるリミット1話 感想 ネタバレあり
幸福論までのストーリーまとめ
ここまでの2冊の流れをざっくり説明すると、同じ大学に通う難聴の航平と、元気で一本気な太一がひょんなことから出会い、航平は太一の存在によって変わっていきいつしか心惹かれるようになります。
太一も航平と出会ったことによって自分が本当にやりたいことを見つけました。マヤちゃんというライバル(?)なども出てきていろいろとありますが、2人は無事に交際を始めることに。
大学を辞めて就職した太一と大学生の航平ですが…とこんなところです。チューはしてますがまだまだ清らかなお付き合いという状態の航平と太一。
というわけでリミットから読み始める人は2人が交際しているところから始まっているので、ここに至るまでの過程が知りたければぜひとも前作の「ひだまりが聴こえる」と「ひだまりが聴こえる幸福論」の2作を読んでいただけたらと思います。
航平の前に謎の青年現る
冒頭、いつもギリギリ出勤の太一。あいかわらずの明るく元気なあわてんぼうキャラで、口元にご飯粒がついたままとか少年のようでホッとします。
それでいて芯はしっかりしているというのがポイントです。単純明快だけど先入観にとらわれず、自分の気持ちに正直でまっすぐ。
何かとつっぱしりがちだけど、すぐに反省もする。おのずと人が集まってくるようなタイプの太一。
今はおじいちゃんと暮らしていますが、将来的にはこの一軒家で航平と一緒に暮らすとかかな。いやもちろんおじいさんには長生きしていただきたいですが。
社会人となり忙しい太一と大学生の航平は、時間が合わずになかなか会えません。だけど太一にメールをしている公平の表情は穏やかでとても幸せそうです。
歩きスマホは危ないよーと思っていたら、近くで遊んでいた小学生のサッカーボールが航平の頭上に!
声をあげる小学生達ですが背後からなので航平は気が付かず、あわやというところで偶然すれ違った青年がかっこよボールからかばってくれました。
この青年、側転しながら(?)足でボールを蹴り返していて、すごく身軽で運動神経抜群。メガネで目元の表情は見えませんが、航平にニヤリと笑いかけるところを見ると太一と同系列な元気系な感じでしょうか。
お礼を言うまでもなく去っていく少年のような青年にあっけにとられる航平。
この子がいわゆるライバルになるのかな。この青年は冒頭にしか出てきませんでしたが、なんとなく航平を好きになるとかでしょうか。さすがにそれは短絡的すぎるかしら。
太一には当たりがキツい千葉さん
太一の会社では、犀(さい)さんが知り合いの小売業から新入社員研修を依頼され、それを四泊五日の合宿形式で請け負うことになりました。
昨年も行った新人研修のようで、共同生活を送りながら助け合って課題に取り組むという研修合宿の企画です。スタッフとして参加できるかと思いきや同行はさせてもらえない太一。
まだ半人前の太一を連れて行ってもフォローしている余裕はなく、少数精鋭で行くという千葉さんのいい分に太一はカチンときています。
太一は今仕事を覚えている段階で、社会人としてはまだまだこれから。千葉さんが厳しいのは太一への期待の表れだとは思いますが、言い方がキツいので太一としてはイライラしてしまうのでしょう。
久しぶりにデートする航平と太一
社会人と学生という立場の違いから、なかなかデートする時間もとれない航平と太一。久しぶりに会って安心したのか、太一は千葉さんへのイラつく気持ちを愚痴として吐き出します。
半人前なのは太一自身も十分よく分かっている。だけど千葉さんの歯に衣着せぬ言い方に、太一としては分かっていても腹が立つんですね。
居酒屋でご飯を食べていたようですが、まわりの音がうるさくて話に集中できずちょっと辛そうな航平。そんな航平を見て太一は外へ連れ出しました。
千葉さんは厳しい人だけどコーチとしてはとても優れています。コーチというのは研修の教官のようなもので、太一は千葉さんを見ているだけでも勉強になっています。
久しぶりに会うのに他人の話ばかりでちょっとおもしろくない航平。思わず太一にキスをしますが太一は突然のことにびっくりしてしまいました。
おたおたしながら真っ赤になって、こんなところで不意打ちはずるいと咎める太一。ですが航平は「今からキスするよって言えばよかった?」と冷静です。
そんな無粋なことは聞かないでほしいですよね(笑)雰囲気ですよ雰囲気。太一もそう言われるとぐっと言葉につまってしまいます。
照れくさいというのもあるでしょうが、太一としてはこういうシーンではいつも航平にリードされてばかりなのが悔しいという気持ちもあったりするんじゃないかな。
どちらにしても赤くなる太一はかわいいし、そんな太一を見る航平の目は優しくてかっこよくてもう2人とも末永く爆発していてほしいです。
2人きりで1泊旅行決定!?
