太一の仕事の都合で一泊旅行がなくなってしまった航平と太一。社会人と学生の違いを痛感する2人ですが、仕事で成長を遂げて帰ってきた太一のところへたったひとりの家族であるおじいさんの緊急入院の知らせが入ってきました。
幸いおじいさんは大事には至らなかったものの航平は太一のそばで献身的に支えます。お泊りであわやエッチか!?となるもしばらくはおあずけに。
いっぽう千葉さんの弟のリュウくんは、聴こえないことで不安になる航平に冷たい言葉を投げかけてきました。自信喪失している航平は…。1巻の復習はこちら。
ひだまりが聴こえるリミット1巻 ネタバレ感想
というわけで1巻の続きからです。それでは以下「ひだまりが聴こえるリミット」2巻7話のネタバレ感想です。
ひだまりが聴こえるリミット2巻 電子書籍
ひだまりが聴こえるリミット2巻7話 感想 ネタバレあり
無事に退院した太一のおじいさん
おじいさんも無事に退院していつも通りの日常が戻ってきた太一。どうやら病院嫌いのおじいさんは周りが止めるのを無視して強引に退院してきたようです。
病院の食事が口に合わなかったらしく、帰宅して早々にカップ麺をすするおじいさん。太一は口げんかしたりとあきれながらも賑やかになった家に安心していました。
航平が持っていたパンフレットの「人工内耳」について、太一は職場で先輩に詳細を聞き驚きます。人工内耳とは手術して頭に埋め込む補聴器のようなもの。しかし人工内耳にしても聴こえるようになるとは限りません。
それまで聴こえていた音とは別物になるため何か月もリハビリが必要だったり、スポーツに制限ができたりといろいろなリスクもあります。手術をしても合わなくて使わなくなる人もいるのでした。
あくまでも健聴者の社会に適応するために聴力を補う手段なので、そもそも音に頼らず生活している聾の人にとっては必要のないものです。だからリュウくんはパンフレットを破り捨てたのかもしれません。
千葉さんに懐く太一
太一はそんな大事なことを何も聞いていないことに凹んでしまいました。航平がまたひとりで抱え込んでいるのではないかと仕事中もずっとモヤモヤ。
2人は太一が航平の家に泊まってからその後はずっと会えていません。仕事しながらも航平のことを思い出してしまう太一は、先輩に教えてもらっているパソコンを使った仕事にもミスを連発してしまいました。
何度も同じところでミスしてあたふたする太一に、教えてくれている荒谷さんもイライラし始めます。すると千葉さんが間に入ってくれました。
太一が操作を覚えないのは教え方が悪いから。教えるというのは相手に理解させるということ。覚えるだけならマニュアルを読めばいいのです。
もっともな千葉さんの指摘に荒谷さんもバツの悪そうな顔をしていました。結局、教える仕事は千葉さんが引き受けて、太一は千葉さんから指導を受けることになりました。
なんだかんだと太一を気に入ってフォローしてくれる千葉さんは、ますます過保護に拍車がかかっています。太一もすっかり千葉さんに懐いていました。
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— Canna編集部 (@c_canna) 2017年12月28日
ヤスとマヤちゃんのデート
ヤスから飲みに行かないかと誘われたマヤちゃんは、さっそく2人でデートすることになりました。お店はデフフットサルの打ち上げで来た梅谷さんのお店です。
普通の居酒屋だと何度も聞きかえしてしまうからと、難聴の人が集まる静かなこのお店をマヤちゃんが選びました。誘ってくれたヤスを気遣って人任せにしないところが素敵ですね。
ヤスは自分から誘っておいて緊張しているし、マヤちゃんも終始赤くなっていたりとなかなか良い雰囲気の2人です。お店に入ると梅谷さんもマヤちゃんに気づいて明るく声をかけてくれました。
ところがヤスを見て「彼氏?」と聞かれ全力で否定するマヤちゃん。う、うん、そうなんだけどもうちょっとこうw
「彼氏は航平くんだっけ」
「それも違います!」
またも爆弾を落とす梅谷さんに悪気はまったくありません。マヤちゃんはかわいいから彼氏くらいいるだろうというのは皆が思うことです。しかし当然ヤスにはあまり面白い話ではありませんでした。航平ともこのお店に来たのだという事実に、ヤスは少なからずショックを受けてしまいました。
梅谷さんとリュウくんの出会い
梅谷さんは航平が最近リュウくんと仲が良いことを話題にします。一緒にデフフットサルをやると言って別のサークルに2人で行ったりしているようです。
マヤちゃんはリュウくんには渋い顔をしたままです。まああんなことがあったから当然ですね。相性もあるでしょう。
梅谷さんはリュウくんのことをよく分かっているようで、リュウくんには悪気が無くて言い方がストレートなだけで言っていることは正論だとフォローします。
梅谷さんは実は片耳だけが聴こえない状態で、最近まで親以外にはそのことを知られてないという状態でした。どこへ行っても片方が聴こえていたら平気だろうという扱いで、学校でも適当にまわりに合せて笑っていた梅谷さん。
しかしそれが辛くなってきた頃、リュウくんと出会います。聴こえないのにへらへらと笑っている梅谷さんに、リュウくんはスマホを使ってまっすぐに言葉をぶつけてきました。
