ソフレとは添い寝フレンドの略だそうで、ただそばにいてそっと寄り添って眠ってくれる抱き枕代わりのお友達のこと。恋人に非ず。
最初は契約ソフレからはじまった関係だけど、続けば情も沸いてくる。彼女もいるけど一番安心できるのが男の腕の中だと気づいて…。
ソフレって何？セフレの間違いじゃないの？とか思った私はただのすけべです。でも受けの瀬田も同じことを思っていたからセーフ。
というわけで以下ソフレ部下の感想です。
ソフレ部下! カキネ 電子書籍
ソフレ部下!の感想 ネタバレあり
部下と上司で添い寝フレンドに
海外にいる彼女と遠距離恋愛中の瀬田（受）は、上からは重圧をかけられ下のフォローは欠かせない中間管理職。
その上同僚との付き合いなどストレスもたまる一方で、ある時部下の中村の家で酔いつぶれてしまいます。
酒の勢いのままに中村が提案したソフレ（＝添い寝フレンド）になることを約束した瀬田ですが、男と寝るなんてと思うも意外と心地よく眠れる日々。
中村には実はこれまでにも何人かソフレがいましたが、相手がソフレ以上の関係を求めるようになっては関係を解消してきました。
嫌われないように気を遣ったりこじれないように努力したり、相手の理想でいなければ一緒にいられないなんて虚しいという中村。
中村にとっては恋愛はめんどくさいわけですね。その点ソフレだと人肌を感じられて安心できるし、それだけで済むから楽ということになります。
好きだと意識して眠れなくなる瀬田
優秀な抱き枕として役割を果たしてくれる中村とソフレ関係を続けていた瀬田ですが、ある日中村の寝言で好きだと告白されてしまいます。
寝言とはいえ、それ以来中村のことを意識しすぎてしまう瀬田。どうにもぎくしゃくしてしまい夜もなかなか眠れません。
中村はそんな瀬田の様子がおかしいと感じて問い詰めるも、よけいにこじれてしまいます。眠れないんじゃソフレの意味がない。
ソフレはいったん解消となり、もともとの上司と部下の関係に戻った2人。しかし瀬田の寝不足は深刻で、仕事でミスしたりと散々な目に遭ってしまいます。
中村がミスをフォローしてくれたりしてやっと素直になった瀬田。中村のほうも最初はキス以上はしないなどと言っても結局は恋人関係になるということで落ち着きました。
よく瀬田にひっぱたかれる中村
中村が瀬田と恋人関係になりたがらなかったのは、瀬田が無理をして笑っている姿を見たくなかったから。だけど本当は恋をするのが怖かっただけなのでしょう。
本当は眠れていなかったのに目の下のクマをコンシーラーでごまかしていたり、瀬田の前ではかっこつけたかったんですよ。男の意地みたいなものもあったのかも。
中村は瀬田によくひっぱたかれるんですが、左右のほっぺの次が真正面だったことに思わずにやっとしてしまいました。正面の平手打ちって鼻に当たるから地味に一番痛そうです（笑）
瀬田×中村！？
酔って意識をなくして朝起きると事後のような雰囲気に、自分が中村を抱いたんだと勘違いしている瀬田が愛しいです。どう見てもキミは受けだよー！と言ってあげたい。
身体の調子がおかしくても自分が抱くほうだと信じて疑わない瀬田。実は酔うとキス魔になるクセもかわいいです。中村もにやにやしちゃってます。
だけど本当はもちろん中村が抱くほう。しかも瀬田が酔っている間にずっとうしろをほぐして慣らしておいたという優しさを見せてくれました。
本当は早く挿れたいはずなのに、最大限に受けの身体を気遣ってあげられる攻めって素敵ですよね。
短編：ファーストバイト
ファーストバイトという切ない系の短編も同時収録されていました。これはマガジンビーボーイのふろくの「泣けるBL」に収録されていたショートです。
好きになったノンケの友人に結婚式でスピーチを頼まれるとか酷ですよね…。好きな人から「春に結婚するんだ」って、なんてぐっさりくるセリフなんだろう。新郎がいい奴なだけに余計に切なさ倍増です。
特に印象的だったのは母親からの電話で泣くシーン。はじめての友達兼好きな人に失恋した涙と、孫を見せてあげられなくてごめんの涙。両方の意味を泣き顔だけで感じさせられて、思わずうるうるしてしまいました。
短編：片っ端からぜんぶ愛
もうひとつの短編「片っ端からぜんぶ愛」は単行本の
いろんな意味で甘くてエロくて幸せな恋人のお話でした。本編を読んでいなくてもこれだけでも十分楽しめましたよ。
糖分ってたくさん摂取すると性欲が激減するって本当かな（笑）真に受ける諏訪も、変態鹿尾もどちらも愛があってかわいかったです。ただ、ホットケーキに塩はやめましょうね。
ファーストバイトが切なく終わったので、これが最後にあってよかったです。漫画って読み終えた瞬間は幸せな気分でいたいので、短編をいくつか掲載する場合はその順番も大事だなと思いました。
感想まとめ
「ソフレ部下」で瀬田の元カノがなかなか酷い人だったので、いったいどんないきさつで瀬田と付き合うことになったのかそれも気になりました。
5年も恋人関係が続いていたということはけっこう長期間付き合っていたことになりますよね。やっぱり瀬田が押し切られたという形なのかな。
エアメールで誹謗中傷を送ってくるとか、元カノの陰険なやり方には閉口してしまいましたが、中村の力強い言葉もあったので恐らくもう大丈夫でしょう。
ソフレから恋人になってエッチまできっちりしているのでトータルでの満足度は高かったです。
ソフレ部下で上げ、ファーストバイトでいったん熱を下げ、片っ端からぜんぶ愛でまた上げるという1冊の構成もお見事でした。
カキネ先生の次回作も楽しみにしています。
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