佐久本あゆ先生の新刊はハーフのチャライケメン×かわいい系男前の高校生ほのぼの青春恋物語です。
ナビガトリアとは北極星のこと。2人とも天文部なのでロマンチックな天体観測のシーンなどもあり、ふっと夜空を見上げたくなるような優しいお話です。
攻めの慧が帰国子女ということもありスキンシップ多めで、それに戸惑う純日本人のユーリがかわいくてキュン。
エロもありますがどこかピュアで上品で、安心安定のかわいらしい作画に王道ストーリーです。
それでは以下佐久本あゆ先生の「ナビガトリアに恋」感想です。
ナビガトリアに恋 電子書籍
ナビガトリアに恋 感想 ネタバレあり
転校生のチャラ男イケメンはスキンシップ多め
転校生としてやってきたハーフイケメンの慧(攻)は、誰にでも笑顔を振りまく典型的なチャラ男高校生。
同じクラスでかわいらしい外見のユーリ(受)に道案内をされたことから、慧はユーリを気に入って積極的に関わります。
ユーリは女の子のような可愛らしい外見ですが中味は男前の普通の純日本人の高校生。
外国育ちでスキンシップが多い慧の態度に戸惑い気味のユーリは、ぐいぐいくる慧に腰が引けていました。
かわいいと言われることには過敏になっているものの、妹たちがいることから世話好きで、懐いてくる転校生の慧を突き放せなかったりと優しいユーリ。
DTで触れ合うことにも過敏なお年頃なのに、ナチュラルにイチャついてくる慧を拒絶しないところは懐の大きさを感じさせます。
翻弄されつつほだされていくユーリ
何かと絡んでくる慧は、ユーリが男であることはノープロブレム。クラスメイトの前でひざまづいてラブコールを送ったりオープンマインドな慧に、ユーリはあきれてしまいます。
ある時、図書室で試しにキスをしてくる慧を振り払えずキスだけでイッてしまったユーリ。その後もハグしたりキスしようとしたりと押せ押せな慧との攻防がなんだか微笑ましいです。
天文部の天体観測で行った山でプチ遭難した慧がユーリの家にお泊りしたりと一見いちゃいちゃとラブモードな2人。好意を隠そうとしない慧にユーリもだんだんほだされていきます。
ユーリを知るにつれ本気になっていく慧
ある日ユーリは、学校で不良にからまれた慧が「こんなの慣れっこだ」と怒らずにいると「怒っていいんだ」とお説教します。
外国でも日本でもハーフである外見をいじられてきた慧は、処世術として笑顔を保つクセがついていました。
笑顔で流せばなんでもナァナァですむ。怒るのにもパワーが必要で、慧はそれを放棄していろんなことを流して生きてきたのでした。
慧の代わりに怒ってくれるユーリと一緒にいると、慧自身はとても楽になれたのでしょう。
学校や部活で共に過ごすうち、外見が気にいったとは言いつつもユーリの優しさや男らしさに惹かれていく慧。
ユーリと見た夜の天体観測でも、誰かと一緒に星を見る楽しみを見出して孤独から解き放たれていきました。
アメリカに帰るかも?
そんな折、慧を訪ねてアメリカ人の母親が日本へやってきます。しかし母親の浮気が原因で父親について日本にやってきた慧は、母親を避けて会おうとしません。
茶化したり作り笑いをしたり感情を抑制することで生きてきた慧に、ユーリは話し合うことから逃げない方がいいと寄り添います。
母親が慧を心配して会いに来たのは事実。ユーリの後押しもあり、これまで話せなかった親子の会話ができるようになった慧は、母親から一緒にアメリカで暮らそうと誘われます。
親の仕事の関係で転校が多かった慧。誰にもこだわらず執着せず、ニコニコと笑顔でその場をやりすごす。代わりになる友達やガールフレンドはどこにでもいました。
しかし…。暮らし慣れたアメリカに戻るのか、このまま日本で暮らすのか。噂はすぐにユーリの耳にも届きます。
偶然を運命って言うんじゃない?
いい雰囲気になっていた慧がアメリカに行ってしまうかもしれない。親の都合なら仕方ないと思おうとするユーリはソワソワと落ち着きません。
そんなユーリに、慧は改めてきちんと好きだと告白しました。「ユーリが望むならこのまま日本にいる」と真剣そのもの。答えを求められたユーリは、ついに自分の慧への気持ちも認めます。
今まではかわいいと言われるのは嫌だったけれど、慧になら言われても悪くないと密かに思うユーリがやっぱりかわいかったです。
彗星の「彗」に「心」と書いて慧。かつて勇敢だった宇宙飛行士と同じ名前のユーリ。宇宙にまつわる名前を持った2人の出会いは偶然で運命。
たったひとりの離れたくない人を見つけた慧と、人生で初めて恋する人に出会ったユーリ。エッチをしてもどこか清潔感があって、ピュアな雰囲気が漂う爽やかな2人の恋物語でした。
感想まとめ
攻めの慧が照れずにずっとまっすぐにユーリに好意を寄せてくるので、そのブレない姿勢が清々しかったです。男らしいユーリの態度もウジウジしていなくて好感度が高かったですね。
慧が抱えていた孤独がユーリと出会ったことで埋められて、これからはもう必要以上に笑顔でやりすごしたりせず、喜怒哀楽も自然と出せるようになっていくといいなと思います。
ユーリの幼馴染の女の子が出てきますがよくある当て馬ではなく普通にいい子で、他に誰か邪魔する人などもなく人間関係のドロドロもなく安心して読めました。
あとがきによると慧とユーリの身長差は19センチ。慧の腕の中のすっぽりと納まるユーリがかわいかったです。
ちなみにキスしやすいのは12センチ差、エッチしやすいのは22センチ差だそうですよw
絵柄のかわいさと作画の安定感、そして王道ストーリー。
疲れて癒されたい時、三角関係やエロエロ漫画ではなくエッチもあるピュアなお話を求める人、BL初心者の人にもおすすめです。
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