「野田家の教えにより」ネタバレ感想です。

碗島子先生の新刊を読みました。碗島子先生といえばの変態っぽさがかなり控えめで王道なストーリーです。王道のはずなのに碗先生だから新鮮という謎の逆転現象が起きていました。

それだけ私の中では碗島子先生といえば一風変わったねっとりエロスという印象が強いんですね。今作はエロはあるけど変わったプレイもほとんどないため初心者の人にも楽しく読めそうです。

それでは以下碗島子先生の初GUSHコミックス「野田家の教えにより」の感想です。

野田家の教えにより 電子書籍



野田家の教えにより 感想 ネタバレあり


男子高校生の恋と青春の始まり


合計2カップルの中編が収録されていました。表題作はピュアなDK同士の胸キュンストーリーです。

厳しくも愛のある父親に「やる前からあきらめるな」とお説教されながら暮らしていた野田家の長男・航太(受)

でも、だって、どうせと何にでも消極的でチャレンジする前から諦め気味だった航太は、ある日同級生のイケメン聡(攻)に愛の告白をされます。

「まず挑め!」父の教えをまさかのここで受け入れて、聡の告白にOKを出した航太。そこじゃないでしょーwっていうタイミングなのがおバカで愛しいです。それだけピュアなのでしょう。

ダメ元の告白だったのにまさかのOKをもらえて喜ぶ聡は、顔だけではなく性格もイケメンでスポーツ万能で友達も多いというハイスペックな彼氏。

かくしてイケメン×地味メンの凸凹カップルが誕生しました。

ハイスペックなスパダリ聡×純粋で健気な航太


お付き合いが始まると、聡は思った以上に航太のことを真剣に想っていてとても大切にしてくれます。嫌がることはしないしキスも優しくて航太もとても幸せそうです。

エッチなこともやってみたら意外とうまくいったり、ちょっとしたスレ違いで気まずくなったりしながらも順調にお付き合いを深めていく2人。

実は航太は入学した頃サッカー部にいたことがあり、当時自分には向いていないし仲間にはいやがらせされるし部活を辞めたいとずっと思い悩んでいました。

聡が機転を利かせてくれたおかげでサッカー部を辞めることができたという経緯があり、聡のほうもその時からずっと航太のことが気になっていたのでした。

高校生くらいの恋のはじまりってこういうちょっとしたことからですよね。なんだか甘酸っぱくてピュアでドキドキしてしまいました。

楽しすぎる野田ファミリー


父の「まずやってみろ!」の言葉通りにお付き合いをしてみて、馬鹿正直に家族にも聡を紹介する航太。お父さんは自分の言い出したことだけに何も言えなくなってしまいますw

航太のお父さんはジムのトレーナーとかでしょうか。THE体育会系っぽい人ですが案外聡を受け入れるのも早かったような。

最初ツンツンして聡に「お父さんと呼ぶな」とか言ってますが、これからスポーツ万能な聡のことを知っていけばそのうちコロッと気に入りそうな予感がします。

なんだかんだと楽しい野田ファミリー。野田家はお姉さんとお母さんも愉快な人で、特お姉さんがいいおっぱい…じゃなくてとてもいいキャラでした。

元ヤンっぽくて恐いけど味のあるお姉ちゃんです。メイクした時とノーメイクの時の差がすごいとか小さい設定もいちいちツボでした。

パラパラ漫画にキュン


航太が図書館で聡を待っていて居眠りしている時に、聡が航太のノートのパラパラ漫画を見て微笑むところにキュンキュンしてしまいました。

そのあとへたくそな絵で聡がパラパラ漫画の続きをらくがきしてみたり、DKの青春ってこうじゃなくちゃね!と思ってニヤニヤ。

ほのぼのしていてお互いを認め合っている2人はとてもお似合いでした。お互いにいいところを認め合ってほんわかするカップルってこの先も長続きしそう。

男子高校生のかわいらしい青春恋物語にほっこりと心が温まりました。碗島子先生の作品の中でもとてもピュアで正統派の王道青春BLです。

感想まとめ


表題作はいつもの碗先生っぽさは影を潜めていたぶん、優しくて幸せな気持ちになれました。打って変わって強烈な変態プレイを堪能したい人は前作の「理解できない彼との事」がぶっ飛んでいておすすめです。

もうひとつの短編の恋愛小説家×大学生助手のカップルのお話は、攻めの涼馬の友達の山田くんにじわじわきちゃって大変でしたw

常に微妙に距離をとって歩く山田くん。トースターを大学内で持ち歩く山田くん。パン検定のようなものを受験する山田くん。店長のお尻を揉む山田くん。

山田くんがナイスキャラすぎて、この子なんとかならないかしらとイロイロと妄想してまいました。絶対山田くんと店長はこの後ナニかありますよね。

エロくもありかわいらしさもあり、ピュアさもありくすっと笑えるノリの良さもあり、BL初心者から中級者までいろんなタイプの人に楽しめる1冊です。

碗島子先生のBLコミックス




雨雫

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