ひだまりが聴こえるリミット8話のネタバレ感想です。コミックス2巻の感想になるのでネタバレにお気を付けください。

おじいさんが無事に退院してほっとする太一。仕事で何かとフォローをしてくれる千葉さんにもなんだかんだとすっかり懐いていました。いっぽうデート中のヤスは、マヤちゃんの態度に疎外感を感じてしまいます。

リュウくんと新たなデフフットサルチームに行った航平は、積極的なお姉さんにナンパされたりとタジタジです。リュウくんの「聴者とはずっと一緒にはいられない」と決めつけるような発言にも動揺してしまいまう航平は…。

ひだまりが聴こえるリミット2巻7話 ネタバレ感想

それでは以下「ひだまりが聴こえるリミット」2巻8話のネタバレ感想です。

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ひだまりが聴こえるリミット2巻8話 感想 ネタバレあり


2人って付き合い長いの?


仕事帰りの天童さん、千葉さん、太一の3人。千葉さんは太一の物覚えの悪さにかなりお疲れの様子です。千葉さんは結局あのあとずっと太一に付いて仕事を教えてくれていたのでした。

天童さんの発案でなぜか千葉さんが夕ご飯をご馳走してくれることになりかけたとき、太一はふと道端にたたずむ航平に気づきます。お互いにびっくりしている太一&航平。

太一が航平に声をかけた瞬間、航平の隣りにいたリュウくんがいきなりダッシュで逃げ出しました。千葉さんから逃げるように駆け出すリュウくんは、一瞬でパーカーのフードまでかぶって顔を隠そうとしています。

ところがそれを見た千葉さんはあっという間にリュウくんを捕獲しました。

「こんなところで何してるんだ!人の顔見て逃げてんじゃねーよ!」

背後からガッチリとリュウくんを捕まえた千葉さんの腕の中で、リュウくんはジタバタするしかありません。体格差がありますからね。それに千葉さんはこういうことに慣れているのかもしれません。

結局、この不思議なメンバー5人で屋台に行くことになり、千葉さんとリュウくんが兄弟であることが判明します。太一も航平もこれにはびっくり。世間は狭く、意外なところで意外な人同士が繋がっているものなのでした。

あまり似ていない千葉さん&リュウくん兄弟。リュウくんは捕獲されて千葉さんと同席しているのが嫌なようで、そっぽを向いたままです。

そんなリュウくんに、相変わらずの誰にでも物怖じしない態度でカラッと明るく自己紹介する太一。リュウくんはあっさりとスルーしますが、太一はそんなことではめげません。

航平とリュウくんがフットサルサークルで知り合ったと聞き、知らなかった太一は内心ちょっとおもしろくありませんでした。なかなか会えていなかった2人。このところちゃんと話もできていません。

ビールで乾杯をすませた後、なにげなく「2人って付き合い長いの?」と聞いてくる天童さん。ギクリとする航平&太一。太一の方は特に慌てふためいて、不自然にぎくしゃくしてしまいました。その場を離れようとして、焦って天童さんを連れて注文をしに行く太一は嘘がつけない人そのものです。

男らしく潔い千葉さん


テーブルに残された航平&千葉さん&リュウくん。千葉さんはリュウくんに手話で話しかけます。どうやら実家にはろくに帰っていないリュウくんに「せめて母親に連絡を入れろ」と千葉さんはお兄さんらしくお説教します。千葉さんは航平にも声をかけました。

「疲れるだろ、コイツといると。すげー自己中だから一緒にいると振り回されるだろ。まわりの都合お構いなしに自分の主張を押し付けるし迷惑かけてるんじゃないのか」

「耳が聴こえないぶん、会話に入れなくて周りの意見も分からないと自分の主張が強くなるのは当然じゃないですか?それはリュウくんのせいじゃないと思いますけど」

やんわりと、それでも難聴者の立場で思う意見をはっきりと口にする航平は、まっすぐに千葉さんの目を見つめます。そんな航平の言葉に、千葉さんはすぐに謝罪の言葉を口にしました。