航平としては久しぶりに会えたのに、他の男の話ばかりでやきもちを焼いたのでした。素直に太一にそう伝え、太一のほうも仕事の話ばかりしてしまったことを反省します。
ちょっと気まずい雰囲気を変えようとしたのか、航平は太一の手を握って月末の休みに少し遠出しないかと提案。「ちょっと遠出」と遠慮がちな航平ですが、太一は超ノリノリで「絶対行く!」と嬉しそう。
パッと花が咲いたみたいな太一の明るい笑顔はすごく好きだなあ。癒されるし元気になれる気がします。つないだ手をぶんぶん振り回す太一が幼いけれど一緒に過ごせる時間が本当に楽しいようで、こっちまで嬉しい気持ちに。
太一の笑顔は口元がニカッと大きく開いていて全く他意のない無邪気さがあり、それにつられるように笑顔になる航平。
航平としては旅行に誘うなんて大胆だったかなとか思っていたのでしょう。1泊する予定でいるつもりのようですが、太一はたぶんそれが何を意味するかなんて何も考えていないに違いありません。
どこに行くか相談しながら手をつないで夜道を歩く航平と太一。幸せそうですが確か会社の企画の新人研修も月末だったような。。。
旅行はお預けに
と思っていたら、やっぱり2人での旅行は中止になってしまいます。会社のスタッフが1名研修に同行できなくなり、急きょ太一が参加できることになったのでした。
太一としては成長のチャンスでもあるし、コーチの勉強できるから参加したかった仕事です。こればかりは仕方ありません。
航平も納得はしますが大学ではさすがに凹んでいました。悩ましげにたそがれる航平の姿は絵になります。大学の学食なのに窓辺で頬杖をついてため息をつく姿は海外のカフェのよう。
航平の大学ってかなりおしゃれでいいですね。私の大学なんて総合大学でしたが食堂はもっとごちゃっとしていて、こんなゆとりある空間じゃなかったから正直うらやましいです。
ぶっちゃけ今2人はどういう関係ですか?
そこへやってきたマヤちゃん。航平が落ち込んでいるのをさっそく見抜いています。人の気持ちには敏感で聡いマヤは、航平と太一とのことは応援するというほどではなくとも、わりと協力的な立ち位置になりつつあるようです。
本当は太一が研修に参加できなければよかったのにと考えていた航平。自分は太一の会社の人みたいに毎日会えないのにと、そんな子どもじみたことを考えては自分自身が嫌になっている様子です。
そんな悩める航平にマヤは、ぶっちゃけ今太一とどういう関係なのかを聞いていいのかどうか内心迷っています(笑)まあ確かに聞きにくいことですよね。お付き合いしているのかどうかとか、男性同士ということもあるし部外者がそういうことはなかなか聞きづらい。
航平は親しい人であっても自分のことをぺらぺらと話すタイプではないので、余計にマヤちゃんとしてはもやもやと気になってしまうのでしょう。
大丈夫だよマヤちゃん安心して!2人は順調に交際スタートしてるよ、と言ってあげたいです。そんなマヤちゃんも先輩と恋の予感なのでしょうか。かわいい子だし性格にピリッとしたところはあっても普通にモテそうだし幸せになってほしいです。
社会人と学生では破局しやすい
合宿地の河口湖では航平のことを考えていた太一。ぼんやりしていたら会社の同僚に「彼女がいる」と誤解され、しかもつい「同じ大学の子」ということまで口を割ってしまいます。
嘘がつけないタイプの太一なので、もしかしたら航平とのこともバレちゃうのも時間の問題だったりするのでしょうか。社会人と学生はすれ違ってしまって破局しやすい、などと同僚に言われショックを受ける太一。
確かに一般的にはそうでしょう。片方が立場が違うとどうしても時間が合わないし、一足先に社会に出たら学生が頼りなく見えたりもします。
