エスケープジャーニー3巻の感想まとめです。さまざまな壁を乗り越えた太一と直人の、互いに想いやる恋に決着がついた最終巻です。

2巻の発売が2016年11月だったので1年半ぶりの3巻ですね。連載がしばらくお休みで、再開するまで1年ほどかかったので、その分ちょっと遅れた感じです。

すれ違いや葛藤、友達や家族へのカミングアウトまで、スムーズとはいかなかった2人の関係。これ以外の結末を誰が望んだことでしょう。この先の確かな未来を感じさせるラストに胸がいっぱいです。

それでは以下、おげれつたなか先生の「エスケープジャーニー」3巻の感想です。ネタバレ注意です。

エスケープジャーニー3巻 電子書籍


エスケープジャーニー 3

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エスケープジャーニー3巻 ネタバレ感想まとめ


改めて直人に告白する太一


顔を寄せてきた仁科に驚いて距離をとる直人。仁科は切なげに、太一と直人がお似合いだと告げ、事実上の恋の敗北宣言をしました。

直人を探し出した太一は、人目も気にせず大声で「好きだ!」と告白します。想いが通じ合った2人はそのままホテルへ。いっぽう大学構内では、2人のことが噂になり始めていました。

エスケープジャーニー3巻13話 ネタバレ感想

母親に会いに行く太一


大切な人にはカミングアウトをすると決め、自分の母親に会いに行く太一。今は別の家庭を持っている母親は「男同士では子どもを持てないから幸せになれない」と主張しますが、当然太一の気持ちは揺らぎませんでした。

いっぽう家族でくつろぐ直人は、兄に「ゲイは生物学上の異常」と言われてカチンときてしまいます。黙っていられなくなった勢いで自分がそうだと言ってしまい、久見家のリビングは凍りついてしまいました。

エスケープジャーニー3巻14話 ネタバレ感想

直人の家族へのカミングアウト


家族の前でついうっかりポロリしていまい、ひとりで部屋にこもる直人。太一は、電話で直人が困っているのを感じとると、すぐに久見家に駆けつけてくれました。

両親の前で太一と並び、付き合っていることを告げる直人。養子縁組をしたいという2人に、直人の母親は「2人でいることが不安だからという理由なら反対です」と告げます。

「自立して人目を気にしなくなったときに養子縁組をすればいい」という直人母の優しい言葉。太一は温かい久見家の雰囲気に思わず涙ぐみ、直人も家族にカミングアウトできて安堵していました。

エスケープジャーニー3巻15話 ネタバレ感想

すっぴんミカりんの大号泣


大学の親友であるミカりんが、直人に会いにやってきます。いつもメイクバッチリなのに、ノーメイクのすっぴんで息を切らせてやってきたミカりん。連絡のつかなくなった直人を心配してのことです。

ミカりんに、1年の時から太一と付き合っていると告げる直人。気を遣わせたくなかったから黙っていたのですが、ミカりんは大号泣。友達同士が付き合うなんてごく普通のこと。ミカりんはあっさりと受け入れてくれました。

エスケープジャーニー3巻16話 ネタバレ感想

一緒に生きるってそういうことだろ


大学へ戻った太一と直人を、4年間一緒に過ごした仲間たちは、いつも通りの態度で迎え入れてくれました。仁科くんも、直人にスケッチブックを渡して自分の気持ちに区切りをつけます。

自転車に乗ってコンビニに向かう途中、急に海を見に行くことになった直人&太一。直人は太一の背中を見て、ふと昔を思い出して涙ぐみます。

何も考えずにいられた高校時代とは違い、いろんなことを経験して共に成長してきた2人。直人は太一と一緒に1歩ずつ歩んできた幸せを、今さらながらに噛みしめるのでした。

エスケープジャーニー最終回 ネタバレ感想

感想まとめ


直人の想い、太一の想い、両方が重なって今があります。このとき一緒に見た海を、直人はきっと歳を重ねおじいちゃんになっても忘れないことでしょう。もちろん太一も。爽やかなラストに感無量です。

太一の母親のことはリアルだなあと思ってしまいました。考え方は人それぞれ。男同士を頭から受け入れられない人は少なからずいて、実際の世間の大多数の反応は太一の母親のようなものなかもしれません。

直人の両親は、直人がコミュ力高めの明るい性格に育った理由が分かるような、温かくて懐の深いご両親でした。

特に直人母が、養子縁組に「今は」反対だと諭して、でもそれを押し付けないという姿勢には、大人として本当にステキだなと思いました。

親友であるミカりんの想いもかっこよかったです。異性の友達で親友になれる人って貴重で、大切な人のために泣けるミカりんにジーンときました。

2人はまだ大学4年生です。就職して社会に出たら、想像以上にいろんな現実が2人の前に立ちはだかることでしょう。友達含め付き合う人たちが変わり、考え方や生き方に影響を受けることもあるでしょう。

悪意がなくても2人の関係を揺るがそうとする人や、思ってもみない唐突な良くない出来事が、この先の2人に襲いかかってくる可能性だってあります。

でも今の太一と直人なら、きっと何があっても力を合わせて乗り越えられる。そう信じさせてくれる終わり方に安堵したし、覚悟をもって一緒に生きるという選択をした2人を心から応援したいです。

おげれつたなか先生、素敵な作品をありがとうございました。次回作も楽しみにしています。

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