太一の家族、直人の家族。それぞれにカミングアウトを済ませた2人。大学では学園祭のときのことで騒ぎになっていることは太一も直人も薄々分かっていました。
そこへ2人を心配して息を切らせてやってきたミカリン。直人の大親友のかっこいいこの女の子は、すっぴん大号泣で2人の関係を受け止めてくれました。前回の復習はこちら。
エスケープジャーニー3巻16話ネタバレ感想
それでは以下、おげれつたなか先生の「エスケープジャーニー」最終回のネタバレ感想です。
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エスケープジャーニー3巻最終回 感想 ネタバレあり
大学生活を共に過ごした仲間たち
太一と直人はミカリンとの約束通り、いつもと変わらず大学へと向かいました。しかしやはり学園祭のことで2人の噂は広まっているようで、あちこちからひそひそ声が聞こえてきます。
直人の耳にもおもしろがっているような、聞えよがしな声が届きました。ドキリとする直人に太一は落ち着いて答えます。
「なお、大丈夫だよ」
まわりの大学生の好奇の視線をさほど気にしない太一に、ほっとしたような表情の直人。お互いをしっかりと見つめあって支え合っていればきっと大丈夫。それにもうすぐ大学生活は終わりを迎えるのです。
そこへミカリンを含むいつものご機嫌な仲間たちが、わちゃわちゃと駆け寄ってきました。みんな既読スルーされ続けたことに怒り心頭で、心配料としてなぜか直人がお昼をご馳走するはめになってしまいます。
卒業旅行の計画もまだ途中で固まっていないし、友達なのにいきなり消えるとかはありえない!
みんなが何事もなかったかのようにいつも通りに太一と直人に接してくれることにジーンとする2人。4年間一緒に笑って過ごした友達との日々は嘘ではなかったのです。
幕が下りた仁科くんの片思い
太一が課題を出しに行った隙をついて仁科君が現れます。柱の影からぬっと現われてぼそっと声をかける仁科くんはいつも通りの通常運転でした。
「これから苦労するだろうけど、まあ大丈夫なんじゃね」
仁科くんらしい励まし(?)の言葉。ムカつくけど、という余計なひとことも忘れていません。仁科くんはバイトももう辞めたようです。確かに接客はあまり向いていなかったですからね。
仁科くんの言動がツボな直人は笑顔を見せました。しかし仁科くんにとってその笑顔は罪なのです。
「そうやって笑いかけたりするのやめてくんない。諦められなくなっちゃうだろ」
ポンとスケッチブックを手わたす仁科くん。2人はまたみんなで飲みに行く約束をしてさらりと別れます。変わらぬ笑顔を見せてくれた直人の後ろ姿を見つめる仁科くんのほろ苦い恋は、今静かに幕を下ろしたのでした。
本日はマガジンビーボーイ3月号の発売日♪おげれつたなか先生「エスケープジャーニー」/学校に関係がバレてしまって…?#マガビー pic.twitter.com/6DUsWD6b8A
— ビーボーイ編集部 (@bboy_editor) 2018年2月7日
一緒に生きるってそういうことだろ
仁科くんにもらったスケッチブックを太一と一緒に家で見ようとワクワクしている直人。太一は仁科くんというキーワードにはちょっとピリッとしているのが何ともw
直人は帰宅するやいなや、いきなり盛りはじめます。甘えてキスをして、玄関先だから声を出さないように念を押してからお口でご奉仕し始めます。
たじたじの太一ですが、反撃とばかりにベッドでやり返しました。太一があまりにもうまいので今度は直人が追いつめられてしまいます。上に下にとじゃれあうように抱き合う2人は幸せそのものなのでした。
エッチのあと、太一と直人は仁科くんのくれたスケッチブックを眺めます。中身は全部ひそかに仁科くんが見つめていた明るい直人の姿でした。
「俺、なおのこと絶対幸せにするよ。けど他人から見たら不幸にもすると思う」
「太一とならどっちでもいい」
一緒に生きるってそういうことだろ。
直人は太一の胸にくっつきながら幸せそうに微笑みます。喧嘩して仲直りして、そうやってずっと過ごしていたらいつの間にかすぐに歳をとっておじいちゃんになっていく。しかもケンカと仲直りに関しては2人ともプロフェッショナルです。
せっかくいい話をしていたのに唐突に「アイス食いたい。買いにいこ」と自由人な直人。太一はあきれながらも付き合って自転車でコンビニまで出かけることになりました。
太一から、年越しに実家に来るように誘われて嬉しそうな直人。太一も誘ったことに照れているのがかわいいです。ふと自転車に2人乗りしていることで高校の時のことを思いだした2人。
よく2人で自転車に乗って学校をさぼって海に行っていたあの頃。何も考えずにお互いを好きでいたあの頃。
行く?海。よし行こう。
太一の突然の提案に驚く直人。ここから海へはかなり遠いはずです。でももうやる気満々の太一は勢いよく自転車をこぎ始めました。
「どうせ無理とか思ってんだろ!」
「ううん、行けそうかもって思った」
直人は太一の広い背中を見て高校の頃のことを思いだして涙を浮かべます。2人ならどこへでも行けると思っていたあの頃。いろいろあった大学時代を経ていま大人になろうとしています。太一と直人が人一倍傷ついて手にしたのは人一倍の幸福だったのでした。
エスケープジャーニー最終回 感想まとめ
苦しかったり楽しかったりしたこの青春時代を、遠い未来、おじいちゃんになった太一と直人が並んで懐かしそうに語っている姿が目に浮かぶような爽やかなラストでした。
自転車の2人乗りで太一がふりかえって直人を一瞬見つめるシーンには、これまでのアレコレを思い出して何だかジーンときてしまいました。うるうるしてしまった…。
そしてミカリンもですが、大学の愉快な仲間たちが態度を変えずに接してくれたことに感動しました。何があったのか具体的には聞かずになんとなく事情を察してくれて、いつも通りでいてくれるありがたさ。社会人になるにあたって、こういう優しい仲間がいてくれるというのは直人&太一にとってはとても心強いことでしょう。
私も大学のゼミの友達とは卒業してからもわりと定期的に会うのですが、自分が何者でもなかったころからお互いを知っている学生時代の友達ってやっぱり特別なものです。
直人たちと違うのは女ばっかりってことくらいですかねwやっぱり直人たちのリア充感はハンパないってことで。だいたい「関東の年末イベントには行きつくした」とか言ってるあたりがリア充大学生すごいとしか。
3巻で太一と直人の恋は一区切りがつきました。社会人になってももちろん2人の関係は続いていくわけで、これからも試練の連続になることでしょう。しかしこれだけいろんなことがあった2人だから、きっと大丈夫。そう思わせてくれる説得力のあるお話でした。
ほろ苦い片思いで終わった仁科くんもいつか誰かと報われるといいな。
おげれつたなか先生、素晴らしい作品をありがとうございました。次回作も楽しみにしています。
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