「君も難聴だってことを失念していた。ハンデを揶揄するつもりで言ったんじゃないんだ。気に障ったなら謝る。悪かった」

自らの誤解を生むような発言をすぐに認めて潔く頭を下げる男らしい千葉さんに、航平は思わず目を伏せてしまいました。こんなかっこいい男がいつも太一のそばにいると思うと胸中穏やかではないのでしょう。

重たい空気のテーブルに天童さんと太一が食事を持って戻ってきました。リュウくんはずっとそっぽを向いたまま自分の会社のゲームアプリを触っています。先ほどの千葉さんと航平のやりとりは、視界の片隅に入っているようでした。

リュウくんと親しげな航平を見た太一は、遠慮なしに2人の間に割って入っていきます。

「お前さあ、さっきから思ってたけど…」

いつになく真剣なおももちの太一。リュウくんに何を言うかと思えば「頭すげーオレンジだな」と、まさかの頭髪についてでしたw見守っていた千葉さん&航平&天童さんも危うくずっこけそうになってしまいます。確かにオレンジ色は目立ちますね。

リュウくんとも手話というよりはほぼジェスチャーで会話(?)をする太一は、明るく物怖じしないいつもの太一のまんまです。難易度の高いリュウくんとも普通に楽しげに話す太一を見て、航平はまた少し切なくなってしまいました。



太一の顔を見てるとキスしたくなる航平


飲み会がお開きになった帰り道、同じ方向の電車になる天童さんと航平と太一。そこで太一と航平は、天童さんから千葉家の家庭事情を知らされます。千葉さんとリュウくんは異父兄弟。千葉さんの両親が離婚して再婚後に生まれたのがリュウくんなのでした。そのこと自体も千葉兄弟は隠しているわけではないようです。

実は天童さんは、副業でリュウくんの会社のゲーム音楽を作っていることもあり、千葉さんよりも先にリュウくんと知り合いだったのです。太一は、千葉さんが弟のために今の会社に入ったこともここで初めて知りました。

天童さんと別れ、急に2人…。きりになって緊張する太一は、ふと航平にフットサルサークルのことを聞こうと声をかけました。すると電車の音にまぎれて聞き取れなかったのか、航平が手話だけで「何?」と聞き返します。

その瞬間、電車が緊急停止して急ブレーキがかかると同時に、先ほど声を出さずに手話だけで航平が答えたことに動揺する太一。まったく聴こえない人みたいだったと不安を感じてしまいます。

ここ最近ずっとゆっくり会えていなかったのに、このままバイバイするなんて…。太一は電車を降りた航平の腕を思わず掴んで自分も勢いで一緒に降りてしまいました。

「ここんとこ会ってなかったし、お前とは今日も全然しゃべれなかったから、もったいないっつーか…」

赤くなってごにょごにょと言葉を濁す太一に航平は「次の電車が来るまで一緒に待つよ」と落ち着いた態度でいつも通りの優しい笑顔を見せてくれました。

駅のホームでベンチに座って「お酒を飲んだでしょ」「飲んでない」でいちゃいちゃする2人。航平は太一のことが心配でたまらないようです。

「酔うといろいろ危ないし…」

「あぶないって?」

酔って無防備になる太一を見ていると、航平としては他の誰かと何かが起きやしないかとハラハラと気が気じゃないんですね。

太一の顔を見てるとキスしたくなるから。

太一から目をそらしたことを指摘され、観念したように顔を寄せてくる航平。しかしせっかくのいい雰囲気なのに、どやどやと人がやってきてしまい、太一は盛大にベンチから転げ落ちてしまいました。派手なコントのような太一の転び方がツボに入った航平は笑いが止まらなくなってしまいます。

太一は俺のせいで大学やめたの?


