イギリスの高校でルームメイトだった清宮くんと日本で再会した律っちゃん。懐かしさで盛り上がる2人ですが、高野さんはおもしろくありません。
唯一嵯峨先輩とのことを知る清宮君は、高校時代に律っちゃんを支えてくれた大切な友達。日本にいる間も律っちゃんの部屋に出入りしますが…。
前回25話の復習はこちら。律っちゃんの過去編が切なくて苦しいです。嵯峨先輩のこと、本当に好きだったんですね。
世界一初恋小野寺律の場合25話 ネタバレ感想
それでは以下中村春菊先生の「世界一初恋」小野寺律の場合26話の感想です。ネタバレしているのでお気をつけください。
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世界一初恋小野寺律の場合26話 感想 ネタバレあり
律っちゃんの黒歴史
契約していたマンスリーマンションが明日からで、律っちゃんを頼ってやってきた清宮くん。取材旅行は順調だったようで京都土産の八つ橋も買ってきてくれました。
案の定片付いていない律っちゃんの荒れた部屋にもつっこみながら笑顔の清宮くんは、冷蔵庫が空っぽなのも予想の範囲内で晩ごはんも持参しています。
京都の取材と聞き、思わず高野さんと行った旅行を思い出す律っちゃん。清宮くんは京都の写真を見せるついでに、律っちゃんの写真もたくさん見せてくれました。
高校時代のかわいいお宝律っちゃんの写真などもあり、これは高野さんが高値で買い取ってくれそう。清宮くんは高野さんの知り得ぬ律っちゃんの顔をたくさん知っています。
律っちゃんいわく黒歴史のやさぐれていた頃の写真を見ながら、昔話で大いに盛り上がる2人。学生の頃の友達は構えなくて良いのが気楽でいいですね。
好きな奴ならいるぜ?
「もうふっきれたようで良かった」何気ない清宮くんの言葉に、律っちゃんはうまく返事できずに口ごもります。
律っちゃんとしてはあんなに好きで忘れようとしてもできなくて、泣いて苦しかった思い出の嵯峨先輩と、まさかまた日本で再会してそういう関係になっているなんて言い出しにくいのでしょう。
ごまかすようにコーヒーを入れる律っちゃんに、清宮くんは高野さんが嵯峨先輩なのかと直球を投げてきました。思いきりコーヒーの粉をこぼす律っちゃんが分かりやすすぎます。
高野さんの話題をそらそうとした律っちゃんは、清宮くん自身のことに話題を変えました。
清宮くんはちょっと前まで彼女がいたけれど今はフリー。仕事柄あちこち移動するのでどうしても遠距離になりやすく、仕事を優先する清宮くんは結婚もまだ考えられません。
「でも好きな奴はいる」と清宮くん。あああやっぱりそうなのね。純然たる友情かと思いましたが清宮くんは律っちゃんに特別な感情を持っている様子です。
その子大丈夫なのか?
清宮くんの片思いの相手は、素直で優しいけれど鈍くて世間知らずで思い込みが激しくて面倒くさい人。
うわーすごい。これまさに律っちゃんのまんまだわ…。さすが元ルームメイト。一番律っちゃんの性格を理解しているのは清宮くんなのかも。
でも律っちゃんは「鈍い」の言葉通りにまさか自分だとは夢にも思っていません。「その子大丈夫なのか?」とか見当はずれの心配をしています。
あまつさえ「変な子にひっかかるなよ?」とアドバイスまで送ってしまい、清宮くんもそれに爆笑しています。
鈍いところも天然なところもまったく高校の頃と変わっていない律っちゃん。清宮くんはいつ律っちゃんに堕ちたんだろう。
コミュ力の高そうな清宮くんのことだから、イギリスで一緒に暮らしていた頃に律っちゃんのかわいさにやられちゃったのかな。
ベッドを清宮くんに譲って床で寝る律っちゃんの髪を撫でる清宮くんが切なげです。がしかしこれは高野さんも胸中穏やかではないでしょう。
定番のエレベーターでキス
翌日清宮くんと律っちゃんが一緒に丸川に出勤すると、高野さんとエレベーターでバッタリ出会ってしまいます。
世界一初恋の中でこのエレベーターって頻繁に誰かが誰かと出会うキモになっていますね。
高野さんに「嵯峨さん」と声をかけて、牽制する清宮くん。律っちゃんと高野さんの昔のことを知っていると匂わせたかったのでしょう。
エレベーターで2人きりになり、当然のように清宮くんと一緒にいたことを聞いてくる高野さん。律っちゃんを壁ドン、じゃなくてドンせずに壁際に追いつめると、部屋に俺以外を泊めるなと忠告しました。
「鈍すぎる」と律っちゃんを評する高野さんは、その野生の勘で清宮くんの気持ちを察したのかもしれません。
お前、俺の事好きなんだろ?