「分からないのに何で笑ってるの?聴こえるフリして聴者に媚び売って聴者のマネしてるなんてバカじゃないの?」
ケンカを売っているような言葉ですが、言っていることは正論。本当は聴こえないのに聴こえるふりをしたら、相手もそれでいいのだと理解して言い直してくれなくなってしまいます。それは他の難聴の人にとっても迷惑なことなのでした。
聴こえないのが当たり前のリュウくんからすると、どっちつかずな梅谷さんは見ていてイラつくのかもしれません。
とはいえリュウくんは言い方がきつくて優しさがありません。マヤちゃんは同じようなことを太一にも言われたことを思い出して、切なげな表情を浮かべました。それをそっと見つめるヤス。
ヤスはそっちのけで、2人で盛り上がる梅谷さんとマヤちゃんに押され気味のヤスは内心「入っていけないな」と疎外感を感じていました。
近いうち別れるから、そしたら誘いなよ。
航平とリュウくんは別のデフフットサルサークルに足を運びます。リュウくんのスーパープレイも飛び出し久しぶりに運動をしてすっきりする航平。リュウくんが仕掛けてくるいたずらも、リュウくんがあまりにも無邪気なので本気で怒る気にはなれずにいました。
リュウくんは仕事で新作ゲームのお披露目会に航平を誘います。これがまた波乱を巻き起こすのでしょうか。リュウくんが太一と出会うことはあるのかな。
2人が休憩しているとサークルの女の子が飲みに誘ってきました。密かに航平にアドバイスをするリュウくん。
「ここは年齢層が高いからおごってもらえるよ。ただし襲われないようにね」
ここでも航平は女性にも大人気で、ユミさんという積極的なお姉さんにさっそく目を付けられ(?)てしまいます。ところがリュウくんはすかさず「彼女持ちだからムリムリ」と口を挟みました。
近いうち別れるから、そしたら誘いなよ。
彼女とうまくいってないと思い込んだユミさんは、目を輝かせて航平に近づきます。リュウくんの言葉はひっかかりますが、失礼ながらユミさんにはちょっと笑ってしまいましたw
太一の人生の邪魔をする…?
「俺が別れるとか勝手に決めないでよ」
「なんで?本当の事じゃん。聴者となんてずっと一緒にいられるわけないのに」
またも決めつけてくるリュウくんに、航平は素朴な疑問を口にしました。
「リュウくんはなんでそんなに聴こえる人を嫌ってるの?」
嫌っているのではなくただ干渉されたくないだけとリュウくん。
一緒にいたってお互い面倒なだけ。だったら別の世界で暮らす方がいい。そもそも聴者がこちらを見下していて、聴者のほうが数が多いからといってそれを常識みたいに思ってる。聴こえるってそんなに偉いの?
航平はそれでも食い下がります。「そんな人たちばかりではなく、ちゃんと理解しようとしてくれる人もいるはず」しかしリュウくんは頭から拒絶するいっぽうです。
「君の彼女かわいそうだね。この世界で君といる限り彼女はずっと君の世話をする羽目になるよ。ハンデはつきまとうし、そばにいる人はそれを助ける役目を負う」
それって彼女の人生を邪魔することにならない?それでも君は平気なの?
太一を想って言葉を失う航平が、それでも何とか否定しようと口を開きかけたところで、ふとリュウくんの視線が誰かを見定めました。つられて航平が振り向くと、そこには太一と千葉さんたちが楽しげに歩く姿があって…。
感想まとめ
うーんリュウくんの考え方にはいろいろと思うところがありますね。リュウくんは聴者と自分たちを完全に断絶して別々の世界で生きていったほうが良いと考えています。
それもひとつの考え方ではありますが、しかしそれを他人(航平)にも求めるのはそれこそ価値観の押し付けということになりそうです。「彼女がかわいそう」というのも失礼な発言になりかねません。
この世界はたったひとつなのに、聴者と聴こえない人は別々の世界で生きていると考えるリュウくん。だとすると例えば、聴者がリュウくんを好きになっても「聴者だから」という理由だけでどんな関係にも進展しないということになってしまいます。
リュウくんがこう考えるに至ったのは、聴者と共に生きることをあきらめざるを得ないような何かが過去にあったのでしょう。かつてリュウくんを見下すような人がまわりにたくさんいたのもしれません。
ちょうど千葉さんが通りかかったのでリュウくんの過去や兄弟の関係が少しは判明するかな。リュウくんを見たときの千葉さんの反応も気になります。
マヤちゃんとヤスの恋にも暗雲が立ち込めているようでハラハラ。せっかくデートを取り付けたのに、ヤスが気後れしてしまって疎外感を感じているのが何だか切ないです。
しかもヤスはマヤちゃんが太一を思い出して赤面しているところも見てしまいました。ヤスはマヤちゃんの気持ちが自分には向いていないことを感じとったのかな。あーもう、この2人にはぜひうまくいってほしいのですが。
次回「ひだまりが聴こえるリミット」8話は2/28発売のCanna58号です。それではまた「ひだまりが聴こえるリミット」8話の感想でお会いしましょう。
追記)8話の感想を書きました。
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