石崎紡績の株の買い占めに成功し、再会した桂木と共に鎌倉で濃厚な夜を過ごした暁人。甘くて幸せな夜をすごした暁人と桂木の姿にじんわりと感動した前回39話。
憂鬱な朝39話 ネタバレ感想
2人でこれからのことを話そうとしていたところで終わっていたので、暁人が将来のことを含め何を考えているのかある程度は分かるだろうと期待していました。
ところが冒頭は回想シーンから入ってちょっと意表をつかれた40話です。また11/25発売の憂鬱な朝7巻のコミックス作業のためか40話は13ページと短めでした。
それでは以下キャラセレクション1月号日高ショーコ先生の「憂鬱な朝」40話の感想です。最新話の感想なのでネタバレ不要の方はどうぞご注意ください。
キャラセレクション 電子書籍
キャラセレクションは残念ながらまだ電子書籍化されていません。昨今の流れに合わせて早く電子配信されるといいですね。
憂鬱な朝40話 感想 ネタバレ含む
創刊17周年表紙は和装の暁人&桂木
キャラセレクションは今月で創刊17周年だそうです。あと3年で創刊号と同じ年に生まれた赤ちゃんが成人するという歴史ある雑誌です。
創刊号から今もずっと読んでいる人っているのかな。いたらすごいですね。私は17年前なんてまだ子どもだったなあ…そんな昔からあった雑誌を今成人した私が読めていることに感謝しなければ。
コミックスだけじゃなくて雑誌のほうもなるべく買って作家さんを応援していきたいなあと改めて思いました。BLは読者の声もかなり反映されるので、好きな先生には積極的にお手紙も書かなきゃですね。
1月号の表紙は日高ショーコ先生です。相変わらずお美しいカラーイラストにほれぼれ。この表紙の腕組み桂木がかっこよすぎで、スーツもいいけど和装もいい!と力説したくなります。
暁人がちょっとふり返って桂木を気にかけている風なのも素敵ですね。雪の中、暁人の持っている傘で今からあいあい傘をして帰るんですね分かります。
僕はすべてを知っている巻頭カラーで尻ほぐし
巻頭カラーは高久尚子先生の「僕はすべてを知っている」なんですが、しょっぱな開いた途端に飛び込んできたカラーに目が点に。
全裸でシャワー中に自分で後ろをほぐす金沢の後姿がエロい。ん?ほぐしてるんじゃないのかな、かき出してる?(下品)でも前回加賀はイケなかったしどうなんだろう。
もしかして自分でほぐす練習してるのかな。それともたまたまお尻を洗ってただけ?どうなのどうなの教えて金沢先生。
私はキャラセレクションはまずは「憂鬱な朝」から読むんですが、この尻に惹かれて今月号は「僕はすべてを知っている」から読みました(笑)
新キャラのモブ顔ではないイケメン患者も出てきたし、こちらも憂鬱な朝と合わせて楽しみな連載作です。
暁人の英国行きは確定か
冒頭、暁人が鎌倉に行く半月前の久世子爵邸に遡ります。暁人と桂木の鎌倉の蜜月の続きからスタートするかと思っていたのでちょっと意外な始まりでした。
バタバタと忙しそうな暁人は、大部屋に向かいながら旅券の手続きについて雨宮に尋ねます。暁人がずっと懇意にしていた井上外務大臣が協力的で、旅券の発行は間に合う様子。
外務大臣とかの名前が出てくると、暁人の身分についてまた再認識させられますね。暁人様は庶民じゃないんだった…(当たり前)
でもイギリスに行くのはもう決定事項なんですね。この話が出てからずっとそうなるんじゃないかとは思っていましたが、やはり1度は桂木と離れるということになるのでしょう。
読者としてはちょっとさびしいというかしょんぼりしますが、暁人が前進するために必要なことなら仕方ありません。
次世代の久世家を託す書生達
久世邸で大部屋に集合していたのは雨宮の選んだ書生たち。身分で選ぶなと言っておいたのに見知った顔が半数ほどあることに暁人は苦々しい表情です。
書生の顔ぶれを見た瞬間に、いったん開いた扉をパタンと閉じる暁人(笑)でも一応は書生たちに聞こえないように小声で雨宮に文句を言っているのがかわいいというかなんというか。
暁人としてはしがらみのない、本当に優秀な若い人を集めて教育したかったんですよね。久世家がこれからやろうとしていることに力添えしてくれるような若者を。
書生たちが自分より年上ばかりであることも含めて雨宮に抗議する暁人ですが、雨宮としては身分の高低はともかく選んだ書生たちは皆有望な若者であると反論しました。
実際には暁人ほどの若さですでにもう優秀な人間というのはごくごく稀なのでしょうね。
ひとクセもふたクセもある若者
集められた大部屋の中では書生達がそれぞれ暁人について話しています。いったん顔を出しかけたのに戻っていった暁人の身体を心配する者。新聞でしか見たことがないが若すぎることに頼りなさを感じている者。
多様な考え方の持ち主がそろっているようですが、そのほうが自然でいいのかもしれません。暁人様、暁人様とすり寄っていく者たちばかりではなく、多少生意気で骨のありそうな書生もいるようです。
