エメラルド冬の号は世界一初恋24話&25話の2本立て。2本立てだからといって片方がオマケとかではなく普通に25話も42ページあって嬉しかったです。
灰谷さんの思惑が判明してライバル宣言された律っちゃん。高野さんからの想いは10年分。それに対してまだ何の答えも返せていない律っちゃんは…。
24話の復習はこちら。
世界一初恋小野寺律の場合24話 ネタバレ感想
律っちゃんの失意の留学時代のルームメイトの清宮くんが大活躍の25話は、今まで語られなかった律っちゃんの過去回です。
それでは以下、中村春菊先生の「世界一初恋」小野寺律の場合25話の感想です。ネタバレしているのでお気をつけください。
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世界一初恋小野寺律の場合25 感想 ネタバレあり
一気に2話分読めて4ヶ月待ったかいがありました!ずっとついていきます中村春菊先生。
商業BLにはまるきっかけをくれた作品なので終わるまで高律カップル(もちろん雪木佐もトリチアも)をずっと見守りたいです。
桜舞い散る中で背を向ける嵯峨先輩
桜吹雪の中で嵯峨先輩(高野さん)を見つけた律っちゃん。待ってください嵯峨先輩!と懸命に名前を呼びながら自分の叫び声で目が覚めます。
隣りには、その声にびっくりして起きてしまった清宮くんの寝姿もありました。イギリスの留学先で嵯峨先輩の夢を見ていたらしい律っちゃん。
荒い呼吸のまま顔を覆い、嫌なことを忘れられる日がくることを神に祈るように絶望的になっています。日本で恋に破れたことでかなり追い詰められている様子ですね…。
イギリスの全寮制の学校でのあだ名は「幽霊」
全寮制の学校で外国人に囲まれて過ごす律っちゃんは、目が沈んだまま友達も作らず寡黙にたったひとりで過ごしていました。
英語がしゃべれないわけではないのに挨拶すらせず、ほとんど誰も声を聴いたことがない律っちゃんに同級生たちもいぶかしげな表情です。
クラスメイトと喧嘩になりそうなところで律っちゃんを助けてくれたのは、ルームメイトでもある清宮くんでした。明るくその場をとりなす清宮くんは、律っちゃんはシャイだからとフォローしてくれます。
しかし律っちゃんへの級友たちの反応は「感じ悪い」と決して良い評判ではありません。律っちゃんは皆から「幽霊(ゴースト)」と言われているらしく、食事も外のベンチでひとりですませています。
杏ちゃんとはメールの連絡はとっていますが、何かと学校でも構ってくる清宮くんのことすら避けて過ごす失意の日々。
人が怖くなってしまった律っちゃん
人付き合いは面倒だけど全寮制の学校だから最低限のコミュニケーションは必要だと、もっともな主張の清宮くん。
日本人同士だから相談にも乗るよと明るく律っちゃんを和ませようとしますが、律っちゃんは「興味ない」とうつむきがちです。
律っちゃんは自分のあだ名がゴーストであることも知っていました。だけど嵯峨先輩とのことで疲れ果てていた律っちゃんは、人と関わることが怖くなってしまっていたのでした。
何の打算もなく自分のすべてをさらけ出した相手に拒否されたことが、律っちゃんの心に大きな影を落としていたという事実。
一応学校生活はきちんと送っているようですが、図書館にこもっては自分の世界に閉じこもったままでいます。
嵯峨先輩のことは忘れたいと思っているのに、図書館の本を見ては先輩を思い出したりと切なくて辛そうな律っちゃん。
あんなに傷つくくらいならもう誰とも関わりをもちたくない。そのためにここに来たはずなのに、思い出しては辛くなり夢で見ては飛び起きるという事実になおも苦しめられています。
放っておいてくれない清宮くん
傷心の律っちゃんに、清宮くんはそっとしておくどころか積極的にからんでいく姿勢を崩しませんでした。
清宮くんとしても、隣りであんなに毎日のようにうなされては飛び起きている同室の同じ日本人を放ってはおけなかったのでしょう。
多少強引に食事を一緒にとったり映画に誘ったりと明るく絡む清宮くんですが、律っちゃんは頑なな態度を崩しません。
出かける気分じゃないと拒否しようとすると、今度は清宮くんが趣味の写真で律っちゃんを撮り始めました。ウザがる律っちゃんにあまり堪えないポジティブキャラの清宮くん。
こういうタイプには律っちゃんは振り回されそうですね。ただこういうタイプの子のほうがガードが固くなっている律っちゃんにはちょうどいいのかもしれません。
殴り合いのケンカをする2人
イギリスにまである桜の木を見ては嵯峨先輩のことを思い出してしまう律っちゃん。早く忘れよう、早く忘れたいと思いながら今日もまた嵯峨先輩の亡霊を夢見てはうなされています。
ある夜、心配した清宮くんがあまりにひどくうなされている律っちゃんを起こして水を飲ませようとします。がしかし律っちゃんは拒否!
