会社で受け持った研修先で、耳の不自由な新人社員への対応をめぐってぶつかった太一と千葉さん。
頭を冷やそうとおつかいに出かけた先でうっかり寝過ごしてしまった太一は、見知らぬ土地でプチ遭難してしまいます。
なんとか雨宿りできるところで非難しているとうとうと眠くなり、そこへ誰かがやってきて…。というところまでが前回のお話でした。
2話の感想はこちら。ネタバレ注意です。
ひだまりが聴こえるリミット2話 ネタバレ感想
3話ではあの子が出てきてこれからお話が動きそうです!マヤちゃんのほうももしかして?
それでは以下「ひだまりが聴こえるリミット」3話ネタバレ感想です。
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ひだまりが聴こえるリミット3話感想 ネタバレあり
航平のハンバーグ食べてーな
雨の中空いていた小屋に避難していた太一。昼間に千葉さんとぶつかってしまい、納得できる部分もあり自分の未熟さを痛感しながらうとうと居眠りをしています。
「航平のハンバーグ食べてーな」と寝ぼけ眼に考えていると、懐中電灯と共に慌てた様子で車で迎えにきてくれた千葉さん。
天童さんから話を聞いて、バス会社に問い合わせて太一が乗っていた路線を調べて、バスを降りた後に山奥にでも入り込んだのかと心配してくれていました。
道に迷って行き倒れでもしているのかと思いきや、呑気に寝ている太一を発見して怒り心頭の千葉さんは、太一の頭をガシッとつかんでお小言を。
遭難というふうに多少大げさに天童さんが言ったようですね。これはきっと千葉さんを動かそうとして天童さんが機転を利かせてくれた感じなのでしょう。
スタッフ同士が気まずいままよりも、さりげなく2人になれるように取り計らって話す時間を作ってあげる天童さんの影ながらのナイスアシストでした。
上着を貸してくれた千葉さんの優しさ
何やってんだお前は!とか面倒かけやがって!とか口が悪い千葉さんですが、こんなに焦って捜してくれるなんて本当は同僚思いなんですよね。
車に乗って帰ろうとするも、ずぶ濡れの太一は犬のように頭をふって滴を飛ばしたりと相変わらずの野生児。千葉さんもあきれてタオルを差し出してくれました。
自分ではなく心配そうに荷物を拭く太一に、自分を拭けよと不可解そうな千葉さん。でも太一は皆でやる花火がしけってしまうのではないかとそちらの方を気にしていました。
ビニールがしてあるから平気かなと言いつつも、それでも心配そうな太一。自分の身体よりも大事そうに荷物を抱えています。
きついこともあった新入社員の研修合宿の最後に、皆でわいわい楽しい時間を作ろうと思ってのおつかいでしたしね。
そんな太一を見て千葉さんも思うところあるようで、自分のコートを太一にかけてくれました。
「それ着てろ」と言いつつ「お前がいくらバカでも風邪をひかれたら困る」とか、そっぽを向いてぶっきらぼうな態度の千葉さんですが、自分の行為にちょっと照れてるのかもしれません。
太一のこういうところはブレなくて、憎めないし放っておけないし愛すべきところです。そう思うのは千葉さんも同じなのでしょう。
別にお前がダメな訳じゃない
千葉さんの思わぬ優しさに触れて戸惑う太一ですが、迷惑をかけたことと、昼間の通訳のことでは考えが足りずに自分勝手なことをしたと素直に謝ります。
千葉さんは別に謝ることじゃない、と運転しながら落ち着いて答えました。
どちらの意見が正しいとかではなく、個人の権利もあるから、もし上野さん本人が手話通訳を依頼してきたらそれを受けることも考えていた千葉さん。
今回はよその会社の新人研修であること、障碍のある人をちゃんと戦力として採用しようという理念を持っている会社であること、そういう会社の人選だから新人たちが自分たちで何とかできるだろうと信用したのでした。
実際に去年の新入社員もそうだったようで、そういう経験則が千葉さんにはあり、太一にはまだなかった。千葉さんは、そのあたりのことを説明しないで頭ごなしに言い過ぎたと太一に謝ります。
「別にお前がダメな訳じゃない」太一のことも否定はしない千葉さんが大人で、太一がとても良い先輩に囲まれて仕事をしているなと感じました。
こういう先輩や同僚に囲まれていたら新人の太一もどんどん吸収していって経験を積んで、とても良いスタッフに成長できるんじゃないかな。
トモダチ、です…