いきなりキスしてくる高野さんにドン引きするも、否定も肯定もしない律っちゃん。「ぼけっとしているからすぐに他人につけこまれるんだ」と言う高野さんにさすがにカチンときています。
高校のときからの友人だからと言い返すも高野さんには「バ~~~~~カ」と思いきり呆れられてしまいました。
ふたたび今度はおでこをくっつけられて「あいつには近づくな」と釘を刺す高野さんですが、律っちゃんは相手にしません。
律っちゃんにしてみれば清宮くんは恩人で面倒見のいい友達。片思いの相手もいるわけだから、自分を好きだとかは絶対にありえないことなのでしょう。
うーん確かに清宮くん本人に何かを言われたわけではないし、まさか旧友が自分をとは思わないのは当然のことかなと思います。
高野さんと清宮くんがお茶!?
泊めてくれたお礼に律っちゃんの部屋を掃除している清宮くんを、帰宅した高野さんが偶然見かけます。すると清宮くんは挑発するかのように高野さんをお茶に誘いました。
カフェでコーヒーを飲む高野さん&清宮くんのところへ、仕事が早めに終わってうきうきしながらやってくる律っちゃん。なぜか2人が一緒にいるのを見て固まってしまいました。
清宮くんは宣戦布告するかのごとく、高校時代の律っちゃんが人間不信でゴーストというあだ名までつけられていたことを高野さんに話します。
「ぜんぶアンタのせい」清宮くんとしては律っちゃんの辛い姿をルームメイトとしてずっと見てきたから余計に高野さんを責める気持ちが強いのでしょう。
必至で嵯峨先輩のことを忘れた律っちゃんに今さら変な期待させないでほしい。律っちゃんは絶対に高野さんのことを好きだとは言わない。
律っちゃんのことを見てきた清宮くんは、確信があるように自信たっぷりに高野さんに告げました。
実際今まさにそうなっていますからね…。律っちゃんは、高野さんを好きな気持ちはもう自分の中では認めているものの、どうしても口をついて出てきません。
ずっとずーっと待っている高野さんとしては歯がゆくて早く気持ちをはっきりさせてほしいでしょうに、身体ばかりの関係になってしまっています。
過去じゃなくて今のアイツと恋愛してる
高野さんは何を言われても冷静で、自分と律っちゃんのことに踏み込む権利は清宮くんにはないこと、そして何より過去ではなく今の律っちゃんと恋愛をしていることを堂々と主張しました。
過去を変えることは誰にもできません。だけどまたこうやって職場で上司と部下として巡り合った高野さん&律っちゃん。
高野さんは再会できた律っちゃんと、またここから新しく関係を始めたいと思っています。こういうところはまったくブレがありません。
清宮くんは諦めない高野さんに余裕の表情で宣戦布告ともとれる言葉をかけました。
俺そういう意味で律のこと好きなんで。
置き去りにされた律っちゃん
背後でそれをバッチリ聞いていた律っちゃんは、ただただびっくりしています。清宮くんのこの発言だけを聞いて、意味が分からずひきつった笑顔のまま立ち尽くす律っちゃん。
そんな律っちゃんに気づいた清宮くんも驚いていますが、おたおたと慌てて会話を繋ごうとする律っちゃんに対して「また遊びに来るから」とさらりとその場を去ってしまいました。
状況が全く把握できずに唖然とする律っちゃん。さらには高野さんも無言でその場をあっさりと離れてしまいました。
いつもとは違う高野さんの態度。さあ律っちゃんがこの後どう出るか。
律っちゃん自ら高野さんの部屋へ…
案の定、律っちゃんは自分の部屋でどうするべきか悶々と悩んでいました。いつもなら問い詰めてくる高野さんがあまりにあっさりと帰ってしまった。
様子がおかしいと思うしどうしてなのか気になる。本音を言えば怒ってほしかったし、いつもみたいに家にズカズカと上り込んでくれたら怒りながらでもいろいろと話せたかもしれないのに。
高野さんらしくないふるまいに困惑していまう律っちゃんですが、だからといって別にこちらから連絡する必要はないはず。
律っちゃんの中ではまだ付き合っていないし恋人関係でもなくただの上司と部下なのですから。ヤることはヤってますが。
とはいえどうしても気になった律っちゃんは、ついにお隣をピンポンしてしまいました。再会した当初ならここでそのまま翌日になりそうですが、律っちゃんから少しでも動こうという気になったのは進歩ですね。
