カルタカの故郷ルターへ向かった稜一郎は、超美形ばかりのルター族との初体面で、カルタカの父親や村の子どもたちには大歓迎で受け入れられました。
しかし異国の、それも男である稜一郎を簡単に受け入れられない一部のお年寄りたちから稜一郎は疎まれてしまいます。自分の大切な人をぞんざいに扱われ表情が曇りがちなカルタカ。一族の雰囲気も微妙なものとなってしまいました。前回の感想はこちら。
ザーズスピリット2巻2話 ネタバレ感想
それでは以下「マザーズスピリット」2巻3話のネタバレ感想です。
マザーズスピリット2巻 電子書籍
マザーズスピリット2巻3話 感想 ネタバレあり
落ち込み気味のカルタカ
ルター族のかわいくてやんちゃなちびっこたちに囲まれる稜一郎は、原始的な遊びについていくのがやっと。都会の喧騒から離れ、川遊びや木登りなど大自然の中で、息切れしながらも楽しげにわいわいと遊んでいます。
そんな稜一郎を温かい目で見守るカルタカですが、やはり表情は曇りがちです。夕べ稜一郎のことで村のお年寄りたちとぶつかってから、落ち込み気味なカルタカ。
夕べあのあと、カルタカの権幕にアナちゃんが怖がって泣きはじめ、カルタカのお父さんもいったん冷静になるようにカルタカを諭しました。
何を言っているのかルター語は分からない稜一郎ですが、なんとなく自分が歓迎されていないこと、ピリピリした雰囲気であることは察しています。稜一郎も今回は、そうなることを覚悟の上で訪れたのでした。むしろ歓迎ムードで友好的な扱いには少し驚いているくらいなのです。
そんなに気に病まなくていいとカルタカを気遣う稜一郎。ちびっこ達は暗いカルタカを見て「かっこいいところを見せてやれ!」と彼らなりに励ましの声をかけました。
せっかく来てくれた稜一郎に、ルターの美味しいものを食べさせてあげたり、きれいなものを見せてあげたりしてほしい。子どもたちの精いっぱいの気持ちにカルタカは元気を取り戻しました。
僕は何度だってここに通う
稜一郎のために巨大な魚を獲るカルタカ。槍で突くという原始的で見事なサバイバル能力です。稜一郎は少し元気になったカルタカを見てほっとしていました。
「ルターのみんな、祝う、してくれる思っていた」
ひとりが悲しい思いをしていると皆が悲しみ、ひとりが嬉しいと皆が幸せだと、村の皆が家族のようなルター族。カルタカも、自分が嬉しいことは皆も喜んでくれると信じていたのです。
「バカだなあ、そんな簡単に受け入れられるわけないだろ。男同士なんて、大切な家族なら簡単に認められないに決まってる。うちの家族だってきっと君のことは戸惑うはず。幸せを願うこととそれは別物なんだよ」
いくら家族の幸せを願っていても、男同士というその道を進ませることがカルタカにとって本当の幸せなのかは、ルターの人たちにも誰にも分かりません。稜一郎はルターのおじいさんたちの気持ちにも理解を示しました。
「すぐじゃなくてもいいじゃないか。今すぐ祝ってもらう必要なんてないんだよ。カルタカが大好きなルターの人たちみんなに分かってもらえるように、僕は何度だってここに通う」
稜一郎はここへ来る前からそううまくはいかないことを想定していたのです。冷静なところは稜一郎の長所でしょう。それに、稜一郎はルターをかなり気に入った様子です。
ルターは綺麗で優しくてあたたかくて、君みたいなところだ。大好きになったよ。
稜一郎は優しくカルタカを抱きしめました。不満も、不安も、悲しいことも、溜め込まないでほしい。悲しいも嬉しいも家族のものなら、もっと頼っていい。異国の地に馴染みつつある稜一郎の温かいてに、カルタカも甘えモードに入りました。
頼りになる男としてルターをひっぱってきたカルタカに、こんなことができるのは稜一郎だけなのでしょう。カルタカが稜一郎に夢中になるのも納得です。
森の中でがっつりエッチ
カルタカは稜一郎をとっておきの景色が見える海へと連れ出しました。夕暮れの美しい海に見とれる稜一郎。するとカルタカは短刀を取り出して、縛っていた自分の髪の一部をバッサリと切り落とします。
突然のことにびびって騒ぐ稜一郎。慌てふためく稜一郎に、カルタカは切った髪をそっと渡して告げました。
「この髪、魂。結婚する前の男、ここに魂、置く。夫婦になる時、これあげる」
夕日が沈む時、災いの元がやってきて人間は魂をとられてしまうという言い伝えがルターにはありました。日本にも逢魔時(おうまがとき)という、同じようなものがありますね。
ルターでは絶対に悪いものに魂を奪われないよう、その覚悟を見せるために、夕日が沈む瞬間にパートナーになる人に髪と共に渡すという儀式がありました。カルタカは今、それを稜一郎に差し出したのです。
「絶対返さないからな」と涙目でカルタカの覚悟の証を受け取る稜一郎。どこまでもロマンチックなルター族。稜一郎とカルタカは改めて、共に生きることを誓いました。
プロポーズの後のキスで盛り上がってしまったカルタカと稜一郎は、ジャングルのなかでエッチして愛を確かめ合います。カルタカには稜一郎だけ。稜一郎にはカルタカだけ。想い合う2人の気持ちはブレることなく重なるのでした。
カルタカにおんぶしてもらって村に帰る稜一郎。ところがルターでは別の村の男がやってきて何やら騒然としていました。ただならぬ雰囲気に、カルタカはアクナムに声をかけます。
「リョー、日本に帰れなくなるかもしれない」
アクナムもまだ事態を把握していないようですが、ルターだけでなく周辺の村を巻き込んで何かが起こったようです。
感想まとめ
カルタカは未開の地から日本にやってきても腐らずにちゃんと適応していたし、ジャングルの地でもサバイバル能力が高くて、どこへ行っても生きていけそう。こういう人は男女問わずに絶対モテます。これまで縁談も引く手あまただったでしょう。
子どもたちや村の人皆からも好かれ、だからこそルターのご老人たちが一族の長にと望む気持ちも分かるし、そう簡単に異国異文化の男との結婚を認められないというのも納得できます。
稜一郎の何度でもルターに通って気持ちを伝える努力をするという覚悟にも驚かされました。長時間の移動だけでへばっていた稜一郎ですが、根本のところではとてもしっかりしていて、人を気遣える優しくて強い男なのです。カルタカもそんなところに惹かれたんですね。
ところで、体力的な問題で「ジムに通おう」とか内心思っている稜一郎にはニヤッとしてしまいました。カルタカとの体格差も萌えポイントだから稜一郎にはあまりムキムキになってほしくないな。もともとのDNAレベルから違うから心配ないか。
何かオオゴトになっていますが、よその村までも騒ぐほどの何か事件が起きたのでしょう。部族間でのモメごとが起きて、帰り道が閉鎖されているとかそういう感じなのかな。帰れなくなると言っても一時的なものでしょうが、稜一郎は日本での仕事があるし気になるところです。
次回は2018/5/22発売のキャラセレクション7月号です。
それではまた「マザーズスピリット」2巻4話の感想でお会いしましょう。
追記)4話の感想を書きました。
マザーズスピリット2巻4話 ネタバレ感想
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