悪かったな、と自分に謝る千葉さんに太一はびっくりしています。いい雰囲気で和解しかけたところで、太一のお腹が盛大に鳴り響き、ファミレスで食事してから帰ることになりました。
ハンバーグセットをご飯大盛りで注文した後にお金がないことに気づく太一。でもここは千葉さんがご馳走してくれることに。急に千葉さんがいい人に見えてくる太一が現金です(笑)
さっき小屋で航平のハンバーグが食べたいと思っていたからハンバーグセットにしたのかな。太一って色気より食い気だけど、こういうところは本能に忠実で分かりやすいですね。
お店のハンバーグを食べながら本心では航平のハンバーグが食べたいとか思っているのもかわいい。
航平は、さっき千葉さんが迎えに来たときに寝ぼけて航平の名前を呼びそうになったことをつっこまれ、トモダチですと切なげに答えたのも印象的です。
恋人になろうとか言われたわけではないし、でもキスはするから友達ではない関係。
竹を割ったような太一の性格上、はっきりした口約束がないと自分たちの関係にどういう名前をつけたらいいのか分からなくて戸惑っているのでしょう。
男同士ということもあり、そう簡単に人に航平との関係を誰かに話すというのは太一にとっても難しいことに違いありません。
疲れやストレスからくる一時的な症状だった航平
航平は、一瞬音が全く聴こえなくなったということで病院へ検査に行きましたが、結果は特に異常なし。
医師いわく、めまいやひどい耳鳴りがなく同じような症状が続いているわけではないのなら、疲れやストレスからくる一時的なものでしょうという判断です。
今のところは問題ないということでひとまずホッとしました。航平もそれは同じようで、医師に不安な気持ちを少しだけ吐露しました。
いつか全く聴こえなくなる日が来るかもとそれなりに覚悟しているつもりだった航平。でもやっぱりいざ音が消えたら、たった一瞬のことなのにとても怖かった。
航平の言葉を聞きながら、人工内耳というものについて考えてみてはどうかと提案してくる医師。
人工内耳とは頭に機械を埋め込んで電気信号で音を伝えるというもので、手術にあたっては条件や適合に個人差は出るものの、その効果の程から年々装用者は増えているようです。
特に中途失聴の人には多いそうで、今の航平の状態なら手術の条件も満たせるだろうとのこと。
ある程度音を取り戻すことができれば気も楽になるのではと、お医者さんは人工内耳についてのパンフレットを航平に渡してくれました。
航平を元気づけようとするマヤちゃんですが…
土曜日、マヤちゃんとどこかへ連れだって歩く航平。どうやらマヤちゃんがちょっと行ってみたいところがあると航平を誘ったようです。
マヤちゃんとしては航平に元気を出してほしかったというのもあるのでしょう。太一との旅行がキャンセルになって凹んでいましたからね。
航平なら興味を持ってくれそうだから声をかけたようですが、道中、航平のルックスに女の子たちがチラチラ目くばせをしているのも航平はまったく気づきません。
航平を少しでも元気づけようと、太一の会社のブログを見せるマヤちゃん。ブログには合宿中のスタッフも写っていましたが、千葉さんに頭を掴まれている写真を見てショックを受ける航平。
どう見ても千葉さんは後輩の太一に注意しているというかあきれているような雰囲気の写真なんですが、航平からしてみると太一がずっと話題にしていた人なので気になるのでしょう。
見ようによっては太一と親密…とまではいかなくても親しげに見えるかも。ブログの太一を見て、また何か怒られてるんでしょうねーと軽く笑うマヤちゃん。
だけど振り向いた瞬間の航平のずーんと凹んだ暗い表情にびっくり。励まそうとしてくれたマヤちゃんですが裏目に出てしまったようですね。
うーん航平としては旅行はダメになるわ、太一が尊敬している先輩と親しげに身体接触しているわで、ちょっと面白くないという感じかな。
耳のこともあってナーバスになっている航平からすると、今は太一が他の男と親しげにしているのは見たくない写真だったかもしれません。
ヤスはマヤちゃんが気になっているようです
マヤと出かけるところを偶然目撃したのは太一の友達のヤスとヨコ。ヨコは年々チャラくなっているようで、合コンをとりつけてはヤスを騙して連れて行ったりと大学生らしさを満喫しています。
そんなヨコにヤスはあきれ気味です。喧嘩気味に言い合いをしていると、ヤスはふとマヤと航平を見かけて思わず固まってしまいました。