暁人の若い姿に頼りないと感じ「(暁人に城主として支配されない)新しい世になってよかった」とつぶやく黒髪短髪メガネという出で立ちの書生のひとりは、なかなかの曲者っぽい雰囲気。
この書生は、いずれは華族制度はなくなり皆が平民という立場になると考えてる冷静な思考の持ち主のようです。
それに反発して、平民のくせに子爵である暁人に対する失言だと責める書生もいれば、同感だと同調する書生もいます。生きのいい若者がそろっているという意味では、雨宮の目に狂いはないのかもしれません。
平成の今を生きている私たちから見ると、身分制度がなくなるというのは確かに時流を読んだ発言になります。
久世家の興した産業や鉄道は残る
そんな書生たちの言葉を部屋の外で聞いていた暁人は冷静です。堂々とした暁人に、話を聞くつもりがあるのなら座るように告げられシーンとしてしまう書生たち。
暁人としては書生の噂話にいちいち反応などしていられません。これからなすべきことが大きいから、そこに向かってまい進するのみ。
暁人は書生たちに向かって語りかけます。
久世家は今後、鉄道や産業を後世に残していくこと。久世家という古い家の中にすべてを閉じ込めてしまった父親からの流れを変えたいと考えていること。
華族制度はいずれ消えてなくなるが、久世家の興した産業や鉄道は残っていく。
そのために力を貸してほしいと静かに語り、具体的には久世家の書生として2年間を自分に預けてほしいと口にする暁人。
この若くて生きのいい優秀な書生たちを連れて渡英し、近代化がめまぐるしい産業についてまったくの新しいイロハを学ぶという考えなのでしょう。
帰国後に久世家の興した産業を営む戦力となるような書生を育てる。暁人の2年間の渡英の目的はそこにありました。
桂木と離れる覚悟はできている暁人
ようやく時間は桂木との鎌倉邸に戻ります。
暁人の思惑や渡英の目的を聞き、暁人から視線を逸らしたまま「2年も?」と口にする桂木。離れる予感は桂木にもあったでしょうが、本人の口から聞くとやはり辛いのではないでしょうか。
書生全員を連れて行くつもりなのかと問う桂木ですが、本当はそんなことよりも2年も離れるという事実に内心動揺しているのでは。
暁人のほうは心が決まっているのか、ふっと表情が和らぎ「2年は短いよ」と諭すように穏やかに告げました。そして桂木の不安を取り除くように優しくキス。愛を感じる行為にキューン。暁人様好き。
「それくらい分かっていますよ」と言い返す桂木の表情は見えませんが、その胸中で何を想うのでしょう。優しくも別れを惜しむような時間が静かに流れる束の間の休息。
ここまでが憂鬱な朝40話でした。
憂鬱な朝40話の感想まとめ
暁人の渡英は近いようなので、桂木はその間日本で紡績工場の経営に奔走するのということになりそうですね。離れ離れは辛いですが、期間が決まってるならなんとかがんばれそう。
暁人よりも桂木のほうが若干動揺している感じで、それをあやすように優しくキスする暁人。必死で桂木を追いかけていた頃に比べて暁人も随分と精神的に成長したなと感じます。
恋人同士が離れる場合、置いて行かれる者のほうは切ない気持ちが増幅するのではないでしょうか。置いて行くほうは新しい環境に身を置くことで気がまぎれることもありましょうが。
ですがそれもこれも目的あってのこと。暁人は遊びにいくわけではないし、久世家のためでもありひいては帰国後の暁人と桂木の関係保持のためでもある。
身分制度がなくなっても久世家の興した産業は生き続ける。そのための基盤を作ろうとしている暁人。この2年で暁人が得られるものは大きいに違いありません。
桂木も紡績工場の経営でしばらくはバタバタするでしょうから、ここは離れるのは宿命だと考えるしかありませんよね。
ところで書生の中に高之に似た若者がいましたが、どうやら彼は高之の従兄の子だそうです。こちらは性格は高之に似ず優しい性格の持ち主のようです。
甘い一夜をすごし、どうやら2人が離れ離れになることも濃厚となりました。寂しいですが仕方ありません。そろそろ終わりも見えかけてきたであろう憂鬱な朝。41話もまた楽しみです。
次号キャラセレクション3月号は2017年1月21日発売です。しかし予告に憂鬱な朝の名前がありません。もしかして次号は1回お休みなのかも。
追記)コメントで教えていただき確認しましたが、日高ショーコ先生のブログに「次号から少し休載に入ります」とありました。お名前を出していいか分からないので控えますが、教えてくださった方どうもありがとうございました。
「少し」ってどれくらいなんでしょうか…2.3回かな?英気を養ってまた連載再開される日を心待ちにしています。
ではまた「憂鬱な朝」41話の感想でお会いしましょう。
追記)2017/7/22発売のキャラセレクション9月号から連載再開です。感想はこちら。
憂鬱な朝8巻41話 ネタバレ感想
憂鬱な朝7巻 電子書籍
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