ところが高野さんが玄関に入れてくれても律っちゃんはそう簡単に素直にはなれません。自分で来ておいて、会ったらやっぱり帰ろうとごねる律っちゃんは相変わらずでした。
「今日のところは逃がしてやろうと思ったのに」高野さんとしては、律っちゃんがどう出るのか試したかったということもあるのでしょう。
のこのことやってきた律っちゃんはまさに飛んで火にいる夏の虫。高野さんは内心しめしめと思っていたりするのかもしれません。
律っちゃんも心の底では期待していた
今度こそ玄関の扉に壁ドンした高野さんは、清宮くんが自分の知らない律っちゃんの10年を知っていることにムカついています。
しかも清宮くんが律っちゃんを好きだと宣言したことから高野さんのイライラは最高潮に。
高野さんとしては律っちゃんがあまりにも鈍いから余計にイラつくし焦るし、あのままだと律っちゃんに何をするか分からなかったから問い詰めたりせずに一人で帰ったのでした。
なのに何でお前は俺に会いに来んの?
律っちゃんの予想と想像とほんの少しの期待。流される自分には逆らえないし、もう本当はそこまで抵抗するつもりもないのでしょう。
そしてその期待通りにちょっと強引な高野さんに抱かれる律っちゃん。。。
難解なパズルはブッ壊す!
玄関でいちゃいちゃしはじめた高野さんと律っちゃんですが、律っちゃんがお風呂に入ってきたことで後ろは温かくちょうどいい具合にほぐれている様子です。ナイス律っちゃん。
高野さんと律っちゃんは難解なパズルのよう。ピースの数が多くて柄は複雑。はめてもはめても完成に近づきません。おまけに10年分のピースがなかったりして、完成できない可能性もあります。
そのパズルをどうするのか心配そうな律っちゃんに高野さんは「ブッ壊す」と彼らしい答えをくれました。
なくなったピースを今さらどうすることもできません。高野さんは今の律っちゃんが好きで、大人になった律っちゃんと恋愛をしているのです。
だからなおさら、高野さんとしては律っちゃんに自分のことを好きだと認めてほしい。どこの誰が何と言っても律っちゃんは自分のもの。
ここまで一途に律っちゃんのことを思える高野さんって改めてすごいですね。。。執着心も嫉妬心も独占欲も並外れてすごいですが。
奥まで当たって気持ちよさそうな律っちゃんと、玄関先なので当然ゴムもなく中に出す高野さん。何度も見る2人のエッチは何度でも見たくなる定番の安心感があります。
律っちゃんのトラウマ
律っちゃんは、もう何度も身体を重ねているのにいつも何かが足りない気がしていました。
高野さんが言うようにパズルのピースが存在しないからなのか、それとも別の何かが律っちゃんを足踏みさせるのか。
律っちゃんの胸の奥底には常に、たとえ高野さんの言うようにブッ壊したとしてもまた10年前と同じように失ったら今度こそ立ち直れなくなるのではという恐怖がありました。
また高校生の頃と同じような経験をするかもしれない。そうなったら今度こそ自分で自分を保てなくなるのではないかという恐怖心を抱えたまま、律っちゃんは大人になったのでしょう。
それだけ律っちゃんにとって嵯峨先輩は大きな存在だった。喪失体験を過去のものにできないでいる律っちゃんは、だから身体を繋いでも繋いでも埋められないものを感じていたのでした。
うーん、これがいわゆるトラウマというやつですね。
律っちゃんのこの恐怖を癒すためには、高野さんが辛抱強く律っちゃんに対して真摯な姿勢で好意を示し続けて寄り添うしかないのでしょう。
律っちゃんに早くはっきりしてほしい高野さんには不憫としか言いようがありませんが。。。トラウマや喪失体験というのは一朝一夕でどうこうなるものではないだけに長期戦を覚悟しなければいけません。高野さんも読者も。
ところで高野家の玄関って本当にたびたびエロいことに使われていてナイス玄関です。
恋に堕ちるまであと40日
明けて翌日。
丸川エメラルド編集部で律っちゃんはまた唐突に写真を撮られてびっくりしていました。なんとそこには清宮くんの姿が。
勝手に人のことを撮らないようにたしなめるも清宮くんはどこ吹く風。しかも律っちゃんの写真集を作ろうかと思っていると、冗談とも本気ともとれる発言です。
