水族館や遊園地でなんとなく美咲とウサギさんの関係に気づいていた義理のお姉さんに「宇佐見さんと付き合ってるの?」と直球で聞かれ、不自然な反応しか返せなかった美咲。
いつかは言わなくてはいけないことだけれどまだまだ先のことだと思っていた美咲は突然のことに面食らって悩みます。ウサギさんの優しくて力強い言葉も後押しとなり、まずはお義姉さんにウサギさんとのことを伝えようと決意したのが44話でした。
純情ロマンチカ44話 ネタバレ感想
それでは以下中村春菊先生の「純情ロマンチカ」45話の感想です。ネタバレにご注意ください。
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エメラルドも純情ロマンチカも世界一初恋もはまだ電子書籍化されていません。いつか電子化されますように。
純情ロマンチカ45話 感想 ネタバレあり
終わるわけがなかったウサギさんの仕事w
街中がクリスマス一色に染まる中、ロマンチックのかけらもなく無駄に広い2階の廊下でぐったりと行き倒れるウサギさんを美咲が介抱するところから45話はスタートです。
「ビビるからここで行き倒れるのはやめて!」と美咲は体格差のあるウサギさんをズルズル引きずって移動させようとしました。ウサギさんは原稿途中で力尽きたようでぐったり。「ストレッチをしていた」という言い訳が苦しすぎますw
おまけに「美咲切れをしている」と美咲にすり寄ってちゅっちゅしはじめる始末です。ちゃんと仕事が終わったか確認する美咲にウサギさんは真顔でキリリと答えました。
終わるわけがなかろう。
真顔で残念な発言をするウサギさんの横顔は相変わらずの整いまくったイケメンでした。
そもそもこの世に締切があるのがダメだと極論でため息をつくウサギさんに、美咲はこれから学校があるようで迷惑そうです。
美咲にはいちゃいちゃしている余裕はまだありませんでした。それもそのはず、前回決心したとはいえお義姉さんに「話がある」というメールすらまだ送れずにいたのです。
大事な家族を巻き込むということで、いざとなるとグルグルして怖気づいてしまう美咲。やはり身近な人へのカミングアウトはそう簡単にはいかないものなのでした。
お義姉さんにバレたということは兄である孝浩にもいずれバレてしまいます。今は相変わらずのブラコンなお兄ちゃんなのでまだお義姉さんから伝わっていないようですがそれも時間の問題。
だからこそ美咲は自分の口からお義姉さんにまず話しておきたいと考えていました。
「付き合ってるって言ったらどう思われるだろう…」
軽蔑されるのではないか、反対されるのではないか。美咲にとってお兄ちゃんもお義姉さんも真浩も大切な家族です。だからこそ今動くとその関係が壊れてしまうのではないかという不安が常につきまとうのでした。
大事な人にならちゃんと話さないとダメじゃない?
美咲としては今後いつかバレるのではないかとビクビクしながら暮らすのは嫌だし、いつまでも黙っていられることではないと頭では分かっています。
自分の口でちゃんと話すべきだ。そう思っていてもなかなか1歩が踏み出せず、そんな美咲をウサギさんは見かねてお義姉さんのところへ一緒に行こうかと声をかけてくれました。
ウサギさんとしては美咲をフォローしたいのでしょう。だけど美咲としてはお義姉さんは自分に聞いてきたたのだから自分で答えたいと思っていました。
もうこれ以上放置はできない。自分自身に言い聞かせる美咲は誤解されないように、ちゃんと理解してもらえるように自分で伝えないとと決意を新たにします。
とはいえ美咲は焦る気持ちをひとりでは抱えきれませんでした。ダッシュで向かった大学で会った藤堂くんにおそるおそる「隠し事が大事な人にバレたら藤堂ならどうする?」と聞いてみる美咲。
大事な人にならとりあえずちゃんと話さないとだめじゃね?