久しぶりに見る航平の笑顔に、太一は嬉しくなってとても晴れやかな気持ちになります。航平の笑っている姿をもっと見たい。笑疲れた航平は、来週の土曜日にご飯に行こうと誘ってくれました。

指切りをして約束をする太一&航平。20代の男子が駅のホームで指切りとかかわいすぎます。延期になった沖縄旅行にも本当は行きたいのですが、太一は会社を休むことができません。まだまだ下っ端で覚えなければいけないことも山ずみです。休んでいる余裕はないのでした。

「太一が大学生の時に戻れたらいいのに」

航平は思わずぽつりとつぶやきます。一緒にお昼を食べたりノートを借りたり草野球をしたり、今よりもずっと自然に一緒にいられたあの頃。航平は、太一とたくさん一緒に過ごせて楽しかったことを思い出していました。

太一が今の会社に入ったのは航平にもっと笑ってい欲しいから。でもそんなこと、恥ずかしくて本人には言えません。それでも太一はがんばって口を開きました。

「俺はちょっとでもお前の役に立てたらと思ってこの会社に入ったから!」

言ってしまったあとで真っ赤になる太一。指切りしたままの手から気持ちが伝わると良いのですが…。ところが航平は違う解釈をしてしまいます。

じゃあ太一は俺のせいで大学やめたの?

ホームにやってきた電車の音でかき消されてしまった航平の言葉。太一が聴きかえそうとしたとき、指切りした手が離れてしまい、航平の言葉はうやむやになってしまいました。

2人の関係は何も変わっていないはずなのに、なぜか航平がずっと遠くにいってしまうような感覚に陥る太一は…。

感想まとめ


太一としては精いっぱいの気持ちで本音を告げただけなのですが、航平にはそうは伝わりませんでした。大学を辞めるという選択は、好きな人の幸せそうな笑顔が見たいからという理由で太一自身が自ら選んだ道なのに、今の航平には「自分のせいだ」というネガティブな捉え方になってしまっています。

航平はリュウくんの言った「相手の人生の邪魔になる」という言葉を気にしていたタイミングだったので、受け止め方が違ったんですね…。言葉のすれ違いってこういうことを言うんだなと何とも切ないです。

太一との別れ際、いつも通りに見えて何かを決意しているようだった航平。まさか太一と別れようと思っているのではないかと不安になってしまいます。

ところで天童さんのなにげない言葉に慌ててプチパニックになる太一を見ていると、この先航平とのことを隠し通すのは太一にはかなり難しいだろうなと思ってしまいました。まっすぐな太一は性格上、隠し事ができないタイプです。聡い天童さんのことだからすぐに気づきそうだし、もう案外うっすら勘付いていたりして。

千葉さんに対して、航平は結果的にリュウくんをかばうような発言になりましたが、確かにずっと周りの意見が分からないと自分の意見が強くなるのは当然のことなのかもしれません。そして難聴者にそうさせてしまうのは本人のせいではないのです。

また現代においては、難聴者が強めに自己主張をしないと、聴者が圧倒的多数の環境の中ではとても生き辛い社会環境になっているともいえそうです。

千葉兄弟は異父兄弟ということで、家庭では千葉さんが兄として弟にあれこれと世話を焼いていたようですね。リュウくんは千葉さんを見てダッシュで逃げようとましたが、兄を嫌っているというよりは、過剰におせっかいをしてくる人が苦手ということなのかもしれません。太一に対しても千葉さんは過保護なくらいですし。

太一はリュウくんとも普通に楽しげに話していましたが、リュウくん的にはどうだったのかな。あの微妙にシリアスな雰囲気の中で、リュウくんのオレンジの頭髪についてつっこめる太一のことをリュウくんはどう思ったでしょうか。

リュウくんが太一を嫌がる素振りは今のところ見られませんでしたが、聴者と同じ世界では生きていかないと決めているリュウくんの太一への考えはまだ分かりません。天童さんいわく、太一はどうやら昔の千葉さんに似ているらしいので、そういう意味での苦手意識はあるかもしれません。

今回は天童さんの秘密もまたひとつ明らかになりました。副業でソシャゲ音楽とかB級ホラー映画の音楽を作っているとか、実は密かに多彩な人でびっくりです。副業OKだから今の会社に入ったと言っていたのはこういうことだったんですね。

雲行きが怪しくなってきた航平と太一の恋。ネガティブになっている航平が来週の食事デートでどう出るのか楽しみなような怖いような。

次回「ひだまりが聴こえるリミット」9話は4/28発売のCanna59号です。それではまた「ひだまりが聴こえるリミット」9話の感想でお会いしましょう。

追記)9話の感想を書きました。

ひだまりが聴こえるリミット2巻9話 ネタバレ感想

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