ボケっとしてていいのかよと、ここは友達思い(?)を発揮してはっぱをかけるヨコ。「お前マヤちゃんを狙ってるんじゃないの?」とストレートにヤスにぶつけます。
しかし焦って思いきり否定するヤス。うーん、ヤスはマヤちゃんのことが気になっているんじゃないかと思っていたんですが、本人は照れもあるのか全否定しました。
ヨコは航平とマヤの2ショットを見て、恋人ではなさそうだと感じた様子です。
「似た者同士というか聴こえない同士のほうがうまくいくんかね」何気なくつぶやくヨコに、ヤスはマヤの泣き顔を思い出しました。
「そういう言い方やめろよ」ヤスのマジトーンの声に戸惑うヨコ。やはりヤスとしてはマヤのことが気になっているようです。
たぶんマヤちゃんのほうは今はヤスのことを恋愛対象としてまったく意識していないと思いますが、この2人の関係も今後注視していきたいところです。
デフフットサルチームの見学へ
マヤちゃんの行きたかったところとは、デフフットサルの練習場でした。デフスポーツとは、耳の聴こえない人たちがやる競技のこと。
手話サークルが有志でつくっているフットサルのチームがあり、スポーツしながら手話も勉強できるというところのようです。
以前、区の手話サークルに行ったときのことがトラウマになって残っていて、それ以来こういう活動に参加するのは億劫に感じていたマヤちゃん。
だけど身体を動かすのは好きだし、いつまでも弱気じゃだめだと見学だけでもしようと思ってやってきたのでした。
マヤちゃんもいろいろあって、そこから立ち直って少しでも自分の世界を広げようと頑張っているんですね。
ふんわりしたかわいらしい外見なので、スポーツが好きというのはちょっと意外です。フットサルってかなり激しいスポーツですが、実は超運動神経が良かったりするのでしょうか。
航平を助けてくれた人と再会
航平のほうは興味がないというわけではなさそうですが、フットサル自体をやったことがないし、こういうのは太一が好きそうだなと考えています。
こういうところへきても、想うのは太一のことなんですね。太一は野球の方がいいかなとか、くすっと笑いながら考える横顔が幸せそうな航平。
ふとコートの先にすでにボールと戯れているひとりの青年が目に入ります。航平は以前ボールが当たりそうになった時にアクロバティックに助けてくれたあの男の子だと気づいて…。
ひだまりが聴こえるリミット3話の感想まとめ
ようやく1話で航平をかばってくれたあの身軽な青年の再登場です。デフフットサルチームに航平も加入して、この先輩と親しくなっていくという流れになりそうですね。
外見は太一タイプの野生児っぽい感じなので、この青年の存在が太一をやきもきさせることになるのでしょうか。
それとももしかすると、航平の人工内耳の手術のことで相談相手になったり支えになったりするのは、この身軽な青年だったりするのかもしれません。
今のところ恋愛感情としては航平>太一という雰囲気ですが、これがひっくり返るような熱さを太一が見せてくれたりするといいなと思います。
ここまでは航平の気持ちが大きく描かれていて不憫とまではいかなくても、旅行のことだって太一はどこまで考えてOKしたのか分からないですしね。
今回は千葉さんの優しさや大人の対応、そして太一に経験不足なだけでダメなわけじゃないとフォローしてくれた時の横顔がかっこよかったです。
今どきのふんわりヘアーの航平がイケメンなのは言うまでもありませんが、千葉さんのようなキリッとした黒髪短髪もいいなー。おでこを出しているのもポイントが高いです。
マヤちゃんとヤスの関係も気になりますね。かわいいマヤちゃんのことだからモテるとは思うのですが、恋愛慣れしているタイプではないし素直になるのも簡単ではなさそう。
航平や太一のことは薄々気づいていて静観する態度だし、もうこの2人への気持ちというのは恋愛がどうとかではなくなっていますよね。
ヤスのほうから動かない限りは何も始まらない気がしますが。。。この2人の恋(?)の行方も目が離せません。
次回「ひだまりが聴こえるリミット」4話は2017年4月22日(土)発売のCanna53号です。
ではまた4話の感想でお会いしましょう。
追記)4話の感想を書きました。
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