立夏と真冬というほのぼの高校生カップルはともかく、3巻はなんといっても梶秋彦という雄をめぐるお話がメインでした。
雨月も春樹もダメだとわかっているのに、いい男と悪い男を兼ね備えた天然タラシの秋彦に心惹かれて離れられないのでしょう。
立夏と真冬は仲良くラブラブで、立夏が童貞っぷりを発揮していてひたすらかわいかった。脳内会議最高オブ最高です。
この平穏無事で波風の立たない平和な状態が、4巻以降へと続く嵐の前の静けさなのか思うとソワソワ。
それでは以下ギヴン3巻のネタバレ感想まとめです。
ギヴン3巻 電子書籍
ギヴン3巻の電子配信は4/14からです。各ストアで予約も始まっています。
追記)配信されました。
ギヴン3巻 感想 ネタバレあり
春樹が髪を伸ばす切ない理由
ライブが無事に終わって高校生組を褒められて密かに喜ぶ大人組2人。陰から支えた甲斐がありました。なんだかんだいいコンビな秋彦と春樹。
春樹がうっかりライターで前髪を少し焼いてしまい、するっと髪を手に取る秋彦はスケコマシでした。モテ男ってこういうことをさらりとやるからタチが悪いです。
立夏の美人姉の弥生も、秋彦に失恋してヤケになって髪を切ってしまいました。はっきり言われたわけではありませんが2巻のライブハウスで放置されたことで脈ナシを悟ったのでしょう。
難攻不落な秋彦の本心はいったいどこにあるのやら。あっちにこっちにと罪作りな男です。
ライブ後に知恵熱が出た(?)真冬を見舞って家を訪問した立夏。真冬の匂いでいっぱいのお宅訪問で、テンパる心の声がダダ漏れです。
いちいち心の声が大きくてDT臭満載でピュア。立夏は恋をするとどんどんおもしろくなっていくのが楽しいです。
いっぽう切ない大人組の春樹は、2年前に初めて秋彦と出会い目があったその時からずっと髪を伸ばしていました。まるで願掛けのように。
実質一目ぼれだったんですね。ここから春樹の切ない恋がはじまったのでした。バンドメンバーとして近くにいるのに「寂しい」と感じるような日々も。。。
一番最初に春樹が秋彦を見たとき、どうやら秋彦は誰かのケンカを止めに入っていたようです。ガタイがいいと男同士のモメごとの仲裁にも呼ばれやすいのかもしれません。
お兄さんってドラムやってるの?
春樹は秋彦を一方的に知っていましたが同じ大学とはいえ接点もなくずっと片思い。しかし神様のいたずらか運命か、同じ講義で隣りに座るという偶然がありました。
秋彦の持っていたスネアらしきものを見て、もしかしてドラマーなのかと気づく春樹。
「お兄さんってドラムやってるの?」このひとことをかけるだけで限界だったようですが、振り絞った勇気がむくわれてその後バンドを組むことになります。
ここで春樹が思いきって声をかけなかったらギヴンは結成されなかったでしょうし、ここぞいう時の勇気ってすごく大事です。春樹のこの勇気が、この後いろんな人の運命を変えることとなりました。
当時荒れていた秋彦だって春樹にバンドに誘われたことによって救われました。春樹がいたから、あの時一生懸命声をかけてくれたから、秋彦は新しい居場所を見つけることができたのです。
バンド名「ギブン」へと
ちょうどそのころ、春樹は組んでいたバンドのボーカルが抜けて空中分解していたところだったので、前から気に入っていた立夏にも声をかけ新たなインストバンドとして再出発することになりました。
3人のときは全員名前に季節が入っているから「ザ・シーズンズ」というバンド名でしたが、真冬というボーカルが入ったことで新たに「ギヴン」というバンド名に決まります。3巻でようやくタイトル回収です。
恋が成就することのないまま髪が伸びっぱなしの春樹ですが、2年前の短髪が意外と少年っぽくてかわいかったです。やっぱり長髪&髭の組み合わせで今はちょっと老けて見えるのかもしれません。
