高崎ぼすこ先生の5冊目のコミックスは、だいたい半分くらいはエロいことをしているというえっちなお話でした。
スパダリS攻めと見せかけて最後はつい相手を思って引いてしまう、ちょっと残念めのキラキラ系イケメンと、まじめだが性に目覚めたら意外と積極的な年上先生受けの王道カップルです。
年下攻めのちょっとした余裕のなさと、受け受けしいが時として年長らしくしっかりしている年上という組み合わせがナイスな2人でした。
それでは以下「暫定ボーイフレンド」の感想です。
暫定ボーイフレンド 電子書籍
暫定ボーイフレンドの感想 ネタバレあり
イケメンモデル×大学の先生
通勤の満員電車内で痴漢に出くわした大学助教授の秋月(受)は、危ういところで研究室の教え子である北村(攻)に助けられます。
キラッキラのイケメンハーフモデルとしても活躍している北村は、学校でも他学部から女子学生が見学に来るくらいの目立ちっぷり。
新人で仕事だけでいっぱいっぱいの真面目な秋月は、よりによって自分の教え子に助けられたことで落ち込みます。
男だって痴漢にあったら普通に怖いですよね。痴漢するほうが悪いに決まっているわけだし、男女問わず怖いものは怖いはず。
余裕のない秋月を見つめる北村
博士を持っていても就職難な研究者。秋月はかわいがってもらっている葉山教授の推薦もあり、今の期限付きの助教授のポストに座れたという状況です。
秋月も外見は整っていますが、なにせ仕事は新人。一生懸命すぎて余裕がなく、学生受けはいまいち。しかしそんな秋月を北村はじっと見つめていました。
隙を見て秋月に近づく北村。研究室で背後から迫って、痴漢にあったことを引き合いに暫定的に彼氏役をすることで約束をとりつけます。
この時点で北村が秋月に近づく理由がいまいちよくわからなかったんですが、これは後でちゃんと描かれるのでその点では1冊読んでからすっきりするという流れでした。
正直途中までは北村のような遊びたい盛りのリア充くさいイケメンハーフモデルの大学生が、北村のような真面目なタイプに近づく動機付けがないと内心「?」だったのですが、きちんとした理由があったので超納得です。
北村にきゅんとする秋月
秋月は器用なタイプではなく、おそらくずっと男に囲まれた理系の環境のままに勉強一筋にここまでやってきたのでしょう。
仕事には一生懸命で上司にも目をかけられますが、どこか隙があり、おそらくは無自覚なゲイ。
暫定の彼氏として流されるように秋月に朝迎えに来てもらって守られるうち、北村の美しい顔立ちや物腰柔らかな雰囲気、その優しさにきゅんとして無意識に惹かれていきます。
北村が人目を引かないようにかけていた伊達メガネをとって、きらっきらの美形オーラで秋月の周囲を威圧していくのがじわじわ。
確かにこんな長身ハーフのイケメンがそばにいたら、ちょっと近づきがたいですよね。
戸惑いながらも身体はエロく反応
よい番犬、じゃなくて暫定の彼氏として気遣ってくれる北村に心を開きぎみの秋月は、2人きりの研究室で迫られてつい身体が反応してしまいます。
自ら腰を揺らして誘うようにしてしまい、最後までしないまでもイかされてとろとろにされてしまう秋月。優しいけれど何を考えているか分からない北村に動揺してしまいます。
秋月は(たぶん)女の子とも付き合ったことのないDT。北村の気持ちはおろか自分の気持ちもわかっていなくて、戸惑いながらも真っ赤になって身体ごと反応しているのがエロいです。
一瞬で服を脱がすテク
北村との関係に悩み上司である葉山教授に相談していた秋月は、飲み会の帰り道で待っていた北村ととうとう身体を繋げます。
北村のほうはムラムラしちゃって玄関でやってしまうというがっつきっぷりでしたが、秋月もはじめてなのに感じてしまって大変なことに!
