「好きでごめん。」ネタバレ感想です。

オカモト優先生のデビュー作は、長身モテ男×こじらせ小柄男子の幼馴染モノです。主役2人が男子高校生なので、やることなすことまだまだ青っちくて全体的にとてもかわいかったです。

受けの晃太が6年片思いしていてこじらせMAXな奥手DKなのに、その無自覚なエロかわいさを武器に、ヤリチンの陽翔を振り回しているところがツボでニヤニヤしてしまいました。

元々はピクシブで連載されてた作品のコミックス化です。1巻なので続くそうですが、これ1冊で十分仕上がっていました。それでは以下「好きでごめん。」1巻の感想です。※ネタバレ注意です。

好きでごめん。 電子書籍



好きでごめん。1巻 感想 ネタバレあり


長身モテ男×小柄地味男


身長190センチのイケメン陽翔(はると・攻)に絶賛片思いしているのは、小柄でこじらせ男子な晃太(こうた・受)。6年間ずっと見ているだけだった晃太は、陽翔が女の子と遊びまくっているのを、ただ見つめるしかありません。

2人は幼馴染の気安さから凸凹コンビのようにいつもつるんでいますが、陽翔は女の子大好きで常に彼女がいるヤリチンモテ男。

晃太は、しょっちゅう呼び出されては女の子に告白される陽翔を、自分も女の子だったら自分も告白できたのに、嫌いになれたら楽なのに、などと考えながら、一緒に帰るためにずっと待っているなどとても健気です。

「もしかして男が好きだったりして?」

彼女がいないことを陽翔につっつかれて聞かれたときも、内心焦りながら「女の子がいい」と言ってしまいます。嘘をつくときにさっと目をそらすのは晃太のクセ。ずっと一緒にいる幼馴染の陽翔は、晃太の嘘に薄々勘付いていたのでした。

晃太だからこそ特別だ


陽翔の隣りにいられるだけで満足だと自分に言い聞かせてきた晃太ですが、陽翔がふざけて壁ドンをしてきたり、軽いスキンシップにもいちいちドギマギ。

バレてしまわないよう、不自然な反応になっていないかと、いつも気持ちをセーブしている晃太は、ある日陽翔の自宅にゲームに誘われます。

ところが陽翔の部屋で2人きりになったとき、陽翔が晃太の気持ちに気づいていることを何気なく口にします。関係が壊れるのが怖いから、と思わず手で陽翔の口をふさぐ晃太。

しかし陽翔は、ずっと晃太が自分を想っていたことをかわいいと感じていました。思ってもみなかった陽翔の反応に、晃太は涙ながらに「陽翔が好きだ」と告白します。

「好きでごめんって泣くほど自分に惚れてくれてる奴を、ほっとくほど馬鹿じゃないよ」

陽翔の答えに晃太は半信半疑の状態です。しかし陽翔は「ずっと一緒にいた幼馴染の晃太だからこそ特別だと思える」と、晃太をギュッと抱きしめるのでした。

無自覚にエロかわいい晃太


はじめてのキスのあとに「気持ちいい」とさらりと言ったり、初エッチのときも抵抗せず「嫌がったら陽翔がやめてしまうから」とモジモジしてしまったりと、初々しい晃太の反応に振り回される陽翔。

初エッチでは、過去に女子と遊んでいたことで慣れているぶん、陽翔はスマートに晃太をリードして基本余裕なのですが、晃太に不意打ちでぐらつかされるところがまだまだ青くてかわいかったです。

エッチ後に「好きでごめん」と、晃太に言われたセリフをまんま言い返し、イケてる顔面をフル活用した微笑みで晃大を再び落としにかかる陽翔は、やはり文句なしにかっこよかったです。

感想まとめ


好きでごめん、と言ってしまう晃太が健気で切ない…1回フラれるねこれは、と思っていたら、陽翔が晃太の気持ちを汲み取って受け入れたのにはびっくりしました。晃太が一番驚いたでしょうけど。

陽翔としては、女の子との遊びにはそろそろ飽きてきて、晃太の気持ちには薄々勘付いていたので、心のどこかでもしそうだったら自分はどうするのかということを、これまでにも考えていたのかもしれません。

「離れるなんて考えられない」と陽翔のほうこそ思っていたわけで、幼馴染としてずっと一緒に過ごすうち、晃太の存在がかけがえのないものになっていたのでしょう。

人は自分にはないものに憧れる生き物です。晃太のブレない一途な想いや地味だけど健気な性格は陽翔にはないもので、だからこそ「失いたくないもの」として陽翔の瞳には映るようになっていったに違いありません。

陽翔の想いを知ってか知らずか、恋人として付き合うことになっても、晃大がどこか陽翔に対して遠慮しているところがとてもいじらしかったです。

陽翔の「好き」は自分と同じ「好き」ではないと思い込んでいたり、恋人になってもエッチは最初からあきらめていたり、長年の片思いをこじらせている晃太でしたが、そこまでめんどくさい男だとは思わなかったのは、欲望には割と忠実だったからでしょうか。

キスやエッチには積極的とまでは言わずとも、先延ばしにしたり変に陽翔をじらしたりせずに、その大きな胸に飛び込んで行ったのは素直で好感が持てました。

また1話終わりの相関図も興味深かったです。晃太が陽翔の顔に見とれていて電柱に激突したことがあるwとか、陽翔の身長は190センチなのにまだ伸び続けているとかw

お友達の司くんがゲイ寄りのバイだとかの設定も、もしかすると2巻で生きてくるのかもしれません。ところで司くんは髪をおろしたところがハイライトだと思うのですがどうでしょう。おろした方が絶対イケメン。

ごねずに2人がくっつくお話が好きな人、くっついてからのあれこれを楽しみたい人、ストーリー全体を通して幼馴染モノの超王道なのでBL初心者の人にもおすすめです。

あとがきによると、2巻は文化祭を描きたいということなので、高校生らしいイベントで起こるあれやこれやが楽しめそうです。1巻でも十分完結していますが続きが読めるのは嬉しいな。2巻を楽しみに待ちたいと思います。

オカモト優先生のBLコミックス