花恋つらね27話の感想です。コミックス5巻の内容のネタバレになるのでお気をつけください。

若手が主体となる新春歌舞伎の大役を任された源介と惣五郎は稽古に励みます。2人の関係を知った惣五郎の祖父菊右衛門は立役の大御所雲之介に源介を託しました。

雲之介は源介には特に厳しい言葉を投げかけます。自分の芝居を否定された源介はそれでも前向きに稽古に励み、舞台初日を迎えます。前回の復習はこちら。

花恋つらね5巻26話 ネタバレ感想 夏目イサク

花恋つらね5巻 電子書籍



花恋つらね5巻27話 感想 ネタバレあり


メンタルが強い源介


新春浅草歌舞伎の初日。まずはお正月によく上演される華やかな一幕が終わり、惣五郎はダッシュで楽屋に戻り次の舞台に備えます。

実は今回の惣五郎の相部屋は、まさかの蔦丸さん。冷静に惣五郎に声をかける蔦丸さんは、さすが源介の兄というべきか、落ち着いていました。

かつて惣五郎は蔦丸に敵認定されていましたが、惣五郎の祖父である菊右衛門が蔦丸に稽古をつけることになったのが功を奏し、それ以降は普通に惣五郎とも話してくれるようになっています。

案外仲良くなれた惣五郎と蔦丸。そこへ源介が通りかかります。源介はことのほか雲之介にキツくあたられていましたが、その後の稽古でも引きずる様子も見せずに頑張っていました。

(やっぱりメンタル強いよなあ)

平気そうな源介を見て、惣五郎は感心しきりです。

源介の惣五郎へのファン目線は健在です


あっという間に昼の部が終わり、体力不足を感じている惣五郎。蔦丸さんはそれよりもハードに、夜と昼で浅草と歌舞伎座を梯子出演していました。実は蔦丸さんは源介よりも体力があるのです。

(やばい、俺大谷屋兄弟に勝てるもんがないぞ。あ!顔!?)

密かに内心焦っている惣五郎w

いっぽう源介は楽屋で惣五郎のファンっぷりを発揮していました。それを忠さんに見られても平気そうです。しかし惣五郎は気が気ではありませんでした。

「なあ今の大丈夫か?おれ忠さんにもお前とのこと話してない」

「いきなり態度を変えるほうが変じゃね?それにファンの立場って都合がいい気がする。お前のことすげえ見ててもおかしくないし」

気にする惣五郎に、源介は余裕なのでした。

エリートな女性役に手ごたえを感じる惣五郎


夜の部になり、惣五郎の配役が決まってから、あらゆる人に心配された勝負どころの舞台が始まります。「鳴神」の惣五郎の役どころは、色仕掛けをするエリートでやり手のお姉さん。

最初は惣五郎も不安でしたが、演じる際に源介とのことを思い浮かべると、スムーズに役に入って行けるようになりました。

台本を読みこめば読み込むほど、意外といけるのではないかという手ごたえを感じていた惣五郎。

いろいろあっても、すべては恋しい人のため。考えるほど他人事とは思えぬ色恋のあれこれを演じるたび、惣五郎は役に気持ちが入り込んでいきます。

それは観客にも伝わっていました。

舞台をモニターで見ていた源介は驚いてしまいます。いつの間にか自分よりもずっと先を歩いていく惣五郎。片や自分は雲之介にも認めてもらえず、殻を破ることができません。

楽屋では忠さんも感動して、泣きながら惣五郎を迎えてくれました。

「いつの間にあんな大人の芝居ができるようになったんです?まさかそういう経験をしたからとか言わないでくださいよ。大人の恋みたいな?」

「ないない!俺シャワー浴びてくる!」

惣五郎は絶好調、いっぽう源介は…


源介とのいろいろがあったからこそ、今回の恋心のからんだ役に入り込めた惣五郎は満足気です。

(俺、源介に会ってからどんどん舞台が楽しくなってる)

嬉しい気持ちでいっぱいになった惣五郎は、シャワーで源介の舞台を見逃してしまいました。源介は残念そうですが、これは仕方ありません。

源介は惣五郎の今日の役を「最高だったな!やっぱお前すげえわ」と褒め称えます。

(お前のことを考えながらやったって言ったら、源介はどんな顔をするかな)

照れながらもご機嫌な惣五郎。しかし源介は、いまひとつ手ごたえのつかめないことで、舞台裏で密かにため息をついていました。

花恋つらね27話 感想まとめ


源介スランプのターンです。一皮むけるには何かが足りない。その何かが掴めないからモヤモヤしています。観客の反応は悪くないので失敗ではないけれど、大成功でもないという微妙な感じなのでしょう。

演じていて手ごたえを感じられず、同い年の惣五郎が絶好調なのを見て、焦る気持ちも募っているのではないでしょうか。

雲之介にキツく当たられても一見ポジティブに頑張っている源介は、本当はショックで霧が晴れない状態の中でも懸命に演じています。

いくらメンタルが強いといっても、源介もまだ10代の高校生。若さは武器にもなりますが弱点にもなる諸刃の剣です。

なかなか弱音を吐かない源介なので、惣五郎に支えてもらいつつ、パンクしないうちに何かふっきれるきっかけが見つかるといいなと思います。

雲之介さんもまた、寿一郎さんの面影を今の源介に求めすぎているのかもしれません。期待しているからこその厳しさもあるのでしょうが。

雲之介さんと寿一郎さんは、2大立役者として歌舞伎界を盛り上げてきたライバル同士。思うところも多々あることでしょう。

どうやって源介がつらい今の状態を抜け出して、手ごたえをつかむのか。はたまた惣五郎とのウキウキお泊りはいつになるのか。

次回は6/14発売のディアプラス7月号です。6月号は予告にお名前がないので1回お休みのようです。

それではまた「花恋つらね」28話の感想でお会いしましょう。

追記)28話の感想を書きました。

花恋つらね5巻28話 ネタバレ感想 夏目イサク

夏目イサク先生のBLコミックス



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