で、でも太一と航平は大丈夫なんだからねっ(と信じてます)
自分たちだけの力で
研修には手話通訳で説明を聞く、聾の女の子の新入社員の上野さんがいました。今回の研修では各班員同士で協力しあって課題を解決するという流れになっています。
研修の目的は自主性を養うこと。何か問題が起こっても自分たちで考えて行動して解決に努めるように指示を出す千葉さん。
大学の新卒の研修なので、実際には太一よりも年上の子ばかり。ついこの間まで大学生だった新入社員たちの研修です。
休憩になり上野さんの班員の女の子たちが、太一に手話通訳をつけてほしいと依頼しにやってきます。太一はOKを出しそうになりますが千葉さんはすかさず拒否しました。
今回の研修は新人の自分たちだけの力で乗り切るのが仕事であり、安易にスタッフに頼るつもりなら研修なんてやめて帰るようにと厳しい言葉を投げかける千葉さん。
自分と同じ班の子たちとスタッフである太一や千葉さんとの不穏な空気に上野さんも気づいて、うつむきがちに不安気な表情を浮かべています。
なんで通訳したらダメなのか理解できず千葉さんに詰め寄る太一は…。2話につづく。
感想まとめ
まずはひだまりが聴こえるが帰ってきたなーって感じで嬉しいです。相変わらずBLとしてだけではなく、いろんなことを考えさせられる作品だなあと思いました。
上野さんに手話通訳をつけないというのは、班のみんなで相談してどうすれば上野さんと一緒に課題に取り組めるかを考えて実行してほしいということでしょう。
どこにいても、いつでも通訳がそばにいるような環境が整っているわけではありません。そして上野さんはこれから一緒に働いていく仲間となるわけです。
どのような環境にあっても、また通訳を頼らなくても、互いに協力し話し合って上野さんが働きやすい環境を作っていく必要があります。
すべての環境が整っている状態ではないことを想定して、ではどうすればよいかを考えて行動する。話し合い、トライ&エラーを繰り返しながら改善し、上野さんを含む班のみんなで研修の課題をクリアすること。
それら一連の試みは、今回の研修だけでなく小売業という彼らの職場に戻った時にも生きてくるような考え方の基盤となるはずです。
言い方はキツくて新人さんはそれだけでビビッてしまいそうですが、千葉さんとしては研修後の先の先を見越して今回の課題を与えているということなのでしょう。
2人きりの旅行が取りやめになったのは仕方ありませんが、この仕事が一段落ついたらまたお休みを合わせていけばいいし、そうなると本格的にラブな展開にもなりそうですねっ。楽しみ~!
航平はへたれですがいざとなるとかっこいいし、太一も腹を決めたら案外積極的なHをしたりするのかな。ゲスいことを思う私は腐ってます。知ってた。
ひだまりが聴こえるの世界観的にHなどなくても十分だとは思いますが、あればあったでもちろんウェルカムです。それが主題のストーリーではありませんが、こんなにリアルな2人がまっさらな関係のままというわけにはいかないでしょう。健康な男子なんですから。
いずれそういう関係にコマを進めるはずで、私は太一や航平の幸せを祈りながら成長を共に喜びながらその時をひっそりと見守りたいと思います。
ではまた次回「ひだまりが聴こえるリミット」2話の感想でお会いしましょう。
2話では冒頭の謎の運動神経の良さそうな青年の正体もはっきりするでしょうか。次号も楽しみに待ちたいと思います。
追記)2話の感想を書きました。
ひだまりが聴こえるリミット2話 ネタバレ感想
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