中川カネ子先生の3冊目のBLコミックスは、酔った勢いでやっちゃって肉体関係に至った相手が実は義兄弟だった!という超王道ストーリーです。表紙左の受けの子が長髪で頬を染めているので一瞬女の子かと思ってしまいましたが、作中ではちゃんと男の子していて安心しました。
全裸で絡んでいる表紙の通りにエロは期待を裏切らずたっぷりあって満足です。ちょっといじわるだけど愛のある弟と、そんな弟への気持ちを認めたくないけど少しずつ惹かれていくお兄ちゃんの攻防が楽しい1冊でした。
それでは以下「兄弟失格それ上等」のネタバレ感想です。
兄弟失格それ上等 電子書籍
兄弟失格それ上等 感想 ネタバレあり
親の再婚で義兄弟関係に
おっぱい大好き女の子大好きな大学生のヤリチン風介は、密かに5年間片思いしていた年上女性に失恋してしまい飲み会で憂さ晴らしする日々を送っていました。
片思いしていたマリカさんが選んだのは、なんと風介の父親。好きな人を実の親にとられてしまい傷心のまま浴びるようにお酒を飲む風介は、隣りの席の黒髪美人のオトコに絡みはじめます。
芹と名乗った男の子はなぜか風介のことを知っている様子で、ベロベロに酔っぱらった風介をホテルに連れて行きました。すでに泥酔しフラフラな風介はベッドでの雰囲気に流されてしまい芹と肉体関係を持ってしまいます。
翌朝目覚めて驚く風介。女の子大好きなはずなのに男と寝てしまった!逃げるようにホテルを飛び出した風介は、父親に呼び出されて再婚相手の家族を紹介されます。するとそこには今朝自分の隣に寝ていた芹の姿がありました。
混乱しつつ芹を意識してしまう風介
親の再婚によって弟になる男と一夜を共にしてしまったことを受け入れられない風介は混乱します。しかも両親はすぐに海外赴任したため家ではこれからずっと芹と2人きり。
幼馴染の哲平に相談しつつ逃げ回っていた風介でしたが、芹が家で身体に触れてくるとなぜか気持ちよくなってしまい突き放すことができません。
芹といると何かされるのではないかとドキドキしたり、されなかったら期待していた自分を慌てて否定してみたり、ふとしたスキンシップで赤面してしまったり、芹を意識しまくってジタバタする風介。
芹に耳元で囁かれキュンとして「女性の気持ちを会得した」と勘違いして少女漫画家を目指してみるとか、迷走気味の風介がアホかわいくて楽しいです。
シンプルな性格の風介は芹の嘘泣きにあっさり騙されたり、生意気な芹の弟に失礼なことを言われてもかばってあげたりするお人好しで優しい一面があり、芹への気持ちの変化も分かりやすくて好感が持てました。
最初から押せ押せな芹でしたが決して無理強いはせず、何よりエッチの相性が良くどんどん芹に惹かれていってドギマギする風介が微笑ましかったです。
イケメン御曹司の芹
芹のほうは女の子には不自由していないイケメンですが、風介と寝たことによってそっちに目覚めてしまったというパターンでした。
もともと女の子と付き合ってもしっくりこないことに疑問を持っていたようなので、風介と出会えたことで性癖をはっきり自覚して楽になれたのでしょう。
イケメン御曹司の芹は風介と違ってヤリチンではないし、弟の四葉への接し方を見ていてもいいお兄ちゃんでかなりハイスペックな男子です。
出会う前から大学で密かに風介をチェックしていたり、風介が来ると聞いて飲み会に参加したりと、実は案外策士なところも地頭の良さを感じさせます。やりすぎると気持ち悪い男になりそうなので、ちょうど良いほどほどの執着具合でした。
風介に焼きもちを焼かせようと連れて行った飲み会で、結局独占欲を抑えきれずに逆に嫉妬しちゃうところなどは、まだまだ恋愛に未熟で大学生らしい甘さを感じてニヤニヤ。
風介の脇の下に両手を入れて持ち上げてだっこする(これ大好きなんですけど誰か名前を付けてほしい)シーンとか、スタイリッシュな力持ちが大好物な私はキュンキュンしてしまいました。
感想まとめ
芹のほうがブレずに風介を想っていたので、安心して風介がオタオタしながら恋に堕ちる姿を見守ることができました。
最初ちょっと分かりにくかったのが芹の家族関係です。芹は四葉が弟で他にもうひとり兄がいる3人兄弟。芹以外の兄弟2人は父親の方に引き取られているということなんですよね。
芹だけ母親に引き取られたのは何か理由があったのかな。四葉が母親のことを「ママ」じゃなくて「マリカちゃん」と名前で呼んでいるので、マリカさんの血の繋がった息子は芹ともうひとりのお兄さんだけなのかもしれません。
芹のすごいところは、嘘をついたり裏で風介に嫌味を言っていた弟の四葉を厳しく叱っていたシーンです。ダメなことはダメと、いわゆるきちんとしつけをしていたので妙に感心してしまいました。
四葉もそんな芹に懐いているし、今までにずっとコミュニケーションがとれていて良いお兄ちゃんをしていたのでしょう。だからこそ芹の家族関係にはちょっと謎が残ります。
風介の家でも最初に遠慮していたし、芹は芹で今まで家庭内でいろいろあったのかもしれません。とはいえ主に風介目線でジタバタしながら芹と恋が始まる時間をドキドキしながら楽しめました。
エッチは作中合計3回で1回目はホテルでの事故のようなもの、2回目は芹の弟の四葉に隠れてこっそりお風呂場で、3回目はお互いに気持ちが100%通じ合った状態でベッドの上ででした。
お風呂エッチが一番エロかったな。声を我慢しなくちゃいけないから風介としては大変だったようですが、片足を上げてお風呂のふちに座らせるとか優しい義弟である芹のS本能がちらほらと見え隠れしてよかったです。
デフォルメ絵もおもしろいのでふっと笑いたい時や、甘くてさらっと読めるエロいラブコメをお求めの人に特におすすめです。