両親亡きあと叔父宅に引き取られた財前兄妹。しかし叔父は幼女趣味の変態男でした。妹を守ろうと逃げ出す財前ですが、背負った妹の重さに耐えきれなくなります。
そこへ現れたのは他でもない吉利谷でした。差しのべられた手を掴む財前は、そのあと遠縁の彫り師である茂美さんの家に世話になることになりました。いっぽう吉利谷は、財前の背中にある彫り物を偶然見てしまいます。前回51話の復習はこちら。
花鳥風月7巻51話 ネタバレ感想 志水ゆき
それでは以下、志水ゆき先生の「花鳥風月」52話の感想です。ネタバレにご注意ください。
花鳥風月7巻 電子書籍
花鳥風月52話 感想 ネタバレあり
襲われている(?)財前を助けた一見w
風呂場の脱衣所で全裸の財前を押し倒すような形になってしまった吉利谷。お互いにびっくりして至近距離で見つめあいます。するとそこへさっそうと現れたのは一見!一見は見事な蹴りをくり出しますが、吉利谷は間一髪ギリギリのところでそれをかわしました。
「いきなり蹴り入れてくるってどういうこと!?殺気がにじんでたぞ!」
「お前が財前を襲っているように見えたから助けようと思って」
つっこむ吉利谷&すっとぼける一見。クールにため息をつく財前はそのまま当初の目的であったシャワーを浴びに行ってしまいました。刺青に関してはうやむやのままです。
茂美さんはこの3人の騒動には慣れっこなのでしょう。お客さんの女性を連れて元気に飲みに出て行きました。茂美さんは財前兄妹だけでなく吉利谷や一見とも適度な距離感でうまくやっているようです。
気になる財前の背中の刺青は、やはりというか当然というか、ただ描いただけの絵でした。茂美さんに頼まれてバイトとしてやったという財前。見せた図案だけでは不安な依頼人のために、茂美さんが試しに財前の背中に絵を描いてみるという流れだったのです。
依頼人の女性は、実際の財前の背中の試し描きを見て気持ちが固まったと嬉しそうでした。彫り師は毎回こういったプレゼンのようなことをするわけではありませんが、今回は依頼人が訳ありっぽいため特別なケースのようです。
このバイト代で千尋ちゃんに誕生日プレゼントを贈れると嬉しそうな財前。千尋ちゃんが「ワンピースが欲しい」と言っていたのをずっと覚えている妹想いの優しいお兄ちゃんです。吉利谷も「ワンピースを買いに行くときは付き合うから」と自然と笑顔になるのでした。
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今日のチラ見せ! 超人気連載💗 吉利谷×財前篇! 志水ゆき先生の『花鳥風月』から
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吉利谷のいびつな家族関係
家にひとりで暮らしている様子だった吉利谷も、やはりそれなりの家庭環境にありました。ある日、父親に呼び出される吉利谷。その表情からあまり良い関係でないのは明らかです。
「大学の学費だけは面倒を見るが家は出ろ」と告げに来た父親は、今吉利谷の住んでいるマンションはもうすぐ手離すと一方的に語ります。高校を卒業したらそれ以降の生活は自分でなんとかするようにと、まるで他人事のように口にします。
お前は俺の息子じゃない。
父親と吉利谷は実は血が繋がっていませんでした。先妻がよその男と寝てできたのが吉利谷だったのです。突き放された吉利谷は愕然としますが、すでに父親には他に家庭がありました。やってきた小さな男の子とその母親を見てすべてを察した吉利谷。母親はかつて家政婦として吉利谷家で働いていた女性だったのです。
吉利谷が物心つく前にはすでに実の母親の存在はなかった吉利谷家。子連れの家政婦に懐いていた吉利谷ですが、ある日、カージャック事件に巻き込まれてしまいます。
さらわれかける吉利谷と家政婦親子。家政婦とその息子はなんとか逃げ出しますが、吉利谷はそのままカージャック犯に連れ去られてしまいました。結局その車が事故に遭い犯人は死亡。吉利谷の背中には今もその時にできた傷跡がはっきりと残っています。
長い入院生活にも父親は一度も見舞いに来ることがなく、見捨てて逃げた家政婦も二度と吉利谷の前には現れませんでした。
「ふみえさん(家政婦さん)が俺のお母さんになってくれたらいいのに」
無邪気な子供だった吉利谷の言葉。ところがそう願うまでもなく、もうすでに父親の家族だったのは家政婦母子のほうでした。もうすでに自分ではない家族と幸せに暮らしている父親。
吉利谷自身もまた「お前は私の息子じゃない」という父親の事は父親だとも思っていませんでした。赤の他人でただの便利な財布程度の認識だったのです。
花鳥風月52話感想まとめ
財前の背中の刺青はやはりフェイクというか、試し描きしただけのものでした。お風呂に入ろうとしていたのは落とすためだったんですね。早とちりした吉利谷の動揺っぷりとラッキースケベが美味しすぎました。
一見もこの2人のことを何だかんだ温かい目で見守っていて良い関係の幼馴染3人組です。財前兄妹が茂美さんのところに引き取られて、落ち着いて暮らせるようになって本当によかったです。
気になるのが刺青の依頼人の女性、これから何か絡んでくるのでしょうか。「訳あり」というのがちょっとひっかかります。茂美さんは今現在どうされているのかも気になるところですね。どこかでお元気に暮らしていると信じたいですが。
吉利谷のほうも幸せとは言い難い家庭環境が少しずつ分かってきました。やはりというかなんというか、こちらもかなりハードな家族関係です。幼い吉利谷を苦しめた家政婦さんの裏切りはともかく、父親への厳しい表情の吉利谷からは不快憎悪が感じられます。
実の母親は失踪or死亡したということなのでしょう。このあと吉利谷は結局大学へは行かなかったのかな。一応学費だけは出してもらえるということなので、それを生活費にして暮らしたのかもしれません。どういういきさつで組に出入りするようになったのかも気になるところです。
次回は3/14発売のディアプラス4月号です。
ではまた「花鳥風月」53話の感想でお会いしましょう。
追記)53話の感想を書きました。
花鳥風月53話 ネタバレ感想
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