藤堂くんは至ってまっとうな返事を返してくれました。大学卒業後は警察学校での寮生活が決まっている藤堂くんは相変わらず爽やかでとても気持ちのいい子です。
美咲との卒業旅行の秘境温泉も楽しみにしている様子ですが、これどうなるかなあ。やっぱりウサギさんがこっそり(?)付いて来るというお約束展開になるでしょうか。
俺が自分で選んだんだ
お義姉さんには、このまま適当にごまかしてなかったことにしてしまう手もあります。だけどごまかしきれなくてこじれてしまって、その結果ウサギさんと離れ離れになってしまったら?そう考えると美咲はいてもたってもいられなくなりました。
勢いのままお義姉さんに電話してすぐに会いに行く美咲。息を切らせて孝浩邸へ行くと、真浩はお昼寝中で孝浩は仕事で遅くなるという絶好のシチュエーションでした。
お義姉さんとリビングで2人きりで向き合うも、言葉が出てこなくて無言のままシーンとしてしまう美咲。それでも一生懸命しどろもどろになりながらもウサギさんとのことを話し始めます。
もう後に引き下がれないという重圧がのしかかっているのに地に足がついていないという謎のフワフワした感覚しかありません。心臓がバクバクして頭がグルグルしながらも、なんとか自分の言葉で話す美咲。
ウサギさんの事をとても好きなこと。一緒にいたいと思ったこと。
俺が自分で選んだんだ。
ウサギさんが自分にとってとても大事な人であること。ウサギさんに言われたからではなく自分の意思でこれからも一緒にいると決めたこと。
真っ赤になって汗をかきながらつたない言葉でも懸命に伝えようとがんばった美咲を、お義姉さんはただただ驚いたように見つめます。
「今まで黙っててごめんなさい」うつむいて謝る美咲は、言ったそばから全然うまく話せなかった、どうしようどうしようと内心うろたえるしかありませんでした。
ウサギさんのナイスフォロー
するとお義姉さんは意外な言葉を口にします。実は美咲がやってくる少し前、なんとウサギさんがひとりでお義姉さんに会いに来ていたのです。
美咲なりに悩んで必死に考えた末のことなので美咲が近々会いに来たときは分かってやってほしい、最後まで話を聞いてやってほしいというお願いをしていたウサギさん。
お義姉さんはウサギさんが来たことを口止めされていましたが、見逃してねと美咲にやさしく微笑みます。
「二人ともお互いの事を大切に想ってるんだって分かったわ」
まっすぐに美咲を見つめて穏やかな表情で口を開くお義姉さん。最初は驚いたようですが、美咲が一人暮らしを拒んでいた理由もやっと分かったと納得していました。
「私は反対しないわ」
義理の弟の気持ちを大事に扱ってくれるお義姉さん。やっぱり孝浩の選んだ人はステキな女性です。美咲がウサギさんのことをとても好きだということもしっかりと伝わっていました。
お義姉さんは、ハッキリしないことだからということで夫である孝浩にはまだ何も伝えていませんでした。奥さんの目から見ても、頑固なところのある孝弘がどういう反応をするのか想像がつかないようで、黙っていたのは懸命な判断だと思います。
ウサギさんとは大親友で、美咲を育ててくれたお兄ちゃんの孝浩。
どういう風に伝えたら一番いいか一緒に考えよう。
人間のできたお義姉さんの優しくてあたたかい言葉に、張りつめていた緊張が解けた美咲は思わず涙腺が緩んでしまいました。
このお義姉さんの言い方、拒絶しないでいくれてなおかつ力になってくれるという安心感があって大好きです。この場合のパーフェクトな声のかけ方じゃないかな。美咲につられてほろっときました。
必ず俺がそばにいる
家に帰った美咲は、こっそりお義姉さんに会いに行ったウサギさんの行動について抗議しました。だけどすぐに反省します。
本当はウサギさんがフォローしてくれたおかげでとても助かったこと。素直にお礼を言う美咲はもうツンツンしません。
お義姉さんはちゃんと美咲と向き合ってくれました。孝浩がどう思うかはウサギさんにも分かりませんが、孝浩もきっときちんと愛する弟と向き合ってくれるはず。ウサギさんは孝浩のことを信じていました。
