明虎に認めてもらいたい卯一は、株の売買で利益を出して明虎に貢献しようとします。それを苦々しい気持ちで見つめているのは、明虎の側近の浅生田でした。
そんな浅生田に目を付けたのが、一筋縄ではいかない松見です。松見は言葉巧みに、明虎をコントロールするよう浅生田にもちかけます。前回の復習はこちら。
ジェラシー3巻13話ネタバレ感想 スカーレット・ベリ子
それでは以下「ジェラシー」14話のネタバレ感想です。
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ジェラシー3巻14話感想 ネタバレあり
あいつは帰ってくる。俺にはわかる
初詣のお参りに来て、お賽銭箱に10万円をつっこむ卯一。周囲の一般人たちは、その万札の束にびびってしまいます。成功する未来しか見えていない卯一は、お願い事は思いつきません。
しかし絶好調と思っていた卯一が、真っ青になって走ります。その手には、明虎のマンションに置いてあった金塊がありました。
金塊が消えたマンションでは浅生田が呆然として立ち尽くしています。しかし明虎には「いずれこうなる予感がしていた」と冷静です。
当の明虎は「気分転換に散歩にでも行ったんじゃないか?」と至って呑気です。
「若、やはりあれはダメです。救ってもらった恩を仇で返すどうしようもないクズです。もう関わり合いになるのはやめましょう」
明虎に進言する浅生田。しかし明虎は「待つ」と言って動きません。
「あいつは返ってくる。俺にはわかる」
明虎から信頼を得ている卯一に、苦い気持ちのまま浅生田は焦ります。
信頼とは薄い紙一枚を積み重ねるようなもの。くりかえしくりかえし長い時間をかけて、作り上げていくからこそ厚みが出るのです。
(あの2人はいっときの多幸感に酔っているだけだ。ただの思い込みを本物の信頼関係だと信じている。あまりに幼稚で浅はかだ。アレがくるまでそんなことはなかった。若がそれに気づいていないのが問題だ)
浅生田は、ひとり車内で悶々としていました。
卯一が駆け込んだのは松見のところだった
金塊を抱えた卯一は、なんと松見の事務所へ飛び込んでいました。そこで「金塊を担保にして1億円かしてほしい」という無茶なお願いをします。
焦っている卯一を見て、松見は株で負けたのだとピンときていました。しかし卯一は必死で否定します。
「僕は絶対に間違ってない!間違いなく打ったはずなのに追い証が発生したって電話がかかってきて!株はチャート通りに下がっていて儲かるはずだったのに、絶対におかしい!」
早く明虎のいるあのマンションに戻りたい卯一は必死です。松見はそんな卯一の提案を受け入れ、金を貸すことにしました。
「宿ないから松見さん家に泊めて」
卯一はホテル代すら浮かせて本気で株に投じるつもりです。
やはり君は坊ちゃんと繋がりがあるのか
家を提供する松見は、卯一が持ってきた金塊が花村一家のものだと気づいていました。卯一は松見が花村に自分を売るのではないかと警戒します。
しかし松見は「株の結果次第だな」と余裕の表情を浮かべました。
「いくら破天荒な君でも命は惜しいだろ?本当に自分が間違ってないなら証明してみなさい」
「松見さんってやくざっぽくないね」
卯一の目には、松見は身内への義理よりもお金を優先するやり手のビジネスマンのようだと映っていました。
松見は「君とはしばらくビジネスパートナーということだ」と怪しげな笑みを浮かべワインを開けました。卯一はそれを疑いもせずに飲み干します。
その夜、人の生活の匂いがまったくしない松見家で、なかなか寝付けない卯一は、本を読んで気を紛らせようとします。しかしなぜか足元がおぼつかず頭がぼんやりしてふらつきます。
眠りに落ちるあの瞬間が大嫌いな卯一。たったひとりで沼の底に沈んでいくようで怖いのです。思わず明虎の名を呼んだ卯一の目の前には、松見がいました。
ビキみな表情の松見は、ワインに盛られた薬で眠ってしまった卯一を抱きかかえます。
「やはり君は坊ちゃんと繋がりがあるのか…」
複雑な気持ちを見抜かれた浅生田
浅生田は下積みに出した少年に会いに行きました。まずは自分を磨くことから始まって、それこそが下積みの正しい道筋だと信じている浅生田。
(下積みの経験なくこの世界に入ったところで、いつかは自滅してしまう。取り返しがつかなくなる前に今潰しておくべきだったのだ)
自分に何かを言い聞かせるような浅生田は、今ならまだ明虎を正しい道筋に戻せると考えていました。するとそこへ松見がひょっこりと浅生田を探してやってきます。
「君は山三証券の株を操作したか?」
いきなり核心をついてくる松見に、浅生田はとぼけようとしました。しかし、松見の追及をかわすことはできません。
松見は卯一が手元にいること、さらには証券会社の知人から「顧客の株を脅されて操作することがある」という情報を得ていることをチラつかせます。
浅生田はつまり、証券会社の卯一の担当を脅して株を操作していたのです。
「最近の坊ちゃんの暴走と、人を惑わすあの男と、君の焦り。だいたいが繋がった」
「…恐れ入りました」
「君の忠義と行動力には感服した。カタギの彼に極道との差を見せつけてやったわけだ。敵ながらあっぱれだよ」
松見には認められたものの、肝心の明虎には浅生田の気持ちは何も伝わっていません。部下の忠義というのは、なかなか上には伝わらないものです。
「君は私の若い頃によく似ているよ。私も素手で便所掃除から始めたものだ」
松見の言葉に感銘を受けた様子の浅生田は…。
ジェラシー14話 感想まとめ
わーやっぱりあの電話は、浅生田が卯一の株の担当を脅すものだったんですね。前回、真面目すぎる浅生田に明虎が「俺を出し抜いてみろ」と言っていましたが、ちゃっかり(?)卯一の邪魔をしていました。
不気味な松見さんに卯一を人質のようにとられたのは痛いですが、卯一としては、株で負けてしまった金を取り戻して一刻も早く明虎に会いたい気持ちでいっぱいで、その危うさに気づいていません。
卯一が松見さんに利用されるのは目に見えていますがどうなることやら。。。ハラハラします。
それに松見さんが、浅生田の言動を見て彼に目をつけたのも、さすがとしか言いようがありません。
極道の世界における男の嫉妬や羨望というものが、どれほど利用価値があるものかを、松見さんは経験上よく知っているのでしょう。
明虎のためと暗に謳って浅生田をけしかけるのも、松見さんにはお手のものです。一筋縄ではいかなすぎるこの渋いおじさまを倒してからじゃないと、ラスボスにまではたどり着けなさそうな予感(違)
次回は5/30発売のシェリプラス2019年7月号です。
それではまた「ジェラシー」15話の感想でお会いしましょう。
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