秋月に服を咥えさせたり(エロい)と、北村はエッチにも慣れてる感があるのに、最後に切ない顔で秋月に抱き着いたりと、年下の必死さも見せてくれて思わずにやにや。
話と話の間にあるひとこま漫画で、北村が「一瞬で服を脱がすテク」を披露していてくすっと笑ってしまいました。
すぽぽーんっていう擬音が好き(笑)脱がされて涙目の秋月のつるんとしたお尻もかわいいです。
北村に距離を置かれてすれ違う2人
一夜を共にしたのに、ひとりきりで目覚めた秋月。北村はモデルの仕事といってしばらく大学も休み、秋月から距離をとってしまいます。
そんな北村に疑問を抱きながらも仕事に追われて過ごす秋月は、社会人としては調子よく職務にいそしみ葉山教授もその頑張りを認めてくれました。
恋愛ばかりにかまけてはいられないのが社会人。
日々の仕事や評価によって今後の自分の進退が決まってしまう秋月は、北村を気にしながらも仕事にまい進しています。
真面目な性格や不器用ながらも一生懸命情熱をもって仕事をがんばる北村には好感が持てますね。
しかし北村とはエッチもしたのにその後が音信不通ですれ違いが続いてしまいます。仕事も恋愛もとそうそううまくはいかないのが妙にリアルだなと思いました。
秋月は積極性を身につけてレベルが1上がった
北村は、わざとモデルの仕事を詰めて自分を追い込んでいました。秋月の笑顔を見たいのに、秋月が笑顔を見せるのはいつも他の人ばかり。
葉山教授と秋月の関係も、北村はかなり気にしていました。いち学生には理解できない研究者同士の認め合っているような雰囲気や仲の良さも、北村にはおもしろくなかったのかもしれません。
モデル業をしているとはいえ学生と社会人という立場の違いにも、焦る気持ちがあったんじゃないかな。
このままだと大好きな秋月に何かひどいことをしてしまいそうで怖くなり、仕事に逃げてしまった北村。しかし秋月はそんな北村に、年上らしくきちんと向き合いました。
お互いに好きな気持ちを認めて愛のあるエッチをする2人。秋月のほうが自らご奉仕してみたりと、性に対して少しずつ開放的になりつつあるのが彼の今後を期待させます。
秋月を好きになったきっかけ
北村が秋月を好きになったきっかけとして、過去に学校の中で出会ったという経緯がありました。
幼少期から人と違う容姿のことで、好奇の目を向けられたりぶしつけな質問を投げかけられたりと他人に対してうんざりしていた北村の前に、そんなことは気にもかけない秋月が現れたんですね。
秋月としては仕事で精いっぱいでただのいち学生には興味もなかったようですが、ドジっ子なちょっと天然っぷりは昔から変わらないまま。
そしてそれが北村の救いとなり、頑張って勉強して秋月の研究室に入ってきて追いかけた…という流れです。
ご縁があるってこういうこと
北村は派手な外見のモデルではありますが、案外恋のきっかけはピュアというか、タイミングやめぐり合わせの良さもありご縁に恵まれたのでしょう。
容姿が優れているからといって良いことばかりではなく、捻くれかけそうだった北村が、秋月との出会いによって癒されて生かされていくのは見ていて気持ちがよいものでした。
北村のほうもまた、秋月の献身的な暫定彼氏というサポートがあって仕事がスムーズに進んだり、守られることで安心して集中力が継続したりと、お互いに良い影響を与え合っているカップルって理想的でいいですね。
感想まとめ
タイトルの最後に「v」ってついていますがこれは表紙を見る限りハートマークなんですよね。サイトによっては「v」があったりなかったりするので一瞬何だろう?と思ってしまいました。
エロエロな今作でしたが、今回の私の一押しは、北村を想って秋月がひとりでするときの背後からのアングル。
左手で後ろをいじって右手で自分のを握っているんですが、この右手の指がタマにかかっていてモミモミしているのがエロくって大変素晴らしいです。(細かい)
葉山教授は飄々としていていい人でしたが、秋月を気に入っているようで油断ならない感じなのもお話全体を引き締めてくれました。
愛娘も気に入るような、誰か他にいいお相手が葉山教授にもできるといいのですが。
スパダリと見せかけて年下の甘さを見せてくれる攻めと、案外しっかりしている年上受けのカップルのエロエロにたっぷりと萌えさせてもらった1冊でした。
エロいのを読んで幸せ気分に浸りたい人にもおすすめです。