タケちゃんはずっといい人で春樹を温かく見守ってくれています。実はタケちゃんは秋彦を苦手だという裏設定4コマから、春樹の片思いにもなんとなーく気づいている感じかな。
こんなにいい友達がいるのはやはり春樹の人徳なのでしょうね。
童貞王子立夏のおたおたが愛しすぎた
とうとう正式にくっついた立夏と真冬。真冬からの告白に、恋愛的な意味であることを確認して、脳内パニックになる立夏が童貞王子でかわいかったです。
頭の中にいったい何人の立夏がいるんだろう(笑)脳内会議が忙しくて楽しすぎました。春樹にもカミングアウトしてじりじり近づいてハグする高校生組がバカップルでほっとします。
ギヴン14話 ネタバレ感想
悪い顔で笑う秋彦の狡さ
メイン2人がとりあえず高校生らしいピュアっピュアなお付き合いをスタートさせて、当面落ち着いたところでキター!悪い男・秋彦の出番です。
春樹たちの前では獣の表情をうまく隠している秋彦ですが、別れ際に万札をさらりとポッケに入れてくるような女性との大人のお付き合いもあるようです。
ギヴン15話 ネタバレ感想
代えのきかない人に恋をして失恋
才能を与えられた側にいる雨月は同じような真冬を気に入っていました。ライブ以降どんどん音楽やバンド活動に意欲的になっている真冬に、立夏はちょっと押されぎみです。
代えのきかない人に恋をして失恋している秋彦。同居人である雨月と身体の関係もありますが…。
ギヴン16話 ネタバレ感想
4コマが全部おもしろすぎた(笑)
3巻も話の間に挟まれる描き下ろしの4コマが楽しすぎてリアルに吹き出してしまいました。
特に「植木君がいないと面白いことができない病」の変顔がもうダメだ。何回見てもダメだ。。。立夏の友達がイケメンばかりなのにおバカで愉快すぎて愛しいです。
真冬の幼馴染もいいですが、立夏の友人関係が一番男子高校生らしくて青春してますね。
「柊(姫)」の4コマでは八木が部活をやめてまで柊のそばにいる理由が判明。こちらも愛にあふれていて、幼馴染っていいなと思いました。
真冬の前ではついつい意地を張ってしまう柊が、八木の前でだけは決壊して大泣きしてしまうとか微笑ましすぎます。姫を守る騎士は八木しかいません。
美容室の宣伝を兼ねた動画「男を殺す!モテカワアヘアレンジ講座」のモデルになる春樹の4コマ。実は密かに人気チャンネルとか、動画に付いているコメントも含めていちいちおもしろいです。
キヅナツキ先生のギャグが全部ツボすぎて、見ていて本当に飽きないし楽しい!描き下ろし4コマだけで12作もあるし、このために単行本を買ってもまったく後悔はありません。
4巻でも楽しい描き下ろしを期待したいです。
秋彦が選ぶのは雨月か春樹か
一筋縄ではいかない歪んだ関係
ときどき春樹の気持ちを知ってか知らずか、思わせぶりともとれる言動でふりまわしてきた悪い男・秋彦の過去が明らかになりました。
1巻からちらほら出てきていた雨月と秋彦の、一筋縄ではいかない歪んだ関係。高校生の2人には才能と嫉妬と羨望と恋心とが絡み合った複雑な感情は、扱いきれない魔物で抱えきれなかったのでしょう。
あのままだと2人とも音楽家として潰し合って取り返しがつかなくなっていたかもしれないので、いったん別離を選んだのは正解だったのではないでしょうか。
秋彦は最終的にどちらを選ぶのか。私は今のところ雨月なんじゃないかなと思ってしまします。
秋彦と雨月は同罪
春樹はとてもいいお兄ちゃんでいい保護者でいい人です。だから秋彦も安心して甘えているしいつも救われています。春樹には高校生組のフォローを任せたり、自分を今のバンドに誘ってくれたことにも感謝している秋彦。
だけど恋い焦がれて欲しいと思うのは、身を焦がして渇望するのは、抱えきれないほど豊かな才能をその身体に内包して生きづらそうにしている雨月のほうだった…。