律っちゃんのあまりにも子どもじみた態度にキレ気味の清宮くんは「サガ先輩って誰?」と律っちゃんが叫び続けている人の名前を問いかけました。
思わず寮を飛び出していく律っちゃん。嵯峨先輩のことは今一番聞きたくない名前であり、もっとも触れられたくない話題でしょう。
夜中にパジャマで飛び出していった律っちゃんを追いける清宮くん。寮長に怒られるからと部屋に戻そうとする清宮くんに、律っちゃんはウザいし迷惑だと喧嘩腰で叫びます。
ムカッときた清宮くんが律っちゃんの頭をはたき、カッとした律っちゃんもほっぺたをひっぱたき返すという気の強さ。にらみ合った末、お互いに掴みあいのケンカになってしまいます。
弟を失くしていた清宮くんの後悔
殴り合いの喧嘩は良くありませんが、相手を怪我をさせるような喧嘩ではなくどこか加減をするという常識も持ち合わせている2人。
ケンカ慣れしていない律っちゃんに、清宮くんもおそらく喧嘩なんてしたことがなさそうな雰囲気です。お互いすぐにボロボロになって、疲れて芝生にゴロンと横になってしまいました。
こういう学校に来る子たちって良いところのお坊ちゃまというイメージがあるし、取っ組み合いのケンカなんて2人ともこれが人生初なんじゃないのかな。
息が上がった状態のまま、どうして自分に構うのかと投げやりに問う律っちゃん。清宮くんが律っちゃんに構うのは、ただのルームメイトだとか日本人同士だからというだけではありませんでした。
12歳の時に交通事故で弟を亡くしている清宮くん。事故の直前に弟と喧嘩をしていて、何か話したそうにしていたのにめんどくさくてスルーしたままだったのを今も後悔している様子です。
話したくなったらいつでも聞いてくれる人がいる
清宮くんが律っちゃんを見ていたら放っておけなくなったのも、弟のことを思い出したからでした。
律っちゃんが好き勝手するなら自分も好き勝手すると宣言して「理由を聞くまでつきまとう」と宣言する清宮くん。なかなか強いです。
だけど「無理に言わなくてもいい」と、律っちゃんの心の中に土足で踏み込もうとはしませんでした。
清宮くんとしては、話したくなったらいつでも聞く人がいるということを知っていてほしかった。いざとなれば受け入れてくれて相談できる人がそばにいるというのは誰にとっても心強いこと。
それを聞いて少し安心したのか、嵯峨先輩のことをぽつぽつと語り出す律っちゃん。喧嘩をして少しすっきりしたというのもあったのかもしれません。
あるいは全寮制の宿舎の敷地内という秘密の漏れない環境や、慣れない海外生活での日本語での会話に安心したこと、そしてイギリスの広大な星空に心がほぐれたのかもしれません。
何よりも清宮くんと殴りあいのケンカをして、一瞬だけでも積もり積もっていたむき出しの感情を発散させたことが、頑なな律っちゃんの心を溶かしたのではないでしょうか。
心の底から嵯峨先輩を好きだった…
少しだけ付き合っていた嵯峨先輩のことを話す律っちゃん。男同士であるということも清宮くんは割とすんなりと受け止めます。
全寮制の男子校だからそういうのは珍しくないようで吉と出た感じでしょうか。ここで引かれちゃったりしたら、それこそ律っちゃんは二度と人を信じなくなったでしょう。
律ちゃんの悪夢の原因が失恋であることに対し、清宮くんは「くだらない。お前は女子か!」と10代の高校生らしいまっとうな答えでした(笑)
こういう素直で率直なところは清宮くんの良さでもあります。特に律っちゃんのようなめんどくさいタイプにはストレート直球タイプの子のほうが合うのでしょう。
桜に嵯峨先輩のことを隠してほしい
ちょうど満開になった桜の木を見て、我慢していた涙を流し始める律っちゃん。本当に心の底から嵯峨先輩のことをずっと想っていた律っちゃんの気持ちが切なくて苦しいです。