それを聞いた高野さんも黙ってはいません。外部の人間が勝手に社員を無断撮影しないよう丁寧に注意しました。
ところが清宮くんは「働く男」というテーマに写真を撮ってみたいということで、すでに井坂社長にも許可がとってあるとか。
ときどき適当なことを言う井坂社長のことなので、高野さんは半信半疑です。
ピリッとした2人の雰囲気に逃げ出す律っちゃんですが、清宮くんの態度があまりにも普通なので昨日の事は聞き間違えか単に友達としての好きなのだと考え直しかけます。
しかし清宮くんは手ごわかった。「昨日のあれ本気だから」と肩を抱きながらひっそりと律っちゃんに告げました。
律っちゃんの驚いた顔と反応にまた爆笑する清宮くん。鈍い律っちゃんも本人にそう言われたら清宮くんの気持ちを認識するしかありませんが、いきなりのことでプチパニック状態です。
清宮くんはまた高野さんを「嵯峨さん」と呼んで食事に誘い断られるも、まったく動じず明るい笑顔で編集部を去っていきました。
イラッとしたのかたまたまなのか、混乱している律っちゃんに追加で仕事をどっさり与える高野さんが鬼だった…。
絶叫する律っちゃんの受難はまだまだ続きそうです。
律っちゃんが恋に(完全に)堕ちるまであと40日。
世界一初恋 小野寺律の場合26話 感想まとめ
24話ラストでは恋に堕ちるまで53日(25話は記載なし)だったのが今回で40日になりました。とはいえま~だまだ先は長そうです。焦らずのんびり構えていましょう。
清宮くんが律っちゃんを好きだというのはちょっと意外でした。過去編の25話を読む限り清宮くんは律っちゃんの辛かった時期をそばにいて支えた大切な友達。
そこにあるのは純然たる友情なんじゃないかと思っていたので、清宮くんの恋心には未だに懐疑的だったりします。
高校時代にルームメイトとして一緒に暮らすうちに、律っちゃんの人となりを知って好きになったということなのかな。
だったらどうして卒業後にこうやってまた偶然再会するまで会わなかったのでしょう。
高野さん(嵯峨先輩)と別れて律っちゃんが一番ボロボロだった状態を間近で見てきたわけだから、高野さんへの当たりが強いのは当然かなと思いますがちょっと腑に落ちないところがありますね。
本気なのかなあ。再会したことで気持ちが再燃した?それとも律っちゃんをまた傷つけそうに見える高野さんから引き離すために言ってるだけ?でもただの友達ならそこまではしないか。
井坂社長が清宮くんに写真のゴーサインを出しているようなので、これからもちょくちょくエメラルド編集部に清宮くんがやってくるのでしょう。
井坂さんは本人もまだ若いし新しいことはおもしろがってどんどんチャレンジしていきそうなので、本当に清宮くんの企画で「働く男」の写真集が出るのかもしれません。
丸川の社員や繋がりのある漫画家や小説家の男たちの働く姿が見られるなら、その写真集はぜひゲットしたいところです。
灰谷さんのこともまだ宙に浮いたままだし、ここへきて清宮くんが律っちゃんに想いを寄せているということで、まだまだ波乱は続きそう。
なによりも律っちゃんのトラウマが根深そうで、当面は自分の気持ちを素直に口に出せそうにありません。
身体は正直だし心の中では認めているけれど、本人にだけは言えない恋心。高野さんと一緒に不安も恐怖もすべてブッ壊して一歩前進できる日が来るといいのですが。
季刊誌なので27話が読めるのが4か月後です。今回もまた鈍器になりそうな辞書のような分厚さで読み応えたっぷりでした。
春の号には純情ミックス「伊集院響編」も収録されていました。柳瀬優との2ショットにやっぱりこの2人って?どうなのどうなの!?とソワソワ。桐嶋編集長と横澤さんもちょこっと出ましたよ。
純情ミックス 伊集院響編 ネタバレ感想 柳瀬優とのフラグが立った!
次回は2017年8月下旬発売のエメラルド夏の号です。
ではまた「世界一初恋」小野寺律の場合27話の感想でお会いしましょう。
追記)27話の感想を書きました。
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追記)木佐翔太の場合8話の感想を書きました。
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