すくすく恋日記

すくすく恋日記 感想 ネタバレあり

純情一途な颯斗×奥手な海誠

同じ高校に通う颯斗（攻）と海誠（受）は、2人きりで遊んだりする関係ではないものの、クラスメイトとして皆で一緒に話したりする程度には関わりのある友達同士。

ある日、颯斗が17歳の血気盛んな男子高校生としてきわどい話題で盛り上がっていると、ひとりだけ居心地が悪そうにしている海誠を見てかわいいと感じてしまいます。

それ以来海誠のことばかりが気になってしまい、自分の気持ちが恋であることを自覚する颯斗。

年の離れた1歳の弟の吏音（りおと）と一緒にいるときに、海誠にも幼い弟妹がいることを知った颯斗は、海誠が子供好きであることを利用するかのように一緒に過ごすようになりました。

颯斗はそれまで女の子が好きで付き合ったりもしていましたが、好きになった相手が男の子でも戸惑うことはあまりありません。

自分の気持ちに正直な颯斗は、今どきのフラットな感覚の持ち主なのでしょう。やばいかも…と自分の気持ちをセーブしながらも止められない恋心を、決してなかったことにしなかった颯斗はとても一途でした。

ちびっこを育てる男子高校生

まだ赤ちゃんの歳の離れた弟吏音の世話をする颯斗もですが、海誠のほうは根っからの子供好きという感じで、弟妹がいることから育児慣れしていています。

ちびっこの愛らしさもさることながら、吏音くんが実の兄の颯斗以上に海誠になついたりと、ちびっこからも好かれている海誠がかわいいです。海誠は保育士さんとか向いてそうですね。

子どもと男子高校生がみんなで一緒に遊んだり、わちゃわちゃしている姿が微笑ましかったです。

普通、高校生くらいなら幼い弟妹を邪険に扱って自分中心に動いてもおかしくありません。

颯斗も海誠も自分の家族だけでなく、相手の兄弟姉妹も大切にしている心優しき男の子たちで、見ていてとても気持ちがよかったです。

お泊りした颯斗の部屋でキス

2人で一緒にお互いの弟妹たちの世話をしながら同じ時間を過ごす間にも、颯斗はもんもんと海誠に対する気持ちを持てあまし気味でいました。

颯斗が「本当は弟妹を抜きに2人きりで会いたい」などとあれやこれやと考えを巡らせていると、海誠が家に泊まっていくことになります。

2人きりの夜、颯斗を信用して「好き」という感情がよく分からないと、奥手な自分の悩みをさらけ出す海誠。

布団を並べて横になり話を聞いていた颯斗は、流れでついイケナイ気持ちになりますが、やはり海誠を裏切れずそっとキスをして眠りにつきました。

床ドンのシーンはドキットしてしまいましたが、初心な海誠の方はまさか颯斗の好きな人が自分だとは思いもせずふにゃっと笑っていて、これは手を出せないなあと苦笑い。

ピュアな海誠を好きになってしまった颯斗が我慢するしかない状況だったわけですが、そっとキスしたことを海誠が気付いていたというところから話が大きく動いていきます。

もういっかいキスして

キスに気づかれたことで自分の気持ちを告白する颯斗。戸惑う海誠ですが、一緒に過ごしてきた時間を思い起こして返事はいったん保留にしました。

またも悶々とする颯斗でしたが、結局は吏音くんが密かなアシストとなり、めでたく気持ちが通じ合います。

「これが恋なの？」と戸惑いながらも、海誠が颯斗に対して一生懸命自分の感情を吐露するシーンにはぐっときました。

お互いの距離が少しずつ近づいていって心を寄せ合っていく姿は素直でピュアでかわいくて一生懸命で、物陰からそっと応援したくなりました。

感想まとめ

本編ではキスだけでしたが、描き下ろしできっちりと2人の初めてのエッチを拝めます。颯斗が案外テクニシャンなのか、海誠に素質があるのか最初から2人とも気持ちよさそうでにやにや。

描き下ろしの前に「押し車」とか唐突にオトナの単語が出てくるから驚きましたが、これは四十八手アンソロジーの収録作のショートなんですね。

本編のピュア路線からいきなりの路線変更に一瞬びっくりしました。腐女子なみにDK颯斗の妄想力がすごい（笑）これもひとつの才能でしょう。

女の子は出てきますがもれなくフラれてしまい、いわゆる悪い人らしき悪い人も出てこない、全体的に平和で平穏でほのぼのした作品です。

BL初心者にも安心しておすすめできる、ふんわりと優しくて癒されるお話でした。

平喜多ゆや先生の次回作も楽しみです。

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