早く忘れたいのに夢にまで出てきてどうしたらいいのか分からないと泣きじゃくる律っちゃんに、清宮くんも律っちゃんが本当に先輩のことを好きだったんだなと感じています。
人間は実際に目の前にあるものでも脳が認識しなかったら見えなくなるから、そうやって見なければいいと優しく励ましてくれる清宮くん。
頭を撫でてくれる手がとても優しくて、さらに大粒の涙を流す律っちゃんが切なくてもう見ていられません。
桜に「嵯峨先輩のことを隠してほしい」と祈るように切に願う律っちゃんの気持ちがちぎれそうで、失恋の傷の深さが伺えます。
桜の木を高野さんに見せてあげたい
律っちゃんの留学時代の過去回で終わるかと思いきや、ハッと気づいた律っちゃんの横にはすやすや眠る高野さんの姿がありました。
イギリス時代の夢を見ていた律っちゃん。あんなに涙した後、なんとか清宮くんの支えもあって必死に忘れて生活していたようです。
なのに何の運命の悪戯か、またこうやって出会ってしまった。忘れたはずだったのに結局は忘れられずにいた律ちゃん。
宿舎の庭にあった桜の木を、あんなにも見たくなかったはずなのにいつか高野さんにも見せてあげたいとまで思っています。
いろいろあって10年ぶりに再会した今、こうして高野さんの腕の中にいる律っちゃん。きっと別れられない運命だったのでしょう。
高野さんの腕に抱かれてベッドでまたうとうとしはじめる律っちゃんと高野さんの幸せな2ショットのまま25話はおしまいでした。
世界一初恋小野寺律の場合25話の感想まとめ
10年前の生気を失った目でゴーストのような状態だった律っちゃんに、心配しなくても再び日本で会えるよと教えてあげたいですね。
心機一転のはずの海外の高校で、あんなに頑なに人間関係を拒否して死んだように生きようとしていた律っちゃんの苦しみに胸が痛みます。
喧嘩をしてより仲良くなるという青春の王道ですが、清宮くんがそばにいたことはきっと律っちゃんにとっての癒しであり救いになっていたに違いありません。
イギリスで清宮くんがそばにいなかったら、律っちゃんはずっと悪夢に苦しめられ誰にも頼れず孤独に疲れはてて、精神的にさらに追いつめられていったかもしれません。
それにしてもイギリス時代の高校生の律っちゃんのビジュアルのかわいらしいこと。今よりももちろん幼くておめ目ぱっちりで小学生のよう。
清宮くんは今とあまり変わりません。黒髪できつめの目はやはり高野さんを彷彿とさせますが、この子のおかげで今の律っちゃんがいます。
それから全然関係ないですが律っちゃんって学校ではすごく優秀だったのではないでしょうか。根はすごくマジメだし英語もペラペラ。
日本とは全然違う学校の雰囲気やカリキュラムや宿舎での他人との共同生活にも馴染んでいたし、案外たくましくその後は生活していったのでしょう。
巡り合わせとはどこでどう繋がっているか分からないもので、こうやって高野さんと再会して恋人もどきな関係にまた戻ることになった律っちゃん。
相変わらずツンツンはデフォルトですが、律っちゃんも高校生の頃のままではありません。あとは気持ちを伝えて、その後どうやって高野さんとの関係を進めていくのか。
大手出版社の御曹司であるという家庭の問題もずーっと先になるでしょうが出てくることでしょう。ほんと小野寺出版はどうなるんだろう。
次回は2017/4/27発売のエメラルド春の号です。
ではまた「世界一初恋」小野寺律の場合26話の感想でお会いしましょう。
追記)26話の感想を書きました。
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