「でももしそれで美咲がひとりぼっちになったとしても、必ず俺がそばにいる」
俺が大丈夫と言ったら大丈夫だという謎の自信にに満ち溢れたウサギさんの言葉に半ばあきれる美咲。
美咲は俺を好きでいればいい。
まっすぐな殺し文句に真っ赤になる美咲に、ウサギさんは安心安定のいい男でした。その夜はお約束の濃厚エロです。美咲に自分で足を開かせるウサギさんがSっ気を発揮してテンションMAXです。
向かい合ってエッチするうち、美咲は今回のお義姉さんへのカミングアウトのことで改めてウサギさんが自分を大切に想っていてくれていることを知り嬉しく思っていました。
未来のことは誰にも分かりません。何が起きるのかどうなっていくのか。だけど少しでも好きな人達と一緒にいられるように、ウサギさんと一緒にいられるようにがんばろう。
ウサギさんとのことを受け入れ未来を見据えて少しずつ前進しようとする美咲はずいぶんと素直に、そして大人になりました。
開けて翌日。軽く見上げて自分の3倍はありそうなクリスマスツリーのもみの木(本物)を家の中に生やしたウサギさんに、例によって例のごとく盛大につっこむ美咲。
何が嫌かって結局この木のお世話をするのが美咲だからですよねwクリスマスが終わったらどうするんだコレ。
ツリーに飾りつけをしながらクリスマスプレゼントの話題になると「俺は美咲がいてくれれば何もいらない」とキザなセリフをしれっと言うウサギさんに若干イラッとする美咲。宇佐見邸の平和な日常がまた戻ってきました。
美咲へのプレゼントに国内旅行を密かに計画して仕事から逃げようとするウサギさんの悪あがきに「クリスマスプレゼントは原稿がいい」と言うべきか悩むいつもの美咲なのでした。
純情ロマンチカ45話の感想まとめ
うっすら気づいていたお義姉さんへのカミングアウトは無事にすませることができました。お義姉さんはすごく人間のデキたいい人で、優しくて賢い大人の女性でした。
2人の関係におや?と思ったところで孝浩にすぐ言って騒いだりしないところに知性を感じます。孝浩の性格を考えて、そして美咲の幸せも考えてのことなのでしょう。
美咲が突然やってきても「いつでも来ていいのよ」と迷惑そうな顔ひとつせず招き入れてくれて、最後まで話を聞いた上で「一緒に考えよう」と温かい言葉をかけてくれたお義姉さん。
当事者であるウサギさんだけでなく、こういう落ち着いた頼もしい味方が家族にひとりいるだけでも美咲はかなり心強いことでしょう。
拒絶されるかもしれないと震えていた美咲の気持ちをも、この聡いお義姉さんは汲み取ってくれていたのかもしれません。ウサギさんのナイス先回りフォローも支えになりました。
冷静なだけでもなく突き放すでもなく、どうすればいいか一緒に考えようと提案してくれるお義姉さんのしなやかな強さと優しさは、これから待ち構えているお兄ちゃんへのカミングアウトの大きな手助けとなってくれるはずです。
長く15年も続いてきた純情ロマンチカは、とうとう美咲の家族へのカミングアウト問題に切り込みました。孝浩に話すのはお義姉さんともう少し作戦を練ってからということになりますかね。
美咲の卒業論文も添削されたものを提出して、何もなければそれで卒業決定です。年越しと卒業までにもまだまだ何かありそうだし藤堂君との卒業旅行もどうなることやら。
藤堂くんは今のところアレじゃないのかな。モブ顔じゃないし誰かとナニかあってもいいんだけどなーなんて。さすがにこれ以上カップルが増えるとキャラが多くなりすぎてごちゃごちゃするか。
卒業したらもう長期休暇はとれないから、ここぞとばかりに遊ぶことを美咲にはおすすめしたいです。ほんと社会人になったら大学の時みたいに1ヶ月単位で休みがあるとかありえないことですからね。
次回は2017年12月下旬発売のエメラルド冬の号です。年内にまた美咲とウサギさんに会えるのが嬉しいです。
ではまた純情ロマンチカ46話の感想でお会いしましょう。
追記)46話の感想を書きました。
純情ロマンチカ46話 ネタバレ感想
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