秋彦も音楽家であり常に渇きを感じていて、その渇きを埋めるのが雨月の才能であり存在そのもの。だから苦しくとも手を離せないのでしょう。
雨月の方も秋彦の渇きや苦しみを分かっていて、それでもどうしようもなく秋彦を欲しています。才能ある人間の孤独を、寂しさを理解して埋めてくれる稀有な存在の秋彦を。
自分の音楽を、才能を、ヴァイオリンを愛している孤高の雨月にとって、秋彦は得難く離れられない存在です。共に生きることが互いのためには決してならないけれど、その手を離せずにいるのは雨月も同じなのです。
求め求められ、与え与えられ、奪い奪われ、特別で特殊で他の誰にも代えがたく、どうしようもなく離れがたいひと…。
自ら手を離すことなんて到底できそうにないから、お互いに相手から離れてくれることを望んでいる2人。だけどそうしてもらえないことも、そうできないことも分かって現状に留まっています。
秋彦と雨月はつまり同罪なのです。
春樹には何としても幸せに
私はこういう才能や嫉妬や苦痛が絡み合った複雑だけどシンプルな過去設定が大好物で、秋彦と雨月のような鬱屈した2人の今現在のいびつな関係には激萌えするタイプです。
というわけで私は秋彦には雨月しかいないんじゃないかなと思うわけであります。雨月は鬼才にして孤高の奏者ゆえ友達もいないし、この人を一人にしておいてはいけない!ヴィオラの彼氏など知らぬ。
とはいえもちろん私は春樹が嫌いとかではなくて、むしろ大好きなんです。春樹のような人には何が何でも絶対に幸せになってもらいたいと心から思っています。
だってこんないい人が不憫な片思いのままでいいと思います!?ダメ絶対。なんとしても幸せになっていただきたいところです。
雨月派か春樹派かどちらが多いんだろう
秋彦とはどうにも難しそうなので、秋彦に並んで張るくらいのいい男が現れてさっそうと春樹をさらっていってくれないかなー。
秋彦へのこれまでの切ない想いに区切りを打って髪を切ってからでいいので、キヅナツキ先生、いつか春樹のことをよろしくお願いします。
って、ここまで考察もどきを力説しておいて秋彦が春樹を選んだらどうしよう(笑)いやそれはそれでいいのはいいんですけども。
でも春樹は3巻になってようやく秋彦に同居人がいることを知ったくらいですしね…。雨月と春樹の気持ちは明白ですが、いまひとつ秋彦の春樹への感情が微妙であり、だけど恋愛的なものではなさそうなのでじりじりします。
秋彦が選ぶのは雨月か春樹かどちらだと考えている人が多いのでしょうか。私は上記の通り雨月だと思うのですが、やっぱりバンドメンバーでもあるしいい人だし春樹の方を応援する人が多いのかなあ。
こういうとき腐友がいないぼっち腐女子はつらいところです。
ギヴン3巻 感想まとめ
表紙が1巻と2巻はおしゃれで色合いも似た雰囲気でしたが、3巻はいっそうおしゃんで少し春めいた感じでした。
次からは新展開になるので、また立夏と真冬メインになるかな。高校生組のほうは立夏がDTだし経験がある真冬のほうが魔性の愛らしさで立夏をまだまだ翻弄しそうです。
いつもの描き下ろしの4コマ漫画も楽しかったです。真冬の幼馴染2人もいい味を出しているしもっと読みたいな。こっちはくっつかないのかな。
ギヴンがどれくらい続くか分かりませんが、キヅナツキ先生が好きなものを描かれているのはビシバシ伝わってくるし、真冬たちがデビューしてバンド活動が軌道に乗るまではぜひ続いてほしいと思います。
あーそれにしても、ずっと気になっていた秋彦と雨月と春樹のことをあれこれ語れてすっきりしました。萌え語りってやっぱり楽しいものですね。
追記)3巻の続きの4巻収録17話の感想を書きました。
ギヴン17話 ネタバレ感想
キヅナツキ先生のBLコミックス
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